書物蔵

古本オモシロガリズム

昭和3年に目白にあった古本屋

日本詩人クラブに属し、松坂屋に勤めていた内藤健治という人が、やはり詩人の新島栄治が困窮して目白で始めた古本屋(昭和3年から7年)のことについて書いている。

  • 内藤健治「初期プロレタリア詩人新島栄治の古本屋のこと」 『日本古書通信』48(6)(647)(1983-06)

面白いのは、開店にあたって、知人たちがカンパをしていること。そのカンパ帖を内藤氏は新島死後に入手し、紹介している。
足助素一 吉野作蔵 中根駒十郎 山崎今朝弥 宮崎龍介 木村毅 大泉黒石 赤松克麿 坪田譲治 難波英夫 下中弥三郎 川路柳虹 松下芳男 片山哲 白鳥省吾 鈴木文吉 Toki Zenmaro(土岐善麿) 仲田勝之助 米川正夫 大木篤夫 加藤一夫 北原白秋 勝田香月 大宅壮一 宮崎龍介 小川未明 野口米次郎 細田民樹 秋田うじゃく 沖野岩三郎 などなど
この内藤健治という人は、水曜荘に出入りしていた人だという。