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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-01-20 「ダンス×アート  コンテンポラリーダンスの源流を探る ダムタイ

[]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編2」セミネールin東京

f:id:simokitazawa:20170824145123j:image

 セミネール「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編2」を開催します。プロジェクターによる舞台映像を見ながらダムタイプ音楽担当だった山中透さんが自ら語る作品の舞台裏。山中さん提供によるダムタイプ初期の超レア映像など見られ楽しい時間がすごせ好評だった第1回に続き、今回は前回に引き続き代表作「S/N」の話題に加え、前回は時間内にはをあまり紹介することができなかったダムタイプ以降に山中さんがかかわったオン・ケン・セン、高嶺格、モノクロームサーカスじゅんじゅん、MuDAらとの仕事も紹介。山中さん本人に映像を見ながら舞台裏を話してもらおうと思います。前回は山中さんと古橋悌二さんがダムタイプ以前に制作し、坂本龍一氏にこわれて審査に出した映像作品などほかではまず見られないものも見ることができダムタイプファン垂涎の企画となりましたが、今回もなにか隠し玉が飛び出すかもしれません。   

コーディネーター・中西理演劇舞踊評論)

ゲスト・山中透

ダムタイプ「S/N」

D

モノクロームサーカス「D E S K」

D

山中透インタビュー

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/00001205

【日時】2018年1月20日(土)p.m.3:00〜

【場所】三鷹SCOOL にて

【料金】前売:2000円

当日:2500円 (+1drinkオーダー)

【予約・お問い合わせ】

メールsimokita123@gmail.com (中西)まで お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTELをご記入のうえ、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受け付けます。

電話での問い合わせ

090-1020-8504 中西まで。

セミネールレクチャー(大阪)からダムタイプについて

http://simokitazawa.hatenablog.com/entry/00000506/p1:embed:cite

http://scool.jp/event/20171016/:embed:cite

2017-11-28 佐々木敦×環ROY×吉田雅史「日本語ラップの『日本語』とは何か?」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

佐々木敦×環ROY×吉田雅史「日本語ラップの『日本語』とは何か?」

昨今のMCバトルを端緒とする日本語ラップブーム。いまだその勢いはとどまることがないが、良く考えてみれば「日本語ラップ」という表記は、少々特殊な表現ではないだろうか。かつて起こった「日本ロック」論争は、日本語でロックを歌うことが可能かどうかという議論だった。やがて日本語のロックが世に溢れ出すと、「日本語」という修飾語は不要なものとなった。同様に「日本語ラップ」が可能であることを今さら疑う者はいないだろう。しかしながら「日本語」という修飾語がジャンル名から取り去られることは、今のところなさそうだ。

その日本語ラップリリックを追ってみれば、いわゆるバイリンガルスタイルと言われる、英語を多く取り入れたスタイルも多く聞かれる。一方で、環ROYの最新作『なぎ』は、日本語の表現にこだわった作品だ。その詩作方法は、短歌J-POPを参照するなど、主にアメリカのそれを参照する多くのラッパーたちとは一線を画すものだ。またダンサーの島地保武とのライブパフォーマンス『ありか』では、即興を軸にしたダンスラップの交点という別の角度から、日本語という言語の可能性を追求している。

そんな日本語に独自のこだわりを持つリリシストと、『ニッポン音楽』などの著書でも日本語の歌について考察してきた佐々木敦、自身もラッパー視線で『ラップは何を映しているのか』などで日本語ラップに着目する吉田雅史の3人が、「日本語のうた」としての「日本語ラップ」について議論する。

吉田雅史によるレクチャートークを聞くのはこれで2回目。面白いが、全体を大きく俯瞰するというよりも個別のアーティスト(この日は環

ROY)の他との微細な差異をクローズアップして照射していくようなところがあって、その分析の手つきには巧みなものを感じるし、興味深くはあるのだが、やはりそれは今回の場合だったらラップとかヒップホップの海外国内の流れにある程度は精通している人がメインのターゲットなんだろうと思った。前回はSCOOLでビートメイクについての話を聞いて「群盲、象をなでる」の感がしたと感想を書いたが、今回もそれは相変わらずで、何度かレクチャーを聴講していけば次第に空白部分が減っていくのかもしれないが、こういうのはそうでもないかもしれない。

環ROYについては以前contact Gonzoとコラボをパルテノン多摩の野外ステージで見たことはあって、ラッパーと呼ぶにはちょっと変わった感じの人だなとは思ったが、楽曲についてはあまり聞いたことがなかった。今回レクチャーでも話題になった「ふることぶみ」という曲をYoutubeで聞いて見たのだが 、曲もよかったし、いささか異端児だがこういうのラップといっていいんだというのが興味深いと思った。

このトークではいとうせいこうについては一瞬ふれはするものの具体的な言及はついになく、ブッダブランド「人間発電所」のリリックの分析から論を始める。日本語としては異常に畳語が多いほか文法的にも日本語に不適な用例が散見されるなどの特徴をあげつらっているのだが、次にくらべるのが環ROYでは飛躍がありすぎではないか。


私が知りたかったのは単純に私でも名前は知っているスチャダラパーRHYMESTERリップスライムキック・ザ・カン・クルーなどといった人たちが日本語ラップにおいてはそれぞれどういう役割を果たしてきたのかというけっこうベタ歴史だったのだが、ここはそういうことの語られる場ではなかったようだ。

 ラップについてはまったくの門外漢ではあるけれど少し以前から興味は持っていて、それには大きく分けて2つのルートがある。ひとつはままごとの「わが星」や杉原邦生演出時の木ノ下歌舞伎のようにポストゼロ年代の演劇においてラップ舞台上に登場するには珍しくなくなっていて*1、現代口語とラップの関係に興味があること*2

 もうひとつは私の好きなアイドルももいろクローバーZアイドルとしては珍しくラップ曲を歌い、そうでない曲の場合も歌唱を一部がラップであるという曲が数多く、そういうことがラップ本丸ファンからするとどのように見えているのかが知りたかったこと。

 実はこのうち後者はもちろんそのことが直接触れられたわけではないけれど、表を使ってラップおよびラッパー演者が置かれている構造の分析のようなことがあって、それではラップというのは単なる音楽のスタイルやフレージングなど歌唱のスタイルをいうのではなくて、作者/演者/歌われる意味内容が3位一体のようになって成立するんだということが言われていて、そういう文脈の中では例えばアイドルだからという以前に他人の書いたリリックを別の演者が歌うということについての拒否感情からいえば、例えばももクロラップ曲をラップファンが受け入れたりするというようなことには私が予想した以上の大きな壁があるんだなというのが分かったという意味で興味深かった。

素人の私にも分かる程度のことでももクロラップ関係を紹介するとももクロの曲にラップパート多いのは以前在籍しいまは女優をしている早見あかりが声のキーが低く、皆と同じキーで歌えなかったため、彼女のためラップパート付け加えてもらい、そこに早見だけでなく他のメンバーも入れ替わり立ち代わり入ることになり、アイドルグループなのにどの曲にもラップが入るのが普通のことになっていたという経緯がある。

実は他の分野でもそういうことはあるのだが先に紹介した2つのこと、演劇ももクロはことラップに関しては無関係なはずだが、いくつかの結節点において関係しあっている。

最初はいとうせいこう。彼が日本におけるラップの創始者の重要なひとりであることはラップおよびヒップホップ世界では常識のようだ。そういえばラップを使った演劇の例としてリーディング公演「ゴドーを待ちながら」を演出した宮沢章夫のことを取り上げたが、いとうせいこうは宮沢が率いたラジカルガジベリンバシステムの重要なメンバーのひとりでもあった。

いとうせいこうのことを長々と書いたのはももクロにオリジナルとして提供された最初のラップ曲「5 the Power」を書き下ろしたのがいとうせいこうだったからだ。この曲はその後、ライブでも折に触れ歌われる定番曲になっている。

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5 The POWER - ももいろクローバーZ

<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/E4I5qEa1N-E" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe>
挨拶〜5 The POWER - ももいろクローバーZ

 とはいえ、「5 The POWER」はいとうせいこう作詞MURO、SUI作曲の本格的ラップ曲とはいえ、まだリリックメロディーには若干のアイドル楽曲らしさが垣間見えたのさがあるが、作詞鎮座DOPENESSの「堂々平和宣言」には最初に耳にしたときには驚いてぶっとんだ。

もともとは映画「遥かなるしゅららぼん」の主題歌だったこともあるのだろうが、女性アイドルが歌うと言うことを想定したとは到底思えない曲想である。アイドルラップなどというと一般層にはいまだにEAST END×YURIのようなイメージが強いと思われるが、この「堂々平和宣言」は一度ライブ映像で確かめてみてほしいが、それとは対極的な楽曲なのだ

  「5 The POWER」でももクロがいとうせいこうのリリックをどのように歌いこなしたかを踏まえたうえでのこの楽曲だと思わせるが、あくまで想像だが前者にかかわったアーティストとは世代の違う若い鎮座DOPENESSに対し、レコード会社プロデューサーである宮本純之助が「あなたならどう使う」と挑発した可能性さえあると思っている。

作詞鎮座DOPENESS / 作曲編曲:MICHEL☆PUNCH・KEIZOmachine! from HIFANA・EVISBEATS<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/GeTEhGsW2mM" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe>
堂々平和宣言 - ももいろクローバーZ

堂々平和宣言 ももいろクローバーZ

 それというのはこちらはほぼ間違いなくこの曲を受けてと考えているが、「堂々平和宣言」の後に今度は 「5 The POWER」製作に作曲者として参加していたMUROが「もっ黒ニナル果て」という楽曲を提供しているのだけれど、これが「もっ黒」という言葉に代表されるようにアフリカ系アメリカ人の音楽としてのラップをそれまで以上に感じさせる曲で、こうした楽曲キャッチボールにはももクロ媒介としたバトル合戦のような部分が感じられ、ある意味「ヒップホップらしさ」を感じるからだ。

 ももクロラップ曲の最新バージョンは「Survival of the Fittest -interlude-」

作詞サイプレス上野 作曲:invisible manners 編曲:invisible manners、伏見蛍)。

- YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=XbM-x-AXNNE:embed:cite

*1:最近では宮沢章夫演出のリーディング公演「ゴドーを待ちながら」にもセリフをラップで語るという趣向が登場していた

*2日本語ラップというのでそういうことが語られるかなと勝手に期待したが、少し聞いているうちに文脈的に全然そうじゃないことが分かった

2017-10-25 ホモ・ルーデンスのビートメイキング vol.1@SCOOL

[]ホモ・ルーデンスのビートメイキング vol.1@SCOOL

キャスト

OMSB x 吉田雅史(MA$A$HI)

日時

10/25(水)19:30〜

料金

予約2,000円 当日2,500円(+1ドリンクオーダー)

10.25 WED 19:30

オープンはスタートの30分前からになります。

_「ホモ・ルーデンスのビートメイキング」は、批評家/ビートメイカーMCである吉田雅史が、様々なビートメイカービートについての対話を繰り広げるセッションシリーズ。

_記念すべき第一回に登場するのは、SIMI LABの一員として、そしてソロとしても2015年にリリースしたクラシック『Think Good』も記憶に新しいように、快進撃を続ける稀代のラッパービートメイカーであるOMSB。彼の唯一無二のビートのスタイルの肝はどこにあるのか。サンプリングにこだわるそのビート制作の秘訣とは。そしてラッパーであると同時にビートメイカーでもあるOMSBが考える、ラップビートの関係とは。

_OMSBによるビートライブのセットを挟みながら、過去から現在にわたるグローバルなビートシーンを俯瞰しつつも、とことんマニアックに掘り下げるビートトークセッションをお楽しみください。

2017-10-20 有安杏果ソロコンサート「ココロノセンリツ〜feel a heartbeat

[]有安杏果ソロコンサート「ココロノセンリツ〜feel a heartbeatvol.1.5〜」@日本武道館

有安杏果が2016年7月の横浜アリーナから始まったソロコンサート「ココロノセンリツ」の集大成と位置づけていたのがよく分かるライブコンサートだった。ただ、それだけに終わってから何日か経過した今も最後に杏果が言った「『ココロノセンリツ』はこれで終わります」という言葉が今もどうしても気になって脳裏で反芻し続けている。

そもそも最初の横浜アリーナソロコンを「ココロノセンリツ〜feel a heartbeatvol.0〜」としたのは「今後、vol.1、vol.2、vol.3と一生やり続けていくためだ」とあの時言っていたのではないのか。このライブは照明効果にまで最新の注意をはらい計算され尽くしたライブとなっていただけに「終わります」は次のソロコンをやるにしてもいまのところスケジュールは予定されていないので、しばらく先になります、というような軽い意味には取りにくいような周到に準備された言葉に思われた。個人的にはその程度の意味であってくれ、深い意味はないと考えたいという気持ちはあるのだが、杏果のソロコンは彼女あるいはグループ全体の活動にとって負担が大きすぎるので、運営サイド(というかこの場合はほぼ間違いなく川上さん)からストップがかかったのではないかという気がしてならないのだ。

これは現在のところただの推測にすぎないし、杏果のことであるから発言の真意について何らかの説明を自分でするかもしれないが、杏果が今回のライブを「〜feel a heartbeatvol.1.5〜」としたのは日本武道館のライブが決定した時点ではこれで終わりにする気はなかったと思う。

 根拠があるというよりは単に論理的な推論にすぎないが、もしその時点で日本武道館を「ココロノセンリツ」最終公演にすることが決まっていたのであればvol.1.3、vol.1.5などと細かく刻むことはなく、切りがいいようにvol.1.5、vol.2.0としていたんじゃないかと思う。そうであるとするとソロコンの表題を決めて以降、この日までに何かの状況の変化があったのではないかと思われるのだ。ただ、私は当日パンフをライブの日には購入できずまだ読めていないので、そこには何らかの裏事情が記されているのかもしれない。このことについてはそれを読んだうえで再び考えてみたい。

いずれにせよソロコンはしばらくはないようなので杏果に個人的な希望がある。それはこれまでももクロの活動とソロ活動を区別するためにフォーク村を含むももクロの活動では少数の例外を除けばソロ曲を披露してこなかった。だが、ソロアルバムも発売となり、ソロコンがしばらくないのなら曲を披露する場がなくなるので、これを機にももクロ現場でもせめてれにちゃん、あーりんソロ曲程度にはももクロ現場で歌うことを解禁してほしい。そうでないといい曲がいっぱいあるのに楽曲可哀想なので。

 さてここからは実際のライブの中身について振り返ってみたい。今回のライブは冒頭で「小さな勇気」が歌われた。これはおそらく被災地である仙台で行われたvol.1.3とvol.1.5は若干の相違はあるもののほぼ同じような構成のライブとしてデザインされており、全体を通してのテーマソング的な位置に震災復興応援チャリティーソングでもある「小さな勇気」を置いたからだろう。そして、その後の曲順は発売されたばかりのアルバムココロノオト」の収録順に展開していく。そして、実はアルバム制作順に順録りして楽曲を収録していることから杏果自身が話すようにこれまでの杏果ソロ活動の集大成を思わせるようなものとなっている。 「小さな勇気」「心の旋律」は全体に暗い中でセンターステージの杏果にスポットが当てられた。アカペラの部分も含めアルバムの原アレンジよりはたっぷりと歌うように編曲し直されている。今回も曲ごとに細かくアレンジを変えたり、楽器演奏のために大幅に変えたりと東名阪で試みたことをより徹底的にやっていて、特に今回はバンドストリングスアンサンブルを入れたことで、曲のつなぎにインストゥルメントの演奏を入れたりとかなり凝りに凝った構成にもなっており、ただ歌うというだけでなくて、こういう風にアレンジや構成をバンドと一緒に考えていくことが楽しくて仕方ないのではないかと感じさせたが、冒頭の2曲などそのせいで少し似たような曲調になってしまったり、あるいは先ほど凝った構成と書いたがいじりすぎていてもう少しシンプルにそのままやった方が効果的なのではと思うところも散見された。

 それぞれの楽曲については以前このサイトアルバムレビューのようなことをやったこともあるのでそれを参照してほしいが、この日本武道館公演にとってスペシャルだったのは杏果がEXGP時代キッズダンサーとしてEXILEのバックを務めたことのある「Choo Choo TRAIN」を歌い踊り、しかも途中からはかつての杏果がそうだったように現在EXGPに在籍しているキッズダンサーをバックに引き連れて踊ったことだ。横浜アリーナで歌ったEXILEKISS YOU」もそうだったが、杏果にとってEXILEあるいはLDHの楽曲は特別な意味合いや思い入れがあるようで、それはかつて24時間ユーストで他のメンバーが巫山戯てEXILEやEーGIRL楽曲を歌い出したときに「LDHさんに怒られちゃうから」と慌てて止めに入ったことなどからもうかがえたが、今回は思い出の歌を武道館しかもかつての自分を彷彿とさせる子供たちと一緒に披露することができたことで相当の感慨があったのではないか。さらに言えばこれまではおそらく杏果側で畏れ多いとNGを出していたのではないかと思われるEXILEメンバーとの歌での競演が近くあるのではないかとの期待を感じさせた*1

 アコースティックギター演奏しての弾き語りでは宇多田ヒカルの「ファースト・ラブ」と自作曲の「ペダル」を披露した。宇多田ヒカルは彼女のハスキーな声が合うのではないかと思い以前から杏果に歌ってもらいたいと思っていたのでそれが聴けたのは凄く嬉しかったのだが、宇多田はやはりいろんな意味で歌がうますぎるので杏果の歌はそん色ないというところまではいかないと少し残念だったのだが、実はそれは生演奏で相当の負荷がかかっていたせいというのもあったようだ。というのも逆再生リレーギター演奏なしで歌った「ファースト・ラブ」を聴いてみるとまるでグルーブ感が違っていたからだ。逆再生は一部だけだったので、フォーク村とかで今度は演奏なしでフルコーラス歌唱を聴いてみたいと思った。

 実は今回のバンド編成のもうひとつの売り物はベースウッドベースを入れていたことだ。それゆえか中盤の「裸」「愛されたくて」「遠吠え」「TRAVEL FANTASISTA」といった楽曲群はジャズっぽいもともとピアノ演奏などジャズ風味の強い曲想でもあるが、それが1〜2割り増しの感もあり、以前何かの番組でいつか将来は「ブルーノート」で歌ってみたいと語っていたのを思い出した。その時にはそういうところで歌うにはまだ全然色気が足りないだろうなどと思っていたが、「遠吠え」などでは相当に大人の魅力も発揮している。杏果に一度ジャズのスタンダードを歌わせたいと思った。意外とはまるのではないかと思う。

 最初の「小さな勇気」「心の旋律」では巨大な半透過幕のスクリーンにモニター風に杏果の撮った写真を映写していたのだが、感心させられたのは日大芸術学部卒業制作が「心の旋律」を主題とした組写真であったように全部で6曲ほどが杏果が自ら撮影、製作した一連の組写真と楽曲を組み合わせて、それでひとつの作品となるようになっていたことだ。つまり、この日に披露された20曲程度の楽曲のうち、6曲は写真・楽曲を組み合わせた作品、そのほかにも杏果がコンセプトを伝えて映像作家によって製作させたアニメーションと組み合わせた楽曲も2曲あるので半分近くがビジュアルと楽曲を組み合わせた作品となっている。そのほかにアコースティックギター、「ありがとうプレゼント」でのピアノ演奏、「feel a heartbeat」でのエレキギター演奏アンコールでは「教育」ドラム演奏と本当にコンサートそのものが杏果の作品と言っていい。

 少し意外だったのは「 Another story」を初出でアンコールの一番最後に持ってきたこと。いろいろ考えられるけれどこの曲がテンポもあって盛り上がれる曲だからだろうか。深読みすれば「最後のあいさつ」とリンクして「本当は叫びたい」以下の歌詞が今の杏果の心情を反映しているというのはやはりうがちすぎだろうか。

 いずれにせよどういう形にせよできるだけ早くソロコンを復活させてほしいと思う。

 




有安杏果ココロノセンリツ 〜feel a heartbeat〜 Vol.1.5」2017年10月20日 日本武道館 セットリスト

01. 小さな勇気

02. 心の旋律

03. Catch up

04. ハムスター

05. feel a heartbeat

06. ありがとうプレゼント

07. First Love

08. ペダル

09. Choo Choo TRAIN

10. Drive Drive

11. 裸

12. 愛されたくて

13. 遠吠え

14. TRAVEL FANTASISTA

15. 色えんぴつ

16. ヒカリの声

アンコール

17. 教育

18. メドレー

19. Another story

<ダブルアンコール

20. feel a heartbeat

*1:次のFNS歌謡祭に期待である

2017-10-17 セミネール過去講義一覧

[]セミネール講義一覧(2012年、2011年)

 東心斎橋のBAR&ギャラリーを会場に作品・作家への独断も交えたレクチャー(解説)とミニシアター級の大画面のDVD映像で演劇ダンスを楽しんでもらおうというレクチャー&映像上映会セミネール。今年でいよいよ5年目になりました。最近どういうテーマを選んで実施してきたかというのを一度一覧としてまとめてみることにしました。各回の概要が分かるWEB講義録へのリンクとともにゲストとして作家自らに参加していただいた坂本公成(モノクロームサーカス)と松田正隆(マレビトの会)については音声記録も収録しました。興味を持った人はぜひ聞いてください。さらに興味を持った人は参加していただけると有難いです。次回は3月20日を予定していますが、なにをやるかについては3月5日に選考結果が分かる岸田戯曲賞の動向などもにらんで選定中です。

2012年

2012-02-14

[セミネール]「ダンス×アート 瀬戸内国際芸術祭2010『直島劇場』 モノクロームサーカス×graf」in東心斎橋ゲスト坂本公成

ダンス×アート 瀬戸内国際芸術祭2010『直島劇場』 モノクロームサーカス×graf』音声記録(音声だけですがセミネール当日の様子を収録したものです)

Web講義録(当日も流した映像の一部やレクチャーの参考とした過去のレビューなどはこちらに) http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001126

2012-01-31

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ピナ・バウシュ」セミネールin東心斎橋

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001125


2011年

2011-12-27

[セミネール]「セミネール2011年年間回顧&忘年会」セミネールin東心斎橋

2011-11-20

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ローザス=ケースマイケル」セミネールin東心斎橋

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001121

2011-10-18

[セミネール]「演劇×アート 現代口語演劇を越えて マレビトの会=松田正隆編」セミネールin東心斎橋ゲスト松田正隆

演劇×アート 現代口語演劇を越えて マレビトの会=松田正隆編』音声記録(音声だけですがセミネール当日の様子を収録したものです)

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20111018

 

2011-09-27

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代演劇の祭典groundP★に行こう!!」

2011-09-13 セミネール特別編「ポストゼロ年代の演劇批評」

[セミネール]演劇批評誌「act」リニューアル記念セミネール特別編「ポストゼロ年代の演劇批評」

2011-08-31

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第5回 東京デスロック多田淳之介

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001026

2011-07-09

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第4回 ク・ナウカ&SPAC=宮城聰

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001022

こちらは参考に

『宮城聰インタビュー1』音声ガイダンス 其の壱【ク・ナウカの方法論と詩の復権】

2011-06-11

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第3回 ままごと=柴幸男」

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001018

2011-05-26

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る W・フォーサイス×ヤザキタケシ」セミネールin東心斎橋

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001016

2011-05-15

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第2回 ロロ=三浦直之」

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20111003  

2011-04-26

[セミネール]快快(faifai)上映会〈セミネール・ポストゼロ年代へ向けて 特別上映会編〉

2011-04-13

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 特別編/快快トークショー

2011-03-21

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ダンス映像を見る会」セミネールin東心斎橋

2011-02-22

[セミネール]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編」セミネールin東心斎橋

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20110222

山中透インタビュー(参考) http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/00001205

2011-02-08

[セミネール]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第1回 クロムモリブデン青木秀樹」レクチャー&舞台映像上映

http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10011201                               

2011-01-12

[セミネール]「演劇新潮流 ゼロ年代からテン年代へ」新年会&秘蔵映像上映会

2017-10-16 「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプと音楽 山中透編」セミネ

[]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編」セミネールin東京@SCOOL

 セミネールin東京ダンス×アート 源流を探る」第1弾として「ダムタイプ音楽 山中透編」を開催します。大型プロジェクターによる舞台映像を見ながらダムタイプ音楽担当だった山中透氏*1が自らダムタイプ作品の舞台裏を語ります。2010年・2011年の2回にわたり大阪心斎橋で行い非常に好評であったレクチャーの東京版をリニューアルして開催致します。どうぞご参加ください。    

コーディネーター・中西理演劇舞踊評論)

ゲスト・山中透(本編冒頭に20分程度のミニライブ予定)

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ダムタイプ「S/N」

D

モノクロームサーカス

D

 エイズで亡くなった古橋悌二*2の盟友として1980〜90年代にダムタイプ*3*4音楽監督を務め、代表作といえる「S/N」「PH」などに楽曲を提供した山中透氏。彼をゲストに迎え、プロジェクターによる映像などを見ながらダムタイプ作品の舞台裏を語ってもらう予定です。ダムタイプのパフォーマンスは実は当時最先端のニューヨーククラブカルチャーに触発されて製作され、それゆえ上演ではライブ演奏にこだわっていたといいます。しか舞台を見た人にはあまりそれが正当には評価されないという悩みもかかえていたとも聞いています。そのあたりの事情を山中透氏に熱く語ってもらいたいと思っています。

 さらに残された映像を見るとクールでハイセンスな未来派パフォーマンスに見えるダムタイプですが、実は舞台裏ではショー・マスト・ゴーオンさながらのもうひとつの熱い戦いも進行していたそうです。今だから明かせる秘話が続々、こうご期待。山中氏からはダムタイプ退団後、現在までの仕事の紹介(オンケンセンとのコラボ、ニブロール、MuDA、モノクロームサーカスとの仕事など)もしていだだく予定です。

 2008年から2013年まで東心斎橋のBAR&ギャラリーで開催。レクチャー(解説)と映像で演劇ダンスを楽しんでもらおうという連続レクチャー企画がセミネールでした。私が2013年4月東京移住して以来中断していましたが、今回ダムタイプ音楽監督を担当していた山中透さんの協力を得て復活させることにしました。

 

【日時】2017年10月16日(月)p.m.7:30〜

【場所】三鷹SCOOL にて

【料金】前売:2000円

当日:2500円 (+1drinkオーダー)

【予約・お問い合わせ】

メールsimokita123@gmail.com (中西)まで お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTELをご記入の上、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受け付けます。

電話での問い合わせ

090-1020-8504 中西まで。

http://scool.jp/event/20171016/:embed:cite

[]山中透インタビュー「ダムタイプ音楽

 ダムタイプ(dumb type)の音楽といえば池田亮司のイメージが強いが、代表作である「S/N」をはじめ、活動初期から中期においてその中心メンバーであった古橋悌二とコンビを組み、音楽監督として作品制作を支え、その礎を築いたメンバーのひとりが山中透であった。山中はダムタイプ結成以前からの古橋の音楽仲間としてほかのメンバーの知らない古橋の一面を知る人物でもあった。ダムタイプの系譜を巡るインタビューの第2弾では前回取り上げた照明家、藤本隆行に続き、山中を取り上げ、また違った側面から当時のダムタイプの姿に光を当ててみた。

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——山中さんがダムタイプの活動に参加することになったきっかけから簡単に話していただければと思うのですが。

 山中透 高校の時から音楽をやっていて、バンドではドラムとかをやっていました。古橋(悌二)のことは大学入学時にはバンド仲間の横のつながりで知っていて、当時からドラムが天才的にうまくて目立つ存在だった。ダムタイプのほかのメンバーは京都市立芸大の出身なのですが、僕は違うのです。大学(関西大学)に入った後はそこで知り合った友人が滋賀に住んでいたために京都を中心に音楽活動をすることになったのです。京都音楽大学教授らが集まって作った現代音楽の同好会に入っていて、そこでジョン・ケージの作品を使ったパフォーマンスみたいなことをやっていたことがあり、そこに古橋(悌二)が見に来て知り合いになった。そこで話をしたところ、2人ともパンク・ニューウェーブロックイギリスアバンギャルドジャズロックバンドである「ヘンリー・カウ」が大好きだったことなど聞いている音楽の趣味が近かったのもあり、意気投合し、一緒にバンドをやることになったのです。当初はエレクトロニックポップ系のバンドで最初は4人組でORGと言ったのですが、その後、メンバーが1人抜け、古橋のほか女性と3人でノンジャンル・アルタネーティブ系バンドアール/スティル(R-Still)になりました。

ヘンリー・カウ

D

 一方、古橋は京都市立芸術大学入学後、バンド活動と並行して、学内の「座カルマ」という演劇集団に所属していて、演劇の方にも興味を持っていた。そのうちパフォーマンスの方に目が向きだして、ダムタイプの原型みたいなことをやりはじめた。その関係でビデオ作品も制作して、その音楽は自分で作っていたのだけれど、プロトタイプの作品を制作してみるとあまりにもしんどい暗い作品になってしまったため、それで手伝ってくれということになって一緒にやることになりました。

——実際に活動に参加したのはどこからですか?

 山中 古橋と一緒に音楽活動はしていたけれども、ダムタイプ(当時はダムタイプシアター)は京芸(京都市立芸術大学)の学生の集団と思っていたので積極的にかかわろうという気はなかったのです。曲を最初に作ったのが「風景収集狂者のための博物図鑑」のサウンドトラック。その後、「庭園の黄昏」から本格的に作るようになりました。ところが、本公演を見に行ってみると、僕自身が作った音楽をかけ間違っていたり、曲が途中で止まったりしたため、「僕がオペレートしようか」ということになったのです。オレンジルームでやった「睡眠の計画 #3」(1986)からは音響もやるようになりました。

 ダムタイプ音楽はほとんど山中透/古橋悌二の共同創作の形をとっていましたが、これは古橋は音楽以外のこともやっていたこともあり、原型みたいなのを僕が作り古橋のところに持っていき、それを古橋が最終的にまとめていくような形態が多かった。もっとも実際の形態は多様で音楽だけを取っても、その時作った曲がその時は使われず別の作品で使われることもあえば、僕が持っていった曲が最初から作品に取り入れられていて、パフォーマンスの土台となっていることもありました。

 ダムタイプとの関係というのは私の場合は古橋との関係で、ほかのメンバーがやるように作品制作のためのミーティングに参加したことはなかったし、そうする気もなかったのです。というのはこと音楽に関しては話ができるのは当時のメンバーのなかでは古橋だけで知らない人が多かったので、古橋以外のメンバーと話し合うことにあまり意味がないことが多かったからです。

——ダムタイプが共同創作といっても要素によって違いはあったということですね。

 山中 そうです。例えば「pH」という作品ですが、これは最初のシーンにドイツ作曲家であるマニュエル・ゲッチングという人の「E2−E4」という曲が使われているのですが、これはニューヨーククラブシーンではよく明け方にかかっていた曲。実は「Pleasure life」(1988)のワールドツアーを通じてニューヨークロンドンクラブシーンにどっぷりと浸かることになったのだけれど、その当時そこで遭遇したクラブダンスミュージックの方がそれまで作ろうとしていた当時実験的とされていた音楽よりも先鋭的ではないかと感じ、古橋と(パフォーマンスに使う音楽も)「このままではいけない」と思い、それで「pH」ではそれまであまり舞台には取り入れられることのない最先端のクラブカルチャーサウンドを取り入れることをひとつテーマとしました。

マニュエル・ゲッチング「E2−E4」

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 日本にはその時点でほとんどクラブシーンがなかったので、大阪で活動していたシモーヌ深雪らも誘って、後の「DIAMONDS ARE FOREVER」のようなオーガナイズしたワン・ナイトクラブなど夜の活動をはじめたのも当時のことでした。

 87年ごろにインドゴアに行ったメンバーが持ち帰った音源ヨーロッパクラブで最近こんなのがよくかかっているということを知り、それが後にニュービート、あるいはハウスと呼ばれるようになる音楽だったわけですが、何が起こっているのだろうと興味を持ったのです。それで88年にはニューヨークの公演中でもクラブに行っていたのですが、初期のハウスミュージック全盛の時代でした。いろんな曲をミックスして同時に流すと個別に聴いたのとはまったく別種の音が聴こえてくる。視点を変えると同じものでも見え方が変わる。そして今これをやっておかないとと思い「pH」でこれを試そうとしました。「S/N」で「アマポーラ」の曲に合わせて、爆音をかけているところも、そういうことの延長線上にあります。

ナナ・ムスクーリ「アマポーラ」

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 ただ、そういうことは舞台作品の場合あまり分かってもらえないことが多くて、音楽がたとえ先鋭化していってもあくま舞台の一部としてしか受けとられていない。こちらとしては「pH」をひとつのライブだと思ってやっていた。しかし、いくらライブだと言ってもそう思って見てくれる人は少ないし、それまでの作品とは全然違う表現なんだということが分からない。結局、「pH」は2年以上ツアーをやってしまったのだけれど、それで内心もうダムタイプはいいだろうという風に思いはじめました。ツアーばかりで自分の作品を作る時間がないし、次第に集団にいる意味がないんじゃないかと考えはじめたからです。

——その次の作品が「S/N」で結局これにも参加なさいましたね。

 山中 「pH」の後がホテル・プロ・フォルマと共同制作した「エニグマ」でこれには最初、古橋も参加しました。ところが、途中から体調を崩して帰国。メンバーのそれぞれに「実は自分はエイズで……」というHIV感染を告知した手紙が届いたのです。それで私には「次の作品も音を一緒にやりたいからよろしく頼む」と……。これではここでやめるというわけにもいかなかったことは確かです。

——山中さんは古橋さんとはもっと近しい存在でしたから驚かれ、ショックを受けたのではないですか? 

 山中 そうですね。メンバーには衝撃的なことだったのですが、実は私は古橋になにかが起きたのではないかと薄々気がついていたのです。元々、私と古橋はツアーの最中にも頻繁にクラブに出掛けていたのですが、「pH」のツアーの時の古橋の遊び方はむちゃくちゃで尋常じゃなかったのです。ドラッグもやっているみたいで、本番中でも朝まで帰ってこなかったり、自分をコントロールできないようでした。体調もよくなくて、発熱もよくあったみたいで、僕の知り合いにも「HIVポジティブ」っていう人が出てきていたこともあり、もしやと思って心配してはいたのだけれど、僕は気をもんでいただけで何もできなかった。だから、やはりそうかとつらかったけれども意外ではなかった。ただ、そういう古橋の夜の生活を多少とも一緒したのは僕だけで他のメンバーはそれほどいかなかったからそういうことも知らず、ショックは大きかったと思います。

 

——「S/N」はどんな風に作られたのでしょうか?

 山中 「S/N」のコンセプトはゲイ/ストレートの対立項として進行していく。もともとのコアメンバーには(古橋のほかに)ゲイの人はいないし、自分の性的志向について悩んだ人もいなかったため、私自身としては理不尽な作品だと思うこともあったが、コンセプトには口をはさまなかった。ただ、(今考えると)パフォーマンスの純度を上げるためにはそういう単純化も必要だったかもしれない。

 ダムタイプをやめることにしたのはこの作品の途中で古橋が亡くなったことと、途中から池田亮司が手伝ってくれて、やめる機会が来たと感じたからです。ただ、実際にはその次の「OR」も池田亮司と私がそれぞれ曲を提供し、サウンドスケープはすべて私がやっていて、音響オペレーションも2人でやっていました。そして、「memorandam」の最初のツアーにだけ参加してそこで抜けることになりました。

ダムタイプ「OR」

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ダムタイプ「memorandam」

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——それではダムタイプから離脱したのは他のメンバーと折り合いが悪くなってというわけじゃないのですね。

 山中 それはないです。ダムタイプでやるということはなくなりましたが、今でも個々のメンバーとは付き合いがありますし、一緒にやったりもしていますから。ただ、シーンができて、それに音をつけるというようなことはやりたくなかったので、音楽について僕の個人的な手法を理解をできる人がいなくなってしまったのは大きかった。特に「OR」をやって分かったのは古橋(悌二)の不在が大きくて、それまでいかに作品を古橋を通してしか見ていなかったかというのが浮き彫りになりました。

——ダムタイプ退団後はオン・ケン・センと仕事をしていて、これは今も続いていますがこちらのきっかけは?

 山中 最初は2000年のツアーの最中に半年ぐらいヒマができて、この時に声をかけられて、シアターワークスのワークショップに参加したのがきっかけでした。指輪ホテルとグラインダーマンとのコラボレーションに参加した後、中国タイスウェーデンダンサーらが参加した「グローバルソウル」というダンス作品、谷崎潤一郎の「細雪」を原作にした「シノワズリー」という演劇作品音楽を担当しました。

 2006年にシンガポール制作した「ディアスポラ」という作品は今年(2009年)夏にスコットランドのモスリム系の家庭で育ったアーティストと共同制作した20分ほどのシーンを付け加えてエジンバラ国際フェスティバルで上演しました。

——高橋匡太とのコラボレーションユニット「flo+out」もありますよね。

 山中 こちらは2000年にパリでフランス人の企画したフィルムフェスティバルが最初でした。「flo+out」というのはいろんな意味にとれるようにとこうしたもので、一応、「浮遊的な」という意味ではあるのですが、「だます」「あざける」というような意味も含まれています。今年もせんだいメディアテークで高橋匡太インスタレーションの展示をした際に作曲および音響を担当しました。このところ毎年1作品ぐらいのペースで続けているのですが、こちらはパフォーマンスとしてやる時でも(舞台作品ではなくて)美術インスタレーションに近いパフォーマンスをやりたいと考えてやっています。2010年は4月にミラノで建築家の人とのコラボレーションによりインスタレーションを予定しています。

——今年はMonochrome Circusの「緑のテーブル」「レミング」の音楽作りましたね。

 山中 「緑のテーブル」の音楽をやることになったのは振付を担当したじゅんじゅん水と油じゅんじゅんSCIENCE)に東京で「flo+out」の公演を手伝ってもらったことがあって、その縁で一緒にやりませんかと頼まれたのがきっかけでした。その時に坂本公成とも出会って、まあ彼の方ではダムタイプ時代から私のことを知っていたようなのですが、彼から新作「レミング」の音楽も依頼されました。こちらは急に話が来たこともあり、リハーサルが見られなかったこともあり、クリエーションは大変だったのですが、面白い状況になっています。Monochrome Circusとは来年(2010年)春にはワークショップをしようかという話も進行しています。

——ダムタイプないし元ダムタイプアーティストとのコラボレーションもけっこう多いですよね。

 山中 ダムタイプパフォーマーの薮内美佐子とは2007年1月に芦屋市立美術博物館でやった美術家、松井智恵とのコラボレーション「PICNIC」で一緒にやりました。彼女たちは一緒に作品作りをしていてすごく楽しくて、今もっとも楽しく仕事できる美術家です。実は現代音楽アーティスト山本将士と共同制作で中ホール以上の規模で現代オペラ音楽パフォーマンスを制作しようと準備を進めていて、私は演出を担当。これに彼女らも参加してもらうつもりだったのですが、これは相手の音楽家が体調を崩してしまい予定が先延ばしになってしまいました。

 パフォーマーだった田中真由美とはヴォーカルおおたか静流による音楽ユニットUN(ユーン)」というのをやっていて、田中テルミンキーボードを担当してライブ活動をしています。彼女はダムタイプには「pH」から参加してもらったのですが、元々私がよく通っていたレンタルレコード店で働いていた店員で、そこで知り合って古橋に紹介してダムタイプのメンバーに入りました。

 ——高嶺格のパフォーマンス作品にも音楽で参加していらっしゃいましたよね。

 山中 アイホールで彼が制作した3作品のうち2作品のクリエーションに参加しました。音楽を提供したりもしていますが、本当は彼の場合は全部自分でやった方が面白いと思うので、音楽も自分で作ればいかがですかと言っています。ただ、今年夏に制作した作品については「一緒にやりたい」と彼から話はあったのですが、その時にはオン・ケン・センのエジンバラ国際フェスティバルのツアーの方が先に決まっていたので手伝うことができずに残念なことをしました。

2017-10-12

[]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編」セミネールin東京@SCOOL

 セミネールin東京ダンス×アート 源流を探る」第1弾として「ダムタイプ音楽担当だった山中透氏*1が自らダムタイプ作品の舞台裏を語りまダムタイプ音楽 山中透編」を開催します。大型プロジェクターによる舞台映像を見ながらす。2010年・2011年の2回にわたり大阪心斎橋で行い非常に好評であったレクチャーの東京版をリニューアルして開催致します。どうぞご参加ください。    

コーディネーター・中西理演劇舞踊評論)

ゲスト・山中透(本編冒頭に20分程度のミニライブ予定)

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ダムタイプ「S/N」

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モノクロームサーカス

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 エイズで亡くなった古橋悌二*2の盟友として1980〜90年代にダムタイプ*3*4音楽監督を務め、代表作といえる「S/N」「PH」などに楽曲を提供した山中透氏。彼をゲストに迎え、プロジェクターによる映像などを見ながらダムタイプ作品の舞台裏を語ってもらう予定です。ダムタイプのパフォーマンスは実は当時最先端のニューヨーククラブカルチャーに触発されて製作され、それゆえ上演ではライブ演奏にこだわっていたといいます。しかし舞台を見た人にはあまりそれが正当には評価されないという悩みもかかえていたとも聞いています。そのあたりの事情を山中透氏に熱く語ってもらいたいと思っています。

 さらに残された映像を見るとクールでハイセンスな未来派パフォーマンスに見えるダムタイプですが、実は舞台裏ではショー・マスト・ゴーオンさながらのもうひとつの熱い戦いも進行していたそうです。今だから明かせる秘話が続々、こうご期待。山中氏からはダムタイプ退団後、現在までの仕事の紹介(オンケンセンとのコラボ、ニブロール、MuDA、モノクロームサーカスとの仕事など)もしていだだく予定です。

 2008年から2013年まで東心斎橋のBAR&ギャラリーで開催。レクチャー(解説)と映像で演劇ダンスを楽しんでもらおうという連続レクチャー企画がセミネールでした。私が2013年4月東京移住して以来中断していましたが、今回ダムタイプ音楽監督を担当していた山中透さんの協力を得て復活させることにしました。

 

【日時】2017年10月16日(月)p.m.7:30〜

【場所】三鷹SCOOL にて

【料金】前売:2000円

当日:2500円 (+1drinkオーダー)

【予約・お問い合わせ】

メールsimokita123@gmail.com (中西)まで お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTELをご記入の上、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受け付けます。

電話での問い合わせ

090-1020-8504 中西まで。

http://scool.jp/event/20171016/:embed:cite

2017-10-11 フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いか

[]フェスティバル/トーキョー『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』(作・演出:柴 幸男)@東京芸術劇場シアターイースト 

キャスト

大石将弘 (ままごと|ナイロン100℃)

 

岡田智代

 

小山薫子

 

串尾一輝 (青年団)

 

鈴木正也

 

椿真由美 (青年座)

 

野上絹代 (FAIFAI|三月企画)

 

端田新菜 (ままごと|青年団)

 

藤谷理子

 

森岡 光 (不思議少年)

 

作・演出

柴 幸男 (ままごと)

演出助手

きまたまき

舞台監督

山下 翼、高橋淳一

舞台美術

青木拓也

舞台美術補佐

濱崎賢二

音楽

柯智 豪 -Blaire KO-

音響

星野大輔 (サウンドウィーズ)

音響操作

反町瑞穂 (Sugar Sound)

照明

筆谷亮也

照明操作

しもだめぐみ、三嶋聖子


映像

鹿野護(WOW / 未来派図画工作)、曽根宏暢(東北工業大学)、稲垣拓也(WOW)、齋藤勇樹(WOW

映像テクニカル

須藤崇規

衣裳

TRAN 泉

衣裳コーディネーター

林 秉豪 -Keith LIN-

空間構成 [エントランス]

安藤僚子 (デザインムジカ)

宣伝写真

Ivy Chen、濱田英明

宣伝写真ヘアメイク

鷲塚明寿美

宣伝美術

原田祐馬 (UMA / design farm)

記録

陳 冠宇 -Kuan-Yu CHEN-

字幕翻訳

クリス・グレゴリー

字幕翻訳監修

水谷八也

特設WEB編集

落雅季子(LittleSophy)

広報協力

ポーラ美術館

特別協力

急な坂スタジオ

協力

株式会社オポス、レトル、青年座青年団ナイロン100℃、スイッチ総研、FAIFAI、不思議少年三月企画

制作

荒川真由子 (フェスティバル/トーキョー)、加藤仲葉 (ままごと)

制作統括

河合千佳 (フェスティバル/トーキョー)、宮永琢生 (ままごと|ZuQnZ)

台湾コーディネーター

新田幸生

インターン

グンナレ 更、小林春菜、林美沙希、山本茉惟

フロント運営

つくにうらら

主催

フェスティバル/トーキョー、一般社団法人mamagoto

[]ももクロ有安杏果ソロアルバムココロノオト』を聴いてみた

 有安杏果の待望のソロアルバムがついに発売された。図抜けたトータルでの完成度の高さに舌をまいたが、それでいてどこを切っても有安杏果というのはこのアルバムがセルフプロデュースだからであろう。

しか武部聡志本間昭光日本を代表するベテランアレンジャーを含めアルバム全体をプロデュースしたとしてもおかしくないキャリアアレンジャープロデューサーらを曲ごとに入れ替えて制作していることだ。 それでいてばらついた印象にならないのはその全体を文字通りに杏果自身が統率していて一緒に作品作りをする相手に対していっさい妥協なく自分の美意識に基づいて練り込んでいることだ。

 そして「ココロノオト」のもうひとつの特徴はこのは曲順が曲が出来た順番に並んでいることである。

 実はももクロ主演映画「幕が上がる」に感じた共通項があり、それはいずれも「順撮り(録り)」だということだ。そしてそうしたことで出来上がった作品は期せずして彼女(たち)の成長の記録ともなっている。そして、結果はアイドルだと先入観を持って見始めた(聞き始めた)人をクオリティの高さで驚かせる。

 映画「幕が上がる」の成功は有安杏果に重要な経験も与えたと思っている。それは夏菜子と一緒に収録した駅のホームでの場面。メイキングを見るとよく分かるのだが、この場面で撮影したカットのうちどれを最終的に使うということについて杏果と夏菜子は本広克行監督に撮影終了後監督の判断に対し異論を唱えて強くつめよっている。この場面は結局、監督が2人の意見を考慮しながら再考しカットのつなぎを駆使してこの映画屈指の名場面となった。こういう場面で経験の浅い俳優が監督が出した結論に異論を唱えられるものなのかということに一般論としては疑問を感じなくもないのだが、杏果も夏菜子もそこで妥協を許さず努力すればそれだけ作品はよくなるということを実体験として学んだ。

 「ペダル」でアレンジャーとしては日本駆使の大御所のひとりである本間昭光に杏果が出来上がってきたアレンジに何度も注文を付けて作り直させたという話を聞いたときいかにも杏果らしいと思った半面、「それは普通許されるのだろうか」と考えたのだが、これも映画の時の経験が生きているのかもしれない。

 一層この子容赦ないわと思ったのは1.0で「ペダル」のアコースティックギター生演奏で披露するために本間アレンジを完全にアレンジし直してしまったこと。「ペダル」は横アリの時のミニアルバムにも収録されておらず、原アレンジを聴く機会は限られてしまっていたので、今回のソロアルバム音源が初披露されたことは個人的には喉にささった骨がやっと取れた感もあるのだ。

アルバムは順録りとは書いたが大きく分けると3つのブロックに分けられるかもしれない。最初の ブロックは自らの作詞曲を武部聡志本間昭光ら大御所クラスから始まり、

脂の乗り切った三十代半ばの久保孝一、宮崎誠らにアレンジを依頼した曲が並び、特に久保孝一にはギター演奏ギターでの曲作りも師事し作曲のノウハウを学んだ。

 ここのブロックでは「ハムスター」と「ペダル」がいい。特に「ハムスター」は実際には一番最初に作りだした曲ともいうが、自らをハムスターに準えるユーモアと自虐の絶妙なバランスがいかにも杏果らしいと思うし、自らの心情を曲にしたとはいえ、専門の作曲家のアドバイスもあったためかアルバム後半の極私的なイメージを綴った「色えんぴつ」「ヒカリの声」と比べるとキャッチーで聞きやすくもある。この曲もvol.0で披露されて以降、音源化されることもなく幻の名曲的な存在になっていたから、ここでアルバムに収録されたのは嬉しいことだった。杏果のソロ曲ももクロ楽曲とは全体としては雰囲気が違う曲が多いのだが、その中ではこの「ハムスター」はもし仮に5人に歌割りされてももクロアルバムに収録されていたとしても比較的違和感がなかったのではないかと思う。というのはももクロの曲は彼女らが所属するスターダストプロモーション、そしてかつて所属していたキングレコードスターチャイルドレーベルにちなんで、星や宇宙についてのイメージがちりばめられていることが多いのだが、

街頭の灯りが明るい都会の空 星ひとつ見えない無色の空 だけどそこにひっそりと

月が佇むように 確かな光 放ち続けてたい

という冒頭の歌詞ひとつとっても「月」や「星」に自らをなぞらえていることがあってこれは例えばそれがももクロのことであれば夏菜子の「太陽」に対し、自分を「星」や「月」に位置づけているようにも思えるし、あるいはこの世界の輝く存在に対して自分たち(ももクロ)のことをそう感じているようにも解釈できるような要素も含んでいるからだ。

 一方、中盤の「Drive Drive」以降は杏果が個人的に大好きで楽曲をよく聴いているアーティストからの提供曲が並ぶ。ここでも選択のセンスに感心させられたが、よかったと思うのはいずれのアーティストへの依頼もレコード会社プロデューサーである宮本淳之介を通じて行っていることだ。実はこの辺りの曲を聴いて思ったのは以前にも書いたことがあるが有安杏果ソロ楽曲ももクロ未来図だということだ。

ももクロ楽曲つんく秋元康ら特定の作家がプロデュースするのではない、作家陣の多様性にあることは確かだ。とはいえ、方向性がまったくないわけではなくて、テイストというのはあってそれを司っているのが、音楽プロデューサー宮本なのだ。ところが、杏果ソロ楽曲の特徴というのは通常のももクロ楽曲ならば宮本絶対楽曲製作を依頼しないであろうようなアーティスト楽曲も含まれている。

 「愛されたくて」「遠吠え」の風味堂渡和久)、「裸」の小谷美沙子といった人たちがそうなのだが、宮本を通じて楽曲依頼をしたことでパイプを増やしたのは将来的に大きいような気がする。もちろん、今回制作された楽曲もよい。「愛されたくて」「裸」はいずれもそれまでの杏果になかった新たな魅力を引き出してくれたという意味で注目していたが、特に「愛されたくて」は小沢健二を彷彿とさせるような小洒落た雰囲気を醸し出し「杏果はこういう歌も歌えるんだ」と感銘を受けた。

 

ココロノオト【初回限定盤A】

ココロノオト【初回限定盤A】

ココロノオト【初回限定盤B】

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有安杏果

1st ALBUM「ココロノオト」

2017年10月11日(水)発売!!

【初回限定盤A(CD+Blu-ray)】

品番:KICS-93535

価格:,704+税

[CD]

1. 心の旋律

2. Catch up

3. ハムスター

4. ペダル

5. feel a heartbeat

6. Another story

7. Drive Drive

8. 裸

9. 愛されたくて

10. 遠吠え

11. 小さな勇気

12. TRAVEL FANTASISTA

13. 色えんぴつ

14. ヒカリの声

[Blu-ray]

<Music Video>

ヒカリの声」

「色えんぴつ」

Catch up」

特典映像

ヒカリの声」Music Video メイキング映像

2017-10-07 マレビトの会 / Marebito フェスティバル/トーキョー17『福島を上演

[]マレビトの会 / Marebito フェスティバル/トーキョー17『福島を上演する』@池袋シアターグリーンBASETHETER


過ぎ去っていく数々の「出来事」から、福島の「いま」を垣間見る

複数の作家が福島に取材し書いた戯曲を、いかに現在の「出来事」として劇場に立ち上げるのか。ごくシンプルな空間で、俳優の身体のみを使い、各エピソードにつき一度きりの上演に挑戦したマレビトの会『福島を上演する』が、昨年に引き続き、フェスティバル/トーキョーに登場する。前身となった『長崎を上演する』(2013−16) と同様、歴史に回収されるのではない、日常の時間に潜むドラマ採集舞台化する本プロジェクト。2年目となる今回は、これまで福島市内に限定していた取材範囲を県内全域まで拡大、場所や時間、登場人物はもちろん、戯曲のスタイルまでさまざまに異なる戯曲の連続上演を通じ、より多面的な福島の姿を浮かび上がらせる。全12回にわたる公演に登場するエピソードの一つひとつは、とらえどころのない、過ぎ去っていく時間の断片にも思えるだろう。だが、眼前に現れては消えるその風景の連続には、福島の「いま」が、確かに映し込まれているはずだ。

チラシはこちらから。

◇本作品は1公演につき、複数の書き手(アイダミツル神谷圭介草野なつか、島崇、高橋知由、松田正隆三宅一平、山田咲)による複数の戯曲で構成されています。

◇12公演全体で1つの作品というコンセプトのもと、各回、上演される戯曲・構成が異なります。

◇日本語上演

◇『福島を上演する』は『長崎を上演する』(13〜16)から続く長期プロジェクトです。上演戯曲・構成および関連インタビュー等、ご観劇の参考にご覧ください。(『長崎を上演する』アーカイブ

○上演戯曲

10月7日(土)16:00

国宝白水阿弥陀堂(山田 咲)

パークウィンズ草野なつか)

10月7日(土)19:30

握手会にて(島 崇)

石炭化石館 ほるる(松田正隆

老人の話(三宅一平)

10月8日(日)14:00

ヒミツホテル(アイダミツル

国道6号線草野なつか)

10月8日(日)17:30

ブリデイ・エブリナイト松田正隆

遺骨収集(三宅一平)

10月9日(月祝)14:00

衛星、船着場、または新しい軌跡(高橋知由)

回転寿司にて(神谷圭介

こずえと茂吉(三宅一平)

10月9日(月祝)17:30

トミー理髪店(アイダミツル

涙の木(三宅一平)

アクアマリンふくしま「サンゴ礁の海」にて(松田正隆

スポーツショップ(神谷圭介

10月12日(木)19:30

上演と陰謀(松田正隆

革命神谷圭介

10月13日(金)19:30

あなたわたし劇場松田正隆

富岡子安橋より(島 崇)

10月14日(土)16:00

イオンシネマのベンチにて(松田正隆

メタスタ(アイダミツル

10月14日(土)19:30

帰れない2n人(高橋知由)

磐越東線いわき行き(松田正隆

10月15日(日)14:00

番外編 大阪の福島にて(島 崇)

点字図書館にて(神谷圭介

塩屋埼灯台(山田 咲)

10月15日(日)17:30

パン屋の跡地にて(高橋知由)

守山さんの受難草野なつか)

白河宮家和子さま、道の駅「よつくら港」来訪のこと(松田正隆

演目順は変更になる場合があります。

○日時:

10/7(土) 16:00 / 19:30

10/8(日) 14:00 / 17:30★(英語字幕あり)

10/9(月・祝) 14:00 / 17:30

10/10(火) 休演日

10/11(水) 休演日

10/12(木) 19:30

10/13(金) 19:30 ★

10/14(土) 16:00 / 19:30★

10/15(日) 14:00 / 17:30

受付開始は開演60分前、開場は15分前。

上演時間:約60〜80分(演目ごとに異なります)

10/8(日)17:30の回のみ、英語字幕が入ります。あらかじめご了承ください。

本公演は演出の都合上、開演時間を過ぎてからのご入場ができない場合がございます。お早めのご来場をお願いいたします。

★=終演後、ポスト・パフォーマンストークあり

10/8(日)17:30|松田正隆×マレビトの会プロジェクトメンバー

10/13(金)19:30|松田正隆×伊藤キムフィジカルシアターカンパニーGERO主宰・振付家・ダンサー

【NEWトーク決定!!】

10/14(土)19:30|松田正隆×諏訪敦彦映画監督

○会場:シアターグリーン BASE THEATER(豊島区南池袋2-20-4) アクセス

JR他「池袋駅地下通路39番出口より徒歩2分、東口より徒歩6分

東京メトロ有楽町線東池袋駅」より徒歩5分

都電荒川線雑司ヶ谷駅」より徒歩7分

○チケット(整理番号付き自由席) 8月27日(日)〜発売

取り扱い:F/Tチケットセンター

一般前売り   \3,000(当日 +\500)

先行割引* \2,100

5演目セット** \2,400

3演目セット** \2,600

1日セット券*** \5,000(10/7、8、9、14、15のみ)

学生      ¥2,000 ※当日券共通。当日受付で要学生証提示。

高校生以下   ¥1,000 ※当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示。

先行割引*=8月23日(水)〜26日(土)の期間中、お得な早割券を発売します。枚数限定。

5演目セット券・3演目セット券**=F/T17の他の演目と組み合わせてご購入いただけるチケットです。『福島を上演する』は12公演中1公演のみ選択可能です。

1日セット券***=同日16:00の回と19:30の回(7日、14日)、14:00の回と17:30の回のセット券(8日、9日、15日)となります。F/Tチケットセンターで前売のみ取り扱い。

2017-10-05 東京デスロック「ハッピーな日々」@横浜STSPOT

[]東京デスロック「ハッピーな日々」@横浜STSPOT


作:サミュエル・ベケット 翻訳:長島

演出:多田淳之介

出演:佐山和泉 夏目慎也

腰まで土に埋まった女性、後半ではその身体は完全に埋まり首から上だけが見えている。それにもかまわず「ハッピーな日になりそう」と喋り続ける女性。

彼女の置かれた状況と観客の置かれている状況を重ね、私たちの日々のハッピー、そして幸せの行く末を描く。

ー新作。サミュエル・ベケットによる名作不条理劇『Happy Days』を長島確氏による新訳にて上演。

*演出の都合上、一部観劇状態を指定させていただく場合があります。

Happy Days」は横浜ランドマークタワーピーター・ブルック演出による上演を観劇した記憶があるのだが、日本人キャストによる日本人演出家の上演を見るのは初めてだった。

多田淳之介の演出は俳優の演技という面では東京デスロックの中ではオーソドックスなもので俳優もよくそれにこたえて好演したのではないかと思った。