今年の夏休みは海外脱出をやめて東北の復興支援ボランティアに行くことにした。


私が活動しているNPOのFAJでも、ファシリテーションを用いた復興支援をしているのだけど、それとは別に災害復興支援NPO JENの泥だしボランティアをWEBから申し込んで参加してみることにした。


安全靴、ゴーグル、寝袋などを買い揃えて石巻専修大学にあるJENの臨時事務所へ。


前日、FAJ仙台の友人宅に泊めていただいて、朝は石巻行きバス停まで車で送っていただく。
荷物が多いので大助かり。


JENの臨時事務所(プレハブ)では、すでにスタッフさんと5〜6名のボランティアさんが座っていた。私の後にも4名ほど来て、10名ほどで車に分乗して宿泊所へ移動。


荷物を置いてすぐに活動へ出発した。
宿泊所にバスが居てそれに乗ったのだが、このバスはJENのスポンサー企業の1つである三井物産さんの手配だった。
バスの中に10名ほどの物産さんの社員ボランティアが乗って居たのだが、週2回交代で三井物産の社員ボランティアが石巻に来ているのだそうだ。


今日の活動場所は石巻から車で1時間ほど牡鹿半島の先に移動した鮎川にちかい道の側溝掃除。
側溝が埋まっているために、雨が降るたび道が水没してしまって車も通れない状態らしい。
JEN以外にも2、3の活動団体が居て、100名くらいのボランティアが一緒に働いていた。


掃除というか発掘というか。
見事なまで側溝の中にみっちりと土が詰まっている。
泥が乾いて固まっているため、スコップが刺さらない。
まずツルハシで土を耕してやわらかくしてからスコップで掬って土嚢袋に入れるという作業。


土の中には、大きな岩だけでなく、ガラス、陶器、瓦などが混じっている。
スプーンとか生活用品も混じっている…


40〜50分ほど作業して、10分程度休憩するペース。
だいぶ涼しい日だけれど、動いていると滝汗。
普段運動不足な割りには、思っていたよりはちゃんと活動できた。
午前2時間、1時間の昼休みを挟んで、午後2時間の活動が基本みたい。


午後は溜まった土嚢袋を所定の捨て場に運ぶ作業を担当。
こっちの方が掘り出しよりキツイ。
まず土嚢袋が重い。
スタッフの指示通り半分程度の量なら辛うじて持てるのだが、7割位詰まってる袋は私の腕力では持ち上がらない。
水を含んでしまってる土嚢は持ち上げるたびに服に泥水をたっぷり染み込ませてくれる。


工事現場で見かける様な手押し一輪車(ネコ)に乗せて運んでいくのだが、これも土嚢を4つ乗せたらバランスが取れないで倒れてしまうので3つが限界。


積み上げられた土嚢が無数にあって、今日中に終わるのだろうかとちょっと目眩がする。


午後3時。
泥と汗でドロドロになりながら作業終了。
朝と同じバスで宿泊所へ戻った。
三井物産ボランティアの皆さんは仙台宿泊ということでバスで去って行った。


今日だけ参加の方も何名かいて簡単なミーティングの後、挨拶してお帰りになった。


宿泊所には風呂が無いので、ほかのボランティアさんで車で来ている方に厚意で乗せていただいて道の駅にある温泉まで連れていっていただいた。
石巻での活動には車が便利というか必須。次回の機会があれば、仙台で四輪か二輪をレンタルしていこうと思う。


車に乗せて下さった3人組は、東京の印刷会社の同僚仲間とのこと。
途中、石巻の港の方など回ってみせて下さった。
被災してる巨大な工場が日本製紙の工場であることなど教えていただいたが、会話がさすがに印刷業界用語。


地盤が下がっているため、海際の道は水没したまま。
海の近くの方は匂いがきつかった。
中央分離帯には巨大な赤いオブジェが…と思えば、鯨の大和煮缶詰の看板だった。


夜は宿泊所で宴会。


持ってきた寝袋で眠ったが、宿泊所にも貸出用の寝袋があった。
軍手、長靴、踏み抜き防止インソール、ゴム手袋などもいくつか用意があるので、もし準備が間に合わずに来てしまっても、ある程度は借りることができることがわかった。


疲れていたせいか、同室者のイビキのせいか、変な時間に鳴る誰かの携帯のせいか、朝まで浅い眠りを繰り返してこの日は終了。