セガール親父の沈黙シリーズ、2016年作。
金太郎飴の沈黙シリーズを、わざわざ一本取り上げる理由も無いが、本作は珍しいSF作品である。しかも近未来の独裁帝王という悪役なので興味が沸いてしまった。
まあ、正直言ってセガール作品はツタヤで100円レンタルでも観る気はしなくなった。今回はGYAO!で無料鑑賞なのだ。観れはやっぱり、セガールは主役ではない。もはやアブドラ・ザ・ブッチャーと化した風体のセガールは、主役でアクションは無理がある。彼の全盛期は2000年前後なのだ。
主人公は孤独な暗殺者で、設定は「ヒットマン」のパクリである。それも面白ければいいが、アクションにキレも無く、ヒロインのオナゴに株を奪われている始末。どんでん返しがあって、予測のできない展開を狙っているのは分かる。それにしても、構成が雑すぎてカメラワークと間の編集に至ってはシロウトレベルだ。セガールも、こんなクソ作品の脇役に出るほど落ちぶれたのだと悲しくなった。
「マチューテ」で悪役に開花したのなら、本作でも東洋かぶれした極悪人として死ねばいいものを、未だに無敵親父の過去を捨てられない見苦しさが露呈している。これなら近年数ある警官シリーズの方が遥かにいい。本品はクソ中のクソと評価する。それでも観たい方はGYAO!でどうぞ。