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2016-09-25

『シン・ゴジラ』感想

シン・ゴジラ』 感想

エヴァンゲリオン」の庵野秀明さん脚本・総監督、ということで
惹かれるものはあったのですが、
なかなか映画館に行こう、という気になれず‥
しかし、日増しに評判が高まっていたみたいだし、
どうせゴジラ観るなら やっぱり大きなスクリーンに限るよね、
ということで、観に行って来ました。
で、観終わった途端、いやいやいや凄かった! もう一回観たい!
と ウズウズする気持ちを抑えられず 数日後にもう一度観に行って、
さらにその面白さにハマってしまいました。
観るたびに違う何かが感じられる、
どんどん深読みしたくなる映画だと思います。


この映画の観方というのは人それぞれでいいと思うのですが、
私は、想定外の危機に襲われた時の
日本政府の危機管理能力がどれほどのもので どう発揮されるのか、
それを映画としてどう描くのか、というところに注目して観ました。

突然ゴジラが東京湾に出現する、なんて、
それ自体はまさに「ありえない」ことではあるんだけれども、
そんな「ゴジラ=今まで誰も遭遇した事のない未曽有の危機」に対して
国として重要な意思決定をしなければならない
政府内の右往左往ぶりが臨場感たっぷりに描かれていて、
なるほどこうやっていろんなことが決められて行くのか、
さまざまな命令や支持はこんなふうに出され、遂行して行くのか、と、
(もちろん映画という虚構の中での話ではあるんだけど)
すごく納得出来るものがあったし、
ゴジラによってなぎ倒された後のガレキの山、避難所生活、マスク、
除染、防護服、ガイガーカウンターの警告音、マイクロシーベルトの値、
レスキュー隊の出動、等々、
わずか5年半前、福島原発からたった50kmの場所にいて、
刻々 政府や県や東京電力の対応にかたずを呑んでいた人間としては、
何だかトリハダものの既視感(デジャヴ)があったのですよね。


理不尽に何もかも焼き尽くし 破壊し尽くすゴジラ
人によっては、台風や地震や津波といった自然災害と重ねて、
ゴジラを観ていた人もいるかもしれません。
おそらく、制作にあたった庵野さんも、
東日本大震災とそれに続く原発事故をかなり意識していたのではないか、
という気がします。

この映画にも、なぜ 今 ゴジラが出現したのか、という話が出てきます。
他の多くのゴジラ映画と同じように、放射能が関係しているのですが、
だからと言って、それを単純に原発事故と結びつけるような、
安直な作り方はしていなかったように感じました。
しかし、その出自(しゅつじ)をたどりながら、
人が作り上げたものから生まれた得体のしれない不気味なモノ、
としてゴジラを括(くく)って観た時、
私には、その「誰にも止められない巨大な動くモノ」が、
不気味な白煙を上げたあの時の原発のように思えて仕方なかった。
原子炉建屋から吐き出された強い放射線が
風の気まぐれであちこちに運ばれる、
それは、ゴジラが予測不能の動きをするのとよく似ている‥

生き物としての質感(初代の着ぐるみから継承された)を持ち、
幼体から成体へ何度も変化するにもかかわらず、
今回のゴジラには生き物としての息遣いが感じられない、
意思や感情が感じられない。
口や背中から発するのも、最終形態では火炎というより白熱光線で、
身体を動かして暴れまわるというよりも、
その光線によって何もかもが一刀両断にされる。
でも、だから(生き物としての息が感じられない動くモノだから)こそ、
逆に「容赦なく人間に大きな危害をもたらす存在」としてのリアルな怖さが
伝わって来たように思うし、
私にとっては、少なくとも私が観た今までのどのゴジラよりも
「身近に感じられる脅威」だった気がします。


ゴジラ出現という未曽有の危機に対して、
人間(日本政府)は、ひたすら、計画→実行→失敗を繰り返す、
何度も何度も跳ね返される、
未だかつて人類の誰一人として経験したことのない不測の事態に
立ち向かわなければならない人間の、なんと小さいことか、
なんと無力なことか。
しかし、そんな小さい人間一人一人が、
それぞれの持ち場で力を出し切ろうと懸命に努力する。
次から次へアイデアを捻り出す はみ出し者集団だったり、
そのアイデアを受け入れる上の立場の人間の判断力だったり、
科学者や技術者たちの英知だったり、
外国との交渉にひたすら頭を下げ続けるトップの人間だったり‥
何度もの愚かな失敗から猛烈なスピードで立ち直って
アイデアを出し続け戦い続ける日本人の総合力の結集には、
純粋にドキドキワクワクしたし、
無人の新感線や在来線による攻撃とか、
ポンプ車やタンクローリー等の特殊建機隊による 血液凝固剤投入には、
手に汗握って、ひたすら 頑張れ!と願ってしまいました。


ただ、二度目に観て気がついたのだけれど、
ゴジラは最初、自分から危害を加えようとは思っていないのですよね。
最初に上陸した時も、二度目の時も、ただ彷徨っているに過ぎない。
ただそうやって動き回ることが、結果的に建物を壊し、
そこに住む人間の生活を脅かす結果になってしまっているだけで。
ゴジラが最初に彼の唯一の攻撃法(火炎)で本格的な攻撃をするのは、
自衛隊に発砲されてからだし、
もっと強力な破壊光線を放つのは、米軍の攻撃の後。
攻撃は より大きな反撃を生む‥
そんなところにも何か含みを持たせているんじゃないか、
と、私には感じられたのですが、本当のところはどうでしょうか。

そして・・
ゴジラとの戦いは一応収束したけれども、
決してこれが終わりではない、
もしかしたらまた新たなゴジラが動き出すかもしれない、
その不安と常に正しく向き合わなければならない、
ゴジラを決して忘れてはならない、と、
希望だけではなく 重いメッセージが潜んでいるように感じられた、
そのことも、大きな意味があるような気がしました。


登場人物では、
矢口(長谷川博己)と赤坂(竹野内豊)の立場の違いが
(どちらか一人だけではうまく機能しなかったんだろうな、という点で)
すごく興味深かったし、
矢口の下で働く巨災対のメンバー(市川実日子高橋一生津田寛治
塚本晋也等)も非常に魅力的でした。
政府関係者の面々(大杉漣柄本明平泉成高良健吾松尾諭
余貴美子國村隼等)も、
あからさまな悪者だったり 露骨に失敗するような人間はおらず、
能力の差はあれ、それぞれ頑張ってくれていたのが良かった。
また、矢口とカヨコ・アン・パタースン石原さとみ)も、
甘ったるいラブロマンスなんていうありがちなつまらない展開に走らず、
硬派な作りにしてくれていたのが心地良かったです。


最後に。
パンフレットが非常に読み応えがありました。
この映画がどういう過程を経てどう作られて行ったか、
その気の遠くなるような緻密な作業の一端に触れられたのも
とても嬉しかったです。


シン・ゴジラ     
総監督・脚本・編集:庵野秀明 監督・特技監督樋口真嗣
准監督・特技総括・B班監督:尾上克郎 撮影:山田康介
編集・VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀 音楽鷺巣詩郎伊福部昭
製作:市川南 企画協力:神山健治、浜田秀哉、川上量生
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
製作プロダクション:東宝映画、シネバザール 製作・配給:東宝
キャスト:長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ
高良健吾 大杉漣 柄本明 余貴美子 國村隼 平泉成 手塚とおる 松尾諭 
市川実日子 津田寛治 塚本晋也 高橋一生
小林隆 粟根まこと 古田新太 橋本じゅん ピエール瀧 片桐はいり 
松尾スズキ 光石研 他
関連サイト

2016-09-05

『奇跡の人』感想 

奇跡の人』感想 

今年4〜6月にNHKBSプレミアムで放送されたドラマ
遅ればせの感想です。


こんなに何度も観返したドラマは久しぶりかもしれません。
観るたびに、登場人物の言葉ひとつひとつが心に沁(し)みて、
脚本に詰め込まれメッセージの量が多過ぎて軽々に感想を書けないなぁ
と思っていた矢先に、
相模原で大きな事件が起きてしまった。

犯人は「障害者なんていなくなればいい」と言って犯行に及んだ、
そんな彼をテレビのコメンテーターたちは こぞって
「異常な考え(思想)の持ち主」みたいに言っていたけれど、
たぶんそうじゃない、
言葉にしないだけで、犯人と同じような事を心の中で思っている人は
案外少なくないのかもしれません。

世界全体が、自分さえ良ければそれでいい、と思い始め、
分かりやすい敵を作って攻撃することでまとまろうとし始めている、
そんな 何だかギスギスした 不穏な いや〜な空気があちこちに漂う中、
事件は起きた‥
それは、そんな世の中の風潮とまったく関わりのないことでは
ないような気がします。


――― ドラマの感想に戻ります。

これはもう本当に、ただ観て下さい、と言うしかないです。
障害者が、ただ 人の助けを必要としているだけの受け身の存在ではない、
彼らから与えられるものが 受け取るものが 本当にたくさんあるんだ、
ということが、しっかりした息遣いで描かれています。
困難なことや苦労はたくさんあるけど 彼らは“普通”に生きている、
必ずしも「障害者ドラマ=お涙頂戴の感動美談」である必要はない、
と改めて思います。


私の身近にも障害児がいます。
だから海ちゃん(住田萌乃)のことは他人事ではなかった。
一択(峯田和伸)のように 他人でありながら自然に海ちゃんと接して、
彼女が生きるために闘っている姿を
ROCKだ!かっこいい!と思ってくれる人がいる、
海ちゃんや母親・花(麻生久美子)に対して、
「必要なのは ラブ&ピースロックスマイルだ!」と言いながら
全身でぶつかって、
不器用ながらも 必死こいて その心と繋がろうとし、
笑顔を生み出そうとする人がいる、
それが、先生とか専門家とかではない、立派でもかっこ良くもない、
ごく普通の、馬鹿だけど素朴なロック野郎だったことが、
何だか嬉しかったし何だかちょっと切なかった。

アパートの大家で一択の親代わりでもある風子さん(宮本信子)の、
「馬鹿で何も考えてないやつが
突然まっとうなことをへたくそな言葉で訴えるとなぜか心打たれるもの、
人によってはそれを“ロック”と呼ぶらしい。
でも、ロックとは基本荒々しいもの、つまりずさんなものであり、
計画性やら現実性とは無縁のもの。
‥でどうするの?ということは何も考えていないものなのです」
「この男馬鹿である。
けれど忘れないでいただきたい、奇跡は馬鹿が起こすものなのです」
こんなナレーションに微苦笑しながらも、
その「馬鹿で荒々しくてずさん」な一択に無性に惹かれて行く。
だって この男ったら、難しいことを難しく悩まず、
道徳的なお堅い考え方とは無縁のところで、
単純に すべてロック魂で乗り越えちゃえ!って考えてるからさぁ‥w

一択のシンプルな考え方が
徐々にアパートの住人(浅香航大、中村ゆりか光石研)にも沁みて行く、
迷惑に感じたとしても決して否定や拒絶はしない、
それぞれの立ち位置で花や海ちゃんに接する彼らの姿にもホッとする。
  (一択があんなに大騒ぎして海ちゃんと格闘してたら、
  彼らとしても見て見ぬふりは出来ない、否応なく巻き込まれちゃった、
  って言った方が正しいのかもしれないけどw)
そうして‥
小さなスプーンにも存在意義があるように、
誰でも どんな人間でも 生きていていい、この世に存在していていいのだ、
自分もまたどんな姿であれ生きていていいのだ、
という当たり前のことが、少しずつ外の世界へと広がって行く、
一択の祖母・イワ(白石加代子)や、友達の馬場ちゃん(勝地涼)や、
一度は逃げ出した海の父親・正志(山内圭哉)までも巻き込んで‥

このドラマをメルヘンだと思う人、ありえないと思う人、
実際にはこんなにうまくいくはずがない、
と思っている人もいるかもしれない。
どんなきれいごとを言っても、
やっぱり 障害者もその家族もかわいそうだし不幸だし、
正直自分は関わりたくないものだ、と。

だけど、そんな人にこそ言わなくちゃならない、伝えなくちゃならない、
みんな どんな形であれ生きることと闘っている、
言葉にならない声にも、軽く触れた指にも、かすかな笑顔にも、
間違いなく誰かの心を温め 動かす力がある、
そういう力をみんなが持っている、
それだけでも 誰もが生きている意味がある、
あなたも、私も、彼らも、変わりなく‥
実際に接してみれば分かる、触れてみれば分かる って、
やっぱり信じたいから‥
恐れずに 厭(いと)わずに 憐れまずに 近寄って 触れて 与えて
そして 受け取って――と。

このドラマは、小さな小さな世界物語でありながら、
実は大きな世界のことを語っているように思います。
幸せって何だろう、生きる意味って何だろう、と考えさせられる‥
なんて言うと、大袈裟なようで気恥ずかしい気もしますがw
その難題にスッパリと切り込んでくれたのが
一択みたいなふざけたヤツだったから、
逆に、観る側としても素直にいろんなものを受け取れたような気がします。


伝えたいことをたくさん持った脚本、丁寧な演出、
そして出演者たちの熱演、すべてに引き付けられるものがありました。
特に、
一択に銀杏BOYZ峯田和伸さんを配したのはお見事!
また、海ちゃんを演じた住田萌乃ちゃんには本当に驚かされました、
三重苦の子という難役をあの歳で演じられるってすごいなぁ、と。
麻生久美子さんのシャキッとキリッとした感じも良かったなぁ。
アパートの人たち(浅香航大、中村ゆりか光石研)が、
海を介して、それぞれに心を開いて繋がって行き、
大切な何かを掴みつつ緩やかに変化して行く様子も微笑ましかった。
風子さん(宮本信子)や イワさん(白石加代子)は
さすがの存在感だったし、
馬場ちゃん(勝地涼)のキャラも好きだったけど、
何と言っても 私が一番惹かれたのは正志(山内圭哉)でした。
喧嘩っ早い彼の芯にある弱さ、優しさ、彼なりのロック
一択以上の馬鹿なんだけど、
だからこそ奥底からじんわりと伝わる もどかしさ が何とも切なかったし、
そんな彼が、海ちゃんや一択が闘っている姿に触れて変わってくれたことが
とても嬉しかった。
しかも、最後に「貧乏な足長おじさん」なんていう
とんでもなくかっこいいところに落ち着いちゃうなんて‥(泣笑)


これから先‥
彼らがどんなふうに生きて行くのか、観てみたい。
海ちゃんには もっともっと外の世界に出て行って欲しい。
そうして、彼女が周りの人たちに自然と受け入れられて行ったように、
世間のさまざまな壁を 一択や花と一緒に打ち破って欲しいです、
障害と闘うことはロックだ、
闘いながら生きる人はかっこいい、
彼らと共に生きることは自分の糧(かて)にもなる、と前向きに素直に思える、
そんな 心しなやかで 心優しく 心たくましい人が少しでも増えて、
誰もが もう少しだけ楽に息の出来る世の中になるように。


…うまく感想がまとまりません。
もし 読んで不快な思いをされた方がいたらごめんなさい。


奇跡の人     
放送日時:2016年4月24日 - 毎週日曜 22:00-22:49 <連続8回>(NHKBSプレミアム)
脚本:岡田惠和 演出:狩山俊輔、田部井稔(AXON) 音楽井筒昭雄
制作統括:後藤高久(NHKコンテンツ開発センター)、河野英裕(AXON)
プロデューサー:大倉寛子(AXON)
制作・著作:NHK、AXON
キャスト:峯田和伸銀杏BOYZ麻生久美子 住田萌乃
浅香航大 中村ゆりか 喜多道枝 勝地涼 山内圭哉 光石研 
白石加代子 宮本信子 他
公式サイト

2016-07-11

『トットてれび』感想

トットてれび』感想 

幼い頃、『ブーフーウー』やら『チロリン村とくるみの木』やらの
子供向け番組を夢中になって観て育ち、
夢で逢いましょう』も かすかに覚えている私のような年代には、
うわ〜っ懐かし〜いっ!という気持ちが呼び覚まされる
ドラマバラエティーでした。
ただ楽しいだけじゃなく、ドラマとしてのきちんとした ‘重さ’ もあって、
見ごたえのあるものになっていたのが嬉しかったです。

黒柳徹子さん(トットちゃん)の声は、私にとって、
大山のぶ代さんや野沢雅子さん、田中真弓さん‥といった
声優さんに対するリスペクトのルーツと言ってもいいのですが、
そのトットちゃんを演じた満島ひかりさんが、
もう本当に 黒柳さんの個性=魅力みたいなものを
見事に体現してくれていて、
表情や動き、特に特徴的な声(話し方)を
「真似してる」と感じさせない自然さで表現してくれていたのには
感動してしまいました。

彼女を始め、キャスティングが最高にハマってましたね。
まぁ、よくぞこれだけ集めましたね、という感じ。
森繁久彌吉田剛太郎さん)、渥美清中村獅童さん)、
向田邦子ミムラさん)、坂本九錦戸亮さん)、
沢村貞子岸本加代子さん)、E・H・エリック(パトリック・ハーランさん)、
三木のり平小松和重さん)、クレージーキャッツ(我が家)…etc
(中でも、のり平さんを演じた小松さんは、私のツボに入りまくり、
出て来るたびに ニンマリしてしまいましたw)

いつもトットちゃんたちに振り回されているNHKのディレクターを
程よくユーモアとペーソスを交えて演じていた濱田岳さん、
こんな馴染み店があったらいいなぁ、と思わせてくれた中華飯店、
その店の主人・王さんを演じた松重豊さん、
温かなナレーションでほっこりさせてくれた小泉今日子さんも
とても良かったです。

大森南朋さん、武田鉄矢さん、吉田栄作さん、安田成美さんらが
出番は少ないながらもきっちり締めてくれたほか、
新井浩文さん、福田彩乃さん、北村有起哉さん、青木崇高さん、
木野花さん、三浦大知さん、高橋愛さん、田中要次さん、岩尾望さん、
片桐はいりさん、中村優子さん、山中崇さん、前野朋哉さん、
ピエール瀧さん、松田龍平さん…といった そうそうたる顔ぶれが
次から次へとチョイ役で出て来るのも楽しくて、
今回は誰が出て来るんだろう、と、画面の隅から隅まで探したりして。
まさか この人がこの役を?というところで出てこられると、
やられた!という気分にもなりました。(嬉し楽しい敗北感w)


生放送だったテレビ創成期のエピソードを楽しく紹介した前半から、
後半は、トットちゃんと親しかった、向田さん、渥美さん、森繁さんとの
別れが描かれます。
彼らとトットちゃんのエピソードは、
(30分番組なので)そんなに詳しく描かれているわけじゃないんだけど、
とにかく丁寧で、深くて、何だかいろんなことを考えさせられて、
すごく切なかった。
向田邦子(を演じたミムラさん)、渥美清(を演じた中村獅童さん)、
森繁久彌(を演じた吉田剛太郎さん)と
トットちゃん(満島ひかりさん)の醸し出す空気感が素晴らしくて、
四人の生き様(いきざま)が すごく胸に響いたし、
人の命の重さ、とか、抗(あらが)えない運命(事故・病気・老い)、とか、
去られていく側・残される側の寂寥(せきりょうとか、
死というフィナーレに向かって生きていく覚悟とか、
そういったものを、押しつけがましくなく伝えてくれていたように感じました。

王さんが、森繁さんがテレビで「知床旅情」を歌うのを観て、
ホームのみんなと一緒に歌うシーンに思わず泣けてしまったのは、
私も 寄る年波 というものを感じ始めているから、なのかもしれないけどw
でも、ちょっぴり切なく寂しく感じつつも、
「何があっても、前を向いて、
夢と希望を失わずに明るく楽しく生きて行かなきゃね!」 という
先輩方からの(背中をそっと押されるような)柔らかな励ましを頂いたようで、
何となく背筋がシャンとするような気持ちにもなりました。

…それにしても、黒柳さんって、
人との出逢い、人との触れ合い(気持ちの重なり合い)を
大切に大切にする人なんだなぁ、と改めて思った次第。


最後に―――
こういう楽しい番組を観ると、つい、
最近ちょっと熱が弱まって元気のない「テレビTV)」に、
頑張れ!とエールを送りたくなってしまいます。
テレビに携わるすべての人が、
熱い夢と希望を己(おのれ)の身内に再び呼び覚ましてくれんことを、
そして、
しがらみに囚(とら)われない面白い番組をたくさん作ってくれることを、
テレビと向かい合ったこの場所から願い続けて行きたいです。


トットてれび     
放送日時:2016年4月30日 - 毎週土曜 20:15-20:43 <連続7回> (NHK総合)
原作:黒柳徹子トットひとり』『トットチャンネル
脚本中園ミホ 演出:井上剛 川上剛 津田温子 制作統括:加賀田透
プロデューサー:訓覇圭 高橋練 取材:小松昌代
音楽大友良英 Sachiko M 江藤直子  演奏大友良英スペシャルビッグバンド
挿入歌:「買い物ブギ」歌:中納良恵(EGO-WRAPPIN') 「上を向いて歩こう」歌:錦戸亮
「スーダラ節」 歌:トットてれびオールキャスト ほか
キャスト:満島ひかり 中村獅童 錦戸亮 ミムラ 濱田 岳
安田成美 松重豊 大森南朋 武田鉄矢 吉田栄作 岸本加世子 吉田鋼太郎 黒柳徹子 
語り(パンダ):小泉今日子
各回ゲスト新井浩文 福田彩乃 菊池亜希子 小松和重 北村有起哉
坪倉由幸 杉山裕之 谷田部俊
パトリック・ハーラン 内田慈 高橋愛 田中れいな 久住小春 elfin'
青木崇高 木野花 三浦大知 田中要次 岩尾望 片桐はいり 中村優子 
山中崇 前野朋哉 ピエール瀧 松田龍平 他
公式サイト

2016-07-07

シネマ歌舞伎 『阿弖流為』 感想

シネマ歌舞伎 『阿弖流為』 感想

いや〜映画になっても面白かった!『阿弖流為(アテルイ)』。
シネマ歌舞伎は二次元の世界
当然 自分の目の前に本物の役者たちがいるわけじゃないんだけど、
それでも、生で舞台を観ているのと同じような、
ほとばしる程の半端ない熱量がバンバン伝わってくる‥
カメラを通して観てもその熱気が弱まらない‥のは 何故だろう。

私は、この芝居を一度生で観ています。
だから、ストーリー展開も、登場人物たちの行動や感情も、
すでに自分の眼や頭に刷り込み済みです。
それでも、改めて新鮮な気持ちで「面白い!」と感じられる、
ここはこうで、だからこうなって‥などといった(観劇した時の)記憶を
呼び覚ますことを許さないぐらい、
展開が速く、物語として面白く、人間たちの魅力に溢れている、
それは、やはり元々の『阿弖流為』という作品自体が、
大きな魅力に溢れているから、なんでしょうね。

その上に、一体何台カメラを使ってるの?というぐらい、
客席からでは味わえないような
様々な場所から捉えたカメラアングルの楽しさや、
VFX等を駆使した迫力あるシーン、等々、
生の舞台では味わえない「映像」としての面白さも加わって、
観る側を 阿弖流為の世界 にどんどん引きずり込んで行きます。

登場人物から伝わってくるものも、
実際の舞台とはまたちょっと違っていて。
間近で表情を見ると、さらに受け取るものが多くて
役者たちがどれだけ気合を入れて演じているかが如実に伝わってくる。
うわーこんな繊細な表情してたのか!とか、
こんなに神々しかったのか!とか、こんなに憎々しかったのか!とか、
また、衣装にこんな手の込んだ細工が施されていたんだ!とか、
そんな驚きやら感激やら感動やらてんこ盛りで、まったく飽きない。
すごいなぁシネマ歌舞伎!すごいなぁ阿弖流為!
  (個人的には、阿弖流為と田村麻呂が名乗り合うシーン、
  舞台では、両花道を使っていて、
  どっちも観たい私は 右観たり左観たりで忙しかったんだけど、
  映画では、二人の立ち姿が一つの画面の左右に収まっていて、
  じっくり見られたのが嬉しかった)
  (あと、終盤セリ(スッポン)から上がって来る鈴鹿の
  人外の儚(はかな)げな美しさったら!)

以前は、舞台中継やゲキ×シネ等を観ていて
演者の汗がすごく気になる時があったのだけど、
今回はあまり気にならなかった。
逆に、激しい動きがもたらすその汗のきらめきによって、
彼らが 一瞬 研ぎ澄まされたアスリートのようにも見えて、
何だかジンと来てしまった‥のは、
惚れた弱みで 私の眼が眩(くら)んだせい なのかなぁ。w

ともかく、舞台を観た人にも十分楽しめる、
舞台とはまた違った、映画ならではの魅力満載の
シネマ歌舞伎『阿弖流為』でした。

ところで‥
映画向けのパンフレット(プログラム)はなかったのでしょうか。
劇場版とはまた違った視点でのキャストスタッフの言葉や裏話など、
ゲキ×シネ並みの読み応えあるパンフ、見てみたかったです。



歌舞伎NEXT『阿弖流為』(舞台)感想はこちら→ 舞台感想


6月30日(木)福島フォーラム

シネマ歌舞伎『阿弖流為』     
作:中島かずき 舞台演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎 中村勘九郎 中村七之助
坂東新悟 大谷廣太郎 中村鶴松 市村橘太郎 澤村宗之助
片岡亀蔵 市村萬次郎 坂東彌十郎 他
関連サイト

2016-06-29

『最後のレストラン』(第8話〔最終回〕/坂本龍馬)感想

最後のレストラン』(第8話〔最終回〕/坂本龍馬)感想 

最後に来て、締まった内容になったように思います。
好みの問題かもしれませんが、
私は、今回や前回(楊貴妃)、あるいは5話(アントワネット)あたりの、
ヘブンズドアの面々(特に園場)が
あまりおちゃらけた笑いを入れ込まない回のほうが好きでした。

いや、絶対お笑いがダメ、アホやっちゃいけない、というわけではなくて、
たとえばこれが『デカ☆黒川鈴木』みたいなドラマなら、
全編 脱力系のアホな笑いで通すというのも十分にアリだと私は思うので、
あの時、白石という役をあんなふうに演じた田辺さんに対しては
納得行ったんですけどね、好き嫌いは別として。

でも、このドラマは30分しか時間がなく、
お笑い場面が ただ一瞬のものだったり苦笑にしかならなかったりで、
コメディとして練り上げられていないことが多く、
  (途中までは お笑い部分が 徐々に こなれて来るんじゃないか、
  という期待があったのですが、なかなか難しかったみたいですね)
特に、園場にそういう未消化な笑いを入れられてしまうと、
後半、このドラマの肝となる、
死を目前とした偉人たちに園場がふるまう料理の意味、というものが、
どうしてもすんなり受け入れられないことが多くなってしまって、
私としては それがすごく残念でした。

原作ありのドラマは、
基本的に原作を読まないことにしているので、
このドラマお笑い部分が
原作にどれだけ近づいていたかは分かりませんが、
中途半端に笑いを取ろうとしないで、もうちょっと落ち着いて、
自然な笑いの中で物語が展開していたら、
観る側としても もっとすんなり入って行けたように思うし、
登場人物たちも そのほうがもっと
各々の魅力が伝わりやすかったんじゃないか、という気がしました。
改めてドラマ全体を振り返ってみて、
最初から今回のようなテイストで行った方が良かったんじゃないか、
と (あくまで私個人としての感想ですが) そんなふうに思いました。

でも、最終回となる今回は、なるほどなぁ、という内容で、
「なぜ偉人たちはこの店に来るようになったのか」という基本的なところを
ちゃんと納得させてもらえたのは良かったです。
千恵ちゃんの涙には、観ているこちらとしてもグッと来るものがありました。
ここに残りたいなら自分が作ったこのケーキ以上のものを作ってみろ、
という園場の、毅然とした一言にも、惹かれました。
千恵をもとの世界に戻すために、
園場は面津とともに、自分たちが持っている力をフルに出し切って
あのケーキを作った、だから千恵は心を満たすことが出来た、
もとの世界に戻る勇気を得ることが出来たのですよね。

その時の千恵と周囲の人たち、
特に園場との距離感が私にはすごく心地良かった。
この空気感が、最初から出来上がっていたら‥と、
またつい愚痴が出てしまうのですが(苦笑)
終盤になってようやく、ではあっても、それが味わえたのは嬉しかったです。

(無理な笑いが入らなくなった)前回あたりから、
ようやく私の中で、田辺さんと園場が無理なく繋がるようになり、
人間・園場としての魅力が、薄っぺらなものでなく
感じられるようになって来た‥
そして、またここに戻って来たい と千恵が自然にそう思えるような、
素敵な雰囲気が醸し出されていたように感じられた‥ のですが‥
ファンとしての贔屓目が多分に入っているでしょうか。w


最後のレストラン     
放送日時:2016年4月26日 - 毎週火曜 23:15 - (NHKBSプレミアム)
原作:藤栄道彦最後のレストラン」 脚本:高山直也 谷岡由紀 演出:近藤俊明 音楽辻陽
制作統括:磯智明(NHKコンテンツ開発センター)、櫻井美恵子(国際放映
制作:NHK 国際放映
キャスト:田辺誠一 木南晴夏 鈴木浩介 石黒英雄 福田麻由子 神保悟志
トリンドル玲奈 大和田獏 
池内万作ゲスト) 他
公式サイト