シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

極低周波発生装置 RR-777 〜その2

 前回の続きである。自宅に届いたRR-777を見聞すると、実に軽くチャチなしろものだ。取説を読んでみる。おやおや?設置上の注意点が巷の情報と違うぞ。
 高いところに置くものと思いきや、部屋の床と天井の中間点に置けとある。さらに使わないときは必ず電源を切れと記載されているが、店頭でのアコリバ担当者や店主も点けっぱなしでOKと言っていた。高い場所のしかも背面スイッチを一々切るのは実に面倒だから気になる点である。この疑問を関口機械販売に直接メール質問してみた。
 その回答結果は、まず設置場所についての取説内容は初期のRR-7に対するもののままになっていたそうで、RR-777はなるべく高い場所に置いたほうが良いそうである。電源のON~OFFは、留守時のカミナリによる故障防止のための記述で、通常は点けっぱなしで良いとのこと。消費電力も無視できるレベルだ。
 さっそく我が家では部屋の右後部にあるコーナーラック上に置く。スイッチを入れても無音だ。聴きなれた試聴用ディスクを使い、ON~OFFを比較する。実に楽な実験なので何度も検証してみた。結果は予想以上に唸ってしまう違いがある。
 優れた録音のディスクでは、まったくスピーカーが発音しているとは思えない立体音場パフォーマンスが展開する。楽器の配列が前後左右に目に見えるようだ。協奏曲として溶け込んでいた各楽器が一つ一つ分離したかのようでいてコンパクトにならず、消え入る余韻が広大な空間を錯覚させる。ボーカルはそこに居るようだ。このリアルな感覚は始めて味わう。不思議と帯域的にピーキーな刺激が均されたように滑らかな耳触りで、もっとボリュームを上げたくなってしまう。OFFにすると日常聴いているステレオ音になるが、余韻を残して徐々に元に戻るような気がする。しかし、いい事ばかりではない。
 録音が悪い痩せたような収録ディスクを再生すると、それが顕著になるようで、簡単に言えば良いものはより良く、悪いものはより悪く再生する環境に変化したようだ。これはTVを見るときに、地上波からハイビジョン放送に切り替えた違いではなく、地上波を適切なメガネを掛けて見直した違いだ。つまり音の変化より、聴取能力の変化が大きいと読んだ。実に新鮮な体験だ。
 なお、始めてスイッチを入れたときRR-777から近い右耳たぶが異常に熱くなった。これはヤバイものが出てないか?と疑ったが、今では何ともない。医療や宇宙飛行士の体調管理にも使われるそうだから悪い影響はないだろう。古い名演奏を聴くより、最新の高録音を聴くことが多くなりそうな魔物アクセサリーである。