クラムボン"たゆたう"を観た

shuntastic2008-02-04


クラムボン12年の“軌跡”と“奇蹟”。
音楽がいつもそばにあるように。

札幌を皮切りに日比谷野外音楽堂までの全国12カ所をまわった「tour Musical(2007年6月〜)」をカメラが追うドキュメンタリー。
もちろんライブだけではなく、オフショット、リハーサル、移動まで3人の素顔をとらえた意欲作だ。


監督は、デビューシングル「はなればなれ」から現在まで全てのPVを手がける高木聡氏。


僕はクラムボンが好きで、また、このようなバンドのドキュメントモノは、洋邦問わず大好きで結構積極的に観ている方だと思うが、どうやらこの作品は、どう考えても監督の自己満足なのために作られたようだと思わざるを得なかった。


そもそも経緯として、高木監督が以前よりツアーに同行させて欲しい旨をバンド側に伝えていたが、費用の面で折り合いがつかずこれまで先送りにされていた、といういきさつがある。
今回は監督の自費でということで、ある意味では「まあ、そこまで仰ってくれるのなら、ぜひぜひ」的な感じがバンド側にはあったのかもしれない。仮にそうだったとしたら、それは完全に映像に表れていたと言える。その微妙な作り手と映り手のギャップ。


“軌跡”“奇蹟”と謳ってはいるが、バンドヒストリーにおける成功や葛藤といったアップダウンが描ききれておらず、表層的な"感動"や"奇跡"に留まっていたことが非常に悔やまれる.....。なぜなら、上り調子のバンドにおけるこの程度の軌跡や奇跡は、他に類がありすぎるからだ。


そうではない本当の奇跡中の奇跡の瞬間が、彼らの表情の一端にわずかに見えたからこそ、それがストーリーとして紡ぎ出されていなかったが現状が浮き彫りになっており、大変残念に終わっていた.....
クラムボンというバンドを昔から応援してきたファンほど、恐らくそういった感覚に襲われたんじゃないだろうかと思った。


そこそこのサクセスストーリーによって、一見さんのファンに一定程度の感動を与えこそすれ、往年のファンにとっては「んあjだおうjふぉあsdjふぁsdなんじゃこりゃ・ksjどいあsdじゃ」でしかない、というのが正直な感想だ。
少なくとも、僕自身はクラムボンの大ファンだからこそ、そう感じた。

『続けてきてよかった』

ボーカルの原田郁子さんがライブ中、何度も口にした印象的な台詞だったが、この言葉の本当の意味を導き出すためには、ロケ時間と脚本の練り方と、監督の技量がまだ不十分だったと感じた。
現J-POP界を背負うすばらしいバンドの1つであるだけに、再度、「クラムボン○年の“軌跡”と“奇蹟”」というタイトルで戻ってきて欲しい。
そういう意味では、この映画は単なるLiveDVD「tour Musical」としてひっそりセルアウトする程度の存在といえよう。


最もダメだと思ったのは、単純にカメラワーク。
カメラワークはなんだあれ・・・・。ひどい。ひどすぎる。あれは酔うよ。
特に、ラストの日比谷野音のほとんどが舞台袖から手持ちのベーカム?


そりゃないっすよ。
たぶん相当な盲目ファンでも、かなり苦痛かと。


固定カメラで撮ったものを、普通のライブDVDとして発売して欲しいくらいにライブそのものは圧巻でした。
映画のタイトルともなっている"GOOD TIME MUSIC"、名曲です。


2/15までシネクイント@渋谷パルコ3で上映中。連日21:30〜


クラムボンファン自称していてなんですが、本編中一番グっときたのは「ナイトクルージング」のカヴァー・・・・・。

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