『女房が宇宙を飛んだ』(向井万起男)

女房が宇宙を飛んだ

女房が宇宙を飛んだ



p.25

「We are astronauts!(これで、オレたちは本当の宇宙飛行士になったぜ!)」

この台詞は印象的でした。ずっと不安と戦ってきているのではないかと。


p.48

スペースシャトルのトイレが故障したのだ。

そんなことってあるんですね。


p.70あたりの実験室が寒いという話は初耳でした。そういうものなのか。

p.81-83あたりのTEMPUSでの実験は面白いですね。この時が初めてなのかな?


p.106

あのとき、全世界が注目する中で、アポロ13号の乗組員の命を救うために全責任を負って頑張ったフライト・ディレクターが弱冠36歳の男であったこと、その下で頑張った専門家たちの多くが20代の若者だったことを知っている人は少ない。

36か。若いな。


p.227以降
帰還した後の体が慣れていないところの記述などがたいへん面白いと思いました。

たとえば。p.235の

「手を放すと、物が下に落ちるのが不思議でしょうがないのよ。だから、すぐ、物が落ちるのを見たくなっちゃうの」

とか。


p.241以降ののジョン・ヤングに関する作者の考え方は面白いかも。


p.268

私たち夫婦は、この日、とっても幸せだった。2人一緒にビールを飲み、テーブルに並べた料理を食べながら、たわいのない話を続けることができたのだから。世間の多くの夫婦にとっては当たり前の、こんなことが、私たち夫婦にとってはめったにない一大イベントなのだ。

こういう記述が面白いって思いました。


p.272以降の人生観についてもおもしろいですね。



p.280あたりの宇宙旅行で一番感動したことも面白い。重力か。

p.281

「マキオちゃん、私、関心していることがあるの。私は無重力の宇宙で暮らして帰ってきたから地球の重力を実感できたけど、ニュートンアインシュタインなんかは宇宙に行ったことなんてないのに、あれほどまでに重力をきちんとわかっていたのよね。やっぱり、ニュートンアインシュタインって天才なのね、私のような凡人と違って」

こういう記述も面白い。