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2009-09-08 短所を長所に変えるとは、競争上のルールを変化させることだ。

短所を長所に変えるとは、競争上のルールを変化させることだ。

大富豪というトランプゲームでは、革命を起こすことで今まで強かったカードと弱かったカードの立場が逆転する。だがカード自体が変わったわけではなく、カードの強さを評価するルールが変わっただけに過ぎない。

つまり、ルールを変化させることができるならば、短所を長所に変化させることが可能だ。


弱みを強みに変えることができた例として、初音ミクを例にとってみよう。

ボーカロイド技術も人間の声には程遠いクオリティでしかなかったのだけど、「いや、むしろ舌っ足らずな歌い方が可愛くないか?」という評価軸を新しく生み出すことで、完全なリアリティを追求できないという欠点をキャラクター性という長所に変化させた。

「人間の声に、どれだけ近づけるのか?」で評価されるゲームから、「継ぎ接ぎみたいな声だけど、可愛いよね」という評価されるルールのゲームに作り替えていくことが、初音ミクの場合の「短所を長所に変化させる」ことだ。それは大富豪の革命で、ルール自体を変更させて「舌っ足らずの、継ぎ接ぎの声」という弱いカードを、強いカードへと変化させることに等しい。


反対に、ルールが変われば今まで長所だったものが短所になる場合もある。

ケニア遊牧民を対象に行った調査で、ADHDとの関係が指摘されているドーパミン受容体遺伝子が、牛を放牧する遊牧民の集団においては良好な健康状態と理想的な体重をもたらす一方、最近定住して農業を営むようになった彼らの親族では栄養不良を引き起こした可能性があることを突き止めた。


研究を主導した大学院生人類学)のダン・アイゼンバーグ(Dan Eisenberg)さんは、「人間の数ある個性の一部が、状況に応じて進化上有利になったり有害になったりする可能性を示唆している」と指摘。「ADHDを単に病気としてではなく、適応要素の1つとして考えられるようになるかもしれない」と述べた。


注意欠陥多動性障害は遊牧民には有利か、米大学研究


好奇心が強い、思い立ったらすぐに行動できるという特性は、遊牧民族のルールの中においては有利に働く。だが定住生活というルールの中では、それまで特性だったものが、飽きやすく決まった作業に集中することが困難、衝動的であるという短所に変わってしまう。


弱点を長所に変化させるために、自分に適切なルールを選ぶこと。あるいは長所を弱点にしないために、不利なルールでは戦わないこと。

熊とワニが戦うときに勝敗を決するのは、腕力や顎の強さではなく「泥沼の中で戦うか、それとも陸地で戦うか」というフィールドの問題こそが重要であるという。

「自分の持っている特性を、有利に働かせる事が出来るルールで戦うことが出来るのか否か」を、まず第一に考えることこそが、短所を長所へと変換させるための有効な方法論ではないだろうか。

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