『ぺんけん寄席』を楽しむ


 
 昨日11/11(日)は、雨模様のなか、東京日暮里の開成学園・中学校小講堂で催された、第29回『ぺんけん寄席』を鑑賞した。亡くなった卒業生の先代柳亭芝楽が創設した寄席で、今回十一代目芝楽が参加しての企画。出不精でここへ出席したことはなかったが、司会進行役が、Facebookで先輩後輩を越えてわが友の青柳雅之さん(台東区議会議長)さんで、トリに桂歌春師匠、それに師匠のお嬢様で都立小石川高等学校でのかつてのわが教え子にあたる、落ドルの田代沙織嬢も出演するとのことで、勇躍西日暮里駅に降り立った。
 校門で写真を撮り、植え込みに折り畳み傘を置き忘れ、会場の席へ着いてから思い出し慌てて戻ればちゃんと置いてあった。日本はいい国だ。会場は、前スペースにパイプ椅子も何列か並べられ、固定席は最上階近くまで埋まるほどの盛況であった。主催は、上野・文京開成会、後援は、開成学園父母と先生の会(偶然ここのA会長がわが隣に坐った)。けっこう女性客が多かった。地域住民や一般の落語愛好家に開かれているのも好もしい。
 香盤は、1(前座):柳亭明楽「饅頭怖い」、2(落語):田代沙織「新聞記事」、3(落語):柳亭芝楽金明竹(きんめいちく)」、4(鼎談)省略、5(奇術):北見翼、6(落語):桂歌春「加賀の千代」。
 沙織嬢の「新聞記事」は可愛らしい。みずから「アイドルにして落語家の、つまりはどちらでもない紛い物です」と白状するところなど、微笑ましい。芝楽の「金明竹」の与太郎は馬鹿ぶりに徹していたが、「与太郎の発言はあくまで真理を突いているものなのだ。この落語の与太郎の場合は、与太郎の悪ふざけととらえた方がよい」(立川志らく『全身落語家読本』新潮社)とのことである。桂歌春の「加賀の千代」は、お馴染みのマクラ含めて滑舌とテンポよく親しみやすい。機転が利いていて、なんの澱みもつくらないところはさすがである。奇術の北見翼は、ホストクラブのホスト風イケメンで、ただの色物芸人では終わるまい。
 終演後富くじ会があった。精養軒2万円のお食事券、伊豆栄の食事券、みはしのあんみつ(25袋)などあたる富くじであったが、結果は無残、何にもヒットせず、失望した。現役の高校生あるいは美形の母親らがどんどん賞品をかっさらっていった、理不尽なり。田代沙織嬢(6枚)のサイン色紙は、1枚分が番号が少し違うだけであった、残念。 


 http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/62757/60017/2096535(「新聞記事」のあらすじ)
 http://ginjo.fc2web.com/113kinmeitiku/kinmeitiku.htm(『「金明竹」の舞台を歩く』)
 http://ginjo.fc2web.com/227kaganotiyo/kaganotiyo.htm(『「加賀の千代』の舞台を歩く』)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20101106/1289021793NHK趣味の園芸」田代沙織)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20101218/1292667566NHK趣味の園芸」2田代沙織)

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の、ユリオプスデージー(Euryopsdaisy)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆