書物蔵

古本オモシロガリズム

雑誌年鑑(復刻版)の内容見本から

雑誌の通史を見るためにひっくり返した雑誌年鑑。実は元版でなく復刻版。昭和61年に大空社が3冊揃い分売不可で65000円で売り出したものぢゃ。ところが大空社は1999年4月に一度、倒産してしまい、それ以前の本が買えなくなってしまっておるのはマジメな図書館には残念なこと。まあマジメなところなら当時買っておるだろーけどね。
それはともかく。
むかしの復刻のよくないところの一つとして、解説をあまりつけないということがある。で、そのかわりとして機能するものが、内容見本といわれる宣伝用のチラシ。かなりあっさりとしたものだけど、なぜその本が復刻される意義があるのかについて書いてあることがほとんど。
で、いま気づいたんだけど、この内容見本がはさみこまれてた。
ってか、以前使っていた昭和14年版には挟み込みがなかったなぁ。森さんにあげちゃったので確かめようもないが…。ん?(・ω・。) わちきは単体で昭和14年版をネットで1万2千円ぐらいで買って、さらにそのあとそろいを五反田において1冊500円で買ったんであげちったのだ(^-^*)
さて、そのチラシをば見てみると。。。
推薦のことばとして3名の人が書いている。

雑誌研究の立ち遅れ

わが国の出版史の研究は、従来、単行本中心に進められ、逐次刊行物では新聞に重点が置かれていた。(略)種類が多種多様で、(略)そのために本格的な雑誌研究が発展せず、その立ちおくれが出版史のみならず現代史研究にブレーキをかけてきたのである。

と言ったのは杉原四郎(甲南・関西大学名誉教授:当時)。
あれれーぇΣ(゜∀゜;) これとまったくおなじよーなことを大澤さんが2010年にいっとるね。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20110426/p2
とゆーことは。。。
雑誌研究ってば、気づかれてはいたのに個別研究の積み上げだけでここ20年以上推移してきたとゆーことーぉっつ!(゚∀゚ )

昭和二十年前後五年ぐらいの出版物は想像以上に世に残ってなく(略)国立国会圖書館でも納本は十分でないのである。当時の雑誌を把握するに、まことに有難い資料(復刻の記事や目録が役にたつ)

と言っているのは朝倉治彦四日市大学教授:当時)。
文意がいまいちはっきりせんけど、朝倉さんほどの人でも帝国図書館の雑誌が納本で集まってたと誤解しとったのはオモシロ(ってか雑誌蒐集率3割以下研究が出たのは1989年だからしょーがない)。
あと、明治新聞雑誌文庫(当時)の北根豊とゆー人が、

明治新聞雑誌文庫では、明治時代は勿論のこと、大正および昭和戦前期の雑誌を意識してその収集に努めているのが現状で(略)

と書いているのが意外。大正や昭和前期も積極収集してたとは意外だったなぁ。