医療崩壊、キターーーー!!!(追記ありあり)

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難
Yahoo!のニューストップページに来る衝撃。あの国循。ベテランが「心身ともに疲れ切った」状況をどう説明するのか。この先生方に限らず、日本各地で、かけがえのない「人材」が、同様に使い捨てられているかと思うと、恐ろしい。ベテランってのは、明日すぐに調達できないもんなんだよ。10年戦士は、10年経たないと生まれない。そういう当然のことが、この国の上の方の人たちには分からないから、ワケの分からない制度改革をして、この国の医療を潰しているわけだ。春の乱が、始まった・・・・

同センター運営局は「特にベテラン2人に代わる人材はおらず、これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど患者に影響を与えるようなことはない」と話している。

んなワケないだろ!!! 運営局って、誰がコメントしたんだ? 医師か? 事務方か?
記事を読むだけで、戦慄が走ります。でも、分からない人には、全く理解されないかも知れないけど。
<追記>コメント欄で教えて頂いた東京新聞ICUの医師集団で退職 国立循環器病センターによれば、退職は7人中5人とか。国循のHPでは医師名は6名くらい書いてあったような気が。人数がよく分かりません。件の「影響はない」のコメントは庶務課長らしいですが、まあ医師の発言ではないだろうな。影響ないわけないもん。
<追記2>A日も来たよ。関西ローカルみたいだけど。asahi.com:心臓血管外科のICU医師一斉退職へ 循環器病センター - 関西

循環器病センターで研修医時代を過ごした心臓外科医は「ICUで苦労するということは、『外科医の手術の不手際を手当てしている』ともいえ、典型的な『縁の下の力持ち』だ」と振り返る。

こんなコメント載るなんて。

患者との意思疎通が少ない閉鎖空間での激務が医師を疲弊させたとの見方もある。

ホントにそれだけか? 外科医とか、事務方とか、他に要因は全くないと言えるのか?
この記事によれば、「影響はない」発言は、「影響がでないようにする(努力目標)」のコメントの可能性もありそうだな。となれば、「影響はない」発言は、またマスコミによるミスリード記事の可能性も。慎重にならないとね。
以下は記事。

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誰のために、ルールを破るのか

ルールを破るのはよくない。まずそれは大前提。
医師がルールを破るとき、自分の利益のため、のことも勿論あるが、患者の便宜のために破ることもあるだろう。先日取り上げた薬の処方の話もしかり。あれは、医師法違反になるだろう。法律では無いが、薬の添付文書に定められた用法以外での処方も、その一つだろう。ある薬の別の作用に注目して、外国でそれが有効だとすでに報告が出ている。そんな場合、その病気で使うことは保険上定められてないので、架空の病名をつけて、別の病気に使う。中には、患者を実験台にする悪徳研究医師もいるのかも知れないが、大抵の医師は、これが効いたら患者さんがよくなるだろう、と期待して使うものだ。そのことが、不利益な結果を生んでしまったとき、例えばその薬が原因でなかったとしても、「使っちゃいけない薬を使ったのだ」といって問題になったりする。裁判なら必ず負けるだろう。薬は関係ないのに。だから、最近は、そういう治療の場合は山ほど同意書とるだろうし、なるべくそういう薬は使わないようにしている。患者さんの利益より、自分の保身を考える方が多くなってくる。これが、防衛医療なんだろうな。それは、患者さんたちにとって、シアワセなことなんだろうか。

彦根続報

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 彦根市立病院:産婦人科問題 来月20日以降、分べん取り扱わず−−院長報告
結局、「医師確保」が出来ず、このような結果に。

産婦人科救急は原則として救急患者は受け付けることが出来ない

原則じゃないときはどんなとき? 日勤帯のど真ん中かな。

病院側は1月9日の産婦人科体制縮小の説明で、医師1人になった後も院内助産院で分べんに対応する方法を検討するとしていた。赤松院長は「先進病院を視察したが、医師1人体制での院内助産院は危険が大きいことが分かった」などと説明している。

視察しないと危険性に気付かない院長って・・・

赤松院長は「視察や検討の結果、医師1人体制では出来ないことが新たに分かった。見通しの甘さではない」と強調している。

見通し、甘いでしょう。
しかし、初めから「院内助産院」を検討しないと、「検討もしないなんて」って言われるから、一応検討してみたのであって、実は最初からダメとわかっていた、という筋書きなら、上記の経緯も理解できないでもない。だから、

助産院については、当初から「医師が足りないという理由で開設すると、何か起こった時、誰も責任を取らず危険」という指摘があった。

という真当な指摘が新聞に載るようになったのは、スゴイ進歩と言えないでもない。で、今後、産婦人科医が増加に転じない限り、この病院が分娩を再開する可能性は、限りなく低いと言えよう。
以下は記事。

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