ジェンダー・性教育バッシングはどこからきたの?  Ⅱ

マツムシソウ
                          

2003年に入ると、都内の養護学校や公立小学校において、性教育や男女平等教育のとりくみを「行き過ぎ」とし、一部の議員やメディア、教育委員会による介入や攻撃を受けるようになります。
そして特徴的なことは、男女平等教育や性教育だけでなく、家庭科教育、歴史教育、そして養護教諭の健康教育にまで、バッシングが広がっています。
ジェンダーバッシングを時系列で追ってみました。

2002. 10月
・日本女性の会(安西愛子会長、元参議院議員)がジェンダーフリー教育に反対していくことを決議。
2002.11月
・坂東真理子男女共同参画局長「ジェンダーフリーという言葉は公用語ではない」
産経新聞記事「小5に過激な性教育」「中学生にコンドーム実習」
・都教育委員会性教育は、児童・生徒の“発達段階に即した”指導を行う」ことを指示。
2003. 1 月
統一教会共産主義者の過激な性教育男女共同参画論は、伝統的な家族観と男女観をつ ぶし、家庭の絆を崩壊させる」  
週刊新潮「高校生にも同室で着替えさせるジェンダーフリー
2003.2月
産経新聞紙上で連日性教育バッシングのキャンペーン「各地の小学校で過激な性教育、小 1に性器名称」
・“日本の家庭を守る地方議員の会”集会「ぶっとばせ! ジェンダーフリー、男女共生」に 高橋史朗明星大学教授、山谷えり子衆院議員が講演。
・都議会一般質問で古賀議員「ジェンダーフリーは、単に男らしさ、女らしさを否定する次 元の問題ではなく、日本人の人格を破壊し、家庭という共同体を敵視した新たな革命運動 である。常軌を逸した、露骨な性教育はその一つである」
2003.4月 
・『正論』4月号「急進的性教育ジェンダーフリー教育は、人類が祖先から受け継いでき た文化を解体し、歴史・文化・道徳・家庭否定の、社会解体をめざす新たな革命運動であ る」
2003.7月 
・土屋都議たちが数人の区議や産経新聞記者をともなって、都立七生養護学校へ「調査」に 入る。都教委も立会いのもと、性教育の教材をすべて公開し、性教育用の人形を衣服や下 着を脱がした形で写真に撮る。産経新聞の記事には「まるでアダルトショップのよう」と いう文字。
・都の6月定例議会で、養護学級の一部で“不適切な性教育が行われている”と、「都立  盲・ろう・養護学校経営調査委員会」が設置される。8月、56校1分校のうち28校で、性教 育などに不適正な実態があったと報告。
2003.8月
・鹿児島県議会で「県内の幼稚園、小・中・高校でジェンダーフリー教育を行わないよう求 める陳情」を自民党など賛成多数で採択。
2003.9月 
・都教育委員会が、都立七生養護学校の前校長を一般教諭に降格、停職一ヶ月の処分。22校 の校長、教頭、教員計102名を減給や戒告、厳重注意処分にする。

ここまできて、2005年3月の新座市議会での保守系議員の発言が、全国的なジェンダーバッシングと連動して行われていることが分かりました。
これらの背景には何があるのでしょうか。私たちは今後もこの動きを注視していかなければならないと思っています。