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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

1000-05-12 12月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>12月のお薦め芝居</TITLE>

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12月のお薦め芝居

by中西理


 




 いろいろあって停止状態だったお薦め芝居。今月から大阪日記ともども再スタートしたい。




 演劇では谷省吾(遊気舎/いるかHotel)が畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)の代表作2本を異色のキャスティングで上演するいるかHotel「月と牛の耳」「背中まで四十分」★★★★にも注目したい。久保田浩(遊気舎)=「背中まで四十分」、隈本晃俊(未来探偵社)=「月と牛の耳」と外部から強力な客演を迎え、畑澤が弘前劇場時代に上演した代表作を連続上演で関西初演する。

 どちらも弘前劇場により初演は見た作品ではあるが、谷演出、関西の役者たちによる上演はまったく違ったテイストになりそうで、どんなものになるのかが今から楽しみだ。関西では弘前劇場の公演はあっても、畑澤作品は初めてだが、この2本は絶対に面白いはず。

f:id:simokitazawa:20051129071048j:image




 今月は注目のダンス公演がそれこそ目白押し。そのなかで全国的にはほとんど無名の新人のしかも大学卒業公演をあえてイチオシとしたい。きたまりのKIKIKIKIKIKI「プロポーズ」★★★★京都造形芸術大学studio21)がそれである。

 きたまりは大阪ダンスボックスを拠点に活動する舞踏カンパニー「千日前青空ダンス倶楽部」のメンバーであり、京都造形芸術大学の学生なのだが、すでにソロダンサーとしても自らの振付作品でJCDN巡回公演の「踊りに行くぜ!!」に選考され、今年の秋は全国3ヵ所の会場で踊るなど若くしてすでに学生の域を超えた活動を開始している。

 ソロダンサーとしても最近のコンテンポラリーダンスの1つのトレンドである「コドモ身体」を体現したような特異な個性の持ち主であり、今後の成長が楽しみなのだが、「関西最大の隠し玉」としてそれ以上に大きな期待をしているのはコレオグラファーとしての才能で、彼女のカンパニーであるKIKIKIKIKIKIの旗揚げ公演「改訂版 男の子と女の子」はほとんど素人同然のキャリアの出演者ばかりの学生による学内公演だったのにもかかわらずそのセンスのよさが際立っていて、2004年のダンスベストアクトに選んだ。

 この時も彼女自身は出演せず振付に専念したが、今回の公演も出演者はすべて後輩の学生。ただ、今回の公演がちょっと前回と違うのは出演者に全員バレエ経験のあるダンサーを選んだということ。彼女自身のダンスにおける基盤は舞踏なのだが、振付・構成においてはそれ以外の要素も含んだコンテンポラリーダンスであり、バレエの経験者を集めて今度は彼女がどんな仕掛けを考えているのかにすごく興味が引かれるのである。 




 ヤザキタケシ+アローダンスコミュニケーション「ブルータイムBlue Time)」★★★★伊丹アイホール)もフランスを中心に国際的な活躍をしながら、地元関西では本公演がなかったヤザキの作品をひさびさに見られる貴重な機会として、見逃すことができない舞台である。今回上演される「ブルータイムBlue Time)」は国立パリダンスセンターとヤザキタケシの共同制作作品として一昨年11月にパリ日本文化会館で初演されたものでその時に現地で見ている*1のだが、その時からフランスを中心にいろんな場所で再演されており、作品としてより練り上げられた姿を見せてくれるはず。




 一方、年明けにはなるが、BABY-Qの東野祥子、CRUSTACEAの濱谷由美子がそれぞれ新作を上演する横浜ダンスコレクション2006R「ソロ×デュオ受賞記念公演」★★★★横浜赤レンガ倉庫)にも注目したい。東野は現在拠点を東京に移したがともに関西出身で、関西ダンス界において(あるいは東京を含めても?)異端の存在であり続けたこの2人(東野と濱谷)は実は同年齢でもあって、相当にお互いライバル意識のようなものを持っているらしいから、その火花が散りそうな今回の公演はいつも以上に注目なのである。もちろん、岡本真理子のアート性溢れる舞台にも期待したい。




 ダンスでは横浜京都で上演される山下残「船乗りたち」★★★★にも期待したい。言葉と身体をテーマに取り組んできた山下残が、「今後の新たな展開を示す即興をつくるダンス作品。作り込んだ作品を本番で全く異なる作品に変化させる試み。振付された身体から抜け落ちる人間の内面性をダンスにする」という。即興とはいえ、山下残が作るのだからきっと即興ダンスのイメージからはひとひねりもふたひねりもしたものになるはず。ダンサーとして関西では超売れっ子になりつつある垣尾優が山下残作品にひさびさに戻ってどんなものを見せてくれるかも楽しみである。

f:id:simokitazawa:20051125142211j:image




 松山に本拠地を置く女性だけのダンスカンパニーによる新作YummyDance「もももってきてちょうだい」★★★★にも注目したいところ。もっともスケジュールが東京山田せつ子+天野由起子「奇妙な孤独」★★★★と重なっていてこちらも必見なので、休みが取れるかどうかも含めて現在頭を痛めているところだ。なんとか両方見られるウルトラCはないだろうか。




 北村成美がアートシアターdBに登場する北村成美「シゲニカルパレード」★★★★にも注目したい。前回の「シゲニカルゲート」ではフェスティバルゲートの広場にも飛び出して、劇場以外の空間での行きずりの人まで引き付けて巻き込んでしまう彼女ならでは魅力を存分に発揮してくれたが、今回は果たしてなにをやらかしてくれるのかが今から楽しみだ。




 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。

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中西

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1000-05-11 11月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>11月のお薦め芝居</TITLE>

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11月のお薦め芝居

by中西理


 




 いろいろあって停止状態だったお薦め芝居。今月から大阪日記ともども再スタートしたい。




 今月のイチオシはKATHY+graf「炎のメリーゴーランド」★★★★である。KATHYというのは一応、ダンスカンパニーなのだが、これまで主として美術フィールドで活動してきた女性3人の集団で、その正体は謎という覆面カンパニー(黒のストッキングと金髪の鬘をいつもかぶり、観客には顔を見せない)。

 コンセプトとしてはKATHYというのは米国女性の名前で、彼女の指令のもとに彼女らはいろんな場所に出没、パフォーマンスを見せるということになっている。これまでは主として

美術フィールドで活動をしてきた彼女たちではあるが、今回は初の有料での単独公演となる。今回は横浜トリエンナーレの会期に合わせて、横トリでは奈良美智とコラボレーションをして話題を呼んでいる家具工房graf舞台装置を担当。これが相当に力が入っているらしいので、ここにも注目である。

 美術ファンもダンスファンもまだ見たことのない人にはお薦め(レコメンド)である。




 演劇でのイチオシは桃唄309「ファイブ・ミニッツ」★★★★中野ザ・ポケット)である。前作「ブラジャー」ではブラジャー100年の歴史を2時間弱の舞台に仕上げるという暴挙に挑戦して見事な舞台成果を見せてくれた長谷基弘だが、今回の新作ではなんと「あるプロレスラーは因縁の対決中、ふとした気のゆるみからあり得ない間違いを起こそうとしていた。あるサラリーマンは、重要な書類をなくし途方に暮れていた。ある家庭では、すき焼き鍋に牛肉を今まさに投入しようとしていた。ある街頭では、人混みのなか、危険な事件が起ころうとしていた。現代東京のさまざまな5分間をカットアップ。現代社会を構成する人々の、ごく小さな、打算、裏切り、敗北、愛、挑戦などの断片……」とわずか5分間の間にいろんな場所で起こった出来事を100分の芝居にするという。

 これまでの経験からいうとこういう「そんなものが果たして芝居になるのか」という変なことを考え出したときの長谷は凄い傑作を書き上げることが多いのだ。だまされたと思ってぜひ見に行ってほしい。




 一方、土田英生の新作MONO「衛兵たち、西高東低の鼻を嘆く」★★★★ART COMPLEX1928)にも注目したい。こちらも「登場人物が物語を演じるのではなく『何もない場所を守る、五人の衛兵たち』という イメージだけを頼りになぜか哀しいコントのような芝居を創ってみる」という劇団サイトの紹介文からするといままでの土田作品とは一味違う実験作になりそう。どんな新たな展開を見せてくれるのか。ひさびさの本公演だけに期待したい。




 関西の実力派劇作家大竹野正典の新作くじら企画「海のホタル」★★★★にも期待したい。佐賀長崎連続保険金殺人事件を素材に今回は四谷怪談を連想させるような金の亡者たちを描き出す。事件ものを得意とする劇作家としては山崎哲、最近では坂手洋二の名前がまず挙がることが多いが、これまで関西だけで活動してきたために知名度こそ前者にゆずるが実力的には一歩も引けをとらない存在である。




 ダンスではJCDN巡回公演「踊りに行くぜ!!」in金沢★★★★金沢21世紀美術館)にも注目してほしい。「踊りに行くぜ!!」はJCDNによるコンテンポラリーダンスの全国巡回公演。今年で6回目の開催で、今回は10月から12月に、札幌弘前新潟仙台前橋静岡金沢福井、長久手(愛知)、栗東滋賀)、大阪広島松山山口福岡佐世保沖縄、そして06年2月に東京(「SPECIAL IN TOKYO」と銘打ち、本年度の話題作品を上演)の全18ヶ所で43組のアーティストが出演するという大規模なものとなった。金沢の参加メンバー金沢舞踏館(金沢)/きたまり(京都)/近藤良平+野和田恵里花(東京)/峠佑樹(富山)/尹 明希(東京)の5組だが、なかでも注目なのは関西秘密兵器と私が勝手に考えているきたまり。

 小柄で一見子供のようにも見えるちょっと「いたいけな」感じがするダンサーで、日本コンテンポラリーダンスの特徴のひとつの極が桜井圭介氏が主張する「コドモ身体」であるとすれば、まさにそれを体現するような存在である。ただ、時折、その表情の変化により、「こども」的なものをはみ出すような奇妙な色気とか、まるで老婆のように見えたりするようなアンビバレントな要素が「こども的な身体」と共存しているのが、彼女のオリジナルな魅力となっている。

 最初に見た「踊りに行くぜ!!」in栗東ではまだ未完成の感が強かった彼女の作品が巡演を重ねることでどのように成熟してきたか。私はこれを見たいがために金沢まで行くつもり。




 松山に本拠地を置く女性だけのダンスカンパニーによる新作YummyDance「もももってきてちょうだい」★★★★にも注目したいところ。もっともスケジュールが東京山田せつ子+天野由起子「奇妙な孤独」★★★★と重なっていてこちらも必見なので、休みが取れるかどうかも含めて現在頭を痛めているところだ。なんとか両方見られるウルトラCはないだろうか。




 ミュージカルでは梅田芸術劇場レ・ミゼラブル」★★★★にも注目したい。このミュージカルは私が最初に演劇に興味を持つきっかけとなったこともあり、私にとっては特別の意味を持つミュージカル。毎回新たなキャストが注目だが、今回は新たな発見があるだろうか。ただ、今回はこれに見にいくと絶対に本田美奈子のことを思い出すだろうなと思う。あらためて、早すぎた死を嘆きつつ冥福を祈る。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。

11/30,12/30,12人の優しい日本人 ,パルコ・プロデュース ,PARCO劇場

,★★★    |

11/25,11/27,ハロルド ,ゴーゴーハリケーン ,青山円形劇場

,★    |

12/06,12/31,贋作罪と罰 ,NODA・MAP ,シアターコクー

ン ,★★    |

11/16,11/20,くるみ割り人形 ,Kバレエカンパニー ,オーチャードホ

ール ,★★    |

11/20,12/04,パーマネント・ウェイ ,燐光群 ,シアタートラム

,★    |

12/11,12,25,ソウル市民 ,レパートリーの創造2005 ,シアタートラム

,★    |

11/30,12/04,ファイブ・ミニッツ ,桃唄309 ,中野ザ・ポケッ

ト ,★★★★    |

12/03,12/12,無理矢理 ,劇団、本谷有希子 ,吉祥寺シアター

,★    |

11/28,12/06,DUST ,reset-N rare-track ,吉祥寺bar drop

,★★    |

11/18,11/18,ジュンリー!開放! ,毛皮族 ,新宿FACE

,★★    |

11/26,12/06,SMOKE -LONG VERSION- ,流山児★事務所 ,ザ・スズナリ

,★★★★    |

11/17,11/20,パンチ ,げんこつ団 ,駅前劇場

,★★★    |

11/18,12/04,砂と兵隊 ,青年団 ,こまばアゴラ劇

場 ,★★★    |

12/08,12/18,森下真樹ダンスショウ!! ,Study of Liveworks発条ト,こまばアゴラ劇

場 ,★★★    |

11/18,11/21,最後の「ボレロ」 ,シルヴィ・ギエム ,東京文化会館

,★★★    |

11/26,11/27,山椒大夫 ,三条会 ,三条会アトリエ

,★    |

11/25,11/30,ヤルタ会談/忠臣蔵・OL編 ,青年団 ,シアターZOO

,★★★★    |

11/18,11/23,衛兵たち、西高東低の鼻を…,MONO ,ART COMPLEX 19

28 ,★★★★    |

11/19,11/27,GLORY DAYS 2005/風の… ,ランニングシアターダッシ,AI・HALL

,★★    |

11/17,11/20,ダブリンの鐘つきカビ人間 ,後藤ひろひと作・G2演出 ,梅田芸術劇場

インH,★    |

12/11,12/11,10周年ありがとうセレモニー,ロリータ男爵 ,ロフトプラスワ

ン ,★★★★    |






中西

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1000-05-10 11月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>11月のお薦め芝居</TITLE>

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11月のお薦め芝居

by中西理


 




 いろいろあって停止状態だったお薦め芝居。今月から大阪日記ともども再スタートしたい。




 今月のイチオシはロリータ男爵信長の素」★★★★である。多摩美術大学の出身大学という出自を生かして、そのビジュアル感溢れる舞台美術

壮大なる無駄骨折りぶりにいつも笑わせられてしまう彼らだが、その馬鹿パワーをひとつの到達点を示した作品がこの「信長の素」であった。初演時にインターネット演劇大賞にも選んだこの集団の代表作を劇団結成の10周年アニバーサリー公演として初めて再演される。

 女にとって理想の男とは、強く知的でそしてちょっぴりW・A・R・U。そんな男がかつて存在した。民から鬼、魔王と呼ばれたその男の名は…織田信長(1534〜1582)。その理想の男信長を女王の結婚相手として蘇らせる事とした一族は、本能寺跡から信長DNAを捜し出し、信長クローン製造に成功した。しかし、信長と言う男、果たして女王の結婚相手として本当に相応しいのか…。また、その遺伝子は一族に優秀な子孫を残す事ができるのか…。それを見極めるべくひとりの遣いが戦国時代へと送られた。優れた遺伝子は優れた男の優れた種の中に……。ロリ男初の時代劇ミュージカルとして銘打たれて上演されたものの

以上の粗筋を聞いただけでも「なんじゃそりゃ」と思ってしまう名作(迷作?)がオマンキー・ジェット・シティ(ゴキブリコンビナート)、元猫ニャーの小村裕次郎ら強力な客演(?)を加えてパワーアップして甦る。さらにこの舞台では劇団初の関西公演も予定されており、関西演劇ファンもこのオオ馬鹿パワーの大爆発にはぜひ注目してほしい。




 チェルフィッチュ「目的地」★★★★こまばアゴラ劇場)にも注目したい。こちらも先日びわ湖ホールで初演した舞台の再演ではあるが、出演者も増やし、一層練り直しての上演となる。




 一方、弘前劇場「FRAGMENT 刻印」「FRAGMENT F.+2」★★★★にも注目したい。主宰、長谷川孝治と並ぶもうひとりの柱であった畑澤聖悟らの退団など、激震が走った昨今の弘劇だが、体制を新たにしての再出発に選んだのは長谷川の代表作ともいえる「F.+2」と今から10年前、95年の作品「刻印」の「FRAGMENT」シリーズ2本立てである。再演とはいえ、再演ごとに新たな挑戦を見せてくれる長谷川演出だけに今回はどんな風になるのかが待ち遠しい。




 ダンスではBABY-Q 「Alarm!」★★★★(シアタートラム)にも注目してほしい。コンペ総なめで注目の東野だが、カンパニーとしてはこれが東京では初めての本公演となる。「Alarm!」は再演ではあるが、カンパニーごと東京に拠点を移し、新展開を目指すBABY-Qとしても最初の公演となることもあり、内容は大幅に変更され、ほぼ新作に近いものになりそう。東野としても真価が問われる舞台となるだけにどんなものを見せてくれるのか。




 1年に1回、恒例の企画、なにわのコリオグラファーを自認する北村成美が踊りまくる北村成美「北村成美のダンスマラソン」★★★★も必見の公演。恒例の企画とは書いたが実は昨年のダンスマラソンは北村の故障のために公演中止になり、今回はその意味でも2年越しの待望の舞台。しげやん復活の鐘を華々しく鳴らす公演になるはず。




 元ダムタイプ現代美術作家として知られる高嶺格といえば金森穣とのコラボレーションでも話題となったが、今回は初のパフォーマンス作品に取り組む高嶺格パフォーマンス「もっとダーウィン」★★★★にも注目したい。現代美術作家としてはここのところ急速に知名度を上げ、今もっとも旬の人といっていい高嶺だが、舞台作品は未知数。それだけにどんな作品が出来上がってくるのか、期待が膨らむ。




 飛ぶ劇場「IRON」★★★★




 千日前青空ダンス倶楽部「夏の器 総集編」★★★★ 




 アサヒビールアートフェスティバルに参加してのトリのマーク(通称)「水と魚の記憶」★★★★にも引き続き注目したい。今回は「ふたつの向島-東京尾道-

+<水と魚の記憶>」★★★★のリーディング公演である。「場所から発想する演劇」のトリのマークが各地方の面白い場所と出会うことでどんなものを生み出すのか、興味はつきない。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-09 9月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>9月のお薦め芝居</TITLE>

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9月のお薦め芝居

by中西理


 




 先月は夏休みをとって恒例のエジンバラ演劇祭ツアー。今回は舞台だけでなく、エジンバラギャラリー巡りもしてきてなかなか充実の日々であった。昨年は体調を崩したりして、レポートも書かずじまいだったが、今度こそ大阪日記エジンバラレポートを掲載するつもりなので、ぜひ覗いてみてほしい。




 今月のイチオシはまずダムタイプの照明家である藤本隆行と京都ダンスカンパニー「モノクロームサーカス」とのコラボレーション作品であるモノクロームサーカス+藤本隆行「Refined Colour」★★★★である。「Refined Colors」は、R(ed)、 G(reen)、 B(lue)の発光ダイオードで、約1670万色のカラーバリエーションを作りだす新しい照明器具「LED発光ダイオード)ライト」を駆使した作品。低電力で働き、重装備の不要なLEDの特性を生かしつつ、音響や照明の操作も全てノートブックPCで行うことで機動性に優れたツアー・チームを編成し、04年の制作公演と最初のアジアツアー皮切りに、世界の都市を巡演。コンピューターに代表されるデジタル技術を駆使することで、行く先々の音や光景をサンプリングし舞台表現に取り込み、常にそれらの光景を繋ぐ「旅」を基軸にした作品更新を繰り返していく。

 山口で上演された初演は見ているのだが、その後の旅公演をへて京都ではどのように進化した形を見せてくれるのだろうか。楽しみである。学生時代からダムタイプの周辺にいたいわばダムタイプ・チュルドレンである坂本公成(モノクロームサーカス)と本家ダムタイプメンバーとのコラボレーションであるという点にも注目したい。




 桃園会「断象・うちやまつり」★★★★アイホール)も注目したい。これは関西を代表するコンテンポラリーダンサー・振付家であるヤザキタケシを招いてのリーディングとダンスのコラボレーション。リーディングにはWI'REのサカイヒロト、遊気舎の西田政彦と曲者が参加。この異色の顔合わせが深津篤史のテキストによってどのような舞台を見せてくれるのか。これは東京公演もあり、ダンスファンにとっても東京ではなかなか見られない稀有なダンサーであるヤザキと出会う貴重な機会になるはずだ。

 「うちやまつり」の後日談である深津の新作桃園会「paradaice、lostlost」★★★にも注目したい。




 平田オリザの代表作「S高原から」を4人の若手演出家が競演する「ニセS高原から」★★★★。なかでも注目は五反田団「ニセS高原から」★★★★ポツドール「ニセS高原から」★★★★である。前田司郎、三浦大輔ともに群像会話劇の書き手として、ポスト平田オリザ(=青年団)の呼び声が高い若手劇作家演出家だが、彼らが平田とどのように資質の異なる劇作家なのかは平田の戯曲に挑戦することで、より明確になってくるのではないかと思う。この2人は「S高原から」の戯曲をそのまま上演するのではなくて、高原サナトリウムに滞在する患者とその訪問者の物語という「S高原から」の骨格を借りながらもオリジナルの台本を上演するということで、どんな風に変わるのかが楽しみ。ポツドールはやはり脱ぐシーンがあるんだろうなあ(笑い)。一方、三条会「ニセS高原から」★★★も身体表現系の劇団である三条会がどのように平田戯曲に取り組むのかに注目したい。こちらは戯曲はいっさいいじらないらしいので、そこの対比も面白いと思う。




 一方、東京では弘前劇場「FRAGMENT 刻印」「FRAGMENT F.+2」★★★★にも注目したい。主宰、長谷川孝治と並ぶもうひとりの柱であった畑澤聖悟らの退団など、激震が走った昨今の弘劇だが、体制を新たにしての再出発に選んだのは長谷川の代表作ともいえる「F.+2」と今から10年前、95年の作品「刻印」の「FRAGMENT」シリーズ2本立てである。再演とはいえ、再演ごとに新たな挑戦を見せてくれる長谷川演出だけに今回はどんな風になるのかが待ち遠しい。




 ダンスでは先月のソロ公演に引き続き、トヨタアワード、横浜ソロデュオダブルクラウン東野祥子によるトヨタコリオグラフィアワードの受賞公演となるBABY-Q 「Alarm!」★★★★(シアタートラム)にも注目してほしい。コンペ総なめで注目の東野だが、カンパニーとしてはこれが東京では初めての本公演となる。「Alarm!」は再演ではあるが、カンパニーごと東京に拠点を移し、新展開を目指すBABY-Qとしても最初の公演となることもあり、内容は大幅に変更され、ほぼ新作に近いものになりそう。東野としても真価が問われる舞台となるだけにどんなものを見せてくれるのか。




 1年に1回、恒例の企画、なにわのコリオグラファーを自認する北村成美が踊りまくる北村成美「北村成美のダンスマラソン」★★★★も必見の公演。恒例の企画とは書いたが実は昨年のダンスマラソンは北村の故障のために公演中止になり、今回はその意味でも2年越しの待望の舞台。しげやん復活の鐘を華々しく鳴らす公演になるはず。




 元ダムタイプ現代美術作家として知られる高嶺格といえば金森穣とのコラボレーションでも話題となったが、今回は初のパフォーマンス作品に取り組む高嶺格パフォーマンス「もっとダーウィン」★★★★にも注目したい。現代美術作家としてはここのところ急速に知名度を上げ、今もっとも旬の人といっていい高嶺だが、舞台作品は未知数。それだけにどんな作品が出来上がってくるのか、期待が膨らむ。




 飛ぶ劇場「IRON」★★★★




 千日前青空ダンス倶楽部「夏の器 総集編」★★★★ 




 アサヒビールアートフェスティバルに参加してのトリのマーク(通称)「水と魚の記憶」★★★★にも引き続き注目したい。今回は「ふたつの向島-東京尾道-

+<水と魚の記憶>」★★★★のリーディング公演である。「場所から発想する演劇」のトリのマークが各地方の面白い場所と出会うことでどんなものを生み出すのか、興味はつきない。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-08 8月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>8月のお薦め芝居</TITLE>

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8月のお薦め芝居

by中西理


 




 またまた、えんげきのページの★表落としてしまった。なんとか、お薦め芝居だけでも執筆しないといけない。先月のお薦めイチオシだったびわ湖ホールの夏のフェスティバルはチェルフィッチュク・ナウカ白井剛と好舞台続出で見ごたえありだったが、今月はどうだろうか。大阪日記も頑張って更新しているので、ぜひ覗いてみてほしい。




 今月まず注目したいのは平田オリザの代表作「S高原から」を4人の若手演出家が競演する「ニセS高原から」★★★★。なかでも注目は五反田団「ニセS高原から」★★★★ポツドール「ニセS高原から」★★★★である。前田司郎、三浦大輔ともに群像会話劇の書き手として、ポスト平田オリザ(=青年団)の呼び声が高い若手劇作家演出家だが、彼らが平田とどのように資質の異なる劇作家なのかは平田の戯曲に挑戦することで、より明確になってくるのではないかと思う。この2人は「S高原から」の戯曲をそのまま上演するのではなくて、高原サナトリウムに滞在する患者とその訪問者の物語という「S高原から」の骨格を借りながらもオリジナルの台本を上演するということで、どんな風に変わるのかが楽しみ。ポツドールはやはり脱ぐシーンがあるんだろうなあ(笑い)。一方、三条会「ニセS高原から」★★★も身体表現系の劇団である三条会がどのように平田戯曲に取り組むのかに注目したい。こちらは戯曲はいっさいいじらないらしいので、そこの対比も面白いと思う。




 関西でもっとも旬の劇団と言い続けているクロムモリブデン「ボーグを脱げ!」★★★★にも注目したい。現実が虚構の後追いをするという予言的な舞台といえば「ふくすけ」「Heaven's Sygn」のころの大人計画(=松尾スズキ)がそうだったが、前回公演の「ボウリング犬エクレアアイスコーヒー」でネット自殺サイトを利用する殺人狂の話を書いたら、それがついに現実のものとなってしまった。どう考えても、侠気の劇団ともいわれ続けてきたクロムモリブデンの描く世界が現実に起こりうるという状況は異常だともいえるが、引っくり返せば時代がついにクロムに追いついてきたと見ることもできるわけだ。新作のチラシでは剣道の防具をつけた男が女の子に襲いかかろうとしているが、絶対に違う(笑い)。内容は分からないが剣道ものじゃないことは確かだと思う。




 関西では小劇場の若手が大集合してシェイクスピアを上演するHEP HALL Theatre14「夏の夜の夢」★★★★(HEP HALL)も注目したい。HEP HALLのプロデュースによるシェイクスピア劇は昨年上演された「Hamlet」に続き第2弾。今回はヒップホップやスカをふんだんに取り入れたミュージカルである。キャストを眺めると遊気舎の久保田浩らの名前もあって、はたしてどのくらい歌えるのか踊れるのかという心配はややあるのだけれど(笑い)、なんといっても「夏の夜の夢」である。おおいに笑って楽しめるものになりそうなことには期待が持てそうである。




 一方、東京では伝説の劇団が復活する劇団健康「トーキョーあたり」★★★★本多劇場)にも注目したい。もっともこちらも方もなんで今ごろ復活をとか、ナンセンスコメディだったとしてもどこがナイロン100℃と違うのかなどいろんな疑問が頭のなかに渦巻いているのではあるが、劇団健康が模範にした(というか、より正確にいえばまんまパクッたモンティーパイソンはブロードウェーでミュージカルとして甦り、トニー賞を受賞するという時代でもあるんだから、なんでもありといえばそうなのかも(笑い)。




 ダンスではトヨタアワード、横浜ソロデュオダブルクラウン東野祥子ソロワークであるBABY-Q ソロダンス公演 [ERROR CORD /// pclost469hsholecp]」★★★★京都造形芸術大学studio21)も楽しみだ。カンパニーごと本拠地を東京に移した東野ではあるが、今回は京都芸術センターの「演劇計画2001」のラインナップでのひさびさの関西での本公演となる。振付家としての東野にはまだまだ発展途上のところがあるとは思っているが、ダンサー・パフォーマーとしての実力は折り紙つき。今回はソロ公演ということもあり、東野の魅力が存分に堪能できるはず。京都造形大学は遠いなどといってないでぜひ一度見てみてほしい。




 もうひとりのトヨタ、横浜ダブルクラウン黒田育世。彼女が岡山に登場する黒田育世×松本じろ「モニカモニカモニカ」★★★★岡山・上之町會舘にも注目したい。残念なのは上の東野の公演と日程がかぶっていて、両方行けそうにはないことなんだけれど、なんとかならないだろうか。




 元ダムタイプ現代美術作家として知られる高嶺格といえば金森穣とのコラボレーションでも話題となったが、今回は初のパフォーマンス作品に取り組む高嶺格パフォーマンス「もっとダーウィン」★★★★にも注目したい。現代美術作家としてはここのところ急速に知名度を上げ、今もっとも旬の人といっていい高嶺だが、舞台作品は未知数。それだけにどんな作品が出来上がってくるのか、期待が膨らむ。




 KUDAN PROJECT「百人芝居 真夜中の弥次さん喜多さん」★★★★も天才、天野天街だからこそ許される究極の馬鹿企画として注目してみたい。どう考えてもリスキーでどうなるんだか心配でならないのだけれど、とりあえず成功・失敗の如何にかかわらず伝説の公演となるであろうことは間違いないだろう。聞くところによると百人芝居といいながら出演者は172人にまで膨れ上がってるらしい(笑い)




 ヨーロッパ企画サマータイムマシン・ブルース2005」★★★★はこれを原作とした映画の封切りを控えての再演でいろんな意味で注目の舞台となりそうだ。映画試写会で見たが、非常にいい出来栄えで公開が楽しみ。上田誠が自ら脚本を担当したのだが、映画の面白さは原作となる舞台に盛り込まれたアイデアの秀逸さに支えられた部分が多く、その意味で映画を見てあらためて原作である舞台を再評価することにもなった。 




 アサヒビールアートフェスティバルに参加してのトリのマーク(通称)「水と魚の記憶」★★★★にも注目したい。今回はさかなおとこ、ふねにのる」@水上アートバス「水と魚の記憶-松山」@旧木村家(松山)、「水と魚の記憶-淡路島」@ムクノキ屋敷(兵庫)★★★★と初の日本縦断ツアーの様相。「場所から発想する演劇」のトリのマークが各地方の面白い場所と出会うことでどんなものを生み出すのか、興味はつきない。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-07 7月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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7月のお薦め芝居

by中西理


 




 いよいよ7月、夏本番である。舞台なぞにいかず女の子と海にでも出掛けた方がたいていの人は楽しいに決まっているのだが、一緒に行ってくれる人もいない私は泣く泣く暑いなかを今月も劇場通いである。

 大阪日記もやや更新が遅れ気味だが、今月こそ張り切って更新したいと思っているので、ぜひ覗いてみてほしい。




 関西で今月まず注目したいのはびわ湖ホールで開催されるびわ湖夏のフェスティバル(7月23日、24日、8月6日、7日)である。これは2年に1回のペースで夏にびわ湖ホールで開催されるフェスティバルで、これまではダンスフェスティバルの様相が強かったが、今年からはダンス主体ではあるものの現在もっとも注目すべき演劇集団であるチェルフィッチュ「目的地」★★★★、身体表現系では東京を代表する実力派だが、関西ではこれが初公演となるク・ナウカ「王女メディア」★★★★演劇でも注目の舞台がラインアップに入った。びわ湖にはいけないという関東の人には7月24日にBankART Studio NYK/ 2F Gallery Aでチェルフィッチュ「目的地」ワークインプログレス★★★★というのがあるので、そちらもどうぞ。

 このお薦め芝居を毎回読んでくれている人だったら、いまさら説明するまでもないが、ここ一年以上、「いまもっとも刺激的」といい続けているのがチェルフィッチュ舞台である。関西には昨年、神戸に来て「三月の5日間」を上演したのだが、その時に会う人会う人に面白いと言いまくったり、ここを始めとしていろんなところに書いたりしたのに大阪演劇人がほとんど公演に姿を見せなかった*1のにがく然とさせられた。結局、その作品が岸田戯曲賞を受賞したのだから、来なかった人は「ざまあみろ」言いたい気分なのだが、今回こそ関西のすべての演劇関係者、演劇ファンには瞠目して見なさいと言いたい*2

 一方、ク・ナウカはこれまで関西での公演がなかった東京劇団のなかで最大かつ最後の大物といった存在でそれが代表作である「王女メディア」を持って、ついに公演をするのである。こちらの方は「最も面白い劇団」と言い始めてから、10年以上の歳月が立っているわけで、なぜ公演がこれまでなかったのかといえばク・ナウカの場合、地方公演は演劇祭などで招へいされれば行うが、それ以外の自主上演はしないということがあったわけでもあって、これだけでも関西演劇事情の貧しさがうかがいしれることでもあって、これまで寂しい思いをしていた。だからこそ、今回の公演は「びわ湖ホール? 遠いからなあ」などと言ってる場合ではなく。身体表現に興味を持つすべての関西人にとって必見であると声を大にして言いたい。宮城聰の演出にも注目してほしいが、なんといっても最大の見所はメディアを演じる美加理。舞台に屹立して存在するとはこういうことだというここでしか味わえない稀有な存在の魅力を堪能してほしいと思う。




 びわ湖ホールの夏のフェスティバルはこのほかにもサシャ・ワルツ&ゲスツ「d'avant」★★★★伊藤キム未来の記」★★★★白井ソロダンス★★★★と注目のダンス公演が目白押し。そのほかにも公演の合間に、北村成美、j.a.m. Dance Theatre、福岡まな実はじめ、ダムタイプのパフォーマーである砂山典子や振付家として赤丸急上昇中の垣尾ら関西を中心にした注目ダンサー・振付家がにびわ湖ホールのいろんな空間を使って踊る無料公演「ダンスピクニック」などもあり、お得感がいっぱいだ。

 特に日本におけるドイツ年に関連して行われるサシャ・ワルツ&ゲスツ「d'avant」★★★★日本ではここだけの公演。サシャ・ワルツ&ゲスツはドイツを代表する劇団であるシャウビューネの芸術監督でもあるサシャ・ワルツが率いるカンパニーで今年はエジンバラ演劇祭にも招へいされるなど欧州でも注目されており、これに合わせてびわ湖に来れば23日(sonno、北村成美、清水啓司)、24日(花嵐、垣尾優、安川晶子)と関西注目のダンサーが見られる貴重な機会でもあり、これは夏休みの京都旅行と組み合わせて東京から遠征するのもあり。特に「夏の女王」ともいわれるしげやんの水着姿でのパフォーマンスはここでしか見られないもので一見の価値あり。

 



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 先月に引き続きイチオシしたいのはCRUSTACEA「GARDEN」★★★★梅田HEP HALL)*3。今年の春横浜ソロデュオコンペティションでナショナル協議員賞を受賞した濱谷由美子の受賞後最初の新作となるとともにHEPHALLがスタートさせるダンス企画「Dance expression」の最初の公演にもなる。

 前回の「R」はCRUSTACEAには珍しく立ち尽くすというようなミニマルな動きを主体とした舞台だったが、「スピン」は一転して体力の限界まで踊り続けるというコンセプトで、ダンサー2人のユニットであるCRUSTACEAの原点回帰といった作品。今回の「GARDEN」は横浜で上演した「スピン」を発展させたもの。

 関西ダンス公演はこれまではどうしても限られた観客が見るものというイメージが強かったが、梅田HEP HALLがダンス公演のプロデュースに乗り出したのはそういう状況を変えていこうという意図が感じられ、ぜひとも私も応援していきたいところ。その最初の公演としてはエンターテインメント性が高くダンスファン以外にも訴求力のあるCRUSTACEAの起用はうなずけるところがあり、そういう意味でこれはダンスをこれまであまり見たことのない人にもぜひ見てもらいたい舞台なのである。

 そういえば今となってはずいぶん昔のことになるが、東京コンテンポラリーダンスの客層が一気に広がっていくきっかけとなったのが、当時まだ無名といっていい珍しいキノコ舞踊団、H・アール・カオス、Nestが参加した渋谷SEEDホール*4ダンスマトリックスなる企画であった。都心の一等地にある商業施設内にあるちょっとおしゃれな小劇場という点では共通点があるし、この公演が成功して後に次の公演が続くことで関西ダンスの置かれた状況に一石を投じてほしいという意味でも注目の公演なのである。




 ダンスではじゃれみさ(砂連尾理+寺田みさこ)のかかわる2つの公演砂連尾理+寺田みさこ「I was born」★★★★京都アトリエ劇研)、Dance×Music!★★★★東京アサヒスクエア)も楽しみな舞台。「I was born」は松田正隆戯曲をテキストにじゃれみさがそれをダンス化する試みの第1弾。次回公演は松田正隆の書き下ろし新作を砂連尾理+寺田みさこ舞台化する計画なのだが、今回はそのためのワーク・インプロゲレスとして松田戯曲からの抜粋をテキストにそのダンス作品を製作する。一方、Dance×Music!は音楽家と振付家の共同製作の試みで、じゃれみさは桜井圭介とジャズ音楽を使いちゃぶ台に畳の空間で小津安次郎の世界に挑戦する。こちらは北村成美×巻上公一というともにエンターテイナーとして一流の存在が競演するダンスとの2本立て。




 ニブロールを主宰する矢内原美邦による内原美邦プロジェクト「3年2組」★★★★にも注目したい。とここまで書いてくるとお薦め芝居といいながらダンスばかりで演劇がほとんど出てこないじゃないかと文句がでそうだが、これはれっきとした「演劇」の公演、というか少なくとも矢内原美邦はそういう風に言い張っているらしい。もっとも、あえて「演劇」と括弧で囲んだのはどう考えても普通の意味での演劇舞台になるとは思えないからで、そういえば以前ガーディアンガーデンに参加した時のニブロール演劇公演と称していたような気がする。あれから、共同制作宮沢章夫の「トーキョー/不在/ハムレット」にも参加するなど演劇の世界での経験値は増えているはずだが、それでも普通の演劇じゃないことだけは間違いなさそうで、それはすなわち刺激的ということかもしれない。




 東にニブロールあれば西にクロムあり。クロムモリブデン「ボーグを脱げ!」★★★★も少なくともダンスじゃないことは確かだが、普通の演劇とは言いがたいのも間違いないだろう。チラシの表には剣道の防具を付けた人がでているのだけど「絶対違う、そんな話じゃないはず」。一方、劇団サイトの作者の日記には「今回はのテーマは『笑いと青春は残酷なもので』。家庭内暴力 虐待をテーマコントを書いてるのですがどうしても笑いを重視すると 無理やり虐待をテーマにしなくてもいいだろうてな感じになる 笑える暴力コント 笑える暴力についてのコント」と書いてあるのだが、こちらもそのまま鵜呑みにしていいものかどうか……。そういうわけで内容はいっさい分からないのだが、それでも絶対面白いはず(笑い)。うーん、どうもうそくさい。




 演劇では弘前劇場「ケンちゃんの贈り物」★★★★に注目したい。以前、「私が選ぶ旬の10人」にも取り上げた畑澤聖悟の新作である。こちらも劇団サイトにあるあらすじを紹介すると「7月。青森県青森市郊外。築30年の家に住む79歳の父と49歳の息子。世の中から取り残されたような二人暮らしである。いつものように始まった朝、子は言った。「ワからプレゼントあるんだけどさ」「なんだば、そりゃ」そして見知らぬ女性がひとり、現れるのであった。」。畑澤の作品はなにかそれにヒントを得たという下敷きがあることが多いのだけれど、今回はひょっとしたら表題からして「賢者の贈り物」(O・ヘンリー)? それともただの駄洒落?。




 KUDAN PROJECT「百人芝居 真夜中の弥次さん喜多さん」★★★★も天才、天野天街だからこそ許される究極の馬鹿企画として注目してみたい。どう考えてもリスキーでどうなるんだか心配でならないのだけれど、とりあえず成功・失敗の如何にかかわらず伝説の公演となるであろうことは間違いないだろう。




 スクエア「けーさつ」★★★★にも注目したい。スクエア*5といえばべたなイメージがつきまとうようだが、自らのサイトに「スクエアコメディのつくりかた 」と題して、*6どういう種類の笑いを志向しているのかを宣言しているかを読めば分かるように、その笑いは実は人間観察に基づく、シニカルなものである。強烈な個性を持つメンバー4人に加えて、前回出演した楠見薫のように客演の女優陣をうまくつかって思わぬ魅力を発揮させるのもここのセールスポイントといえるが、今回はわかぎゑふリリパットアーミーII) 佐久間京子(ランニングシアターダッシュ)と強力な客演を迎え、これを迎え撃つスクエアの4人がどんな風に渡り合うのかも楽しみだ。 




 毛皮族「銭は君」★★★★にも注目。すでに前哨戦としてレビュー大阪上陸を果たした毛皮族だが、今回は大阪では初めての本公演も行う。毛皮族は「ユリイカ」の演劇特集にもチェルフィッチュシベリア少女鉄道なんかと一緒に大きく取り上げられていて、「暗黒宝塚」などと紹介されていて、それはそれで間違いではないとは思うし、私も人にそんな風に説明してきた時もあった。だが、どうもそう説明することでは楽しさの感じが伝わらないなあと思って、思いついたのが「巨大カラオケ演劇」である。友人などとカラオケに行った時に自分で歌を歌うのも楽しいし、もちろん、カラオケはそのために行くのだが、時たま、そのなかにひどく芸達者な子がいたりして、聞いていてすごく楽しいということがあった記憶はないだろうか。これはコンサートやライブに音楽を聴きに行った時の感覚とは少し違う楽しさであり、いわば宴会芸の楽しさにも似た部分がある。毛皮族江本純子は芸達者で歌もうまいが、その魅力には大きな劇場であったとしても、芸達者なカラオケを聴いているようなインティメート(親密)な感覚があって、そこには当然、いくぶんのチープさも伴っているわけだが、そういう観客との距離の近さがこの劇団の魅力ではないかと思ったのだ。でも、どう考えても「巨大カラオケ演劇」じゃほめているようには聞こえにくいから怒るだろうなあ、本人は(笑い)。それを考えればファンにとっての究極の夢は江本と2人でカラオケに行くということになるのかもしれない。だとすれば一度、観客から大金をとって江本純子カラオケリサイタルというのをやってみたらどうだろうか。ファンなら、5万円払う人いるかしら。もし、そうなら十分商売になるのだけれど(笑い)。




 今年は夏以降の相次ぐ企画への準備もあって上期の公演がなかったが、嵐の季節への前触れとなるトリのマーク(通称)「ザディグ・カメラ」★★★★にも注目したい。年に1回の下北沢ザ・スズナリでの公演が恒例ともなった感があるが、毎回ここでの公演では普段見慣れたスズナリの空間を変えてしまうような工夫があるのも楽しみ。今回はどんな趣向を用意しているのだろうか。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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*1:姿を見せたのは京都ダンス演劇関係者だった

*2:個人的な憤怒が思わずきつい言葉になってしまった。最近分かってきたのはどうも大阪演劇関係者は東京の先鋭的な若手劇団に関心がないのではないかということだ。

*3:公演の詳細はこちらを参照http://www.h2.dion.ne.jp/~capcr/page003.html

*4:今はなきと言わなければならないのが残念だが

*5http://square.serio.jp/

*6:1.まず、身近で生活している人を用意する。2.その馬鹿さが笑えるまでよく観察する。3.次に、自分の馬鹿さを知る。4.馬鹿が馬鹿を笑っていたことに気付き、驚く。5.しかるのち、2つの馬鹿を共に笑う。6.明日も、とにかく生きてみる。7.1にもどる

1000-05-06 6月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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6月のお薦め芝居

by中西理


 




 Off Nibroll 、ポかリン記憶舎と刺激的な公演が目白押しだった先月の舞台だったが、残念だったのは関西の公演がいずれもやや肩透かしだったこと。今月の舞台ではぜひとも巻き返しに期待したいところだ。大阪日記もやや更新が遅れ気味だが、今月こそ張り切って更新したいと思っているので、ぜひ覗いてみてほしい。




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 今月のお薦め芝居でまず、なんといっても一番に注目したいのはCRUSTACEA「GARDEN」」★★★★梅田HEP HALL)*1である。今年の春横浜ソロ&デュオコンペティションでついにナショナル協議員賞を受賞した濱谷由美子の受賞後最初の新作となるとともにHEPHALLがスタートさせるダンス企画「Dance expression」の最初の公演にもなる。作品の詳しい内容は不明ではあるが、どうやら横浜で上演した「スピン」を発展させたものとなるらしい。

 前回の「R」はCRUSTACEAには珍しく立ち尽くすというようなミニマルな動きを主体とした舞台だったが、「スピン」は一転して体力の限界まで踊り続けるというコンセプトで、ダンサー2人のユニットであるCRUSTACEAの原点回帰といった作品だった。関西ダンス公演はこれまではどうしても限られた観客が見るものというイメージが強かったが、梅田HEP HALLがダンス公演のプロデュースに乗り出したのはそういう状況を変えていこうという意図が感じられ、ぜひとも私も応援していきたいところ。その最初の公演としてはエンターテインメント性が高くダンスファン以外にも訴求力のあるCRUSTACEAの起用はうなずけるところがあり、そういう意味でこれはダンスをこれまであまり見たことのない人にもぜひ見てもらいたい舞台なのである。

 そういえば今となってはずいぶん昔のことになるが、東京コンテンポラリーダンスの客層が一気に広がっていくきっかけとなったのが、当時まだ無名といっていい珍しいキノコ舞踊団、H・アール・カオス、Nestが参加した渋谷SEEDホール*2ダンスマトリックスなる企画であった。都心の一等地にある商業施設内にあるちょっとおしゃれな小劇場という点では共通点があるし、この公演が成功して後に次の公演が続くことで関西ダンスの置かれた状況に一石を投じてほしいという意味でも注目の公演なのである。




 関西イチオシの若手劇団といい続けてきたTAKE IT EASY!「暗号解読者」★★★★も楽しみな舞台。主宰である中井由梨子が作演出を務めるミュージカル「猫堀骨董店」がこの夏再演され、今回はシアタードラマシティ、東京では銀座博品館劇場と中劇場に進出するなど活動のフィールドが広がりつつあるTAKE IT EASY!だが、ミュージカルの影響もあってかファンタジー色の強かった前作から一転し今回は暗号解読ミステリに挑戦する。

 アメリカヴァージニアリンチバーグのワシントンホテル支配人、ロバート・モリスは、トマス・J・ビールと名乗る男に、錠のかかった鉄製の箱を預けられた。「この箱を、これから10年間大切に保管して欲しい。

 中には、私と私の仲間の命と財産に関わる重要な書類が入っている。もし、10年経っても私が帰ってこなかったら…錠を壊して箱を開けてもらいたい。10年後の6月に、この書類を読み解く手がかりとなる手紙が、あなたに届けられるだろう。」そうしてビールは立ち去り、二度と戻ってくることはなかった…。

 それから10年後。モリスは、謎の箱を開けた。中に入っていたのは、ビールの字で書かれたメモと、3通の不思議な書類。メモによると、どうやらビールは、彼の仲間と大量の金を発見し、その金をどこかに埋めたらしい。3通の書類に、本当の埋蔵場所と受取人が書かれているという。しかし、それらの書類は、ビールの手によって暗号化されていた!

 莫大な金が隠されていると知ったモリスは、6月に届くという手紙を心待ちにするが、結局その手紙は届かなかった。「ビール暗号」は、その後約1世紀に渡って様々な人の手を渡り歩いた。3通のうちの1通はなんとか解読することができたが、誰の知恵を借りても、どんな手を使っても、決して残り2つの暗号を解くことはできなかった。

 やがて、その伝説の暗号がふたりの日本人の手に渡る。努力と根気の秀才・北岡と直感と天性の才能の持ち主・河野。ふたりのライバルによる、「ビール暗号」を巡っての壮絶な暗号解読バトルが始まった!

 19世紀に実際にあった「ビール暗号」の史実をモチーフに虚実ないまぜ、中井由梨子の才気はそこからどんな新たな物語をつむぎ出すのか。立体少女漫画を思わせる分かりやすく魅力的な少年キャラつくりと意外と骨太で壮大な物語が魅力の集団が本領を発揮してくれそうだ。 




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 関西では今月は笑い系の劇団舞台が相次いで上演される。吉本興業の存在のためか関西といえば「笑い」というのがステレオタイプなイメージとしてついてまわるところがあるが、純粋に笑いに特化した集団というのは意外に少なく、演劇界の内部ではあまり正当な評価を受けていない不満がある。そんななかで関西を代表する笑い系劇団の新作として注目したいのがベトナムからの笑い声「ニセキョセンブーム」★★★★アートコンプレックス1928)。

持ち味のスピードとテンポ、バイオレンスをベースに、ぬるーい間、シュールな名言、下品と残酷を織り交ぜる、黒川猛の狂気と妄想の「笑い」。立体化する俳優と特殊美術音楽

不条理感満載。嘘満載。気持ち悪さ満載。バカバカしさ満載のオムニバス4本。

もちろん、キョセンもニセキョセンも出てきません。

 ということでキョセンもニセキョセンも出てこないようだが、「日本演劇界が12劇団になって幾年。今年も、新人獲得会議=演劇ドラフト会議が始まった。彗星のごとく現れたゴールデンルーキー。社会人演劇トーナメントを制した舞台美術家、世界のミヤケが認めた驚愕の衣装家…。果たして万年最下位の弱小劇団は、希望通りの補強を行うことが出来るか」という「ザ・演劇ドラフト会議」など今回も黒川猛ならではの悪意に満ちた黒い笑いが爆発しそう。この劇団これまでは京都以外からは行きにくい小さな劇場でこっそり公演することが多かったので、人には薦めにくかった(笑い)だが、今回は大阪などからも便利なアートコンプレックスでの公演ということもあり、これまで見てなかった人は一度だまされたと思って見に行ってほしい。絶対面白いはずだから。




 笑いにのみフォーカスした演劇としてはスクエア「けーさつ」★★★★にも注目したい。スクエア*3

といえばべたなイメージがつきまとうようだが、自らのサイトに「スクエアコメディのつくりかた 」と題して、*4どういう種類の笑いを志向しているのかを宣言しているかを読めば分かるように、その笑いは実は人間観察に基づく、シニカルなものである。強烈な個性を持つメンバー4人に加えて、前回出演した楠見薫のように客演の女優陣をうまくつかって思わぬ魅力を発揮させるのもここのセールスポイントといえるが、今回はわかぎゑふリリパットアーミー〓) 佐久間京子(ランニングシアターダッシュ)と強力な客演を迎え、これを迎え撃つスクエアの4人がどんな風に渡り合うのかも楽しみだ。 

 



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 ベトナムからの笑い声と同じく笑い系に入るものの元・遊気舎の魔人ハンターミツルギの作演出によるトリオ天満宮ゴージャス「豪華客船フラミン号、沈没せず」★★★アイホール、7月1−3日)はもう少しゆるーい微妙な笑いが特色。これまで遊気舎に所属しながら、年に1回自分のプロデュース公演として「トリオ天満宮」公演を続けてきたミツルギだが、今回は退団して自らの集団「超人予備校」を発足して初の公演となる。ミツルギには笑いのセンスがあると期待し続けているのだが、これまでの公演ではそのゆるい微妙さが裏目にでているところもあった。今回こそ化けてくれと期待は大きいのだけれど、さてどうなるだろうか……。




 元・遊気舎といえばサカイヒロトの新作WIRE「H●LL」★★★にも注目したい。今回の公演は1年を通じて物語と演劇の可能性を探るという連続公演「スカリトロ」シリーズの一環として企画されたもので、この「H●LL」は全体として3つのフェーズに分かれたシリーズの集大成となる。第1のフェーズはJUNGLE iNDPENDENT THEATEREで上演された「DOORDOOR」と題するリーディング公演。第2フェーズとして昨年末、大阪芸術創造館の全館を使うインスタレーション美術)&パフォーマンス公演「CROSS1」、大阪現代演劇際仮設劇場<WA>での「CROSS2」が上演され、それぞれ同じ物語と登場人物(キャラクター)、テキストを共用しながら、まったく異なったアプローチでの上演を試みてきた。

 サカイヒロトによれば今回の上演はパフォーマンス色が強かったこれまでの公演と比べれば演劇色の強いものになるらしい。ただ、アイホールロビー空間も含めて使うなどこれまでの公演ではあまりない趣向も用意されているようで、どんな公演になるのか楽しみである。




 ダンスではトヨタコレオグラフィーアワード最終選考会★★★★に注目したい。今年で4回目を迎え、いまやその年度のコンテンポラリーダンスを振り返る夏の風物詩的存在にもなっているトヨタアワードだが、今年の話題は岸田戯曲賞をすでに受賞しているチェルフィッチュ岡田利規が候補にノミネートされて、演劇ダンスの代表的な新人賞でのダブルクラウンという空前にしておそらく絶後だろうとも思われる快挙が果たしてなるかだろう。ただ、個人的には今年はついに以前から応援していた松山のYunny Danceがノミネートされたこともあり、その応援モードで参加するつもり。私の場合これまで応援してきた人が戯曲賞でもダンスのコンペでもことごとく落選するというジンクスのようなものがあって、応援をするというのがはばかられていたのだが、横浜ソロ&デュオでの濱谷由美子、岸田戯曲賞の岡田利規とついにその壁を破って結果を出す人が出てきてくれたことで、今回は大手を振って広言することができるのである。




 演劇ではジャブジャブサーキット「成層圏まで徒歩5分」★★★★桃唄309「ブラジャー」★★★★とともに岸田戯曲賞の候補にもなった実力派の劇作家による新作2公演に注目したい。はせひろいち(ジャブジャブサーキット)、長谷基弘(桃唄309)ともに90年代末から2000年代はじめの日本現代演劇を席捲した「関係性の演劇」の代表的な劇作家であり*5、現在も手法的な実験を繰り返しながら私にとって、もっとも刺激的な舞台を作り続けている。

 はせの新作「成層圏まで徒歩5分」はとある商店街の文化サロン的なレストラン舞台に隣接する天文台の職員や研究者、近くの文化人や商店主、学生や旅行者が繰り広げる物語。

年に一度の<星見会>の企画を立ち上げる最中、怪しげな女が訪れたりして……。

 物語は彼がもっとも得意とするミステリ仕立てで進み、地方都市のある場所で起こる日常のなかに潜む非日常的な出来事に迫っていくというもので、こうした手法でこれまではせは彼の代表作といえる「非常怪談」「高野の七福神」といった傑作群を作り出してきているだけに今回の新作も期待が持てそう。

 一方、長谷の新作「ブラジャー」はブラジャーの歴史に託して人類の文化と経済と価値観の変遷を描くという壮大(?)な作品で、これだけではそんなものが演劇になるのか(笑い)、海のものとも山のものとも分からないところがあるのだけれど、こういう検討がつかない時に限って抜群に面白いものを作ってきた長谷なのでこの作品もきっと面白いものに仕上がっているはず。それにしても、強力のところに「株式会社ワコール」とあるのには笑ってしまったけれど、来年はついに初の関西公演が京都で実現しそうだと聞いているし、これってひょっとして最強のタイアップ演劇?。

 どちらの舞台も必見だと思う。




 水と油「不時着」★★★★滋賀大阪にも注目。関西演劇ダンスファンにもぜひ一度その不思議な世界を味わってもらいたい。水と油の世界を説明するときにまるでエッシャーの絵が動いているようなとついつい言いたくなるがこの作品はなかでもそんな雰囲気が色濃く出ている舞台パントマイムというとあの白塗りで赤い鼻をつけたと勝手に勘違いして敬遠する人も多いようだが、水と油舞台はスピード感に溢れて、スタイリッシュ。「百聞は一見にしかず」である。




 京都造形芸術大学出身の桑折現(こおり・げん)によるdots「KZ」★★★アイホール)にも注目したい。これまでオリジナルの映像・照明・音響・美術を駆使したマルチメディアパフォーマンスとして、ダムタイプと比較されることが多かったdotsであるが、学生劇団から桑折ら主要メンバーの卒業で今回は技術スタッフなども入れ替わり、新体制となったこともあり、これまでの作品とは少しテイストの違ったものとなりそう。以前に話を聞いたところでは桑折自身はこれまでのdotsよりもやや演劇的なところに興味の中心が移りつつあるとのことで今後の展開を占う意味でも見逃せないものとなりそうだ。





 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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*1:公演の詳細はこちらを参照http://www.h2.dion.ne.jp/~capcr/page003.html

*2:今はなきと言わなければならないのが残念だが

*3http://square.serio.jp/

*4:1.まず、身近で生活している人を用意する。2.その馬鹿さが笑えるまでよく観察する。3.次に、自分の馬鹿さを知る。4.馬鹿が馬鹿を笑っていたことに気付き、驚く。5.しかるのち、2つの馬鹿を共に笑う。6.明日も、とにかく生きてみる。7.1にもどる

*5:これに弘前劇場長谷川孝治を加えて、「3ハセ」と名付けたこともあった

1000-05-05 5月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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5月のお薦め芝居

by中西理


 




 引越し先(最寄りの駅は地下鉄の谷町九丁目)の生活にもどうにか慣れ、風邪の後、咳が止まらず困っていましたがこれもようやく治りました。先月は風邪のせいもあってついに原稿落としてしまいましたが、もう大丈夫(なはず)。大阪日記では個々の舞台レビュー以外にも新連載「ダンスについて考えてみる」を開始しました。今後もこうしたひとつの舞台にとどまらず、舞台やそれ以外について日ごろ考えていることを書いていきたいと思っているので、興味のある人はぜひ覗いてみてください。読者の人のコメントも楽しみにしてお待ちしています。




えんげきのページでもおなじみのウニタモミイチ氏が「ART iT」という雑誌に私のいま注目する演劇人というような趣旨の文章を書いていて、いかにも彼らしい人選で10人の演劇人を選んでいるのだけれど、それに触発されて私も10人を選んでみた。

 ウニタ氏がなにを選んだかはぜひ雑誌を参照していただきたいが、私が選んでみた旬の10人は以下の通りである。

 岡田利規チェルフィッチュ)/三浦大輔ポツドール)/前田司郎(五反田団)/明神慈(ポかリン記憶舎)/土屋亮一(シベリア少女鉄道)/山中正哉(トリのマーク)/青木秀樹(クロムモリブデン)/江本純子毛皮族)/田辺茂範(ロリータ男爵)/畑澤聖悟(弘前劇場

 ちなみに類似の企画が数年前*1に「広告批評」で行われたことがあり、その時には私が執筆したのだけれど、その時に選んだのが次の10人。

 後藤ひろひと(遊気舎)/土田英生(MONO)/長谷基弘(桃唄309)/北村明子レニ・バッソ)/はせひろいち(ジャブジャブサーキット)/井手茂太イデビアン・クルー)/大島早紀子(H・アール・カオス)/林巻子(ロマンチカ)/ブルースカイ(猫ニャー)/西田シャトナー惑星ピスタチオ

 こちらの方は上と違ってダンスも含めて舞台芸術全般からという選ぶ範囲には差があるのだけれど、こうして見ると時の流れを感じる。カッコ内は当時の所属劇団カンパニー)なのだが、ピスタチオや猫ニャーのように解散してしまったところもあれば、ロマンチカのように活動を休止したままのところもある。ただ、嬉しいのは当時と形が変わっても大部分の人がいまも刺激的な舞台を作り続けていてくれることだ。今回選んでみた10人が数年後にどんな舞台を作っているのか。想像がしにくい人もいるが、楽しみである。




 そういうわけで今月のお薦め芝居では上記の新旧「旬の10人」の舞台が激突。まず、注目したいのはイデビアン・クルー井手茂太の初のソロ公演井手茂太「イデソロ」」★★★★である。最近はイデビアン・クルーでの公演で振付・演出に専念することも多くて、あまり自分自身の踊るところを見せてくれない井手だが、イデビアン特有のあの奇妙な動きが面白いのは井手本人がああ見えても、非常に卓越したユニークなダンサーであるというところにある。以前、即興のダンスをソロで踊ったのを見たことがあり、それもものすごく面白いものではあったが、今回はその才能を堪能することができるはず。あのずんぐりむっくりの体型からは想像もつかないほど踊りまくるはずなので、これは見逃がせない。

 




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 明神慈のひさびさの新作が見られるポかリン記憶舎「短い声で」★★★★東京デザインセンターガレリアホール・高知県美術館)も見逃すわけにはいけないだろう。

 それは浮かんでいるようにも見えた。真空の闇に侵されて少しずつ 色を失いながら。

陽の落ちた美術館。大展示室では新進若手作家個展準備が進められていた。

開催日全夜、オブジェの搬入もほぼ終わりスタッフたちは未だ現れない作家を待っていた。

待つことしかできない彼らがもてあましてしまうのは時間だけではなかった。その場に居合わせたすべての人が何を選択すべきかを突きつけられる、最新型の悲劇。

 このところ、着物を着たパフォーマーが浮遊するパフォーマンス「和服美女空間」や独自の方法論による「リーディング」公演など実験を重ねてきた成果がこの新作にどのように生かされるのか。おそらく、青年団とはちょっと違う姿を見せてくれるだろう山内健司にも注目してみたい。





 トリのマークの山中正哉が初の外部作・演出をするつよしとひでき「タータン」★★★★もどんな舞台になるかちょっと予想がつかないのが面白そう。つよしとひできは青年団の先輩後輩だった役者、大塚秀記(おおつかひでき)と大間剛志(だいまつよし)による演劇企画ユニット。おそらく、トリのマークとはちょっとテイストの異なる舞台となるので山中の思わぬ側面が見られそうでそれも楽しみだ。




 ダンスパントマイムに新たな地平を開いた水と油「不時着」★★★★東京グローヴ座の公演だけでなく、滋賀大阪での関西公演もあり、東京の人はもちろんのこと関西演劇ダンスファンにもぜひ一度その不思議な世界を味わってもらいたい。水と油の世界を説明するときにまるでエッシャーの絵が動いているようなとついつい言いたくなるがこの作品はなかでもそんな雰囲気が色濃く出ている舞台パントマイムというとあの白塗りで赤い鼻をつけたと勝手に勘違いして敬遠する人も多いようだが、水と油舞台はスピード感に溢れて、スタイリッシュ。「百聞は一見にしかず」である。




 関西での注目はアートシアターdBプロデュース「GUYS〓」★★★★関西男性コンテンポラリーダンサー20人以上が参加して華麗に繰り広げる男の世界。関西においてコンテンポラリーダンスの存在を認知させた伝説の公演がアイホールで上演された「GUYS」。上海太郎も参加して異種格闘技の様相を見せた「GUYS3」。いずれもいまや伝説となった舞台が今回は装いも新たに帰ってきた。振付をヤザキタケシ、砂連尾理、竹ち代毬也らが担当。コンテンポラリーダンスって小難しいんじゃないのと思う演劇ファンはダンス入門編としても最適だと思うのでぜひ見てほしい。




 伝説の舞台の復活といえば伊藤キム白井剛「禁色」★★★★もまさに掟破りの舞台だ。三島由紀夫小説をモチーフにした「禁色」は土方巽が振り付け、大野慶人と競演し、まさに暗黒舞踏をスタートさせた舞台だったからである。

いままでどの舞踏家も手を出しかねたこの禁断の世界を舞踏の伝統も引き継ぐコンテンポラリーダンサー、伊藤キムがどのようにつくりあげるのだろうか。




 「旬の10人」は今回は演劇だけから選んでみたが、ダンスも入れて選びなおすならば当然入ってくるのがニブロールの矢内原美邦だ。その矢内原オーストラリアアーティストとコラボレーションで製作したOff Nibroll 〈exhibition and performance〉「public=un+public」★★★★もいろんな意味で刺激的な公演になりそうな予感。




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 ダンスではピナ・バウシュ「ネフェス」★★★★にも注目したい。トルコイスタンブールに滞在して制作した作品。アジアアフリカヨーロッパにまたがる文明とイスラムとキリスト教の異文化が重層する都市光景を窺わせる。インド人ダンサー、シャンタラ・シヴァリンガッパの天空から舞い降りてきたかのような流麗なダンスなど、強烈な個性を持つ20人のダンサーのソロ。水(池と瀧)と鮮やかな影像がピナ・バウシュの深遠かつロマンテイックな世界を増幅させる。2004年6月のパリ公演は初の連続16回公演。全公演が完売した。このところやや低調な感のあるピナの来日公演ではあるが、それでもついつい期待してしまうのがダンス好きの性なのか。




 関西イチオシの若手劇団といい続けてきたTAKE IT EASY!「暗号解読者」★★★★も楽しみな舞台。骨太な構想でまるで立体少女漫画のような世界を展開するテクイジが今回挑戦するのは暗号解読ミステリ

 アメリカヴァージニアリンチバーグのワシントンホテル支配人、ロバート・モリスは、トマス・J・ビールと名乗る男に、錠のかかった鉄製の箱を預けられた。「この箱を、これから10年間大切に保管して欲しい。

 中には、私と私の仲間の命と財産に関わる重要な書類が入っている。もし、10年経っても私が帰ってこなかったら…錠を壊して箱を開けてもらいたい。10年後の6月に、この書類を読み解く手がかりとなる手紙が、あなたに届けられるだろう。」そうしてビールは立ち去り、二度と戻ってくることはなかった…。

 それから10年後。モリスは、謎の箱を開けた。中に入っていたのは、ビールの字で書かれたメモと、3通の不思議な書類。メモによると、どうやらビールは、彼の仲間と大量の金を発見し、その金をどこかに埋めたらしい。3通の書類に、本当の埋蔵場所と受取人が書かれているという。しかし、それらの書類は、ビールの手によって暗号化されていた!

 莫大な金が隠されていると知ったモリスは、6月に届くという手紙を心待ちにするが、

結局その手紙は届かなかった。「ビール暗号」は、その後約1世紀に渡って様々な人の手を渡り歩いた。3通のうちの1通はなんとか解読することができたが、誰の知恵を借りても、どんな手を使っても、決して残り2つの暗号を解くことはできなかった。

 やがて、その伝説の暗号がふたりの日本人の手に渡る。努力と根気の秀才・北岡と、

直感と天性の才能の持ち主・河野。ふたりのライバルによる、「ビール暗号」を巡っての壮絶な暗号解読バトルが始まった!

 19世紀に実際にあった「ビール暗号」の史実をモチーフに虚実ないまぜ、中井由梨子の才気はそこからどんな新たな物語をつむぎ出すのか。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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*1:正確に思い出せないのだけれど、97年だったんじゃないかと思う

1000-05-04 4月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>4月のお薦め芝居</TITLE>

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4月のお薦め芝居

by中西理


 




 引越し先(最寄りの駅は地下鉄の谷町九丁目)の生活にもどうにかこうにか慣れてきたものの風邪の後、咳が止まらず困っています。大阪日記も相変わらず更新が滞りぎみだが、この風邪いつになったら治るのだろう(というかそもそも本当に風邪?)。サイトの方は今度こそ更新していきたいと思っているので見捨てないでほしい。




 今月のいちおしはなんといっても珍しいキノコ舞踊団国立民族学博物館(みんぱく)にやってくること。国立民族学博物館特別展「きのうよりワクワクしてきた」の一貫として行われるものだが、5月3日には珍しいキノコ舞踊団トーク&ライブ「LIFE ON DANCE? DANCE ON MARS?」」★★★★が行われるほか、4日、5日も特別展示場でのパフォーマンスがある。パフォーマンスはいずれも無料なので、この機会にぜひうわさの珍しいキノコ舞踊団ってどんななのと思っている人はみんぱくに出掛けてほしい。

 




 今月の東京はいま注目の劇団の公演が激突。個人的に今もっとも注目している集団がチェルフィッチュポツドール。そのポツドールが「今年は本公演としてはこれ1本」というのだから、ポツドール「愛の渦」★★★★は見逃すわけにはいけないだろう。

僕は「性欲」に駆り立てられている時の人間がとても好きです。

「やりたい」という気持ち以外何もなく、

「精神的」につながろうという思いが微塵もない、

そんな人にことさら心を引かれてしまいます。

そして、そういう人達しかこの物語には登場しません。

彼らはとても下品でとてもいやらしく、本当にどーしょうもない人間です。

でも、僕はその潔さが、とても愛おしく、とても悲しく、泣けてきてしまうのです。

今回の作品、とてもスケベです。でも泣けます。どうぞ。よろしく。





 シベリア少女鉄道「笑顔の行方」★★★★




 海外からの来日公演ローザス「ビッチェズ・ブリュー/タコマ・ナロウズ」★★★★マリー・シュイナール「ショパンによる二十四の前奏曲」★★★★と注目の舞台が目白押し。ローザスはいまさらいうまでもないの感ありだが、特にマリー・シュイナールは「とにかく馬鹿馬鹿しいオバカ系」らしく、前回の来日公演ではノーマークで見逃して悔しい思いをしたので、今回はぜひとも見てみたいと思っている。




 弘前劇場「F.+2」★★★★にも注目。弘前劇場長谷川孝治の作品には現代口語の地域語(弘前方言)を駆使した群像会話劇の本公演と少人数の出演者による暴力的な関係性を描いたFRAGMENTシリーズの大きく分けて2つの系列の作品群があるのだが、この公演では後者を代表する作品である「F.+2」を若いキャストを起用して再演する。




 青年団「御前会議」★★★★はひさびさの平田オリザの新作。「忠臣蔵OL編」「ヤルタ会談」と続いた会議シリーズの第3弾ということになる。

歴史上の出来事を新しい意匠を持って現代に甦らせるこのシリーズで平田が取り上げるのは

日本の降伏が決まった御前会議。この主題を平田は今回はどんな趣向で会話劇に仕立てあげるのか。重い題材を軽やかに料理してみせる平田シェフの才人ぶりが楽しみだ。




 関西で注目したいのはくじら企画「サヨナフ ピストル連続射殺魔 ノリオの青春」★★★★。1969年、まさに昭和の高度経済成長期のただなかで起きた19歳の少年によるピストル連続射殺事件。犯人、永山則夫が獄中で著した自伝小説「無知の涙」を手掛かりに、資本主義社会から取り残されていったひとりの少年の姿を浮き彫りにした大竹野正典の代表作を殺人事件が簡単に繰りかえされる昨今の状況を踏まえながら、再び上演する。初演では少年ノリオを演じた川田陽子の演技が忘れがたい印象を残したが、キャストを入れ替えての今回の再演バージョンではどんな芝居を見せてくれるのだろうか。




 しりあがり寿原作・天野天街脚本・演出のKUDAN PROJECT「真夜中の弥次さん喜多さん」★★★★名古屋公演にも注目したい。同じ原作をクドカンが監督した映画もほぼ同時期に封切りになるはずなので、ぜひ見比べてみたい。関西の公演があったばかりだが、私は公演が重なって見ることが出来なかったのでなんとかこちらで見るつもり。




 遊気舎の俳優でもある演出家谷省吾が率いるいるかHotel「RISTRANTE OGGI DOMANI」★★★★(KAVC)も楽しみな舞台。前回の本公演を見逃したので個人的にもひさびさの印象。以前、女優の宝庫と書いた時代とはキャストがかなり入れ替わっているのがちょっと気になるが、若い俳優をうまく使うことには定評のある谷だけに今回はどんな隠し玉を用意しているのか。期待して待ちたい。




 大阪では建築コンペによって作られた仮設劇場<WA>を会場としての「大阪現代演劇祭」もスタート。まず、注目したいのはWI'RE「スカリトロ」★★★。サカイヒロトは円形劇場であるこの特異な空間でどのような舞台を見せてくれるのか。ゲスト東野祥子(BABY-Q)、クシミヒデオ(赤犬)、久保亜紀子らが参加するのも楽しみ。




 即興の要素を加味して、すべてをそぎ落としたような本公演とは少し方向性の違うダンスを見せてくれそうなのがアンサンブル・ゾネ「『見る』ものとしてのダンス」★★★★である。前回公演で著しい成長を感じさせた伊東愛をはじめ、ダンサーが普段とは違ったどんな魅力を見せてくれるのかにも期待したい。




 ダンスでは黒田育世率いるBATIKのメンバーがそれぞれソロ作品を披露するBATIKトライアル★★★★森下スタジオ)も注目。一昨年のトヨタコリオグラフィーアワードにノミネートされたボヴェ太郎によるボヴェ太郎ダンスシリーズ★★★京都芸術センター)も気になるところだ。



 私は「踊りに行くぜ!!」で東京なので見られそうにないのが癪の種だが、関西ダンスファンはもちろんコンテンポラリーダンスってなにと思っている人にぜひともお薦めなのがコンテンポラリーダンスin新世界★★★★(3月19日)。公演はスパワールドの大階段近くで行われる野外の無料公演だが、一昨年は大雨、昨年は大雪。特に昨年はあの身体表現サークルが雪が舞い散るなかをあのフンドシ一丁の姿で踊り、

感動の嵐(?)を呼ぶ伝説的な公演となった。今年も北村成美率いるしげメイツが参加、カラオケに乗って踊りまくる「カラオケダンス天国」など期待の演目がずらり。暇なひとはぜひ新世界に出掛けてみよう。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-03 3月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>3月のお薦め芝居</TITLE>

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3月のお薦め芝居

by中西理


 




 3月1日から引越しで新しい住所(最寄りの駅は地下鉄の谷町九丁目)に移りました。引越しのせいでしばらく大阪日記更新できないでいたら、覿面にアクセスが激減。今月からはしっかりと更新していきたいと思っているので見捨てないでほしい。




 イチオシをまず演劇から挙げていこう。今月も先月同様ダンス演劇ともに東西で注目の舞台が目白押しで、スケジュールかぶりまくり。カレンダーを眺めながら、どうしようかと究極の選択を迫られ、懊悩する日々が続きそう。先月も書いたが岸田戯曲賞を受賞したばかりの岡田利規の受賞後第1作となるチェルフィッチュ「ポスト※労苦の終わり」」★★★★にまずなんといってもまず注目したい。これは昨年上演されえんぺ大賞の最優秀新人公演に選んだ「労苦の終わり」の全面的な改訂新作版。これから結婚するカップルと結婚が破たんしたカップルの関係を細密画のように描き出すことで展開される岡田版「結婚論」ともいえる作品である。

 「喜劇悲劇」という雑誌の「今年の収穫」アンケートに2004年最大の衝撃はチュルフィッチュの岡田利規の登場。これは日本現代演劇において平田オリザ以来の事件であると書いたのだが、ハイパーリアルな口語劇でありながら、平田らによる群像会話劇とは明確に異なる方法論を現代演劇に導入した刺激的な舞台をまだ未見の人はぜひとも一度見てみてほしい。




 一方、関西では毛皮族毛皮族襲来」★★★★による毛皮族関西初登場が注目。なのだが、残念ながら1ステだけの公演ということもあり前売りチケットはすでに完売。私自身が見られるかどうかも疑問ではあるのだが、立ち見当日券が若干枚出るらしいからそれに挑戦してみる価値はあるだろう。夏には本公演での大阪公演も決定しているので、もしだめだった時はそちらでということになるのだが、私はここの最大の魅力はレビューにあると思っているので初毛皮族にはこちらの方を薦めたい。それだけにチケット完売は痛いのだが、なんとかならないだろうか。




 ダンスではJCDN「踊りに行くぜ!!」in東京★★★★(3月18、19日、スフィアミックス)がなんといってもイチオシ。コンテンポラリーダンス普及のためのNPO「ジャパンコンテンポラリー・ダンスネットワーク」が企画する「踊りに行くぜ!!」は全国で選ばれた28組のダンサーらが、全国13都市を行脚してきたが、今回の東京公演はそのうちから秀作だけを集めたいわばベスト版。天野由起子の新作がひさびさに見られるのも楽しみだが、なんといっても注目は東京公演だけのスペシャルバージョンとして、あがた森魚音楽を使った福岡まな実(大阪)のダンスに急遽あがた自身が生演奏で参加し、共演することが決定。関西の若手ダンサーのなかで最近、進境著しい福岡ではあるが、あがたとの共演となれば次に見られる機会があるかどうか。これはもう必見だと思う。




 海外からの来日公演ローザス「ビッチェズ・ブリュー/タコマ・ナロウズ」★★★★マリー・シュイナール「ショパンによる二十四の前奏曲」★★★★と注目の舞台が目白押し。ローザスはいまさらいうまでもないの感ありだが、特にマリー・シュイナールは「とにかく馬鹿馬鹿しいオバカ系」らしく、前回の来日公演ではノーマークで見逃して悔しい思いをしたので、今回はぜひとも見てみたいと思っている。




 弘前劇場「F.+2」★★★★にも注目。弘前劇場長谷川孝治の作品には現代口語の地域語(弘前方言)を駆使した群像会話劇の本公演と少人数の出演者による暴力的な関係性を描いたFRAGMENTシリーズの大きく分けて2つの系列の作品群があるのだが、この公演では後者を代表する作品である「F.+2」を若いキャストを起用して再演する。




 青年団「御前会議」★★★★はひさびさの平田オリザの新作。「忠臣蔵OL編」「ヤルタ会談」と続いた会議シリーズの第3弾ということになる。

歴史上の出来事を新しい意匠を持って現代に甦らせるこのシリーズで平田が取り上げるのは

日本の降伏が決まった御前会議。この主題を平田は今回はどんな趣向で会話劇に仕立てあげるのか。重い題材を軽やかに料理してみせる平田シェフの才人ぶりが楽しみだ。




 関西で注目したいのはくじら企画「サヨナフ ピストル連続射殺魔 ノリオの青春」★★★★。1969年、まさに昭和の高度経済成長期のただなかで起きた19歳の少年によるピストル連続射殺事件。犯人、永山則夫が獄中で著した自伝小説「無知の涙」を手掛かりに、資本主義社会から取り残されていったひとりの少年の姿を浮き彫りにした大竹野正典の代表作を殺人事件が簡単に繰りかえされる昨今の状況を踏まえながら、再び上演する。初演では少年ノリオを演じた川田陽子の演技が忘れがたい印象を残したが、キャストを入れ替えての今回の再演バージョンではどんな芝居を見せてくれるのだろうか。




 しりあがり寿原作・天野天街脚本・演出のKUDAN PROJECT「真夜中の弥次さん喜多さん」★★★★名古屋公演にも注目したい。同じ原作をクドカンが監督した映画もほぼ同時期に封切りになるはずなので、ぜひ見比べてみたい。関西の公演があったばかりだが、私は公演が重なって見ることが出来なかったのでなんとかこちらで見るつもり。




 遊気舎の俳優でもある演出家谷省吾が率いるいるかHotel「RISTRANTE OGGI DOMANI」★★★★(KAVC)も楽しみな舞台。前回の本公演を見逃したので個人的にもひさびさの印象。以前、女優の宝庫と書いた時代とはキャストがかなり入れ替わっているのがちょっと気になるが、若い俳優をうまく使うことには定評のある谷だけに今回はどんな隠し玉を用意しているのか。期待して待ちたい。




 大阪では建築コンペによって作られた仮設劇場<WA>を会場としての「大阪現代演劇祭」もスタート。まず、注目したいのはWI'RE「スカリトロ」★★★。サカイヒロトは円形劇場であるこの特異な空間でどのような舞台を見せてくれるのか。ゲスト東野祥子(BABY-Q)、クシミヒデオ(赤犬)、久保亜紀子らが参加するのも楽しみ。




 即興の要素を加味して、すべてをそぎ落としたような本公演とは少し方向性の違うダンスを見せてくれそうなのがアンサンブル・ゾネ「『見る』ものとしてのダンス」★★★★である。前回公演で著しい成長を感じさせた伊東愛をはじめ、ダンサーが普段とは違ったどんな魅力を見せてくれるのかにも期待したい。




 ダンスでは黒田育世率いるBATIKのメンバーがそれぞれソロ作品を披露するBATIKトライアル★★★★森下スタジオ)も注目。一昨年のトヨタコリオグラフィーアワードにノミネートされたボヴェ太郎によるボヴェ太郎ダンスシリーズ★★★京都芸術センター)も気になるところだ。



 私は「踊りに行くぜ!!」で東京なので見られそうにないのが癪の種だが、関西ダンスファンはもちろんコンテンポラリーダンスってなにと思っている人にぜひともお薦めなのがコンテンポラリーダンスin新世界★★★★(3月19日)。公演はスパワールドの大階段近くで行われる野外の無料公演だが、一昨年は大雨、昨年は大雪。特に昨年はあの身体表現サークルが雪が舞い散るなかをあのフンドシ一丁の姿で踊り、

感動の嵐(?)を呼ぶ伝説的な公演となった。今年も北村成美率いるしげメイツが参加、カラオケに乗って踊りまくる「カラオケダンス天国」など期待の演目がずらり。暇なひとはぜひ新世界に出掛けてみよう。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-02 2月のお薦め芝居(2005年)

[]2005年2月のお薦め芝居by中西理

 消滅した下北沢通信サイトなんとかしたいけれど忙しくてなかなか復元できない。最近はもうかなり面倒という気持ちが先に立ち始めているのだが、過去の記事読みたいという人はどの程度いるのだろうか。観劇の記録などはただいま大阪日記の方で継続中なのでそちらを覗いてみてほしい。恒例の演劇ダンスの2004年のベストアクトを掲載したので、そちらもぜひ読んでみてください。1月の個人的な事件はこのお薦めでも毎回取り上げずっと面白いといい続けてきたCRUSTACEAの濱谷由美子がついに横浜ソロ×デュオでナショナル協議員賞を受賞したことだ。これは本当に嬉しかった。とここまで書いてきたところでチェルフィッチュ岡田利規が岸田戯曲賞受賞のニュースが入ってきた。クドカンとの同時受賞なので世間的にはそちらの方が騒がれるのであろうが、私にとっての嬉しいニュースは断然、祝岡田利規岸田戯曲賞受賞なのである。3月にはえんぺ大賞最優秀新人賞受賞の「労苦の終わり」の続編「ポスト※労苦の終わり」の上演も控えており、まだ来月だが、これははやくも★★★★で必見である。




 イチオシを今月もまず演劇から挙げていこう。今回はダンス演劇ともに東西で注目の舞台が目白押しで、しかもスケジュールがかぶりまくり。カレンダーを眺めながら、どうしようかと究極の選択を迫られ、懊悩する今日このごろである。なんといってもまず注目したいのはシベリア少女鉄道「アパートの窓割ります」★★★★である。看板女優の相次ぐ離脱などやや逆風も吹きはじめた感もあるシベ少だが、土屋亮一のアイデアさえ枯れなければその面白さはやはり不滅であろう。今度はどんなことをやらかしてくれるのか。ここの場合、芝居の売り文句には毎回、どんな仕掛けが仕掛けられてるのかのヒントが隠されているので、それを読んで芝居を見ながら推理するのももひとつの楽しみなのだが、今回は「次から次へと迫りくる魔の手とかの類いのそのあの手この手に立ち向かえ! 立ち会え! 圧倒的なスピード感と応急的なスペクタクル感と終電的な徒労感たっぷりの世界が今、その全貌を明らかにしたような気がするようなしないような!準備できてますか!」だそうだ(笑い)。




 一方、先月の関西公演に続き今度は東京でも公演を行う関西の笑いの演劇の旗手スクエアラブコメ」★★★★(2月15日−20日、中野ポケット)にも注目。こちらはとびっきりカッコいい芝居をやると自称しながら全然いけてない「劇団とびっきり☆ドリーマー」とそこに集う「トホホ」な人たちを描いたバックステージものの群像劇しかも「ラブコメ」の題名通りに劇団内のなんとも情けない恋愛模様を描いたコメディでもある。それだけならよくある設定だが、スクエア舞台がそれだけですむわけがない。

 ここでは小劇場にありがちな自分たちだけがカッコいいと勘違いしている勘違い劇団を俎上にのせているのだが、その作りこみの細かさが、並大抵ではないのである。劇団が登場するバックステージもので、劇中劇としてその劇団が上演している芝居の一部を上演してみせる例はよくあるが、この「ラブコメ」でスクエアはまるきり1本の芝居を入れ子の劇中劇として上演してみせる。それは普段のスクエアの芝居とは全然違うテイストのものだが、こういう劇団だったらありがちかもと思う「映像・演技・美術脚本」をすべて緻密に再現。しかも、演出と作家の恋のもつれでその芝居はしだいに支離滅裂な方向に(笑い)。

 「悪意のある笑い」を特徴とする大阪コメディ劇団の代表作を再演。今度は初演キャストに加えて、元遊気舎の爆笑女王、楠見薫が客演。キャストに加わりパワーアップ。ぜひ抱腹絶倒してください。これは大阪公演をすでに見たので自信を持って推薦できます。東京の人もぜひ見てほしい。




 関西では名作のほまれ高いしりあがり寿原作・天野天街脚本・演出のKUDAN PROJECT「真夜中の弥次さん喜多さん」★★★★(3月10日−13日、精華小劇場)にも大注目である。同じ原作をクドカンが監督した映画もほぼ同時期に封切りになるはずなので、ぜひ見比べてといいたいところなのだが、主演の中村七之助あんなことになって果たして映画の方は無事上演できるのか、ちょっと心配。




 東京ではク・ナウカ「ぼくらが非情の大河をくだる時」★★★ク・ナウカ「山の巨人たち」★★★★の2本立て公演にも注目したいところだ。ク・ナウカといえばムーバー(動く俳優)、スピーカー(語る俳優)の2人1役の演出スタイルが定番だったが、最近はそれだけではなくなって、新たな展開も見せはじめている。イチオシといえば宮城聡演出の「山の巨人たち」(ひさしぶりに本人も出演するらしいし)ではあるが、「オイディプス」「マクベス」に続いて、蜷川演出に挑戦状をたたきつける「ぼくらが非情の大河をくだる時」もどうなるかに興味あり。




 今私が個人的にもっとも注目している若手劇作家演出家といえば前述のチェルフィッチュ岡田利規、五反田団の前田司郎、ポツドール三浦大輔の3人となるのだが、そのうちのひとり、前田が新作五反田団「キャベツの類」★★★★を上演する。この3人の比較でいくと、この人は若さに似合わずうまいのだ。前作「いやむしろわすれて草」(これは4月に京都公演も控えている)は若草物語を下敷きにした現代の4人姉妹の物語だが、それぞれの家族への思いが微妙にすれ違うところの描写など下を巻くうまさで、最後にちょっとほろっとさせて、余韻を持たせた幕切れなど若い作家とは思えないうまさがある。ただ、そのことを逆に言えばその分だけ、

岡田三浦ほどの過激さには欠けるきらいがあって、そこのところが微妙に物足りなくもあるのが前作であった。もっとも、前田に過激さや悪意がないかといえば短編の「SM社長」、「ながく吐息」(2003年えんぺ大賞)なんかにはそれがあって、個人的にはそういう系譜の作品が好きなのだが、今回はどうなんだろうか。




 本公演は当分ないからとはいうもののナイロン100℃KERAは今年も超多忙なスケジュールが続きそう。そんななかで今年の第1弾ナイロン100℃「すなあそび」★★★は若手キャストを中心としての別役実戯曲の上演だが、KERAによるナンセンス劇としての別役実はよくある不条理演劇としての別役実とは一味違って単純に笑えておかしいし、これまで「別役実って興味はあるけれど難解なんでしょ」などと敬遠していた人にもぜひ見てほしい。




 ダンスパントマイム水と油「移動の法則」★★★★新国立劇場)はだいぶ前から楽しみにしていて、レニ・バッソとカップリングで上京して見ようと思っていたのだけれども、チケットをとろうと劇場に連絡してみると「その日(2月19日昼)のチケットはすべて売り切れました。当日券が若干出ますから朝10時半から並んでください」との冷たいお言葉。大阪から始発で新国立劇場まで行けってか、しかも確実に手に入るあてもないのに(涙)。まあ、発売日にすぐ確保しなかったこちらが悪いんだけどね。そういうわけで今回は諦めました。でも、なかなか諦めがつかなくて、だれかチケット余っている人いませんか(と未練がましい)。




 ダンスはとにもかくにも注目公演が次から次へと毎週のように。まず、ひさびさの北村明子の新作であるレニ・バッソゴーストリー・ラウンド」★★★★(パークタワーホール)がイチオシ。最近でこそ矢内原美邦ニブロール東野祥子BABY-Qをはじめ、オリジナルの音楽、映像、照明を組み合わせたマルチメディア志向の作品作りをするカンパニーは少なくないが、すべての要素が高いクオリティーで拮抗して、それでいて、本当にカッコいい、爽快感のある舞台を見せてくれるのが北村明子率いるレニ・バッソである。昨年のソロ公演はちょっとコンセプトが勝ち気味の舞台で期待が大きかっただけにちょっと肩透かしぎみだったが、今度こそ真っ向勝負の剛速球を見せてくれるはず(と信じたい)。




 砂連尾理+寺田みさこ「loves me,orloves me not」★★★★(2月11、12日、シアタートラム)にも注目したい。繰り返し再演するたびに進化していくのがじゃれみさの舞台。その最終形で前作「男時女時」は私にとっての2004年ダンスベストアクトにまで仕上がった。今回の新作「loves me,orloves me not」も何度のワーク・イン・プログレスをへて1月の伊丹公演で水準以上の舞台に作りあげられたが、東京ではより一層優れた舞台が見られるはず。




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 珍しいキノコ舞踊団「家まで歩いてく。」★★★★(3月10−12日、さいたま芸術劇場)はひさびさのキノコの新作。とにかく、いつでもファッショナブルで楽しいキノコだが、今回はどんなものを見せてくれるのだろうか。2004年えんぺ大賞で最優秀新人女優パフォーマー賞を受賞。元気で可愛い篠崎芽美ちゃんにも注目である。




 ニブロール矢内原美邦プロジェクト)「3年2組 ワーク・イン・プログレス」★★★★(3月10−12日、森下スタジオ)も見たい。こちらも「ノート」を終えた矢内原が次にどんなものを見せてくれるのかが興味津々といったところなのである。

 だけど、キノコニブロール、五反田団そして関西ではKUDAN PROJECT、第2劇場、j.a.m.Dance Theatreが全部同じ週末の公演だっていうのはどういうこと(涙)。演劇ダンスの両方は見るな、東京大阪の両方は見るなってこと? そういう人は多くないから、悩んでるのは私だけかもしれないと思うと余計に悔しい。




 京都では山下残が新作「ユピュー」を上演するキョウトコンテンポラリーダンスラボ コーチングプロジェクト★★★★京都芸術センター)も見逃せない。前回公演「せき」はソロ公演だが、こちらは若手のダンサーを集めて、ワークショップ形式で作り上げてきた振付作品。自ら出演したソロとはまたひと味違った山下残ワールドが見られるはず。北村成美、天野由起子と日本を代表する個性派ダンサー振付家が参加し、米国ダンサー振付家とコラボレートする日米振付家レジデンシープジェクト★★★★も楽しみ。しげやんが米国ダンサー振り付けてみんなで踊るコーヒーダンスってどんな風になるのだろう。




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 上述のじゃれみさ、横浜ソロ×デュオ入賞した東野祥子(BABY−Q)、濱谷由美子(クルスタシア)とこのところ再び元気な関西コンテンポラリーダンス。これに続いていこうという次の世代が競作するGEKKEN dance selection★★★★(2月11日―13日)は関西ダンスファンはもちろん、ダンスってなにって思ってる人にとっても見逃せない好企画である。参加するのは相原マユコ率いるj.a.m.Dance Theatre、映像(pub Way)生演奏を含むオリジナル音楽とあいまってミニマル世界を展開するポポル・ヴフ、モノクロームサーカスの2人の女性ダンサー荻野ちよ、佐伯有香)によるデュオ「双子の未亡人」、「踊りに行くぜ!」の東京公演にも選ばれるなど進境著しい福岡まなみバレエ出身の夏目美和子によるシャッツカマー(今回はアローダンスコミュニケーションの松本芽紅見も参加)の5組。




 j.a.m.Dance Theatre「静かに晴れた夜には」★★★(神戸アートビレッジセンター) 、ポポル・ヴフ「ドライトマトと飛行機と裏声」★★★アリス零番館IST)とそれぞれ本公演を控えているから、まずGEKKEN dance selectionに出掛けて気に入ったらそちらの公演にも出掛けてみてほしい。




 

 演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。特にチェルフィッチュについてはどこかにまとまった形で書いておきたいと思っているのだけれど、どこか書かせてくれるという媒体はないだろうか。

 私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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1000-05-01 1月のお薦め芝居(2005年) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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<TITLE>1月のお薦め芝居</TITLE>

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1月のお薦め芝居

by中西理


 




 下北沢通信サイトプロバイダーの都合で消滅してしまい現在、リニューアルを含めて移転を検討中。観劇の記録などは。大阪日記の方で継続中なのでそちらを覗いてみてほしい。恒例の演劇ダンスの2004年のベストアクトを掲載する予定なので、そちらもぜひ読んでみてほしい。




 今月のイチオシは毎月ダンスから入るのも嫌なので東西の演劇から再演舞台を1本づつ。東は桃唄309プロデュース「超特急アガルタ」★★★★(1月26日〜30日高円寺明石スタジオ)。美術の門外漢のあなたでもマリリン・モンローコラージュした作品で話題をふりまき、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドをプロデュースするなど60年代のカリスマとして君臨した米国のポップアートの旗手アンディ・ウォーホルのことは名前ぐらいは耳にしたことがあるだろう。「超特急アガルタ」はこのウォーホルと彼のアトリエ兼事務所「ファクトリー」をモデルに60年代ニューヨークに酷似した架空の都市「アガルタ」の夜に巣喰いセックス・ドラッグパーティーに明け暮れる自称「芸術家」たちのひたすら明るい栄光と破滅を描き出し「才能とはなにか」を考えさせる2001年初演の橋本健作品の再演。桃唄309は劇作家演出家長谷基弘の率いる集団だが、ここの看板男優でもある橋本健もこれまで2人目の作家として劇作・演出を手掛けてきた。初演では橋本自らは作演出に専念して出演はしていなかったが、今回の再演では中村ノゾム(劇団 離風霊船)を演出に招き、自らも俳優として出演。もはや「再演」ではないのキャッチフレーズどおりに初演と比べて一層グレードアップした舞台が期待できそうだ。




 一方、いまや関西を代表する笑いの演劇の旗手となりつつあるスクエアラブコメ」★★★★にも注目。こちらはちょっといけてない劇団「とびっきりドリーマ」とそこに集う「トホホ」な人たちを描いたバックステージものの群像劇。しかも「ラブコメ」の題名通りにそこでの恋愛模様を描いたコメディ。それだけならよくある設定だと思うであろうが、スクエア舞台がそれだけですむわけがない。

 ここでは小劇場にありがちな自分たちだけがカッコいいと勘違いしている勘違い劇団を俎上にあげているのだが、その作りこみの細かさが、並大抵ではないのである。劇団が登場するバックステージもので、劇中劇としてその劇団が上演している芝居の一部を上演してみせる例はよくあるが、この「ラブコメ」でスクエアはまるきり1本の芝居を入れ子の劇中劇として上演してみせる。それは普段のスクエアの芝居とは全然違うテイストのものだが、こういう劇団だったらありがちかもと思う「映像・演技・美術・脚本」をすべて精密に再現。しかも、演出と作家の恋のもつれでその芝居はしだいに出鱈目な方向に(笑い)。

 悪意のある笑いを特徴とする大阪コメディ劇団の代表作を再演。今度は初演キャストに加えて、元遊気舎の爆笑女王、楠見薫が客演。キャストに加わりパワーアップ。絶対面白いはずなんで、東京の人もぜひ見てほしい。




 クロムモリブデンボウリング犬エクレアアイスコーヒー」★★★★大阪公演にも注目。「トランス・ナンセンス・バイオレンス」をテーマにノイジーな音響や照明、美術、映像を駆使し関西において、孤高の存在的活動を続ける演劇パフォーマンス集団というのが一応売り文句なんだが、この劇団だけは「とにかく一度見て、損はしないから」としか説明のしようがないのがつらいところ。もちろん、おかしくて笑えるのだけれどそれだけじゃないし、笑いのセンスも人を選ぶところがあり、だれにも薦められるわけではない。

 今回の粗筋はチラシによれば「コロンバイン高校で銃乱射を起こしたトレンチコートマフィアと名乗る少年たちの犯行はやはりボウリングに影響されてのものだった! 世界中でボウリングが禁止! 犬のものに」「一方、集団自殺に集まった面々はとりあえず呑みにいくことにする。」「マイケル・ムーアはアホマヌケ呼ばわりされ、ブッシュは再選。イラクで大量破壊兵器も見つかる。人々は不安から解放され、寂しさは消え、笑いのたえない毎日が。終わったジャンルのマジックがブームになり、終わったはずの紅白歌合戦が高視聴率を上げ、死んだプロ野球が復活する。」「こうして21世紀は20世紀と何ら変わることがなかった。」「一方、集団自殺に集まった面々はとりあえずカラオケに行くことにする」……。

 実際に東京公演で見てみたが、内容はだいたいこうだったような。違ったような。覚えていない(笑い)。でも、面白かったような気がするのがクロムの不思議なところだ。




 遊園地再生事業団+ニブロール「トーキョー/不在/ハムレット」★★★★はニブロールの矢内原美邦を振付に招き、宮沢章夫がどんな世界を見せてくれるのかが楽しみだ。活動休止期間をへて、前回の「トーキョー・ボディ」では映像やパフォーマンス的な要素を取り入れるなど、方向性を一変した新生遊園地再生事業団だが、今回の公演ではリーディングやワークインプログレスなど準備段階で時間をかけてきただけに完成度の高い舞台が期待できるはず。




 ダンスでは勅使川原三郎「KAZAHANA」★★★★新国立劇場)がイチオシ。昨年、パリオペラ座の委嘱をうけて「AIR」を振り付けて以降も国際舞台で活躍を続けている勅使川原だが、この作品は、フランスのリール・オペラ座で初演されたものを新国立劇場で上演するにあたり改訂し改訂初演版とした。

 勅使川原が構成・演出・振付・美術・照明・衣裳を手掛け、宮田佳が演出助手と選曲を担当。

 KAZAHANA(風花)とは、「晴天に風と共にちらちら降る雪」の意味であり、「なにか常ならざる事、至上の瞬間を感じさせる言葉であり、イメージである」と勅使川原。このイメージに触発されてどんな作品を作り上げたのか。日本での新作上演はひさしぶりとなるだけにこれは見逃せない。

 今年来日するマシュー・ボーンの「白鳥の湖」公演でザ・スワン/ザ・ストレンジャーを踊る、英国ロイヤルバレエ出身のホセ・ティラードが出演するのも話題である。




 ダンスでは砂連尾理+寺田みさこ「love me,not love me」★★★★(1月15、16日、伊丹アイホール)にも注目したい。京都でのワーク・イン・プログラム公演では「まだまだこれから」という印象であったが、これまでのパターンから言えば本番には間に合うようにきっちりと仕上げてくるはず。砂連尾理と寺田みさこの2人がかもしだすなんともいえないとぼけた味わいはダンス界の「夫婦漫才」と呼びたくなるほどだ。2人ならではの絶妙のコンビネーションである。これは伊丹の後に東京シアタートラムでの公演も予定されているので東京の人もぜひ見てほしい。




 コンテンポラリーダンスってこのページでもよく取り上げられているけれどどんな風なのという人にお奨めしたいのが横浜ソロ×デュオ<competition>★★★★横浜赤レンガ倉庫)。毎年この時期に行われている恒例のダンスコンペだが、今年はこれまでのソロ×デュオ部門に加えて、グループ部門も加わり、4日間(1月27―30日)にわたって行われる。今年の個人的な注目は大橋可也、東野祥子(BABY−Q)(=昨年のトヨタコレオグラフィーアワード受賞者)、三好絵美(yummy dance)、濱谷由美子(クルスタシア)(=4回目の最多ノミネート)。関連企画として同じ会場で一週間前に上演される森下真樹+康本雅子★★★★の公演にも期待したい。




 ダンスでは静謐ななかにすきのない完成度の高い舞台を作り上げることでは定評のあるアンサンブル・ゾネ「Neber Land −霧−」★★★ 、会場の空間を生かした伊藤キム+輝く未来「壁の花、旅に出る」★★★にも注目したい。




 

 毎回書いているけど反応がほとんどなくてむなしい(笑い)。演劇ダンスについて書いてほしいという媒体(雑誌ネットマガジンなど)があればぜひ引き受けたいと思っています(特にダンスについては媒体が少ないので機会があればぜひと思っています)。依頼の内容しだいでは無料でもお引き受けしています。私あてに依頼メール(BXL02200@nifty.ne.jp)お願いします。サイトに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団カンパニーがあればそれも大歓迎ですから、メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けています。






中西

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