shuueiのメモ



2017-12-13

地下トンネルで放射能濃度上昇=4000倍、原因不明―福島第1

地下トンネル放射能濃度上昇=4000倍、原因不明―福島第1

時事通信 12月9日(水)20時27分配信



 東京電力は9日、福島第1原発廃棄物処理建屋近くにある地下トンネル「ダクト」にたまった汚染水から、放射性セシウムが1リットル当たり48万2000ベクレル検出されたと発表した。

 昨年12月の採取分(同121ベクレル)に比べ濃度が約4000倍に上昇したが、東電は外部への流出は確認されていないと説明。原因は分からず、東電が調査を進める。

 東電によると、問題のダクトには汚染水が420トン程度あり、東日本大震災津波による海水などがたまっているとみられる。今月3日に採取した水を測定したところ、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質は、昨年採取分の同120ベクレルから同50万ベクレルに上昇。トリチウムも同310ベクレルから同6700ベクレルに上がっていた。 

2017-12-12

EVを電池として活用、使用済みバッテリーも生かすVPP実証


EVを電池として活用、使用済みバッテリーも生かすVPP実証


日本ベネックスと住友商事が、VPP事業に参画。日産のEVと、使用済みの蓄電池を活用したシステムを日本ベネックスの本社工場に導入し、VPPを構築する。

[長町基,スマートジャパン] 2017/12/11




 産業機器設計・製造の日本ベネックス(長崎県諫早市)と住友商事は、関西電力を中心としたコンソーシアムが取り組むバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業「関西VPPプロジェクト」に参画する。日産電気自動車(EV)10台と、リユース蓄電池システムを活用してバーチャルパワープラント(VPP)を構築する。

 VPPは、点在する蓄電池や需要設備などのエネルギーリソースを、IoTを活用して統合し、その充放電などを制御することで電力の需給を調整する取り組み。電力自由化や電力システム改革の進行に伴い、注目が集まっている。今後VPPが実用化されると、社会全体として電力需給の調整力が拡大するため、天候によって出力が大きく変動する再生可能エネルギーの導入拡大にもつながると期待されている。今回、日本ベネックスと住友商事が参画するVPPプロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「需要家側エネルギーリソースを活用したVPP構築実証事業費補助金」を活用して行う実証事業だ。

 実証で利用するリユース蓄電池システムは、両社が共同で物流コンテナへの高積載技術を駆使して新しく開発した。1ユニットでEV24台分、定格蓄電池容量576kWh、実効蓄電池容量約400kWhを持つ。住友商事が既に夢洲大阪市)や甑島(こしきじま、鹿児島県薩摩川内市)で運用しているものと比較し、2倍の容量となっており、経済性をさらに高めた。システムは2018年1月の完工および稼働開始を予定しており、将来はVPP対応の新型リユース蓄電池システムとして富士電機商品化する計画だ。



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実証の概要 出典:日本ベネックス



 システムの導入先は、日本ベネックスの本社工場で、普段は電力需要ピーク時の補助電源として使用するが、日産自動車の協力で2017年4月に導入された商用型EV「e-NV200」10台分の充電スタンド(3KW)と合わせて、VPP実証事業にも生かす。EVは従業員の通勤用として利用するだけでなく、駐車場停車時には、遠隔制御で充電時間帯を最適なタイミングに誘導することで蓄電池としても活用する計画だ。



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導入したEVと、リユース蓄電システムの完成イメージ 出典:日本ベネックス



 日本ベネックスは、精密板金加工技術を基盤に大型映像装置をはじめとした産業・電気機器製造事業を手掛けている。2012年に環境エネルギー事業に新規参入し、これまでに約21MWの太陽光発電システムの設計施工・運営を行ってきた。2016年に本社工場に設置した自家消費型屋根置太陽光パネルに加えて、EVとリユース蓄電池システムを合わせて導入することで、最新の環境関連技術一式を備えた「スマート工場」のモデルを構築し、今後注力する環境エネルギー事業のショーケースとする考えだ。

 住友商事は、日産自動車との合弁事業であるフォーアールエナジー横浜市)と共同で、EVで使い終わった蓄電池を再利用・再製品化し、EVの普及促進に貢献する仕組みを作ってきた。VPP実証事業では、EVやリユース蓄電池システムの特性を生かしたVPP制御の効果を検証し、新しいエネルギーマネジメント事業の可能性を検討する。また、グループ会社を通じて同システムを産業用システムとして拡販するとともに、住友商事が目指す大型蓄電池事業にも活用する計画だ。

2017-12-11

「唯一の被爆国 道義的な責任」 サーローさん 日本の核政策転換を訴え

「唯一の被爆国 道義的な責任」 サーローさん 日本の核政策転換を訴え

2017/12/10  東京新聞




 【オスロ=沢田千秋】今年のノーベル平和賞を受賞する非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のベアトリス・フィン事務局長(35)らが九日、ノルウェー首都オスロで十日の授賞式を前に記者会見した。ICANの活動に協力し、被爆者として初めて授賞式に臨むカナダ在住のサーロー節子さん(85)も出席。「核兵器は受け入れられない」と、世界に核兵器の非人道性を直接訴える必要性を強調した。


 サーローさんは「かつて、私たちは日本が神の国だと洗脳されていた。しかし、広島長崎原爆が落ちた後、日本は降伏した」と、広島被爆した当時を回想。授賞式の演説で、体験の詳細を語ることを明らかにした。その上で「被爆者は焦土から立ち上がり、人生を立て直した後、受け入れがたい苦しみを経験した。同じ苦難を誰にも経験させてはならないと願い、核廃絶を決意した」と述べた。


 米国の「核の傘」に頼り、核兵器禁止条約署名しない日本政府を「トランプ米大統領と同調し、尊敬できない」と批判。「多数の日本国民核廃絶を支持している。核兵器の本当の恐ろしさを知る唯一の被爆国として、日本には核廃絶を目指す道義的責任があり、変わってほしい」と、政策転換を求めた。

◆核五大国は欠席か


 ノルウェー国営放送NRKによると、米、英、仏、ロシア中国の核保有大国の駐ノルウェー大使は全員、授賞式を欠席する見通し。核兵器禁止条約に対する反発が背景にあるとみられ、サーローさんは「あらゆる方法で条約を無視する核保有国の行動は残念だ」と述べた。


 フィン氏も「私たちは今、明確な選択を迫られている。核兵器の終わりか、人類の終わりかのどちらかだ」と強調。世界中の市民に「核兵器禁止条約の発効を実現させてほしい」と呼び掛けた。平和賞の賞金九百万スウェーデンクローナ(約一億二千万円)は「今後千日間、世界中で条約発効に向けた活動をするために使いたい」と笑顔で語った。


 授賞式にはICAN国際運営委員川崎哲(あきら)さんや、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳(てるみ)代表委員(85)=埼玉県新座市長崎被爆=、藤森俊希事務局次長(73)=長野県茅野市広島被爆=、広島市松井一実(かずみ)市長、長崎市の田上(たうえ)富久市長も出席する。


 <サーロー節子さん> 32年広島市生まれ。トロント大学院修了。13歳のとき広島被爆し、姉やおいを失う。55年にカナダ人と結婚し、同国に移住して核廃絶運動に尽力。これまで国連総会委員会など世界中で開かれる国際会議で、被爆証言を重ねてきた。カナダ政府が民間人に贈る最高位勲章オーダー・オブ・カナダを受章した。(共同)

2017-12-10

スパコン補助金不正受給事件の深すぎる闇

スパコン補助金不正受給事件の深すぎる闇

森友・加計に続く「第3の問題」になるかも

安積 明子 : ジャーナリスト

2017年12月07日 東洋経済




東京地検特捜部12月5日、スーパーコンピュータ(スパコン)開発ベンチャーのPEZY Computing(以下、ペジー社)の齊藤元章社長ら2名を逮捕した。容疑は経済産業省管轄する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)」から、補助金約4億3100万円を不正に受給したというものだ。

医師でもある齊藤氏が2010年に創設したペジー社は、社員20名の企業ながら世界トップレベルの省エネ性能を誇るスパコンを開発。スパコン省エネ性能ランキングである「Green500」では、同社が理化学研究所と開発した液浸冷却スーパーコンピュータ「Shoubu」が2015年6月、同年11月、2016年6月と3期連続して1位となり、これに加えて2016年6月には「Satsuki」が2位を獲得するなど大きな話題となっていた。

スパコン省エネ化について世界をリードしてきたペジー社は新規分野の牽引企業となるべく期待も高く、同社が2010年度から2017年度までNEDOから受けてきた補助金の総額は、35億2379万8000円に上っている(進行中の事業も含む)。

数億円分を「水増し」した可能性

今回問題となったのは、「イノベーション実用ベンチャー支援事業」(2012年度補正予算100億円)として2013年度(同年4月30日から2014年2月20日まで)に支給された「超広域帯Ultra WIDE-IO3次元積層メモリデバイス実用化開発」費だ。

同事業は設立10年以内で資本金10億円以下の研究開発型ベンチャー企業を対象に、新規性・革新性の高い実用開発事業について5億円を限度として費用の3分の2以内を補助するとするもので、ペジー社は経費として約7億7300万円を申告し、4億9955万9000円を受給していた。このうち「外注費」として申請された4億3600万円のうち数億円分が「水増し」の可能性があったため、「詐取」とされたのだ。

このように見ると典型的な補助金不正受給問題の構図だが、実はこの事件は特別国会が間もなく閉会しようとする永田町を震撼させている。



理由はペジー社の顧問に元TBSワシントン支局長の山口敬之氏が就任していたからだ。

山口氏は安倍晋三首相麻生太郎財務相副総理と近く、安倍首相に肉薄した『総理』(幻冬舎)の著書がある。TBSを退社した後にペジー社の顧問となり、官邸のすぐそばの「ザ・キャピトルレジデンス東急」に事務所を構えている。山口氏の名刺に刷られた住所は、永田町2−10−3ー●●●●となっており、同レジデンスの部屋番号だ。

スパやプールが完備し、コンシェルジェやハウスキーピング、ルームサービスなど一流ホテル並みのサービスを受けられる同レジデンスの賃料は月額約100万〜約200万円だが、それを負担していたのが逮捕された齊藤氏だった。なお議員秘書を長年務めた後に企業顧問になる秘書はいるが、1社あたりの顧問料は非常勤でせいぜい毎月10万円前後。これを考えても、高級事務所の提供は破格の待遇といえるだろう。

さらに同社が受けていた補助金経済産業省傘下のNEDOから出ていることも、注目される原因だ。というのも、安倍首相政務秘書官である今井尚哉氏が同省出身であることなど、官邸は“経産省色が強い”と言われているからだ。

もしこの事件に官邸の影響があるのではないか、と疑われることになると、森友学園問題や加計学園問題に続く「官僚による官邸への忖度」問題として発展していく可能性がある。

実際、その萌芽が見てとれる。野党がこの問題に注目しているのだ。

野党がこの問題に着目

希望の党は6日午前10時から「国対政調合同ヒアリング」を開き、経済産業省文部科学省内閣府の担当者を呼んで事情を聞いた。狙いは補助金の不正受給だけではない。官邸と近く、ペジー社の顧問を務める山口氏が補助金の受給に何らかの関与をしていたかどうかを探ることだ。

山口氏が経済産業省を訪れていなかったかどうか、その記録の提出を含め、希望の党側から経産省に出された宿題は多い。また7日午前には立憲民主党も、この件についてヒアリングを行う。

森友学園問題に始まった2017年の政治だが、その影響は年明けまで続きそうだ。

2017-12-09

中国に北朝鮮との戦争を警告した米国の危惧

中国北朝鮮との戦争を警告した米国の危惧

ミサイル発射で再び浮上した軍事オプション


尾形 聡彦 : 朝日新聞オピニオン編集部次長兼機動特派員

2017年11月30日 東洋経済




 北朝鮮が11月29日午前3時すぎ(米東部時間28日午後1時すぎ)、日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。高度は4500キロに達し、ミサイル性能がさらに高まったことを示した。

トランプ大統領に近い米共和党上院議員からは同28日、「もし状況が変わらなければ、われわれは戦争へと向かうことになる」という強い言葉も出始めた。米国は、中国仲介者にした対話路線に依然として望みをつないでいるものの、「北朝鮮が、米本土を狙える核ICBM大陸間弾道ミサイル)を実戦配備する前に、軍事力行使すべきだ」という強硬論が目立ち始めている。中国を含め、日本や韓国など北東アジアの国々が外交的対話路線をどう見いだせるかが問われている。

「少し前にミサイル北朝鮮から打ち上げられた」

トランプ大統領は同28日午後3時半すぎ、ホワイトハウスで開かれた米議会指導部との会合の冒頭でこう語り始めた。

「われわれはそれに対処する、ということだけを言っておく I will only tell you that we will take care of it」とトランプ大統領は続けて話し、軍事アドバイザーたちと長時間議論をしたともつけ加えた。

今年7月末のミサイルより800キロも高く飛んだ

今回のICBMは、高度4500キロに達し、53分間にわたって飛び続けた。北朝鮮が前回、ほぼ真上に向かって打ち上げる今回のような「ロフテッド軌道」によるミサイル発射を行ったのは今年7月末だったが、このときの高度は3700キロだったとされる。今回のミサイルは、それよりも800キロも高く飛んだ。北朝鮮ミサイル技術がまた一段と進歩したことに、米国専門家たちの間には驚きが広がった。

ホワイトハウスや米軍事専門家たちは今秋の時点で、「北朝鮮は、弾頭を運ぶためのICBM自体の開発はすでに終えており、大気圏外にミサイルがいったん出たあと再度大気圏内に突入する際の再突入体(reentry vehicle)の開発を急いでいる」との見方で一致している。

同29日のミサイル発射を受け、米テレビに出演していた米国専門家たちからは「今後の焦点は、北朝鮮が、再突入体をどの時点で完成させられるかだ」といった意見が多く出ていた。再突入体は、ミサイルが大気圏に再突入する際に弾頭を高熱から守るもので、核ミサイル開発の最終段階を意味する。

トランプ政権を含め、歴代の米政権は「米本土を狙える核ICBMの実戦配備は絶対に許さない」という点で一致している。同29日のミサイル発射では、弾頭を運搬する「ミサイル本体」の性能が改めて証明されただけに、米国内では、「北朝鮮が、開発の最終段階といえる『再突入体』を完成させて、米本土を狙える核ICBMを実戦配備する時期が強まっている」という認識が強まっているのだ。




多くを語らなかったトランプ大統領に代わって、その言葉を解説したのは、トランプ氏に近い米議会リンゼイ・グラハム上院議員共和党)だった。

米国時間の同28日夕、米CNNテレビに出演したグラハム上院議員は、ミサイル発射前の同28日朝にトランプ氏と話をしたと明かしたうえで、ミサイル発射後にトランプ氏が「われわれはそれに対処する」と語った意味について、国連でも中国でもなくわれわれ(米国)が対処する、という決意を示している、と解説した。

そして、「大統領は、北朝鮮米国を攻撃できる核兵器を手にすることを許さないだろう」と述べ、「もし状況が変わらなければ、われわれは戦争へと向かうことになる」と警告した。

北朝鮮が、米本土を狙える核ICBM開発の最終段階に入ったとみられるなかで、外交努力に割ける時間はどの程度あるのか。

政権に近い関係者は今月、私に、北朝鮮が米本土を狙える核ICBMを実戦配備させるまで、「残り6カ月余りしかない」という米情報当局内の見方を明かした。

対話路線が実らなければ軍事攻撃に」

米国内には、北朝鮮がそうした能力を獲得する前に、「対話を通じて北朝鮮核ミサイル開発をまずは凍結させる」か、「対話路線が実らなければ軍事攻撃に踏み切るべきだ」との見方が少なくない。グラハム上院議員の同28日の発言も、こうした米国内の強硬論を反映したものといえる。

外交努力をおこなえる時間が次第に短くなってくるなかで、トランプ政権は、中国仲介者にして、北朝鮮と直接対話する試みを続けている。

11月上旬の米中首脳会談で、トランプ大統領習近平国家主席要求したのは、北朝鮮対話のテーブルに引き出す、ということだったという。実際、米中首脳会談後、習主席は11月17日〜20日まで北朝鮮に特使を送ったものの、結局、特使は金正恩氏には面会できずに終わった。

グラハム上院議員は11月28日のCNNテレビで、中国がいまのところ米国に協力しているとしてその役割に期待感を示した一方、強い調子でこんな要求もおこなった。

「われわれは、北朝鮮の狂った男に、米本土を狙える能力を持たせることは許さない。中国の友人に言いたい。われわれはこんな状況を我慢することはしない。あなたがたは私たちを助ける必要がある。もしあなたがたがわれわれを助けてくれないのなら、われわれでそれに対処する。われわれで対処するという意味は、あなたたちの裏庭で戦争をするという意味だ。われわれの裏庭ではなく、だ」

トランプ氏が11月28日に使った「われわれはそれに対処する」との言い回しをそのまま使った、中国への警告だった。

仮に軍事衝突に至った場合に地域にどれだけの被害が出るのだろうか。

今年10月初めに米ジョンズ・ホプキンス大の米韓研究所が運営するサイト「38ノース」が出した軍事衝突が起こったときの被害想定は、通常の核ミサイルソウル東京に落ちた場合、それぞれの死者は「ソウルで最大約116万人」「東京で最大約95万人」。北朝鮮が9月に実験したような水爆が落ちる場合の死者は、「ソウルで最大約203万人」「東京で最大約180万人」に達する、という実に恐ろしい内容だった。

米国内ではこうした被害想定が出ているだけに、グラハム上院議員に対して、CNNのアンカーは、もし戦争になれば、韓国や日本などの北東アジア地域で100万人規模の犠牲が出かねないと質していた。これに対し、グラハム氏は、北東アジア地域と米国のどちらかを選ばなければならなければ、「トランプ大統領は、(北東アジア)地域よりも、米国を選ぶ」との見方を示した。


そのうえで、グラハム氏は「(北東アジア)地域が、われわれが外交的解決を見つけることを手助けしてくれることを望んでいる」と語った。米国外交的解決へと導けるかどうかは、中国、日本、韓国などの北東アジア地域の努力にかかっているというメッセージだ。

日本時間の11月29日朝、トランプ大統領との電話会談を終えた安倍晋三首相は「日米で主導し、国際社会と連携しながら北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくという認識で一致した」と語った。

挑発を続ける北朝鮮に対する圧力はもちろん必要だろう。ただ、被害想定を考えながら議論している米国内に比べ、日本国内議論は、圧力をかける必要性にばかり焦点が当たっているように私は感じる。「圧力をかけ続けた先に何があるのか」「軍事衝突に陥るという最悪の場合、被害はどの程度になるのか」「そうした際に日本国民をどのように守るのか」といった議論日本国内では薄いように思う。

「戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていない」

11月29日の朝日新聞朝刊にウィリアム・ペリー氏のインタビュー記事が掲載された。ペリー氏は、1994年の北朝鮮危機米国防長官として最前線で対処した経験を持つ。

ペリー氏はこう警告した。

「日本の指導者は、外交の失敗がもたらす帰結を理解する必要があります。外交の不在や見境のない発言は、戦争に、非常に壊滅的な核戦争に突入する条件を醸成してしまいます」

「実行可能な軍事オプションがあるなら、私もそれを薦めるかもしれませんが、(実際のところ)そんな解決策はないのです。私が驚くのは、実に多くの人が戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていないことです」

「戦争は日本にも波及し、核(戦争)になれば、その被害は(韓国にとって)朝鮮戦争の10倍に、(日本にとって)第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する大きさになります。われわれは外交を真剣に検討すべきです。私は安倍首相に、トランプ大統領との議論で、こうしたことを促すことを期待しています」

ペリー氏からの「実に多くの人が戦争のもたらす甚大な結果に目を向けていない」という指摘は、私たちに突き刺さると思う。外交努力をおこなえる時間が少なくなっていくなかで、習主席だけでなく、安倍首相文在寅韓国大統領がどのような役割を果たせるのか注視したい。