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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2004-06-04 チェルフィッチュ「三月の5日間」@KAVCギャラリー

[]アートコートフロンティア2004@アートコートギャラリー

アートコートフロンティア2004アートコートギャラリー*1を見る。

昨年、開廊記念展として開催した「アートコートフロンティア」の第2弾。アーティストキュレーターコレクタージャーナリストギャラリスト計15人がそれぞれ"一押し"の作家を推薦、関西若手作家15人を紹介する展覧会

推薦者        出展作家

アーティスト

藤本由紀夫     植松琢麿/彫刻ミクストメディア

村岡三郎      田中えこ絵画

森村泰昌      遠藤裕美子 + 原田リョータ映像インスタレーション

キュレーター

植木啓子      濱口直巳/インスタレーション

篠 雅廣      大西伸明/ミクストメディア

吉川神津夫     満江英典/絵画

コレクター

池田寿夫      金氏徹平/立体(写真ドローイング

おかけんた     小野正人/彫刻ステンレス

柏原孝昭      栗田咲子/絵画

ジャーナリスト

金 悠美      宮城亜梨沙/インスタレーション

木村未来      稲垣智子/インスタレーションパフォーマンス

古川 誠      東 義孝/平面作品

ギャラリスト

池田靖嗣      北城貴子絵画

片山和彦      人長果月/映像を主としたインスタレーション

熊谷寿美子     宮永愛子/立体

[]チェルフィッチュ三月の5日間」@KAVCギャラリー

 チェルフィッチュ三月の5日間」KAVCギャラリー)観劇

 昨年のガーディアンガーデン最終選考*2で圧倒的に面白かったチェルフィッチュの本公演を初めて観劇。期待にたがわぬ刺激的な舞台であった。平田オリザは自らの演劇を「現代口語演劇」と呼んだが、これはまさに平田とは異なる方法論で「現代口語」に迫る演劇であった。

 というのはチェルフィッチュハイパーリアルにそれまでの既存演劇が捉えることができなかったような現代若者地口のようなものに迫っていくのだが、その方法論はそれまでの現代口語演劇劇作家たちがそうであったような群像会話劇(平田用語では対話の劇)ではなく、モノローグ主体複数フェーズ会話体を「入れ子」状にコラージュするというそれまでに試みられたことがほとんどない独特の方法論により構築された「口語演劇であるからだ。

 平田オリザ岩松了長谷川孝治松田正隆といった90年代群像会話劇の作家らによる作品群を会話を通じて登場人物の隠れた関係性が浮かび上がってくるというような共通項があることから関係性の演劇」と名付けた。

 ところがこれらの作家の影響を受けながらも90年代末に入ると同じく会話劇系の舞台でありながらも五反田団前田司郎、ポかリン記憶舎の明神慈、ポツドール三浦大輔らこうした先行する作家たちと明らかに志向性の異なる若手劇作家が相次ぎ登場してきている。もちろん、これらの作家たちもそれぞれ異なるアプローチ作品を作り出しているのだが、それでもここではスタイルとして会話劇的な体裁をとるという点では共通点のようなものが見られた。

 チェルフィッチュ岡田利規場合もその台詞において、現代口語舞台にのせるという意味では特に先に挙げた前田三浦の2人と共通する問題意識から出発しているようではあるが、前田三浦舞台登場人物による会話を覗き見させるような形でいまそこにあるそこはかとない雰囲気追体験されていくような「リアル志向舞台を構築していくのに対して、岡田アプローチ会話体において「ハイパーリアリズムであるにもかかわらず演技・演出においては「反リアリズムであるというところにその特徴があるようだ。

 それは一見なんの企みもないように無造作に見えるように作られているが、ブレヒト異化効果60年代以降さまざま形で試みられてきたメタシアター、90年代現代口語演劇日常的な身体のあり方を様式化することで身体表現に取り入れてきたコンテンポラリーダンスなどさまざまな方法論のアマルガムともいえるきわめて複雑な構造統一体として、舞台上で実現される。この作品の具体的な内容、方法論の詳細についてはもう少し考えてから、まとまった文章を書きたいと思うが、今年のえんぺ大賞の最優秀新人作品(あるいは場合によればえんぺ大賞)の最有力候補であることは間違いない。