効果的な戦法

また発覚、という妊婦の脳内出血の話。ニュースソースは沢山でてるので、ブログへのリンクで御免。
首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その8)NHKニュースウオッチ9は杏林からの搬送を受けた病院を「別な病院」と言い換える そんなに墨東病院が受け入れたのが気に入らないのか: 天漢日乗
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2530
天漢日乗さんが引用している初発?の記事では、「母子ともに命に別条はない」とかいって実は意識不明の重体だったりして、定型で文を書いてるとワケが分からないことになるのがよく分かる。
前回の木刀と今回の凶輪の件でわかるのは、とにかくマスコミは「たらい回し」に帰結させたくて、似たような事例を一生懸命探しているということ。で、そういう症例が見つかってマスコミの方々は喜んでいるのかも知れませんが、医師の側から見れば、やはり妊婦の脳内出血は予後が悪いんだな、という印象を受ける。助かっても神経予後はかなり厳しいことが推察される。それでこれだけ叩かれるのなら、脳内出血の疑いがあれば絶対受けてはいけない、と思えてくるくらいだ。
あと、搬送元が記者会見するのが最近の流れのようだ。マイミクの人が日記の中でブチ切れていたのだが、最近は搬送元が搬送先を後ろから撃つ(ように見える)ことが多いようだ。ま、搬送元は経営規模も小さいから、先手必勝で対応することが、生き残りに大事なんだろうけど、こういうのって、ある集団を滅亡させようとしたら、内部で抗争を起こして引っかき回して弱体化したところを叩く、という古来の戦法によく似ている。そういう観点でみれば、現在のマスコミの戦法は、まず煽り記事を出すことで、搬送元と搬送先の対立を引き起こしており、医療を崩壊させようという方向には非常に効果的であると考えられる。なかなかやるな。