2008-04-29 シリコンバレー精神は日本の場合、オタク市場に流れ込んでいる。
シリコンバレー精神は日本の場合、オタク市場に流れ込んでいる。
日本人の起業スタイルが、アメリカのものと比べて異なっているのは、ただビジネスのスタイルが違うだけの問題じゃない。その点を抑えないで「なぜ日本にはシリコンバレー型の、ITベンチャーが育たないのか?」……と議論をしても不毛なんだ。
確かにベンチャーキャピタルの違いや、起業に対するリスク、姿勢が異なっているという背景は、ベンチャーの経営環境に大きな影響を与えている。(例としては、何度破産してもやり直しのできるアメリカと、債務を個人保証するが故に、失敗の許されない日本という構図だろう)
だが最も注目しなければならないのは「オタクのヒューマンリソースが何処に向けられているのか?」……ということだ。
アメリカのギーク (geek) は、プログラミングを通して積極的にIT技術の構築に関わっているのだけれど、日本のオタク・ヒューマンリソースのほとんどは、プログラミングだけではなくてアニメ、ゲーム、マンガなどのコンテンツ市場に関わっている。
アメリカのギークの技術が、経営力とベンチャーキャピタルの資本力とに支えられることでシリコンバレー型の情報産業を産みだした。
だが日本のオタクは、シリコンバレーじゃなくてコンテンツ市場を作り上げた。オタク(ギーク)の人的資源がコンテンツ市場に流れ込んでいる以上、日本にはシリコンバレー型の情報産業が根付くのは難しいだろう。
シリコンバレーに相当する市場がすでに存在している日本において、問題点があるとすればただ1つ。
それは日本のコンテンツ市場に、経営力とベンチャーキャピタルに当たるものが欠落しているということである。そのために個人の持つコンテンツ製作能力は、資金力とマネジメントの技術に増幅されて、新しいコンテンツになることはない。
同人マーケットで人気を博した「ひぐらしのなく頃に」のように、個人か少人数の組織によるコンテンツが自力で這い上がってくるだけだ。
もし仮に日本がシリコンバレーのような構造を備えた市場を造り出そうとするのならば、あるいはコンテンツ市場を今まで以上に発展させようとするのなら、「オタクの技術や発想力+経営力+資本力」という体制を早急に整えて、コンテンツ市場におけるベンチャー企業とでもいうべきシステムを確立すべきだ。
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