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敷居の先住民 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

敷居の先住民
  ニコニコ動画紹介メイン(でした。以前は。)。漫画・小説・ゲーム・まとめ・その他雑文なんでもあり。
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告知等
  同人サークル敷居亭関連情報まとめ&通販受付(新刊『最前線』『終幕』通販開始!)

2011-12-27

サークル敷居亭冬コミ新刊『敷居の部屋の混沌(カオス)』

MUGEN動画紹介記事のラストで告知するだけなのもアレなので、改めて敷居亭冬コミ新刊告知記事を置いておきます。

内容は前回の告知とほぼいっしょ。

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3日目 東地区 R - 07 b 「サークル敷居亭」

実は↑の記事、サークル敷居亭の冬コミ新刊『敷居の部屋の混沌(カオス)』からの先行公開版となっております。冒頭に引用したくらふとさんのイラストは今回の表紙絵ですね。

きになる内容は、敷居によるMUGEN話最終防衛ラインのlastlineさんによるニコニコゲーム実況動画の歴史レスター伯によるニコ生RTA、無料公式配信アニメ横断検索サイト「アニバン」管理人のGiGiさんによる無断UP氾濫から公式配信へと繋がるニコニコアニメ話、そして番外編として「テキストのニコニコ動画」とも言える大規模小説投稿サイト小説家になろう」座談会となっております。座談会参加者は敷居・レスター伯の編集陣の他にSomething Orange海燕さん、物語三昧ペトロニウスさん、そして匿名希望ですが商業物書きとしての視点を座談会に提供してくれた某ライターさんの5人。


表向きのテーマとしては、もともとそれなりの規模のあった各ジャンルがそれぞれニコニコ動画という場に出会ったことでどう発展してきたのか? そして、ニコニコ動画をはじめとして今ネットの各地で発展を続けるユーザー参加型大規模投稿サイトの新たな注目株である「小説家になろう」が何を生み出すのか? ってあたりになるでしょうか。

が、それはあくまで表向き。実際のところは、参加者それぞれがいま心の底から面白いと思っているジャンルについてとにかく全力で熱く語ろうぜ! といった、同人誌としてはごくごくストレートな動機で作られた本でございます。

ネットで出会える面白いものを常時貪欲に探している人なら、きっとこの本の内容にも興味を持っていただけるんじゃないかなあと。いつもどおり80ページ程度の横書き文章同人誌をワンコインで配布することになる予定です。受付ページでのネット通販はたぶん今回もやると思いますが、あまり数は刷らない予定なので委託はしないかも。

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また、モバゲーアイドルマスターの評判を受けて急遽作られた特別増刊コピー本緊急対談「アイドルマスターシンデレラガールズが熱い!」」も配布予定です。想像以上に盛り上がるアニマスの裏で、こちらもなんだか思ったより評判がいいモゲマスについて、なかなかおもしろい話が展開されています。興味がある方はどうぞー。

関連記事

全ルート期待してOK? - 『WHITE ALBUM2 -closing chapter-』

WHITE ALBUM2 -introductory chapter-

ここ数日、ホワイトアルバム2待望の本編発売直後ってことで、僕が以前書いた序章記事に検索で辿りついてる人が多いみたいです。

今更読み直すほどの記事じゃないので簡単に内容を要約すると……「序章単体でも十分楽しめる。でもせっかくホワイトアルバムの続編を名乗るならもっとドロドロでヤバくてもいいのでそこは本編に期待」→(特典小説と2周目限定シーン見る)→「ごめん前の記事間違い序章も十分ヤバかった。雪菜さんマジパネェ!」って感じ。


そんなこんなで序章だけでもずいぶんと楽しませてもらった作品ですんで、さっそくプレイ中です。超楽しい。

序章クリアした時点で「てか冬終わったとこじゃん! ネクストウインター遠いなあ」って思ってたら、結局ネクストネクストウインター発売という罠がありましたが、どうやら待った甲斐ありそうです。まだ1ルート目クリアして2ルート目の分岐に入ったところなんですが、既にめちゃくちゃ面白いんですもの。序章ヒロインの雪菜さんもかずさもまだ全然前に出てきてないのに。


まず一人目ってことで、とりあえずサブヒロインからだよなーと、なにやら3年間でいつの間にやら主人公の一番近くのポジションを確保していたらしい千晶さんをクリアしたんですが……。

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ヤバかった。


すんませんでした! 見た目も地味だし、どうせサブヒロインなんでしょとか甘く見ててすんませんでした!

雪菜さんとかずさにたどり着くまでの刺身のツマ程度の気持ちで手を出したらとんでもねーもんが飛んできたもんだよ……まあ丸戸さんのシナリオだからつまらないってこたあないだろうとは思ってたけど。うーん、このインパクトはいきなりぶつけられると面食らっちゃいそうなので、千晶さん最初に攻略するのはよしといたほうがいいかも? 2〜3人目あたりがいいかな?

で、今はかわいらしい年下の子春ちゃんルートやってますけど、こっちはこっちでど直球でいいですねえ。ヒロインが恋をする過程のしつこいくらい綿密な描写っぷりに、読んでるこっちのライフがゼロになりそうです。


まだプレイしてない人は、序章のダブルヒロイン以外の新ヒロインも十分期待して問題無いかと。僕みたいに刺身のツマ程度の気持ちで手を出してショック受けたほうが幸せかもしれませんけど(笑)。

んー、ネタバレ無しで語るのって難しいなあ。色々ネタバレ有りで語りたいこともあるんですが、まあ全員クリアしたら改めて考えましょう。またラジオやろうぜって話も出てるし。

*1:イラスト:くらふと(http://d.hatena.ne.jp/craft_kim/

*2:イラスト:ハバネロP(http://d.hatena.ne.jp/habanero02/

2011-12-23

無限に広がる格ゲーエンターテインメント! ニコニコMUGEN動画の魅力

f:id:sikii_j:20111219010656j:image*1

MUGENとは (ムゲンとは) - ニコニコ大百科

ニコニコMUGENwiki - mugen動画を楽しく見る為に

いま、ニコニコのMUGEN動画がむちゃくちゃ面白い。

実はこのジャンル、ここ2年くらいすさまじい勢いで僕の時間を奪い続けています。ここまで奪われてしまったからにはちょいと気合を入れて紹介のひとつも書かねばなりますまい。これを読んだあなたたちも、僕と同じようにありえないほど時間を奪われて楽し酷い目にあえばいいと思うよ。


MUGENとは

MUGEN*2とはなんでしょう? 簡単に説明すると「ありとあらゆるキャラクターを一つの2D格闘ゲーム内で動かすことができるフリーソフト」あたりになるでしょうか。キャラの作成者さえいればゲーム会社同士がコラボしなくても様々な有名キャラ同士のドリームマッチが無制限に実現できてしまうわけで、特に少し昔の2D格ゲーが好きな人の目にはむちゃくちゃ魅力的に映ると思います。10年以上前*3に開発されたそこそこ有名なソフトなので、存在くらいは知ってる人も多いんじゃないかな。

MUGEN本体は非常に優秀な2D格闘ゲームエンジンというだけで違法性は皆無なのですが、言うまでもなく実態は著作権的に問題の塊で、データぶっこ抜くわ改造するわあげくの果てに配布するわともうやりたいほうだい。実際不快感を表明するゲーム制作者もいるようなのですが、関連サイト等の情報を見る限りどこそこのメーカーが正式にユーザーを抗議した・訴えたといった記述は見当たらず、ニコニコ動画での権利者削除率もMADなどよりよほど低いようです。

まあ一見完全に原作そのままのキャラに見えたとしても内部のプログラム記述はMUGEN上で動くようにユーザーが1から手作業で「再現」したものなので、そのまんま流用されているデータは映像と音声くらいなのですが……それにしても同人誌やMADなどよりよほどヤバそげなこの世界がなぜこれほど安定した状態で続いているのか? というのはなかなか興味深いところではあります。


しかし、僕がいま語りたいのは格ゲ好き垂涎のアングラツールとしてのMUGENのことではなく、ニコニコのMUGEN「動画」のこと。いやね、いつまにかえらいことになっとるんですよこれが。


格ゲー? いいえ、MUGENです

本格的にニコニコ動画の話に移る前に、もうしばらく説明にお付き合いください。さきほど「格ゲー好きにとって」と書きましたが、MUGENは格ゲー好きだけの世界ではありません。文字通り「ありとあらゆるキャラクター」、つまり格ゲー以外のキャラも大量にいて、それこそがカオスが信条のニコニコ動画との親和性を高めている大きな要因の一つなわけです。


例をいくつか挙げると、漫画原作なら『最終兵器彼女』のちせは元気にミサイルやレーザーをぶっぱなし、『ぼのぼの』のアライグマくんは敵味方関係無く蹴っ飛ばし、『エアマスター』のジョンス・リーは八極拳を爆発させて相手を一撃で画面外にふっとばし、『グラップラー刃牙』の範馬勇次郎は画面狭しと大暴れ。漫画に限らず他のジャンルからもじゃんじゃん参戦していて、スペランカー先生は原作通りにすぐ死ぬし、アイマスの春香さんは格闘してもやっぱりアイドルで、カプコンのマーブルシリーズに出演済のスパイダーマンとニコニコで人気の東映スパイダーマッのドリームマッチがあると思えば、キワミ勢はくそうるさい……ってキリないですね。

このような原作格ゲーが存在しないキャラのグラフィックは他の格ゲーキャラを一部改造したりオール手描きで差分何百枚も描いたりドット全部手打ちしたりなどで作られています。豪快なものになると格ゲーじゃない原作のグラフィックをそのまんま持ってきてるキャラなんかもいたり。キャラが存在するかどうかは作るユーザーのやる気次第であって、制限などは一切存在しません。ぶっちゃけ格闘をしなければならないという決まりもないので、ビックバイパーとか全く歪みなく横シューやってます*4、神竜やオメガは律儀にターンが周ってくるまで一定時間待ってから行動します。

そして、完全手描きで作られたキャラがいるってことは完全オリジナルのキャラもいるってこと。最近はオリキャラ勢もほとんど商業作品*5と見分けがつかないようなクオリティのものが続々出てきているので、けして無視できる勢力ではありません。*6

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部分改変によるMAD的な二次創作、オール手描きによる同人漫画的な二次創作、そして完全な一次創作。それらが全く同列に同一の場で並んで消費されているってのもMUGENの大きな特徴と言えるでしょう。


もちろん、中高生の頃にちょくちょくゲーセン寄ったり家で友達と対戦して遊んだりってルートを辿ってきた人*9のほうが理解しやすい世界だし、非常によくできた格ゲーキャラも無数に存在するのでそこだけ抜き出して楽しむことも十分可能ではあります。

でもニコニコのMUGEN動画全体を見て楽しみたいのなら、まずは「MUGENとは格ゲーである」という固定観念を綺麗さっぱり忘れてしまうことです。ありとあらゆるものが混ざり合ったカオスこそがMUGENの面白さなのだから。


ニコニコMUGEN動画はプロレス観戦

ではニコニコのMUGEN動画とはどのようなものでしょう? 人操作によるプレイ動画やキャラ紹介動画、紙芝居風のストーリー動画なども存在するのですが、やはり一番量が多くて目立つのは数十数百のキャラを一度に集め一定のルールのもとAI同士に戦わせる通称「トーナメント動画」*10です。一般的な形式としては、まずOPとして参加キャラ紹介+ルール説明+大会のコンセプト解説の動画が上がり、その後に実際の対戦が繰り広げられる本編動画が数十パートに分けて投稿されていくというもの。*11

一本のパッケージではないMUGENにゲームバランスは存在しないので人同士の対戦が難しく、AI同士が戦ってる動画なら投稿者一人だけで気楽に作れる。また、色んなキャラが入り乱れて戦えるということこそがMUGENの魅力なのでたくさんキャラを出すと、当然動画が長くなる……ってあたりがこの形式が主流になった理由になるでしょう。視聴者はお気に入りキャラが多かったりルールが面白そうだと思った大会をpart1から順番に追っかけて、面白い試合展開があればコメントで歓声を挙げ、お行儀の悪い人は野次を飛ばしたりしながら楽しむのです。ようするにプロレス観戦みたいなもん。


さて、重要なのはこういう流れの結果何が起こるのか。

ある試合で非常にかっこいい動きや笑える展開が発生して動画コメントがたいへん盛り上がったとします。そのキャラを動かしているのが同じAIであれば同条件が整えばやはり類似の試合展開が高確率で発生するので、何回も見ているうちにそれはプロレスでいう定番ムーブとして観客の頭にインプットされていくのです。

例えば北斗のサウザーがうれしそうな声で相手吹き飛ばしながら画面往復を始めたら、定番ムーブがインプットされている観客の頭にはすぐに画面端でフハハフハハハと大笑いしながら槍投げを連発する*12聖帝の姿が浮かび「本日も聖帝が楽しそうでなによりです」というコメントを準備するし、逆にちょっと強力なコンボを叩きこまれる気配になればとんでもない勢いでライフが無くなっていくのに合わせて「ぺらっぺらやぞ!!」「聖帝なんですぐ死んでしまうん?」とコメントを打つ準備が既に整っている。

武藤がコーナーに相手をふって側転したらエルボーフェイスクラッシャームーンサルトプレスまで見えるようなもんですね。え? 例えが古い? 武藤は永遠のスターだろうが!

MUGEN動画ではこの手の「お約束」が既に数限りないほど存在し、そして日夜新しく生まれています。USゴジラはマグロ食ってるようなやつなのでダメだしチャドの霊圧は関係無くても消えます。

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【MUGEN】まだ!僕の夢は魔物使いトーナメント番外編」より。USA版ゴジラの定番弾幕。勝つと「やっぱマグロ食ってるやつは違うな!」と誉められるが直後に負けてすぐに手のひら返される様が良く見うけられる。

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【MUGEN】クラス対抗!学級崩壊バトルpart13前編【3学期】」より。ブリーチ勢が負けるとなぜかチャドの霊圧が毎回消される。お前らチャドの霊圧消したいだけちゃうんかと。

最初は何人か好きなキャラのMUGEN移植版がいるからということで興味本位で大会動画を見始めた視聴者が、同シリーズを見続けるうちに頭に自然と新たな「お約束」がインストールされていき、見終わるころには最初は心底どうでもいいと思っていたオリキャラのファンになってしまう……なんてことはさほど珍しいことではありません。長く続くジャンルで定番ネタを知らないということは初心者には通常不利に働くと思われがちですけど、MUGEN動画の場合は実際にその場で展開されるシンプルなものがほとんどなのでだいたいは一目見りゃわかるんですよね。


そんな感じで観戦するのに慣れてくると、新しい動画のOPキャラ紹介見るだけでもうテンション上がるようになってくるんですわ。好きなキャラ出てきたらもちろんうれしくなるし、知らないキャラでもコメント盛り上がってたらどんな面白いものを見せてくれるんだろうとわくわくしてくる。ここまで洗脳されてしまえば、MUGEN動画は噛めば噛むほど味が出るスルメのようなジャンルになるのですね。しかもキャラ・AI製作者がたくさんいて常時新しいキャラや全く違う動きをするAIが増え続けているので、いつまで経っても飽きない!

そう、キャラだけじゃなくAIの進化も重要なのです。元々MUGENのキャラに搭載されているAIというものは一部のネタキャラや凶悪キャラを除いて基本的に対人戦を想定して作られたものがほとんどだったそうですが、現在は明らかに対AI戦で「魅せるプレイ」をするキャラが増えています。2007年の動画と今の動画見比べるとけっこう一目瞭然で動きが違ったりする。


もとから反則級のツールであるMUGENがニコニコ動画と結びつくことで楽しみ方が拡張し、キャラもAIも動画の内容もリアルタイムでどんどん発展し続けているわけで……こんなもん、面白くないわけありません。

まさに無限に広がり続ける格ゲーエンターテインメント。それがニコニコMUGEN動画なのです。



補足1−場外乱闘は日常茶飯事

いいところばっか書いてきましたが、もちろん欠点もあります。ありとあらゆるものを取り込むジャンルということは同時にありとあらゆる人が寄ってくるということで……MUGEN動画の荒れやすさって半端ないです。

たいがいの動画は冒頭でキャラやAI叩きするなって注意書きがあるのですが、アンチがついてるキャラ出てきたら普通に叩きコメントで溢れますし、荒れまくってる動画の「荒らしてるの数人だけじゃねーかwww」ってコメント信用してNG機能使っても全然コメント減りません。たいがいガチ荒れ。最近はだいぶ下火になりましたが、一時期の東方アンチの大暴れっぷりといったらもう、邪魔だなーとかそういう感想通り越して狂気を感じるレベルでしたから。

前段で述べたプロレス的であることにも弊害があり、あまりにもドラマチックな試合展開が動画で流れた場合に投稿者の「作り」が疑われる――つまり「ブックだろ!」って指摘が飛んで荒れることもけっこう多いんですよね。どっちでもええがなそんなんと流せる枯れた人はともかくとして、純粋に感動してる人のロマンがぶち壊しになるのは単純に荒れるよりも弊害が大きいかもしれないなあと感じます。いや、真面目な話こういう世界ってストレートな中二マインドから生まれるものも多いと思うので。

気にせずスルーできたり多少の荒れ程度はむしろ笑って楽しめてしまう人はいいのですが、そうじゃないならNG機能を工夫するなどの対策がいるかもしれません。僕は現状程度ならわりとへいき。MUGEN動画の面白さはコメントによって支えられている部分がけして少なくないので、どんなに荒れていてもコメ消しは推奨したくありませんね。


とはいえ、最近は固定客層が増えてきたのとNG共有機能*13の影響か、以前に比べればだいぶ大人しめにはなってます。コメントが荒々しいことはビジター率の高さと無関係ではないので、それが100%喜ばしいことかどうかは微妙なところですけど。*14


補足2−MUGENキャラクターのランク分け制度

MUGEN動画を色々見ていると「凶」だの「神」だのといったワードを頻繁に見かけることになると思います。普通の強さのキャラがメインの大会を見る限りはそこまで気にする必要はないのですが、いわゆる「凶悪キャラ」も含めた動画全体を楽しむなら知っておくと便利なのが、このランク分け制度。

先にMUGENにゲームバランスなどは存在しないと書きましたが、大会を開く以上は強さの基準をある程度合わせないことには勝負が成立しませんよね。しかし多いときには一つの大会で数百キャラにもなる出場者の性能を全て把握せよというのはなかなか厳しい。そこで「○○のランクは強上位」「○○は狂中位」などわかりやすい基準を設けることで、性能を完璧に理解しなくても出場者を一定の範囲内に収めることが可能になると。いやまあ、単純な利便性抜きに強さのランク付けって男の子だよな……って理由も絶対あるでしょうけど。


ランク分けは大まかには「弱」「並」「強」「凶」「狂」、番外として「神」「論外」があり、その中でさらに下位上位などに分かれます。

強以下は文字通りの意味で、「凶」は一般的な格ゲーのボス性能かそれをより酷くしたもの、「狂」は無限コンボ大ダメージ超防御力超回復なんでもありで普通のキャラが勝負するのはほぼ不可能なくらい。「神」はもう完全な別世界で、俗に「大魔法」と言われるエフェクトがどかーんばきーんと画面を占領してる裏でプログラム同士が相手キャラの死亡フラグを立てる隙を常時うかがうという……まあ、これもMUGENの可能性の一つが拡張された別ゲームだと考えておけばいいと思います。「論外」はその神キャラですら勝つ手段がない完全なネタキャラですね。*15より詳しくはニコニコMUGENwiki等を参照のこと。

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MUGEN 狂以上神以下 希望軍団vs絶望軍団 無理ゲー?挑戦大会 最終回」より。GM諏訪子の大魔法。水をイメージしたエフェクトなので比較的目にも耳にも優しい。対戦相手には全く優しくないが。

狂の中位あたりからはもう目で見ても何やってんだか理解できないレベルになるので、狂以上専門の大会でないとほぼお目にかかれません。ただアレはアレで慣れると別物として楽しめて乙なもんなので、「狂以上はなんだかよくわからない何か」と心の準備をした上で見に行くと吉。それもまた豊穣なMUGEN世界の一部なので食べないなんてもったいない。

また、このランク分けはキャラごとに固定なわけではなく、1P〜12Pカラーで全て性能が違ったりAIレベルが調整可能で全然別物の強さになるってキャラもかなり多いです。


独断と偏見のオススメMUGEN動画シリーズ

そう言われても何から見ればいいのさという人のためにオススメ動画を挙げておきます。おもしろい動画は数え切れないほどあるんですが、ここは僕の独断と偏見で最近の人気シリーズから3つに絞ってオススメ。

あつまれ!電車ごっこチームバトル

【MUGEN】あつまれ!電車ごっこチームバトルOP(&part1) ‐ ニコニコ動画(原宿)
【MUGEN】あつまれ!電車ごっこチームバトルOP(&part1) - ニコニコ動画

とりあえず最新作を出してますが、本当にオススメしたいのは過去作の魔物使いトーナメント及び学級崩壊バトルを含めた同一投稿者しめさば氏の全てのシリーズ。

ルールや出場キャラはシリーズごとに異なるのですが、彼の動画には一貫して「皆で集まって和気藹々と遊ぶ」という空気が流れています。動画のデザイン・BGM・出場キャラのチョイス・そこから引き出されるコメントなどが総合的に作用してこのいい感じに力の抜けた空気を作り出してるんでしょうが、殺伐としたMUGEN界隈において5桁再生以上の人気シリーズでそれが実現できているというのはかなり稀有なこと。むしろ初心者にこそ積極的に薦めたい動画です。


凶と狂の境界で台パンするシングルトーナメント

【MUGEN】凶と狂の境界で台パンするシングルトーナメント OP【筺体K.O.】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
【MUGEN】凶と狂の境界で台パンするシングルトーナメント OP【筺体K.O.】 - ニコニコ動画

通称「台ボッコ杯」。つまり対戦台を叩きたくなるような展開になるキャラばかりを集めた大会です。片方が無限コンボ決めたかと思いきや次のラウンドではもう片方が一撃で勝負を終わらせる。そんな見事なまでにどっちもどっちとしか表現しようのない試合の連続に、視聴者は大喜びで「ヒャッハーこいつは酷え! バン! バン! バン!」とコメントで台を叩くのですね。

ランダムで出場キャラが選ばれ一定回数負けたら脱落をひたすら繰り返すという極限までシンプルなルールで、大会コンセプトに合わせた絶妙のキャラチョイスに絞って面白さを出してる比較的硬派な動画なんですが、それがここまで楽しくなるってあたりにMUGEN世界の底力を感じます。


ころしてでも うばいとる ばとる2

【MUGEN】 ころしてでも うばいとる ばとる2 OP 【殺奪】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
【MUGEN】 ころしてでも うばいとる ばとる2 OP 【殺奪】 - ニコニコ動画

通称「ころうば」。第1回は既に完結してるのでまとめて見ることができる。ああうらやましい僕も記憶を消して最初から見直したい。ちょうど先ほどの「台ボッコ」とは対極に位置するような超複雑なルールを採用した大会で、なんと24分あるOP動画がずっとルール解説に終始する。簡単に流れをまとめると、

  • まず出場者全てがランダムで戦い2人組みになる
  • 2人組み同士がランダムで戦いチームになり、勝敗によって先鋒・次鋒・副将・大将が決まる
  • チームが出揃った時点で視聴者からチーム名を募集する
  • チーム名が決まった時点でOP2が投下され、本戦開始
  • 本選は基本的にチーム同士のランダム戦で、3敗したチームから順に脱落する

基本的な流れでこれだけ段階があり、これにタイトルの由来であるアイテムの奪い合い、ボス戦及び交流戦、経験値取得によるキャラのレベルアップ、疲労システムなどなど各種ルールが絡む。これらを全て把握するのははっきりいってめんどくさいのだけど、把握した上で追いかけるとこれほどおもしろいものもそうは無い。動画編集やBGMによる雰囲気作りもかなり凝っていて、まるでしっかりと構成されたTV番組のような感覚で視聴できてしまうのです。

時間のある方は、きっちりルール解説を見た後で腰をすえて挑戦することをオススメ。幸い作業量が膨大なだけに更新速度自体は早くないので、今からなら1を全て視聴してから2の連載に追いつけるぞ!

ちなみに敷居はこのシリーズをかなり偏愛しております。ころうば、お前がナンバー1だ……!!

関連リンク

ちょっと追記

>ののワさんと独眼ちゃんは(ry

うん、どっちも良キャラだし話題出せれば良かったですねえ。下手したら春香さん以上にニコニコで有名かもしれないののワさんはともかくとして、独眼ちゃんとかアイマスどころか2次創作のくされ戦記からのスピンオフなのに今じゃすっかり常連として受け入れられているあたりがMUGENらしい。

>懐かしがってる人

なんか2年前くらいに長らく沈黙を守っていた開発元のエレクバイトが復活して新バージョンの開発を開始、2011年の初頭に正式版がリリースしたそうです。それによる影響でいま大きくあの界隈も再活性化が進んでいる……のかどうかはちょっと僕にはまだ判断付きませんが、まあ公式が生き返ったってのはけっこうでかい出来事なんじゃないかなあ。

>師範動画しか見ないまなめ王子

カニミソ系はハイコンテクストすぎるっつーかなんつーか話題に繋げにくくて言及してないけど僕ももちろん好き。



サークル敷居亭冬コミ新刊告知

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3日目 東地区 R - 07 b 「サークル敷居亭」

実はこの記事、サークル敷居亭の冬コミ新刊『敷居の部屋の混沌(カオス)』からの先行公開版となっております。冒頭に引用したくらふとさんのイラストは今回の表紙絵ですね。

きになる内容は、敷居によるMUGEN話(この記事)、最終防衛ラインのlastlineさんによるニコニコゲーム実況動画の歴史レスター伯によるニコ生RTA、無料公式配信アニメ横断検索サイト「アニバン」管理人のGiGiさんによる無断UP氾濫から公式配信へと繋がるニコニコアニメ話、そして番外編として「テキストのニコニコ動画」とも言える大規模小説投稿サイト小説家になろう」座談会となっております。座談会参加者は敷居・レスター伯の編集陣の他にSomething Orange海燕さん、物語三昧ペトロニウスさん、そして匿名希望ですが商業物書きとしての視点を座談会に提供してくれた某ライターさんの5人。


表向きのテーマとしては、もともとそれなりの規模のあった各ジャンルがそれぞれニコニコ動画という場に出会ったことでどう発展してきたのか? そして、ニコニコ動画をはじめとして今ネットの各地で発展を続けるユーザー参加型大規模投稿サイトの新たな注目株である「小説家になろう」が何を生み出すのか? ってあたりになるでしょうか。

が、それはあくまで表向き。実際のところは、参加者それぞれがいま心の底から面白いと思っているジャンルについてとにかく全力で熱く語ろうぜ! といった、同人誌としてはごくごくストレートな動機で作られた本でございます。

ネットで出会える面白いものを常時貪欲に探している人なら、きっとこの本の内容にも興味を持っていただけるんじゃないかなあと。いつもどおり80ページ程度の横書き文章同人誌をワンコインで配布することになる予定です。受付ページでのネット通販はたぶん今回もやると思いますが、あまり数は刷らない予定なので委託はしないかも。

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また、モバゲーアイドルマスターの評判を受けて急遽作られた特別増刊コピー本緊急対談「アイドルマスターシンデレラガールズが熱い!」」も配布予定です。想像以上に盛り上がるアニマスの裏で、こちらもなんだか思ったより評判がいいモゲマスについて、なかなか興味深い話が展開されています。興味がある方はどうぞー。

*1:イラスト:くらふと

*2:正式名称は「M.U.G.E.N」。

*3:正確には1999年ごろに米国のエレクバイトという集団が公開したそうな。

*4:攻撃当たると即爆発して復活。残機無くなった時点で負け。STG勢は他にもたくさんいる。

*5:ネット声優に依頼してボイス着けているものまである

*6:それが可能なツールであるにも関わらず大部分が商用格ゲー素材を流用したキャラに占められてる時点でそうとう不健全な世界であることは否定できないでしょうが

*7:「【MUGEN】第二審セルハラ訴訟勝訴争奪男女対抗団体戦【後半戦】」より。海外産の古参MUGENオリジナルキャラDRAGON CLAW(通称ドラクロ)。画面狭しと縦横無尽に動きまくる。

*8:「【MUGEN】ナイア・ルラトホテップ AI&コンボ」より。通称ナイアさん。元ネタは当然クトゥルーで有名なアレ。漫画家の逢魔刻一氏がイラスト担当の先生なにやってんすかシリーズなMUGENオリキャラ。ボイスパッチもいい動きをするAIもあるので、今ではすっかりMUGEN動画常連として定着している。

*9:僕もそのクチではあるけど、格ゲー全盛期の世代だと別に珍しくもないよね。潜在ユーザーそこだけに絞ってもバカにならない数になるはず。

*10リーグ戦その他のルールでもまとめてこう呼ばれることが多い

*11:現在ニコニコ動画を「MUGEN」タグで検索すると7万件以上の動画が引っかかり、しかもその大半がこの「part**」という連番がついた動画であるため、タグを基準に面白そうなシリーズを探すなら「MUGENトーナメントOP」タグがオススメ。単発で面白い試合を探したい場合は「MUGEN名勝負リンク」「MUGEN迷勝負リンク」タグなども便利。「神回」タグもなかなか精度が高いので、「MUGEN」や大会名と組み合わせて検索しつまみ食いするといった用途に使える。

*12:高カラーのサウザーがよくかます無限コンボ。アッパー調整だとそういう無茶もするが、聖帝は典型的な攻めてりゃ強キャラ攻められるとぺらぺらという北斗勢にしてはほどよい強さでけっこう幅広い大会に出演し愛されるアイドルの一人である。

*13:最近増えたニコニコ動画の新機能。共有レベルを設定して有効にしておくと、一定以上のユーザーにNGコメント指定されているユーザーのコメントが表示されなくなる。荒れやすいジャンルほど効果が大きいので、MUGEN動画に与えた影響はかなりでかい。

*14:僕はどっちかというと明らかな荒らしコメントより「にわか消えろ」発言のほうにムカっとするタイプ。昔の自分を許せない狭量さは世界そのものをどんどん狭めていくんだぜー。

*15:当たり判定が存在しない旧論外「オメガトムハンクス」が相手の攻撃を利用して殺す「オメガトムハンクスキラー」によって突破されたことにより論外から転落し、以後ほとんどの神キャラにその技が搭載されることになった、みたいなエピソードが常識なのが神以上の世界。お前らは何と戦っとるんだと突っ込まずにはいられませんが、「当たり判定無いキャラ倒すとかロマンだろ!!」って言われるとまあわからんでもないような。

*16:全然網羅できてませんがとり急ぎ最近の中心に作ってみました。

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