凄い、楽しい、気持ちいい - 作者別まとめ「じゃんP」


しばらくやってなかったのだけど、じゃんPの新作が最高だったので、今日は勢いのままに作者別まとめいきますよ!
まずは衝撃を受けたその最新作からご紹介。
アイドルマスター 『グラスホッパー』 春香 雪歩 やよいアイドルマスター 『グラスホッパー』 春香 雪歩 やよい


おお、なんですかこれ完璧じゃないすか。
冒頭の全員外にいるシーンで、びよーんと飛ぶ春香さんと羽パタパタさせてるやよいと草に隠れてる雪歩がそれぞれ登場して、その後三人揃って大ジャンプしてステージに着地するところから、光が生まれてそれをあっちこっちおっかけて最後に中からとあるものが出てくるラストまで……一部の隙もありゃしません。ひたすら楽しく無邪気に飛んだり跳ねたり走ったり踊ったりする三人のバッタ娘を描いている。
凄くて楽しくてかわいい。もうほんと、これ以上何が必要なんだろうと思えてくるくらい。いやー、765comm@ndはこういう人に持たせるとおっそろしい効果を発揮するなあ。やたらとかわいいサムネを見てこういう動画なんだろうなーとわくわくした期待を裏切らず、さらに超えてくるんだからもうたまったもんじゃありません。

最初から凄かった

さて、このじゃんPという人ですが、実はデビューの時点で凄かったりします。
アイドルマスター 『GOLDFINGER '99』 春香 真 雪歩アイドルマスター 『GOLDFINGER '99』 春香 真 雪歩
最初に紹介した最新作が765comm@nd活用しまくりでエフェクトもキラキラと光らせまくりなので知らない方は意外に思われるかもしれませんが、この人はどちらかというとダンサブルな気持ちいいタイプの動画でデビューしています。この処女作の『GOLDFINGER '99』は途中で一瞬別背景を合わせているものの、ダンスとカメラワーク以外の演出は衣装変更くらい。
しかし、それ以降の作品に比べて処女作が慣れてないとか出来が悪いとかちっとも思いません。いやこれ贔屓目じゃなしに。

ぴったりと合った気持ちいいダンス、最高のタイミングでの舞台変更と衣装変更、そして水着になったところで春香さんの腰にグッと寄るカメラ。この動画にこれ以上何かを付け足す必要を全然感じない。

予想外の方向に進化

てっきり処女作のようなシンプルな気持ちいい作風をひたすら続けてくるかと思いきや、その後の作品では色々と新しいことに挑戦してくるんですよねこの人。なんでも一度は試してやろうと言わんばかりの勢い。
アイドルマスター 『ラムのラブソング』 亜美 真美アイドルマスター 『ラムのラブソング』 亜美 真美

2作目のアイマス公式カバー『ラムのラブソング』ではパステル調のポップな感じの背景に合わせてきたり……
アイドルマスター 『BOHBO No.5』 春香 真 雪歩アイドルマスター 『BOHBO No.5』 春香 真 雪歩

3作目のサザンとのコラボMADではかっこいい入りにしてみたり、抜いてエフェクトかけてみたり。スクショ抜いてるとこのコメント職人の仕事も良いですね。サムネになってる後半の流れは必見ですよ。それまでで十分楽しめてるのに、さらに楽しさをたたみかけて本当にこの動画が大好きになる。
アイドルマスター 律子の『真夏の夜の夢』アイドルマスター 律子の『真夏の夜の夢』


4作目では冒頭のパジャマ→舞台衣装への変更から、動画のタイムラインに合わせて夏→春へと季節を移り変わらせることで、曲名どおり『真夏の夜の夢』を表現しています。天気のエフェクトだけじゃなくて舞台や衣装もそれっぽく次々に変えてるんだけど、それだけ色々やっててもなぜかあんまりゴテゴテした印象はなく、むしろ渋い。

中心には『楽しさ』

アイドルマスター 『イエローマン 〜星の王子様〜』アイドルマスター 『イエローマン 〜星の王子様〜』

5作目のここまで来るととうとう宇宙にまで飛び出してネタ満載のカオスな映像を見せてくれます。


さて、これはニコマスのメインストリームに順応していったと見ることもできますが、では全く違うタイプの作者になったのか? のかというと、僕はそうは思いません。挑戦していることはバラバラでも、じゃんPの動画には一貫した楽しさがあるからです。
これだけ様々なことに挑戦しながら、処女作の時点で既に完成していたダンスの気持ちよさは全く変わってない。大量に投下されるネタも、エフェクトも、そしてダンスも、全てが見ている人を問答無用で楽しく幸せな気持ちにするために使われている。
抽象的な表現しか出来なくて申し訳ないけれど、僕はこの『楽しさ』こそがじゃんPの個性なんだと思いますよ。

マイリスト眺めるとわかるけど、この人サムネ一本釣りもやたら上手いんだよな(笑)。

視聴者の声を無視せず、そのまま受け入れもせず

アイドルマスター
なんかわかむらPのサイトが新作の「SUPER MUSIC M@KER」に合わせた感じのデザインで無茶苦茶かっこよくなってます。
あくまで新作公開中の冗談みたいですけど、わかむらPってたぶんこのへんのデザインも本職なのかな。冗談に見えない冗談、フェイクに見えないフェイク。実際音楽系のサイトのトップにこういう広告あるもんね。


本職といえば、最近ご自分の職業のアートディレクターってのをクレジットに出すようになりましたが、

アートディレクター(Art Director)とは、美術表現、芸術表現をもちいた総合演出を手がける職務を意味する。商業活動のなかでは、広告、宣伝、グラフィックデザイン、装幀などにおいて、主に視覚的表現手段を計画し、総括、監督する職務である。

アートディレクター - Wikipedia

こんな感じの職務らしいです。実際に手を動かすのは本人じゃなくてデザイナーって話だけど、普通こんな職に付く人は現場経験してきてるだろうし兼デザイナーってケースも非常に多そうだから、まあ本職ですわな。
Wikipediaの項目の下のほうに「日本のアートディレクター一覧」ってのが載ってて驚きましたけど、考えてみれば「広告・宣伝などの視覚的表現の総括」なわけだから、各種広告やらなんやらのクレジットで頻繁に名前が目に入って当然のポジションなんだな。わかむらPこのリストに普通に入っとるんじゃなかろうか。


さて、この新作「SUPER MUSIC M@KER」は、はっきりと「自信作です」と言い切りサイトのデザインを変えるくらい力を入れてるだけあって、わかむらP作品の中でもかなりインパクトのあるものになっています。
最近は抜きと固定カメラ活用による安定したペース・クオリティの作品供給が祟って、「似たような構図ばっかで飽きた」「凄いけどもういいや」みたいなことも言われがちでしたが……「Wow」「SSUとかち」そしてとどめに今回の「SUPER MUSIC M@KER」によって、マンネリ感を有無を言わさず吹き飛ばした感じですね。

わかむらP:ボカロ & 合作関連 by わかむらP - ニコニコ動画

アイドルマスター 美希 Wow PV風アイドルマスター 美希 Wow PV風

アイドルマスター とかちのシャイニングスパイラルウンコ PV風(比較付)アイドルマスター とかちのシャイニングスパイラルウンコ PV風(比較付)


あと毎回恒例のブログでの作品解説で少し驚いたと同時に納得したのがこの部分。

実は固定カメラのLongと センターのUpカメラしか撮影していない

春香 SUPER MUSIC MAKER PV風 - wakamura plex

「固定カメラのUPばっか」とか批判されがちでも、意見をそのまま受け入れて対応するんじゃなく同じ方向性で突き抜けてしまうというのは、いかにもわかむらPらしいなあ、と(笑)。初期のPSPSに繋がる流れもそういえばそんな感じだったよね。処女作で無駄なエフェクトどうこうとか叩かれてたけどそのまま突き進んで認めさせてしまった。
人の目を全く気にしないのはエンタメとしてはアレだろうけど、人の意見をそのまんま受け入れて作られた作品なんてつまんないもんねー。