粗製乱造

野球では、右投げ左打ちが重宝がられます。
しかし昔はそんなにいませんでした。プロ野球では、
巨人の柴田勲が、その俊足を活かすためと、元来の器用さから
スイッチヒッターとして成功したのがよく知られています。
他に高橋慶、松本匡とほとんどが左右打ち。


いずれの場合も作られた左打ちですが、その究極がイチロー松井秀ですね。
この日本を代表する2人の成功が、右投げ左打ちの粗製乱造を生み出したと思います。
もう今や左打者の多い事。それを象徴するような事象が昨日のセンバツ高校野球で見られました。
宮崎工業対前橋工業。宮崎工業の左投げ投手に対して、奇策も奇策。左投手に左打ちは不利という
セオリーを無視して1番から9番まで左打者を並べたのです。凄いですねえ、1チームにそんなにいるのが凄い!
元来日本人にはそんなにギッチョは多くないはずですから、当然このうちの何人かは人造ですよね。改造か?


セオリー無視の奇策であれ、うまくいけばそれが新しいセオリーになるのが勝負の世界です。
だから前橋工業の作戦をとやかく言うつもりはありませんが、結果は惨憺たるものでした。
2安打完封負けの上に三塁も踏めなかった完敗です。聞く所によると、前橋にはいい右打者がいなかったとか。
いやそれは言い訳でしょ。勝ってれば多分そんな事は一言も言わなかったでしょ。
地方大会なら改造左打者でもそこそこ打てちゃいますけど、全国レベルになればそういうゴマカシは通用しませんって。


昨日の試合を見てても宮崎の左投手の球に力負けしてましたもんね。
放送でも盛んに「ベース寄りに立って内角を封じて外角に投げさせる作戦」を強調してましたけど、
NHKの取材にそんな事バラしちゃって大丈夫なのかな?と思いましたが、案の定、逆にバンバン内角に投げられて
打てる気配すら与えられませんでした。


この先発9人のうち何人かはどう見ても元は右打ちだったはず。誰がそうかまではわかりませんけど、非力なスィングを
してたのがそうと言っても遠からず、でしょう。そんなスィングしか出来ないんだったら右打ちに戻した方が良いと思います。
意外と右の方が長打力があったりするんだから。イチローを真似るのはもういい加減やめにして、自分の子供や教え子の本来の
才能を発見して欲しいと思います。