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敷居の先住民
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2016-03-24

二次創作的手法の一次創作

さて、前回に続いてまたツイッターの投稿から記事を書いてみます。

山本弘先生の「何で日本の一般人が考える「異世界ファンタジー」のイメージって、こんな画一化しちゃったのか」ってな発言が物議を醸していたのですよね。*1

で、それに反応したわれながらそーとー極端な発言。んなこと言ったって異世界でモンスターとか魔法とか出てくる世界観の小説を「ファンタジー」以外のなんと表現するのか。「別ジャンル」(断言)はなんぼなんでも言い過ぎよなあ。

とはいえ、ファンタジーなら作者の数だけ異なった世界設定があってもいいじゃないかってな理屈をゲーム風異世界もの小説に適用するのって、なんかものっそい違和感あるっていうか、全然ピンと来ないというか……。


で、山本弘先生は「いや、ソードワールド小説書いてたお前が言うなと言われそうだけど(笑)、あれは元がゲームだからしかたないのよ。」ってなエクスキューズもいれてらっしゃるんですけど、ここがポイントかなと思ったのです。

現在進行形でゲーム風異世界小説も大量に読んでるし、過去にソードワールド等のシェアードワールドノベルも読んでた僕からすると、明確に原作世界観があるシェアードワールドノベルとオリジナルのゲーム風異世界モノは言うまでもなく別物っていう前提からしてまずピンとこないんですよ。*2


二次創作の強みを取り入れたオリジナル

これ過去の同人誌で同じこと書いた記憶があるんですが、Web小説のいわゆるテンプレ異世界ものって、二次創作的な手法でオリジナルを書いていると考えられますよね。世界観とかキャラとか前提のストーリーとかすっ飛ばしていきなり書きたいこと書けるってのは二次創作の大きな強みですけど、テンプレ使うとオリジナルなのにそれができちゃうと。


こないだの記事で話題にしたみたいにトラックに轢かれて転生してみたり神様出してみたり、冒険者が集まる酒場ではとりあえず主人公が強面のおっさんに絡まれなければいけなかったりね。

世界観とか設定だけじゃなくて、展開までわざとテンプレに寄せていく。むしろ作者さんが「テンプレ通りの展開書きたかったのにちょっとずれちゃったくっそー!」みたいなことを冗談めかして言ったりするんだな。

この流れの大きなメリットは、以前ならオリジナル小説はハードル高いから絶対書かなかったタイプの人間ですら思いつきで創作をはじめてるってとこかと思います。単純に一次創作の書き手を増やしている。

テンプレートというのは、面倒な部分を省略して自分が書きたい部分に集中するための補助器具であると同時に、「俺ならこの設定はこうするぜ」「俺はこのお約束を逆手にとってやる」といった形で多様性を生み出すジェネレーターでもある。

「小説家になろう」のWeb小説における異世界ファンタジー類型まとめ - WINDBIRD

つまり、テンプレは物語ジェネレータであると同時に、作家ジェネレータでもあると。

極論すると、その人が面白いもん創りだせるかどうかなんてやってみなければわからんのです。きっかけは多ければ多いほど良いし書く人が増えるなら増えてくれたほうがぼくはしあわせ。

ひっくり返して考えると「皆がそんな便利なもんに頼ったら純粋なオリジナル無くなっちゃうじゃん」ってなデメリットもありそうなもんですが……二次創作がいくら大きくなっても、別にそれで原作が消えたりはしてないしなあ。


どんなに作品が溢れかえっていても、真似したくなるほど鮮烈な印象を多数の人に与えるものとなると、とたんに数は限られてきます。これは今も昔も変わらない。

であるならば、世に出る作品や作家を単純に増やしているという確実な成果のほうを僕は評価したいですね。誰も見たことのないすごいものがそこから生まれないだなんて、誰にもわからないでしょう?


追記

なんかうまく言いたいことまとまってない感じなので最後に改めて要約すると、意図的な画一化によって発展してきた側面のある文化に「なんでファンタジーなのに画一化しているの?」と問うのって、「異世界ファンタジーなのになんで東洋風なの?」って問いと同じくらいピンとこないぞ、ということですね。

そんなもんは創作として邪道だしわしゃ一切認めんぞ!ってんなら、まあそらそういう人もいるやろなあ、と思うんですが。

*1:なお、その元発言は精霊の守り人ドラマ版視聴者の感想に「異世界ファンタジーなのに東洋風なのはおかしい」とかいうトンチンカンなのがあったようで、そこから「いやいやそもそもファンタジーって……」という流れで発言されているみたいです。

*2:これも長年小説で飯食ってきてる作家さんからしたら、そこいっしょくたにされたらたまらんわ!! ってなりそうな乱暴な理屈ではあるけども

2016-03-14

なぜわざわざWeb小説なんて読むの?

先日、現カクヨム世界一位の「横浜駅SF」の作者イスカリオテ湯葉さんがこのようなツイートをしておられました。

(※なお、例のアレアレはやはりランキング除外されておりました。そうだね。)

横浜駅SF(イスカリオテの湯葉) - カクヨム

絶えまない増改築の続く横浜駅がついに自己増殖能力を獲得し日本の99%を覆い尽くした未来を描くSF小説。

あらすじで全力でぶん殴った読者の首根っこを引っ掴みぐいぐい読ませる。一発ネタを発展させた「誰がここまでやれと言った」タグを進呈したくなる作品。

面白いぞ!*1

これ、同じ疑問持ってる人少なくないと思うんですよね。

最近「小説家になろう」出身作品を中心にWeb小説が大人気で、ランキング上位の作品は軒並み書籍化されていて(というか最近はそろそろ人気出てきたかな?→書籍化決定しました! 報告が当たり前になってきていて)アニメ化される作品もいくつも出てきて……ってとこまでは皆さんご存知の通り。

最近話題のだとこれとかね。


小説ってもともと一冊500〜1000円、まあ昼食代くらいのお金を出せば数時間潰せてしまうという、費用対効果くっそ高い媒体ですよね。しかも販売されているものなら、基本的に最低限のクオリティは保障されている。

だから「タダだから」ってだけでWeb小説が人気と考えるのは無理があるだろうというのはもっともな話です。*2

最低限のクオリティすら保障されていないものを時間かけて読み漁る謎の集団がいて、それが書店の棚の一部を占領したり次々アニメ化するほどの力を持っている。Web小説というものは得体が知れない……と思っている人、いまけっこういるんじゃないかな。


で、その疑問に対してこんな感じの話をしていました。や、話っつーか@飛ばしてないんでリツイートして、てんでばらばらにツイートしているだけですけど。

id:mizunotoriさんも書いてるけど、別にライトノベルの雑誌がこれまで存在しなかったってわけでも、全然ダメだったってわけでもないんです。電撃が大正義になりはじめてた時期の電撃HPの執筆陣の豪華さとかすごかったもんね。描き下ろし新作が一本丸ごと先行公開されたりとかしてさ。

ただ、それらの雑誌読むときとなろうであれこれと読み漁っているときの感覚は全く違うんだよねえ。やっぱりね、よっしゃこれからガッツリ読むぞ! って感覚なんですよ。なろう読むときのちょー気楽に、面白くない場合もあるってことを織り込み済でとりあえずパラパラ読む*3って感覚は漫画雑誌のほうがより近い。

……過去から現在に至るまで、そういう立ち位置の小説雑誌っておそらく存在していないのではないでしょうか?

ライトノベルは「ライト」っていうくらいですから気軽に読むのが基本ですけど、さすがにWeb小説ほど「ライト」には読まれていないと……っていやいやラノベ定義論に片足突っ込むのはイカン。


てなわけで、需要は存在しても供給が無かった読書スタイルを掘り起こしたことが現在のWeb小説隆盛の大きな原因……ではないかなあ、というのが僕の体験を元にした予想です。*4


ここから余談

そんなこんなで、普段から「お、見たことない作品話題になっとるな読んでみよーっと」ってめっちゃ気楽にぜんっぜん期待せず(失礼)読みまくっていたら、いきなりむっちゃくちゃ面白い作品に出会って正座して続き読まなきゃ(使命感)ってなったときの快感って堪えられないもんがありますよ。


しばらく前に読んでテンション上がった作品だと、人外転生増えたけど蜘蛛はいくらなんでも……→むっちゃくちゃおもしれーじゃねーかなんじゃこりゃ! ってなった『蜘蛛ですが、なにか?』とか、

*5

つい最近読んだのからピックアップすると、どーみてもサイコパスだけどあくまで善意で動いている主人公とヒロイン(被害者)の掛け合いが抱腹絶倒な『セーブ&ロードのできる宿屋さん』だとか。

おもしろいんだよなあ。


僕は新着から漁るレベルのガチスコッパーじゃないですけど、日刊・週刊ランキングや知り合いのTweetや作者のお気に入り等から見つけるだけでも十分に掘り起こした感あって楽しいです。


神様転生とかの肩の力抜けよ感

ところで、Web小説の異世界ものが批判されるときによくやり玉に挙げられる「いきなりトラックにはねられてなんかゲームっぽい異世界に転生」とか「死んだら神様出てきて君はこれからこういうことになるよと解説される」って展開。どんだけてきとーなんだよ! って突っ込み待ちにしか見えないアレ。

なんか全力で「肩の力抜けよ」って言われてるような気になりません?

つまり、ああいうテンプレってWeb小説のライトさをさらに際立たせる符牒の一種になってるような気がするんですよね。採用してる作者さんがどの程度それを狙ってやってるのかは僕にはなんともいえないんですけど。


で、そのへんをパロって「トラクター」にびっくりして死んじゃったら「女神」にバカにされまくって道連れにする、というネタではじまるコメディが上で貼ってる『この素晴らしい世界に祝福を!』なんですけど、先行してアニメ化しているパロ元作品が無いせいで、パロディのこのすばがWeb小説の異世界もの批判の的になるっていう謎の展開も以前ありましたねえ。

「この素晴らしい世界に祝福を!」はコンプレックスまみれの視聴者を徹底的にいたわった作品? - Togetterまとめ


『ウェブ小説の衝撃』でこういう話やってた?

このへんの話ってたぶんこないだ海燕さんがブロマガで話題にしてたこの本でもっと詳細に分析されていたりするのだろうなあ、と思いつつまだ買ってないっす。

Web小説好きを自認するなら読むべきかのう。


今日はカクヨムがオープンしてからのトピックの簡単なまとめでも書こうと思っていたのですが、何かと書くこと多くてまとまらないのでこっち先あげておきますね!

*1:いやカクヨムでレビュー書きなさいよ

*2:もちろん学生にとっては500円でもおおごとではあるので、全く関係ないってこたあないけど

*3:で、想定以上に面白かった場合は正座してガッツリ読む態勢に移行

*4:もちろん、その中に売り物になるくらい魅力ある作品が実際にいくつも存在していることが前提ですけど

*5:もう書籍化してる

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