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2013-06-01

[][][][][]「ポストモラトリアム時代の若者たち」は僕の中で2012年一番のスゴ本だった-書評-ポストモラトリアム時代の若者たち

 いやー面白い。心理学社会学哲学を往復して現代の社会構造と若者の心理と問題を鳥肌が立つくらい綺麗〜に洗い出した一冊。なぜ腐女子が増えるのか、引きこもりは本当にわれわれが想像しているとおりのキャラなのか、イケダハヤト氏や家入氏はなぜ生まれたかなど、これが答えであるとしか思えない内容が書かれている。

ポストモラトリアム時代の若者たち (社会的排除を超えて)
村澤 和多里 山尾 貴則 村澤 真保呂
世界思想社
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 本書、「ポストモラトリアム時代の若者たち」は、さまざまな社会背景の下、<モラトリアム>を自由に謳歌できなくなった若者たちの心理、環境、事例をあつかったもの。ちゃんと若者論3原則に則りながら、現在の若者について、教育や就職、価値観やヒエラルキー、心理的葛藤を淡々と描き出す快作だ。第5章で急にテンポが悪くなるのだけれどそれをさし引いても面白い。どうやら大学のゼミ輪講などでも扱っている模様。多少専門用語がでてきてもググれば高校生でも読める上参考文献もしっかり書いてあるので初心者から中級者まで非常に刺激的な読書体験を提供してくれるだろう。

 第1部では就職難の話アイデンティティ拡散の話やフォーディズム体制、パイプラインシステムの崩壊の話など。実はこのブログでもインスパイアされて過去に言及して炎上した内容である。

意識の高い人追悼2012 - 技術教師ブログ

 そこから導き出される結論は「再帰性の内面化」である。再帰性とはすなわち「自分はどうか?」という問いかけが自分に飛び掛ってくる頻度のことで、たとえば教室で誰かが人をバカにしたとき、笑いながらも自分はどうか?彼にバカにされる領域にいないか、自問自答する経験は誰しもがあるだろう。

 メディアなど種類や語り口が変わることで自問自答の頻度、すなわち再帰性は格段に高まった。たとえば近所で事故や事件が起きた場合、あなたは安全ですか?とワイドショーは問いかけてくる。例えば成功者の体験を語るようなテレビや本は、あなたはどうですか?と問いかけてくる。ネットでニートをバカにしながら、「(俺は大丈夫か?)俺はまだ大丈夫」と自分に言い聞かせる。とりわけ社会の発展に関連してメディアだけ取り出しても、ここ15年で個人メディアが爆発的に普及し、SNSで僕がマイルール宣言と呼んでいるような「ありえない」「面白かった」「これが好き」「本当にひどい」といった言葉が発せられるたびに「あなたはどうですか?」というメッセージが飛んでくる。

 通り魔のような、もしくは原発事故のようなイレギュラーが発生し、<信頼性>の高かったはずの専門家たちがつくってきたシステムが揺らぎ、常に監視と警告を必要とし再帰性が高まると、結果として若者は再帰性に苦しめられ、どの場所にいれば安全か、どの行動をすれば安心かを考えコクーニング(さなぎのように閉じたものに)する。

 これらの話をギデンズの脱埋め込み化やエリクソンアイデンティティの話、リキッドモダニティなどを引用しながら説明する。地域や国を超えて標準化が進むと共に目的論的な世界が出来上がり、目的にそぐわないものが排除される。目的を見つけることが目的だった「モラトリアム」はいつしか消えていき、目的もあいまいなまま、プレゼンテーション能力や資格や飛びぬけた経験が求められるポストモラトリアムがそこに聳え立っている。

 第2部は、1章の再帰性の高まりと社会の変化から、若者の心理モデルがトラウマ化、スティグマ化していくというものである。トラウマとは、過去の失敗や環境に問題の原因をおき、そのせいで現在の自分は理想とはかけ離れた状態になってしまった、という心理状態を指す。スティグマ化とは、ここではもともとの社会からの汚名やレッテルという意味合いとは違い、自分の内面に「その行動をすると他者から異常とみなされてしまう」というモデルを内面化してしまうことをいう。

 この二つは理想どおりに振舞えない原因を外部に求め、過度に行動や発言を恐れ脅迫化、不自由化するという共通点を持つ。いわゆる世間体のように、変に思われてしまうと排除されてしまうのではないか、と自分で自己を過度に監視し、徐々に自身を失っていくのである。もともとひきこもりなどに見られる特徴的なメンタリティが、強弱はあれど若者に浸透しつつあると筆者たちは指摘する。何度開き直っても再帰性は頻繁に襲ってくる。ビジネス書ではかっこよくメタ認知として扱われ、ひとつ上の視点を持ち分析することで仕事を効率的に活性化しようと書いてあったはずだが、一部の若者たちは過剰にメタであることを求められ、結果的には逆に去勢されてしまったということであろう。

 その後は著者たちがやっている若者ミーティングの事例や腐女子コミュニティの話がつづく。若者ミーティングでは、若者たちが心地よい距離をとりながら自主的に関われる場を提供することでひきこもりなど社会不適応から徐々に回復していく事例を解説。社会からの孤立は過剰にかかわりを求めない共同体で直していくのだという。

 また腐女子と呼ばれるメンタリティも、消費するコンテンツとしてそこにあった親殺しや思想としての男装や男殺しの物語から、徐々に自分なりに創作をして楽しむという消費に変わっていく。オタク趣味であると後ろめたいものというスティグマを抱えながらも自己を強化しオタクコミュニティという共同体の中で同じ趣味を共有しあいながらも差異化しながら自分なりの楽しみを見つけていく

 

 第3章は、第6部で急にテンポが悪くなりびっくりしてしまうことは指摘しておきたい。事実をよりわかりやすく説明するために喩えを使うが、6部だけはなぜかその喩えを使いたいがために関係ない話を引っ張り出して、今までの話で十分わかりやすかった喩えをもう一度別の喩えにおきなおすという作業を延々と繰り返す。

 話の整理自体は非常にわかりやすい。生きづらさ、息苦しさを感じている若者(別に若者に限らないのだが)は内部と排除された外部との間をさまよっているのだという。社会的に見ると若者にとって過剰に市場に適応することが現代の自分探しの行き着く先であり経済活動に取り込まれることが内部である。例えばイケメンだの巨乳だので人の価値を語るようになったり、コミュニケーション能力プレゼンテーション能力など、パーソナリティと関係なく優劣の曖昧なもので合格不合格が決められてしまう。そこに適応できない若者は内部からすこし距離を置くのであるが、一方で不登校ホームレスニート貧困など、社会から排除された外部に行きたくはないため、内部と外部の間で葛藤が起きるのである。

 軍国主義時代は軍国青年が良しとされたように、高度資本主義経済時代には市場青年とでも呼べる若者が良しとされ、一方で学生運動のような反抗ができない若者は、ひきこもるか無理やり市場に適応するか、「<新しい世界>を産み出す存在」としての<自分>を構築する。すなわち意識高い学生のように自分たちが「未来(という名の自分を中心とした世界)を切り開く!」存在として振舞おうとし、感情を中心に世界を語り共感してくれる人たちを巻き込みながら<新しい世界>を産み出す<自分>という自己を強化する。過剰に市場原理や資本主義経済に巻き込まれながらも、「評価経済が大事」「ルールに囚われない面白いことをしよう!」などと叫び内部の世界観に囚われない自己の世界観を演出しようとする。

 終章では自然状態=隷属からの自由として社会契約があったはずなのにまた自然状態に戻ったよねという辛らつな話をして終わる。教育も労働も再帰性と排除されないためのルーティーンで満たされ心理的スティグマと現実的排除の間で身動きが取れない若者はこれからも再生産され続ける。

 個人的にはこれらの圧力や自己に対する無限の監視であるスティグマに対抗するスマートな反抗をどうにかデザインできないかとこの半年間試行錯誤し続けている。ようやく数値的に景気が上向いてきているとはいえ、社会の排除のシステムはどんどん強化され続けている。うんたら再生会議が一応耳障りのいい言葉を使いながら、経済団体と組んでさらに強者の理論排除の理論隷属のための教育を強化しようとしている。教育現場は混乱と監視が続き平静を装いながらパノプティコン化を進める。混乱した現場から逃げてきた若者たちはモラトリアムをすごすこともできず労働の現場に投げ出され、去勢されながら市場に適応していくか、意識高くあり続けようとありもしない自己を演じ続ける、ある日燃え尽きて排除の対象になり消えていくのである。

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