研究者の基本能力 4 "精読"

1 文献検索 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20070113/p3
2 実験遂行能力 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20071020/p1
3 描画技能 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20080315/p15


一つの本を集中的に、丁寧に読んでいく力。これは、ある程度は訓練で身に着けることができると思います。いろいろ情報をつまみ食いするような力も大事ではありますが、じっくりとゆっくりと通して一つの本を読むのもとても重要です。

今の私に時間がないわけではありません。でも、学生の時ほどはそういう時間を取らなくなってしまいました。これは、反省するべきことでしょうね。


学生の人に、どうやって、こういう力を身につけさせれば良いのかな?って思います。


精読には集中力や忍耐力が必要ですね。というか、丁寧に読むことを通して、集中力や忍耐力がアップするとも思います。


字面を追うだけではなくて、想像力を働かせて読む必要があります。「イメージする」とか「パラメータを変えるとどうなるかを具体的に考える」とかは、脳に負荷をかけるので、やると疲れます。面白いと思ってできると良いですけどね。


理解するために読む、反論するために読む、粗捜しをするなどできます。

一度通して読んだら、全体の構成はどうなっていたのかな?ってもう一度考えることが出来ます。


修論を書く学生に、「大学に入ってから勉強や研究を通して得た物理観があるよね。その世界観というか科学観において、自分の研究はどのように位置づけられるものなのかを、自分の文章で書いてみなさい。それがイントロになります」って言うことがあります。物理の世界観を持つためには、やっぱり丁寧に本を読むということが大事だと思います。

物理の世界観を形成して欲しいわけですが、その形成には議論能力や計算能力とかとも関連しますね。ここらへんも書きたくなったらいずれ書きます。