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 ★≪路地裏より愛を込めて≫全エントリー   ★カテゴリー別タイトル一覧【2014/06/25更新】      


2014-07-23

今さら『37歳で医者になった僕』(第4話)感想

2012年4月〜6月に放送された連続ドラマです。

今さら『37歳で医者になった僕』(第4話)感想

今回の患者は、引退した大女優・羽山早苗(江波杏子)と、
自殺未遂で入院した吉野香織(岡野真也)。
キーワードは「役割」。


紺野(草彅剛/草なぎ剛)の婚約者・葛城すず(ミムラ)から
自分の患者が亡くなった時の気持ちを訊かれ、
「医者は神様じゃない。
どんなに適切な処置をしても、治るのは患者さん自身の力です。
逆に、明らかな医療ミスでもない限り
医者が患者の死に関わることはありません。
医者の出来ることはその程度だというのが私の考え方です」
と森下(田辺誠一)が答えるのですが、
この言葉、患者にとっては非常にドライに感じられるものではあるけれど、
でも、的確に「医師の役割」というものを示しているように思いました。

以前『ラストホープ』というドラマを観た時に、
医師たちが何度か「自分にまかせろ」的な発言をしていて、
それはそれで頼もしいと思ったのだけれど、
それは、医師の‘技術’ が治療の成否を大きく左右する外科と、
外科ほど‘技術’に頼れない内科の違いから来るものなのかな、
という気もしましたし、
いずれにせよ、私たち患者や家族の側は、
医師に多くを望み過ぎているのかもしれない、とも思いました。


さて、森下から、
「紺野先生がどう判断するかは別。どこに線を引くかは人それぞれ」
と言われた その紺野は、どう ‘医師としての線引き’ をするのか・・


今回の患者のひとり、
羽山早苗(江波杏子)は手の施しようがない末期がんで、
ホスピスに移るまでの少しの間だけの入院なのだけれど、
疑似家族をレンタルし、「幸せな引退女優」を演じ続けることで、
最期まで「女優」という役割を全(まっと)うしようとします。

刹那に出会う人々(観客)の前で女優として生きる、
そのプライドが自分自身の支柱になる、
それもまた潔(いさぎよ)い生き方だけど、どこか寂しげなのも確かで。


一方、リストカットした自殺願望者・吉野香織(岡野真也)は、
下田(八乙女光)の杓子定規な言葉に傷つき、
「誰にも迷惑かけない自殺の方法を考えなさい!」という
沢村(水川あさみ)の言葉を振り切るように退院。

彼女の後を追った紺野は、
「医者として患者とちゃんと線引きしろ」と森下に言われた言葉を思い出し、
病院のドアを出て行くことを一瞬 躊躇(ちゅうちょ)しますが、
その脇を下田が一気に駆け抜け、紺野もドアから一歩踏み出して外へ。
バス停まで追って来た下田や紺野に説得され、病院に戻る吉野。

「何にだって正しい役割はあるんです。
世の中には手首を切るために作られた剃刀なんてないですし、
首を吊るために編まれたロープなんてないんですよ」
この紺野の言葉も、なかなか印象的でした。


羽山が退院してホスピスに向かう日、
紺野は、吉野と一緒に見舞いに行く、と言って羽山を驚かせます。
自己満足だけど、「吉野さんも僕も羽山さんに関わったから」と。

しんどくても怖くても、人は人と繋がって生きている。
誰も一人では生きられない。

人と深く関わろうとしない孤高の大女優にしたって、
女優として多くの人たちの心を掴んで影響を与えて来たんですよね、
彼女の演技によって自分の未来を決めた人間(=森下)も いるほどに。
それもまた関わったことには違いない。


羽山の見舞いに行く・・、亡くなった木島(甲本雅裕)の墓参りに行く・・
それが、紺野が決めた「患者との線引き」であり、
悩みながら探り当てた「医師としての自分の役割」。

前回、木島の死に引きずられそうになっていた紺野に
「線を引け」とストップをかけた森下も、今回は彼の選択を認めてくれた。
まぁ、森下の‘大人’っぷりは、あいかわらず半端ないですね。

でも、羽山早苗の『ミラクルドクター治子』観て医者を志したなんて、
なかなかキュートな一面を披露してくれて
彼女のサイン貰って嬉しそうにはにかんだりして、
出番少なくとも 印象的な存在であることには違いなく。
さらってくれるなぁ、と、森下贔屓(びいき)が加速する私なのでした。


37歳で医者になった僕     
放送日時:2012年4月-毎週火曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本古家和尚 演出:白木啓一郎 プロデュース:木村淳
原作:川渕圭一「研修医純情物語〜先生と呼ばないで」
「ふり返るなドクター〜研修医純情物語
音楽菅野祐悟 主題歌:「僕と花サカナクション 制作著作:関西テレビ放送
キャスト:草彅剛 水川あさみ ミムラ 八乙女光 桐山漣
鈴木浩介 でんでん 斎藤工 真飛聖 田辺誠一 松平健  
ゲスト江波杏子 岡野真也 阿部力甲本雅裕(回想)  『37歳で医者になった僕』紹介サイト 

2014-07-18

今さら『37歳で医者になった僕』(第3話)感想

2012年4月〜6月に放送された連続ドラマです。

今さら『37歳で医者になった僕』(第3話)感想

今回は、何だか息苦しくなるほど切なかったです。
患者が亡くなった、ということもそうですが、
その死に関わった人たちの痛みが無理なくじんわりと深く表現され、
だからこそ余計に「死」の重みが伝わって来る・・
立場によって違う 彼らの感情の流れにリアリティがあって、
身につまされるものがありました。


末期の膵臓がんで余命半年、
ホスピスへの転院を勧められている木島(甲本雅裕)に、
治験段階の新薬の存在を伝える紺野(草彅剛/草なぎ剛)。
薬を使って助かったのは10人のうち7人、
しかし、残り3人は、長くて3週間 短くて5日で死んでしまっている。
「紺野さんが、治る、大丈夫だ、って言ってくれたら使う」
と、死の確率に不安を抱えた木島は言いますが、
森下(田辺誠一)や沢村瑞希(水川あさみ)からは、
「医者の言葉には責任がある、
軽々しく治すとか治るとか言ってはいけない」と釘を刺されます。

医師として患者の気持ちにどこまで踏み込んだらいいのか、悩む紺野。
この時、一種のリトマス紙になっていたのが、
木島の娘から渡されたキャンディ
担当医の新見(斎藤工)や沢村が受け取らなかったキャンディを、
紺野は受け取り、それを食べるのですが、
最後の一個は道路に落ちて、車に轢かれて粉々になる・・

キャンディをもらってしまったら、
医師は、患者のささやかな喜びや幸せばかりではなく、
死に至る哀しみや痛みも、全部まともに浴びてしまうことになる。
日々、多くの患者と接する医師にとって、
患者一人一人の想いや願いまで一緒に背負う、ということは、
とても大変なこと、辛いこと、とても苦しいこと。
だからこそ、医師は皆 キャンディを受け取らない、という線を引く。
だけど・・

木島からの、
紺野の献身的な治療に対する御礼と、
彼のおかげで、死にゆく準備ではなく生きる可能性に向かえた、
そのことに感謝する手紙を読んで、
「医者として失格かもしれないけど、治るって言ってあげればよかった。
ぼくはお守りを渡せなかった」と、堪(こら)え切れず涙をこぼす紺野。
「大丈夫」「治る」という言葉を、
最後までどうしても木島に掛けてあげることが出来なかった、
その紺野の苦渋に、こちらの気持ちも思わずシンクロ
隣に座っていた沢村が、
そんな紺野の胸の名札をはずし、
医師ではなく紺野祐太という一人の人間に戻してあげる、
その無言の優しさにも胸が詰まりました。


たぶん・・
紺野は、きっとこれからもキャンディを貰い続ける気がします、
それがどんなに辛く苦しいことでも、
患者の「病気」や「死」に 慣れない自分でいるために。


追記。
1話の北村総一朗さん、2話の徳井優さん、そして今回の甲本さん・・
患者さんを演じた俳優さんたちはそれぞれ迫真の演技で、
その、役との向き合い方、病気との向き合い方に、
非常に真摯で丁寧で優しい気持ちや心がこもっているように思えて、
すごく惹かれました。

特に今回の甲本さんの、余命半年のがん患者の姿には、
それらしい、とか、うまい、とかいう言葉では十分でない、
もっともっとぎりぎりまで突き詰めた真剣な佇(たたず)まいがあって、
惹き込まれてしまいました。
伝わるものがたくさんある俳優さん、リスペクトです。


37歳で医者になった僕     
放送日時:2012年4月-毎週火曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本古家和尚 演出:三宅喜重 プロデュース:木村淳
原作:川渕圭一「研修医純情物語〜先生と呼ばないで」
「ふり返るなドクター〜研修医純情物語
音楽菅野祐悟 主題歌:「僕と花サカナクション 制作著作:関西テレビ放送
キャスト:草彅剛 水川あさみ ミムラ 八乙女光 桐山漣
志賀廣太郎 鈴木浩介 でんでん 斎藤工 真飛聖 
田辺誠一 松平健  
ゲスト甲本雅裕  『37歳で医者になった僕』紹介サイト 

2014-07-17

今さら『37歳で医者になった僕』(第2話)感想

2012年4月〜6月に放送された連続ドラマです。

今さら『37歳で医者になった僕』(第2話)感想

気軽に話しかけるのがためらわれるほど てきぱきし過ぎていたり、
診療の時パソコンの画面ばかり見て患者の顔をまともに見なかったりで、
結果、患者に名前さえ覚えてもらえない医師・・
レントゲンやら血液検査やら 不案内の病院を動き回らせられたあげく、
希望していない個室に入院させられる患者・・
今回も、大病院ならこんなこともあるある〜と思いながら観ました。

佐伯教授松平健)が、
総合内科のベッド稼働率がトップになったことを喜んだり、
森下准教授田辺誠一)による
他の科との連携を強化するシステム構築の提案を、
それは利益にならない、とつっぱねたり、
「儲けを出すために大事にしなければならない3つのこと、
1・ベッドコントロール、2・関係各所への根回し、
3・患者のためなんていうきれいごとは言わない」といった言葉にも、
医療をビジネスライクなものとしてしか捉えていない姿が露骨に出ていて、
患者目線でこのドラマを観ている者としては、ちょっと切なかったです。

まぁこれはドラマだから いくらか大げさに作ってあるとしても、
実際に自分の周りでもそういう空気が感じられる病院もあったりして、
何だかちょっと むなしく思うことも・・

確かに、病院のトップの立場からしたら、
新しい設備の充実やサービスのためには利益を上げなければならない、
「経営」というシビアな現実が立ちはだかっているのも
事実ではあるんでしょうが。
(ふと『空飛ぶタイヤ』の狩野を思い出しました)


そんな病院経営の損得勘定などおかまいなし、
患者さんのためなら何でもしますよ、と、
自分の担当外の患者にまで声を掛ける紺野(草彅剛/草なぎ剛)。
でも、その言葉を拡大解釈して、
ジュース買ってきて、なんて使い走りを頼む患者も出てきたりして、
(いるよね〜、こういう人も)
研修医仲間に迷惑をかける結果になってしまいます。

そんなふうに、自分の意図するところが
なかなか患者や周囲の人たちに通じないこともあるけれど、
それでも、患者の望むこと・求めていることを出来る限り掬(すく)い取ろうと、
紺野は動き続けます。


患者が抱えている悩みが、病気ばかりじゃない場合もあって。
今回の患者・桑原(徳井優)にとって
身体の不安とお金の不安は同じくらい重い問題。
これ以上お金が掛かることを心配して、
病院にいながら自分の身体の不調を医師に伝えることをためらう、
そんな哀しいことってない。

そんな患者(しかも担当外)の病気以外の問題にまで
積極的に係わろうとする紺野は、当然のことながら周囲と衝突。

医師が治療するのは、病気なんだろうか、
それとも病気を抱えた人間なんだろうか・・
なんてことを考えさせられました。
(そんなセリフ、ドラマ内のどこかで出て来たような気がするけど)

「沢村先生(水川あさみ)の言う通り、理想だけじゃ患者は救えない。
けど、技術や知識だけで理想を持たない医者にも
患者を救うことは出来ないと思う」という紺野の言葉が重かったです。


そんな紺野に感化され始めた沢村瑞希が、
少しずつ桑原との距離を縮めて行くところが良かった。
紺野が桑原に医療費減免についての資料を持って行ったら、
すでに沢村が持って来た ていねいな注釈つきの資料が・・
そして、桑原も彼女の名前を憶えてくれて・・
このシーンにグッと来てしまいました。

いやいや、いいですね、ツンデレ風味の瑞希ちゃん。
彼女、このドラマで私の一番好きなキャラになりつつあります。


担当じゃなくても患者の個人的な相談にのれるように
名刺をくばることにした、という紺野、
若い研修医の下田(八乙女光)や谷口(桐山漣)から、
医者の仕事は接客業じゃないって言われたばかりじゃないですか、
と諌(いさ)められますが・・
「じゃあ医者の仕事って何だと思います?」
「そりゃ患者を治療すること・・」
「もちろんそうです。
でも、患者さんが納得して治療を受けるためには、
医者の側がちゃんと向き合って分かりやすい説明をしたり、
患者さんに安心感を与えてあげる必要があると思うんです」
「それって・・」
「接客、ですよね、患者さんはお客さんなんですから」

・・ああ、ほんと、こういうお医者さんに診てもらいたいものだ、と
つくづく思いました。


37歳で医者になった僕     
放送日時:2012年4月-毎週火曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本古家和尚 演出:三宅喜重 プロデュース:木村淳
原作:川渕圭一「研修医純情物語〜先生と呼ばないで」
「ふり返るなドクター〜研修医純情物語
音楽菅野祐悟 主題歌:「僕と花サカナクション 制作著作:関西テレビ放送
キャスト:草彅剛 水川あさみ ミムラ 八乙女光 桐山漣
志賀廣太郎 藤吉久美子 鈴木浩介 でんでん 
斎藤工 真飛聖 田辺誠一 松平健  
ゲスト徳井優  『37歳で医者になった僕』紹介サイト 

2014-07-11

今さら『37歳で医者になった僕』(第1話)感想

放送は2012年4月〜6月。
諸々の事情で私がブログを一時お休みしていた時の作品です。
8話以後の感想は初見時にupしています(こちら→8話 9話 10話 11話が、
1〜7話の感想を書いていなかったので、
今さらですが、1話から順を追って書きたいと思います。



今さら『37歳で医者になった僕』(第1話)感想

このところ医療系ドラマが多くて、
それぞれの視点も切り口もさまざまで、
それぞれに面白いところも物足りないところもあったりするのですが、
このドラマは、登場人物の設定やセリフに共感出来るところが多くて、
一人一人のリアルな心情に身につまされるものがあったり、
何かしら響くものがあったりして、毎回とても惹きつけられました。

病気を治すこと=身体を治すこと、ばかりじゃない、
患者が何を求めているのかの見極めや配慮、患者の心のケア、
患者が十分に納得した上での治療、を、
果たして医師たちは、ぎりぎり突き詰めて考えてくれているのか・・


第1話の患者・多田(北村総一朗)は
実はかすかに意思の疎通が出来るのだけれど、
担当医の新見(斎藤工)はそれに気づいていない。
胃瘻(いろう)の手術を控えているけれども、
普通の食事がしたい、という希望を捨てられないでいる。

37歳の研修医・紺野祐太(草彅剛/草なぎ剛)は、
そんな彼に、誤嚥(ごえん)性肺炎の危険性を説明したうえで、
やわらかいものを食べてみるテストを提案、
新見や他の医師たちに無断で多田にゼリーを食べさせてしまいます。
結果、多田はゼリーを嚥下(えんげ)することが出来、
胃瘻手術は一時見送られることに。

正直、この時は、紺野の行動をかなり危なっかしく感じたし、
助かることが前提の‘ドラマ(というフィクション)’ だから出来たこと
だとも思ったのですが、
でも、こんなふうに医師のほうから患者に歩み寄って、
患者の希望や本音を受け止め、
何とかしてそれを叶えようとする姿勢って、
本当はとても大事なことなんじゃないか、という気がするのですよね、
治療に関して患者を納得させ安心させる力を持つのは医師しかいない、
ということを考えても。

「医者は接客業じゃない」と新見は言ったけれど、
会社勤めの経験があり、しかも営業を担当していた紺野にとっては、
患者=お客様と捉えるのは自然なことで、
その紺野の視点が、すごく新鮮に感じられました。


内容の深まらないカンファレンス、
回診で「もう少し様子を見ましょう」としか言わない教授松平健)・・

医師にとっては何百人といる患者の一人に過ぎないけれど、
患者にとって、その家族にとっては、
掛け替えのないただ一つの命なのだ、と。
病気の恋人を持つ紺野にとって、
医師としての視点だけではない、患者の家族という立場にいることが、
とても重要であるように思いました。
だからこそ、
今も これからも 見えるものがたくさんあるのではないか、と。


それにしても・・
「納得していないのに同意書にサインしたのなら
それは患者がバカだから。
インフォームドコンセントもセカンドオピニオンも
患者が自分の身を守るためにある。
医療訴訟がこれだけニュースになってるのに
いまだに医者の言うことが全部正しいと思ってるなら
バカとしか言いようがないでしょ。
医者に判断を丸投げした時点で患者の負けなんですよ」
という沢村瑞希(水川あさみ)の言葉には、グサッと来たなぁ。
患者や家族もまた、医師としっかり対峙(たいじ)して、
病気に立ち向かう態勢を整えなければならない。
あたりまえのことを忘れがちになってしまっている自分にも、
ちょっと反省させられました。


さて田辺誠一さん。
研修開始早々カンファレンスで無駄を指摘した紺野へのまなざし・・
最後に紺野を見送った時のほんのかすかな笑み・・
その表情に含まれるものの深さ・複雑さに、
やっぱり一筋縄じゃ行かない俳優さんだ、と再認識。
初見の時、そんな 万事‘大人’ な森下が好きだったのを思い出しました。
2話以降の再見が楽しみです。


37歳で医者になった僕     
放送日時:2012年4月-毎週火曜 22:00-(フジテレビ系)
脚本古家和尚 演出:三宅喜重 プロデュース:木村淳
原作:川渕圭一「研修医純情物語〜先生と呼ばないで」
「ふり返るなドクター〜研修医純情物語
音楽菅野祐悟 主題歌:「僕と花サカナクション 制作著作:関西テレビ放送
キャスト:草彅剛 水川あさみ ミムラ 八乙女光 桐山漣
志賀廣太郎 藤吉久美子 鈴木浩介 でんでん 甲本雅裕
斎藤工  真飛聖 田辺誠一 松平健  
ゲスト北村総一朗 岩本多代  『37歳で医者になった僕』紹介サイト 

2014-06-27

『夫のカノジョ』感想まとめ

夫のカノジョ』感想まとめ

夫のカノジョ DVD-BOX
4月にDVD-BOXが発売になりました。感想をまとめておきます。

夫のカノジョ
放送日時:2013年10月24日(木)21:00-(TBS系)
脚本:江頭美智留 横田理恵/演出:二宮崇 三木康一郎 塚本連平
原作:垣谷美雨夫のカノジョ
編成:加藤新/プロデュース:井上竜太(ホリプロ)
キャスト:川口春奈 鈴木砂羽/鈴木福 古川雄輝 大友花恋
柳沢慎吾 山村紅葉/渡辺えり/片平なぎさ田辺誠一 他 

『夫のカノジョ』公式サイト


夫のカノジョ』(第1話)感想

最初から最後まで物語が緩(ゆる)むことなくスピーディに進み、
あれよあれよという間に終わってしまいました。
二人の身体が入れ替わる、というとんでもない展開も、
最終的に(クリスマスには)元に戻る、ということが約束されているので、
安心して観ていられたし、
コメディとして、もともとシチュエーションの妙味がある上に、
俳優さんたちがドラマの世界観に無理なく溶け込んでいるので、
無理矢理 笑わせられているような痛々しさもなく、
笑いの中に、伝えたいことを分かりやすく噛み砕いて入れ込む等、
ドラマとして あきさせない、うまい作りにもなっていて、面白かったです。
物語を構成する骨組みがしっかり出来ているように思いました。


まず、主人公の二人が魅力的でした。
夫の浮気を心配する妄想癖のある菱子に鈴木砂羽さん。
その夫が勤める会社の派遣OL星見に川口春奈さん。
性格から何からまったく正反対の二人を演じ分ける、というのは、
なかなか大変なんじゃないかと思うのですが、
二人ともオーバーアクトになることなく素直に演じていて、
その空気が伝わって来たせいか、
こちらとしても、肩の力を抜いて楽しく観ることが出来ました。


菱子と星見と周囲の人たちの、3ヶ月限定の成長物語
というコンセプトがしっかり見えているということは、
二人が入れ替わることによって、さまざまな困難を切り拓いて行く、
そうするうちに 、自分にとって大切なものが見えて来る、
最後には元の身体に戻ってめでたしめでたし・・
といった、これからの進路や辿り着く先が ある程度予想出来るわけで、
観る側としては、
登場人物の心の中を深く掘り下げて読む必要がないので、
(そのあたりは「半沢直樹」に通じるような気もしますが)
単純明快・勧善懲悪なストーリーに素直に乗っかってしまえば、
ドタバタな展開になっても、彼女たちを愛せそうな気がするし、
今後、彼女たちや周囲がどう変わって行くのか、
余裕を持って楽しんで観続けられるんじゃないか、と思いました。


田辺誠一さん。
菱子(鈴木砂羽)の夫で、星見(川口春奈)の上司でもある麦太郎。
ほとんど添え物扱いだった前回(山内弘高@斉藤さん2)に比べると、
今回は、コメディではあっても、彼独特の‘軽さ’だけでは演じきれない
なかなか重要な役になりそうな予感がします。
星見(中身は菱子)に徐々に惹かれて行ったりしないだろうか・・
菱子(中身は星見)に違和感を持ち始めたりしないだろうか・・
心が入れ替わった菱子や星見と接することによって、
麦太郎自身はどう変化して行くんだろうか・・
その折々の素直な感情を、田辺さんはどう演じてくれるのか・・
それもまた、楽しみにしたいと思います。

脚本:江頭美智留 演出:二宮崇



夫のカノジョ』(第2話)感想

今回も、あっという間に終わってしまいました。
面白かったですが、凄くテンポが速いので、
正直、50過ぎのおばさん(私)は追いかけるのがやっと。w
もう少し 全体の流れに緩急をつけてくれると、
さらに余裕を持って物語に入り込めるんじゃないかと思うのですが、
まぁ、ありえない設定に観る側を引き込むために、
あえてスピーディな展開にしている、とも思えるし、
そのリズム感がいい、とも言えるわけで。
これから徐々に落ち着いた場面も出て来るかもしれないので、
それを待ってみたいと思います。


それと、音楽BGM)が、私にはちょっと気になりました。
いや、曲自体はとても魅力的なんですが、
あまりにも頻繁に使い過ぎるし、音が大き過ぎるように思うし、
セリフに被(かぶ)ってしまうことも多いので、
時々うっとおしく感じられるのが、なんとも もったいない。
もう少し、使うシーンを絞り込んで欲しいと思いました。


前回、「シチュエーションの妙味」と書きましたが、
それは今回も活(い)きていました。
身体が入れ替わる、というのは、決して目新しい話ではないのですが、
同級生の男女、とか、父親と娘、とか、ではなく、
同性の、しかも夫の(不倫相手と妻が誤解している)部下と
その妻の身体が入れ替わる、というシチュエーションにしたことで、
他の入れ替わり作品同様「ありえない話」ではありながらも、
チェンジしたことで二人が‘経験’して得るものが、より現実味を帯びた、
観る者が共感出来るようなものになっている気がします。


星見(川口春奈)は、菱子の専業主婦としての柵(しがらみ)をぶちこわし、
菱子(鈴木砂羽)は、自分の経験値を生かして
星見を OLとしても女性としても一人前にして行く・・
長所が相手の短所を補って、お互いが魅力的な女性になって行く・・
そのステップがそれぞれの場で見え始めたことが、興味深かったです。


そんな彼女たちの妨げとなる人たち・・
たとえば、商品開発部・杉下(石倉三郎)にしても、
PTA会長・相川千代乃(山村紅葉)にしても、
根はいい人、という雰囲気が感じられて、なかなかの好印象。


杉下は、星見(中身は菱子)に
開発部としてのメンツをつぶされたはずなのに、
相手のいいところはちゃんと認めているし、
星見の料理のアイデアをそのままそっくり貰っちゃおうというほど、
ずるくもないし、適当に仕事をしているわけでもない、
コメディとはいえ、ちゃんとした大人の部分がある。


相川は、なかなかやっかいな相手ではあるけれど、
どこかチャーミングなところがあって、憎めない。
トラブルメーカーには違いないけれど、
こういうメリハリのはっきりしたドラマ(特にコメディ)には、
彼女のような、単純明快なヒール(悪役)が必要なのかな、とも思います。


田辺誠一さん。
たとえば、実(11人いる!)とか、白石(デカ☆黒川鈴木)とか、
弘高(斉藤さん2)とか、と同じように、
完全にコメディ仕様の演技になってしまうのかな、と思ったら、
そこまで浮きっぱなしの感じはなく、少しだけ重みを加えてあって、
そこが興味深かったです。
もう少しシリアスの色味を足してくれると、
もっともっと役に深みが出るような気がしますが、
田辺さんにしてみれば、そのあたりは全体の調和を鑑(かんが)みて・・
ということなのかもしれません。


二人のチェンジに気づかない麦太郎は鈍感、という
第1話の感想も散見しましたが、
そもそも誰かの身体がチェンジするなんてありえない話ですからね〜
多少性格が変わっても、外見が菱子であれば愛し続ける(らしい)、
一方、中身が菱子の星見にも惚れてしまう(らしい)、
・・とすれば、結局どっちに転んでも菱子を愛してるには違いないわけで、
菱子への愛が揺るがないムギムギ、なかなかいい男じゃないか、
なんて、私なんかは思い始めているわけですが。w


さて、菱子が いつ そのこと(麦太郎の揺るぎない愛)に気づくのか、
そこに至るまで、麦太郎の「外見が星見で内面が菱子」への想いが、
どのように表現されるのか・・
まずは脚本、頭なでなでぐらいじゃ満足出来ない田辺ファンの
溜飲を下げるようなシーンをどうかプリーズ、江頭さん。


   余計なことですが、田辺さん、顔がちょっと赤いのが気になりました。
   風邪でも引いてたんでしょうか。



脚本:江頭美智留 演出:二宮崇



夫のカノジョ』(第3話)感想

今回一番好きだったシーンは、
帰りのバスの中、取り巻き母親たちとPTA会長・相川(山村紅葉)が、
お互いにちょっと気まずくてギクシャクしつつも、
それとな〜く、またいつものポジションに戻って行くところ。
結局、彼女たち誰も(相川を含め)が、悪意を持っていない、
愛すべき人たちだったことが伝わって来て、
さりげないシーンだったんだけど、何だかとても「いいなぁ」と思ったし、
その様子を見ていた菱子(中身は星見/鈴木砂羽)の、
ホッとしたような微笑にも、ほっこりさせられました。


一方、星見(中身は菱子/川口春奈)のことが
何だか気になる麦太郎(田辺誠一)。
前回「中身が菱子の星見にも惚れてしまう(らしい)」と書きましたが、
今回、星見の頭をポンポンしている麦太郎を観ていて、
ひょっとしたら、それは、恋愛感情じゃなくて、
家族愛なんじゃないか、という気がして来ました。
つまり、麦太郎は、
星見のことを娘のように思って心配しているんじゃないか、と。
これから物語がどう進んで行くか分かりませんが、
今のところ、私には、そんなふうに感じられたりもして。


考えてみたら、麦太郎は、菱子と星見が入れ替わる前から、
菱子に対して、ひとりの女性としてではなく、
パートナー(妻であり子どもたちの母親でもある)としての
愛し方をしていたような気がします。


田辺さんの演じ方としては、
(中身は菱子である)星見を好きになってしまうのか、
娘のように思って接するだけなのか、どっちに展開しても大丈夫なように、
まだ麦太郎の感情にしっかりした芯を持たせていない感じですが、
それが これからどう変わって行くか・・
恋愛感情を抱いてしまうのか、娘のような感覚のままなのか、
そのあたりを田辺さんがどう演じてくれるのか・・
というあたりも、楽しみにしたいと思います。


脚本:横田理恵/演出:三木康一郎



夫のカノジョ』(第4話)感想

あいかわらず重さがなく、いい意味で切実な痛みがないので、
肩肘張らずに楽に観ていられます。
コメディで この軽さを持続するのは、けっこう大変だと思うのですが、
深刻にならないような設定と、俳優さんたちのリズム感が、
うまく作用しているように思います。
特に、鈴木砂羽さんは、
独特の軽み(かろみ)があり、中身は20歳という設定に違和感がなく、
サバサバした感じが 役に合って、とても魅力的。
(病院まで全力疾走、病室の前で息切らしてる姿に笑)
一方の川口春奈さんは、動きもあまりなく、発散することも出来ず、
すごく難しいことに挑戦しているのですが、
気持ちの作り方が自然なのか、
涙がぽろりとこぼれるシーンなどに惹かれるものがあります。


ただ、 「軽い面白さ」として見せるのも、長く続くと飽きて来るのも事実で、
確かに面白いけど、
夫の麦太郎が星見と浮気してる、という菱子の勘違いだけでは、
いつまでも物語を引っ張っては行けないだろう・・
と思ったら、今回でその誤解も解け、今後、ドラマは新展開に!
・・・・で、どうやら、誤解の輪が広がって行くらしい。w


そりゃ、あの状況(見つめ合う星見と麦太郎)を見たら、
実花(大友花恋)や石黒(古川雄輝)だって誤解するでしょうよ。
(見詰め合ってる時間長過ぎるしw)
まぁ、それは分かるとして、
予告を観ると、どうやら麦太郎まで菱子の浮気を疑ってしまうらしい。
え?なんで?と思ったら、
確かに、最近、菱子の様子がヘンですもんね。
一緒のベッドで寝てくれないわ、
病院に見舞いに来てもすぐ帰っちゃうわ、
しょっちゅう誰か(実は星見)と電話で話してるわ、
なのに自分が電話するとそっけないわ、
こりゃもしかして・・と勘違いしても仕方ない状況てんこもり。w
(外見は菱子でも中身は星見だからしょうがないんだけど)


お〜なるほど そう来たか。これはちょっと先が読めなくなって来たぞ。
・・いやいや、菱子を疑う前に、
あなたと星見の見つめ合うシーンは どういう意味があったのか、
来週ちゃんと説明して下さい、ムギさん。w


それにしても、麦太郎は本当にいい人。
星見(川口春奈)のいいところをちゃんと理解してくれている。
前回の、飲み会での、
部下ひとりひとりのいいところを名指しで褒めたことといい、
こんな上司なら、頑張れる要素たっぷり。
と思えば、ネガティブ思考の菱子(鈴木砂羽)を気遣う優しさもあり。
それをイヤミなく演じる田辺誠一さん、
何となく『奥さまは魔女』のダーリン(ディック・ヨークだ、懐かしい)
を彷彿としてしまう私は、古いでしょうか?w


脚本:江頭美智留/演出:三木康一郎



夫のカノジョ』(第5話)感想

いやー、なんだか今回が 今までで一番屈託なく笑った気がする。w
特に、石黒(古川雄輝)の妄想&勘違いには大受けしました。
古川くん、ようやく前に出て来た感じがします。


実花(大友花恋)の勘違いも可愛かった。
父親と星見(川口春奈)の あんな見つめ合いシーン見たら、
そりゃあ誤解しちゃいますよね。
それにしても、「いびきうるさいし、朝トイレ長いし、お風呂で寝ちゃうし」と、
ムギパパ(田辺誠一)、娘からさんざんな言われよう。w
でも、何だかそれって、思春期の女の子が抱きがちな感情だし、
田辺さんが そんなダメパパだということに 妙に説得力があったりもして、
(そのあたり『11人もいる!』のお父さん役の影響が大きいかも)
確かに実花ちゃんの言いたいことも分かる気がしたり、
でも、ムギパパだって かっこいいところもたくさんあるんだよ・・と、
実花ちゃんにちょっと反論したくもなったり。w


前回の、麦太郎の 星見に対する視線の意味・・
奥さんに似ている、と感じたためで、
そのことを星見に話し、それを聞いた星見(中身は菱子)が喜ぶ、
という、結果ラブラブな夫婦の会話に、ほっこり。
(この時の川口さんが可愛かった〜)


実花の誤解も解けたようだし、あと問題なのは石黒の妄想だけね・・
と思ったら、前回の予感が当たったみたいで、
菱子(鈴木砂羽)が浮気してるんじゃないか、と、
麦太郎が 誤解をしてしまった様子。
「菱子」と名前で呼ぶ、それは彼女を、パートナーとしてではなく、
一人の女性として見ている、ということ。
麦太郎の嫉妬・・
こういう「男」の部分が出て来ないままドラマが終わってしまうのか、
と、なかば諦めかけていただけに、ちょっと嬉しかった。


二人が入れ替わっていることを誰かに話したら元に戻れない、
という設定が、こうなると、非常に効いて来るわけで、
星見と石黒、菱子と麦太郎、双方の関係がややこしくなって、
ますます面白くなって行きそう・・
次回どう転がって行くのか、楽しみです。


脚本:横田理恵/演出:二宮崇



夫のカノジョ』(第6話)感想

パパとママのデートにこっそりついて行く真人くん(鈴木福)の変装が、
初回の菱子(鈴木砂羽)とそっくりで、
さすが親子だ!と思わず笑ってしまいました。
それにしても、真人、リュックの中にどれだけ変装グッズ入れてるんだ?w


「麦太郎(田辺誠一)のドスコイ大作戦」という感じの今回。
(【ド】=努力・【ス】=スキンシップ・【コ】=言葉・【イ】=いつも一緒)
その作戦を指南する部長柳沢慎吾)とのやりとりも、
菱子にデートを申し込むところも、
やっと手を繋いで、照れながら喜ぶところも、
結婚記念日のプレゼントも、
不良グループにからまれて、啖呵(たんか)を切るところも、
緊張の糸が切れて へたりこんじゃうところも、
特別 女性あしらいがうまいわけでも、喧嘩が強いわけでもない、
ごく普通の夫であり、普通のおとうさんである、というところから
はみ出さない麦太郎で、かえって良かった。


部長と同じようにスキンシップするなんて、照れくさくて出来ない、
それでも、何とかしてやってみようとする・・
家族に危険が迫ったら、身体を張って護ろうとする・・
素直で、ちょっと不器用な麦太郎の、妻や子どもたちに対する愛情が、
等身大の範疇(はんちゅう)で、少しだけかっこよく描かれているから、
「あんな夫だったら・・おとうさんだったら・・いいなぁ」と、
視聴者に 引っ掛かりなく受け入れられているのかもしれない。
そりゃ、麦太郎(演じている田辺さんも含め)への好感度も
上がるというものです。w


子どもからお年寄りまで、家族全員で安心して観られる、ということが、
ドラマのコンセプトとしてあると思うのですが、
確かに、出て来る人たち全員悪意がないし、悪人もいないので、
(今回のチンピラたちにも悪役としての深みはない)
このまますんなりストーリーが進んでくれてもいいかな、なんて・・
石黒くん(古川雄輝)は帰国子女だから、きっと実家は○○で、
星見と△△になって、パティスリーフミコが□□になって・・なんて・・
何となく、残り2回の穏やかなストーリーを自分なりに空想していたのに。


なんと、来週は橋本じゅんさんと高岡早紀さんがゲストで登場するらしい。
うわー、ラスト2話にして強烈なカンフル剤投入、ってことですか!?
(どっちも好きだから嬉しいけどw)
楽しくて軽くて優しいコメディに、不穏な風が巻き起こるかのような予告。
はたして、二人の登場が功を奏するか否か、
「家族全員で安心して観られる」ドラマであり続けられるか否かw
次回を乞うご期待。


脚本:江頭美智留/演出:塚本連平



夫のカノジョ』(第7話)感想

うーん、今回はちょっと心が痛かったです。
橋本じゅんさん(麦太郎の同期で上司)と
高岡早紀さん(真人の学級に転校して来た子のおかあさん)という、
かなり強烈なキャラを二人同時に唐突に登場させたことで、
心地良い緩(ゆる)み加減だったドラマに、キュッと力(りき)みが入って、
観ていてちょっと不安定な気持ちになってしまった。


特に、新部長・立花については、
バックボーンが何も描かれない中で、ひたすら憎まれ役に徹しているので、
じゅんさんファンとしては、観ていてちょっと辛いものがあります。
立花の言動は、悪意からのものではないことを祈りたいですし、
最終回で、麦太郎(田辺誠一)と、
どんな形でもいいから、何らかの和解が出来て欲しいです。


今回新たに出て来たエピソードも含め、
あと1回でまとめ上げるのはかなり大変なんじゃないか、と思うのですが、
でも、逆に、どうオトシマエをつけてくれるんだろう?と、
何だかちょっと楽しみになって来たりもして。w
どんな(大人の)事情があるにしても、
ここまで築いて来た『夫のカノジョ』ワールドを崩すことなく、
スタッフの皆さん、キャストの皆さんが、
このドラマを楽しみに観続けて来た人たちが納得の行く結末を
用意してくれていることを期待しつつ、
最終回を待ちたいと思います。


ゲスト橋本じゅん 高岡早紀脚本:横田理恵/演出:二宮崇



夫のカノジョ』(第8話=最終回)感想

前回、立花(橋本じゅん)と間宮(高岡早紀)の登場で、
ちょっとヒリヒリした気分になってしまい、
あと1回でどういうふうに話をまとめるんだろう、と、不安になったのですが、
時間がない中、かなり はしょって足早になったところはあったにしても、
エピソードをほぼ落ちこぼれなくまとめた上に、
菱子と星見も なかなかいいタイミングで元に戻って、
すべて「めでたしめでたし」というところに収まって、良かったと思います。


真人(鈴木福)のいじめ問題、は、
「子どもを心配するあまり、親が先回りして問題を解決するんじゃなく、
何があっても お母さんはあなたの味方だから、安心して喧嘩しておいで、
って、そう言えればいいんじゃないですか」
という菱子(鈴木砂羽)の言葉で、すべてが収束。
このシーンは、とても大事なことを伝えていたように思います。


真人たちの思いやりを
自分の娘への いじめ としか捉えられなかった間宮は、
最後まで高飛車な女としてしか描かれないんじゃないかと思ったのですが、
自分が間違っていると思ったらちゃんと謝罪出来る人でよかったです。
高岡さんが落ち着いて演じていて、何だかホッとしました。


一方、大東製粉では・・
麦太郎(田辺誠一)と星見との不倫疑惑を強引にからませて、
麦太郎を大阪に転勤させようとする立花に、
星見(川口春奈)・石黒(古川雄輝)以下営業部全員が
「会社辞めます」発言。
いくら何でも軽率過ぎないか、とも思いましたが、
でも、その発言って、(星見以外の)営業部の人たちにとっては、
麦太郎にずっと自分の上司でいて欲しいから、というだけのことでは
ないのかもしれない。 
つまり、立花に対して反旗を翻(ひるがえ)した、ということなんじゃないか、と。
「あんたの下では働けない!」というシュプレヒコール、と言ったらいいか。


気まずい雰囲気の中 登場した久米部長柳沢慎吾)の、
「売り上げを上げなきゃならないのは当然だ。
しかし、部下をうまくコントロールするのも上司の大事な仕事だろう。
おまえならそれが出来るよ」という一言が効きました。
何より、立花にもいいところがある、と認めているのがいい。
そうなんですよね、強面(こわもて)だし、一方的にガミガミ怒鳴るし、
どうしたって悪役タイプなんだけど、
彼の言っていることは、ある程度正論でもある。
仲良しこよしで楽しい職場、ってだけじゃ会社は成り立たない、
売り上げばかり重視して部下の気持ちを顧(かえり)みない立花も悪いけど、
業績を伸ばせない麦太郎にも問題はあるわけで。


そのあたり・・同期でもある二人の言動に もうちょっと時間をかけて、
ぶつかりあった上での成長を描いて欲しかった。
麦太郎と立花、それぞれが、相手のいいところを見出して、
自分の中に取り込んで行ったら、
最強の営業マンになれたのではないか、と・・
・・ああそうか、
いっそのこと、麦太郎と立花の身体が入れ替わってしまえばいいんだ。
ということで、『夫のジョウシ(上司)』というタイトルで、
入れ替わった二人の尽力で大東製粉が業界トップになるまでの
スピンオフドラマをぜひ!(爆)


・・いやいや、冗談はさておき。w
星見と母親・史子(片平なぎさ).の確執も解け、
喧嘩出来るまで二人の距離が縮まったのも微笑ましかったですし、
真人が菱子(鈴木砂羽)に「お帰りなさい」と言ったのも、
何だかほのぼのしました。
謎の老婆(渡辺えり)は「二人が入れ替わっていることを誰かに話したら
元に戻れない」と言ったけれど、
言われなくても感づいていた人がいた、ということですね。


最後に、
星見に「私たちが見えなかったものって何だったんだろう」と尋ねられ、
菱子が「愛されている、ってことじゃないでしょうか」と言っていたけれど、
私は、「家族の本当の姿を知ること、その上で信じること、
それが より深い愛情に繋がって行くということ、を二人が知ったから」
でもあったのではないか、という気がします。


最終回まで、
非常にテンポよく楽しく安心して観ていられたドラマでした。
出演者の皆さんも、元気があって、明るくて、
こういうドラマがもっとあってもいいのに、と思いました。
終盤、駆け足になってしまったことで、
はしょられてしまったであろうエピソードがどんなものだったのか・・
それを観られなかったのが とても残念です。


ゲスト橋本じゅん 高岡早紀脚本:江頭美智留/演出:三木康一郎