silly-walksの日記

2005-03-23 VtR紹介

Vampire:the Requiem(VtR)とは。

コアルールブックが「ゴシックホラー」ならば、本作は「モダンゴシック」なゲームである、と書かれています。基本的には前作、ヴァンパイア:ザ マスカレードと同様、プレイヤーヴァンパイア(彼らは自分達を血族/Kindredと自称しています)に扮し、血族の社会の中で生き抜いていくことになります。

ヴァンパイアって?

映画コミックの中に登場する、アレです。しかしVtRにおけるヴァンパイア、血族たちは、この記事を読まれている方のイメージよりも多くの制限に縛られています。日光が弱点なのは勿論、常に自分の中の獣性と戦いつづけねばならないという大きな弱点を抱えています。他の血族の血を飲めば相手の虜にされてしまいますし、何よりも血族の社会は、人間のそれよりももっと不公平で、陰謀に満ちた世界なのです。

血族について

血族の社会はいわば封建制です。都市を支配する公子、公子を補佐する参議、治安を維持する警吏、社交面での力を持つ宮廷雀…。様々な肩書きが存在し、互いに陰謀をめぐらせています。

血族達は五つの氏族と五つのコヴナント(思想で分かれた集団)に分かれ、それぞれの間でも争いや確執があります。

特にコヴナントは本作で新しく登場した要素で、伝統を廃して平等な社会を作ろうとする「カルシアンムーブメント」、神秘的な秘儀を伝えるカルトサークル・オブ・クローン」、血族社会の中で絶対的な権力を握ろうとしている「インヴィクタス」、血族の司祭にして異端審問官である恐ろしい「ランケア・サンクトゥム」、ドラキュラその人の教えに従い血族の呪いに対抗する「オルド・ドラクル」といった特徴的なものが揃っています。他にも大小のコヴナントが多数存在していおり、随時追加される予定になっています。

VtRの遊び方

VtRの世界は、多くの場合現実世界よりも陰鬱なものになります。シナリオには多くのパターンがありますが、本書の中で例として挙げられているシナリオテーマを紹介しておきます。

・The Danse Macabre…血族は常に互いに争い、人間への影響力を奪い合っています。PCたちはその中で生き延びるために戦ったり、永遠に続く戦いから逃れようとしたりします。そのためには互いに信頼しあうことが必要ですが、はたしてそれが続くものなのでしょうか?

・見えない鎖…血族達は、自分達が人間の掟や限界から逃れた存在だと思い込んでいます。けれど、本当にそうなのでしょうか?血族の掟・他の血族との闘争・自らの中に潜む獣…新たに血族となったPCたちは未だ、多くの鎖に縛られています。この陰鬱な世界で、都市を統べる公子であっても、本当に自由であると言えるものでしょうか?

・闇の中の救済…PCたちは、失われた人間性を求めてさまよいます。おそらく彼らは、自分の得た力を良いことに使おうとするでしょう。そうした行動は、他の血族には良くても愚かな行動とみなされ、悪ければ自分の権力に対する脅威であるとみなされます。また、血族の獣性にひとたび屈してしまえば、慈悲や正義から行おうとした行動が血塗れの惨劇に変わってしまいかねません。呪われた存在が善をなすことは可能でしょうか?それとも、血族は腐敗と破壊を広げるだけの存在に過ぎないのでしょうか?

・心安らぐ家…血族の生活は孤独で恐怖に満ちています。PCたち同胞(互いに協力し合う血族の集団のことです)の繋がりさえ、本当の家族や友人の代わりになってはくれません。人間だったころの繋がりを取り戻すことは容易ではありません。周りにいる人間たちは常に飢えと狂乱の危険にさらされることになるでしょうし、他の血族たちは、PCが掟を破って血族の存在を知らせているとみなします。果たして、人間だったころのような日々は戻ってくるでしょうか?

上にあげたものはあくまで一例ですが、こうしたテーマを選択し、組み合わることで、VtRのストーリーは作られていきます。

前作との違い

ここまでを読まれた皆さんは、前作VtMと大した違いがないと思われるかもしれません。ある意味ではその通り、VtRの取り扱う題材はVtMとほぼ変わっていません。では、どこが変化したのでしょうか?

前作の特徴は、膨大な設定が存在することでした。次々と新しい設定が登場し、世界は変化していきました。しかしそのために、設定がプレイを制限してしまったり、膨大な設定によるプレイヤー間での知識や意識の格差が見られたりといった様々な問題もまた抱えていました。そこで新シリーズでは、あらゆる設定はゲームマスターが選択し、組み合わせるものである、という位置付けが行われました。これにより、GMとPLの嗜好をより全面に押し出したプレイが可能になっています。

設定も細かに見直しがされています。カマリリャとサバトのような巨大組織は存在しなくなり、PCはより孤独に、そして自由に行動できるようになりました。VtRで扱われる世界はVtMよりも狭くなりましたが、それだけにPCたちが干渉し、周りを変えることも容易になったのです。

おわりに

VtRは、前作VtMの路線をほぼ継承しつつも、プレイアビリティの向上を図った作品といえます。その目論見は、私としてはかなり成功しているように思えます。反面、最近の国産システムに見られるような「シナリオの作り方」の丁寧なサポートはあまり期待できません。無料配布のサンプルシナリオの存在など海外TRPGとしてはサポートが厚いといえますが、多少の試行錯誤が必要かと思います。とはいえ、シナリオを作成した経験がある方なら、そのテクニックとVtRの設定で最高のプレイを作り出すことは難しくないでしょう。

VtRのテーマに興味を惹かれた方ならば、一度手にとってみる価値があると思います。

rtomowakartomowaka 2005/03/23 00:17 コアに続いてV:tRの紹介文ですかー。いやすごい勢いですな。このまま7月まで突っ走ってください〜。
V:tRとV:tMの一番の違いってメタプロットの有無でしたか。ircで話題になったような気がするけどよく覚えてないな……。他のW:tF、M:tAwもメタプロットって無いんですかね?

silly-walkssilly-walks 2005/03/23 23:12 ないらしいですよー>メタプロット

s2s2 2005/03/24 10:38 うお、こりゃ凄い。WoDに続いてヴァンパイアまで……。しかもよく纏まっていますね。「遊び方」の項目は素晴らしい。