鈴木砂羽の初舞台は観ている

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 荒木経惟アラーキー)の写真集(CINEPHOTOGRAPH)『SawaーLe Nouveau Monde Amoureux(愛の新世界)』(KKベストセラーズ1994年)のモデル以来、女優鈴木砂羽には関心をもってきた。その初舞台、加藤直演出、メリル・タンカード振付のミュージカル『THE BLUE ANGEL』は、1998年Bunkamuraシアターコクーンで観ている。ハンリヒ・マンの原作『ウンラート教授』をハム・ジェムズ脚色、松岡和子翻訳、湯川れい子作詞でミュージカル化した舞台である。同じ原作を映画化した『嘆きの天使』は、マレーネ・デートリッヒの主演で有名な作品で、むろん昔(テレビでではあるが)観ている。鈴木砂羽は、堅物ラート教授(沢田研二)を転落に追い込む、ファム・ファタル(femme fatale)の踊り子ローラを演じている。映画『嘆きの天使』と違って、ラート教授は堕落の底で社会への復讐を企てるというブレヒト劇的展開。細かなところは覚えていないが、愉しく観劇したことはたしか。
 今回事実関係について部外者にはわからないところ多いが、トラブルの収束ができなかったことは、やはり演出家として未熟であったということだろう。今後に期待したい。なおこのことと直接関連はないが、昨今テレビなどでやたら〈大女優〉という呼称を見聞きするのはうんざりである。今の日本に〈大女優〉なんぞ存在しないのである。
(プログラム写真:渡辺達生・大西清和)





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