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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-30 奈良市内を観光 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 奈良ロイヤルホテルに宿泊。奈良市内(奈良公園若草山、東大寺周辺)を観光する。

2007-04-29 維新派@奈良平城京遷都祭公演

[]維新派奈良平城京遷都祭公演

維新派奈良平城京遷都祭公演平城宮跡特設ステージ [天平舞台] )を観劇。

■会場/平城宮跡特設ステージ [天平舞台]

■上演作品/「路地蒸気機関車

         「ヒトカタ」

         「動く街」 

         「くさまくら」  

 維新派の公演と銘打ってはいるが、上演時間にして40分。それぞれ10分程度の4つのシーンをオムニバス風に並べたもので、ミニパフォーマンスといった方がいいだろう。どうも、以前に松本雄吉氏が「ナツノトビラ」のアフタートークで話していた「平城宮跡でやりたい」というのを今回の公演と勘違いしている書き込みがネット上などで散見されたが、これはいつかやりたいと以前から話していた本公演についてのもので、奈良平城京遷都祭というイベントの一環として行われた今回のパフォーマンスとはまったく無関係

 維新派責任ではないから強くは言いたくはないけれど、イベント全体の進行はまったくお粗末の一言。主催者側は維新派がなんなのかをまったく理解してないのではないかとしか思えない。それほど「ゆるーい」イベントなのだった。まあ、ある意味楽しんだからそれはそれでいいとはいえるのだが、このイベントに参加したことが維新派にとって意味があったことなのかどうかについてはやや疑問符といわざるをえない。松本氏としてはこの企画に参加することによるデモンストレーションで、平城宮跡での本公演につなげたいという意図があったとは思われるが、維新派パフォーマンス最中もいっさい通行制限をせずにステージの前の道を普通に人が通っていたり*1パフォーマンスの余韻を台無しににするような「維新派パフォーマンスでした。どうもありがとうぎざいます」のような場違いアナウンスが入る無神経さはなんなのだろう。

 この日の進行を見る限りでは残念ながら今回の奈良平城京遷都祭の主催者にその運営能力がないことは残念ながら明白。奈良県知事や市長らも来ていたようだが、果たして挨拶の後も残っただろうか。平城京跡自体は文化庁の管轄であると思われるので、攻略すべき先が違うのではないだろうか。

 さて、公演の方はどうだっただろうか。野外にしかも真昼間の炎天下で見たせいもあるが、昨年の本公演「ナツノトビラ」などと比較するとパフォーマーの動きの精度の低さが気になった。特に梅田芸術劇場でのアンコールでも上演した「路地蒸気機関車」は「どうしたんだろう」と思われるほどバラバラ。本公演ではないがゆえの熟練度の不足は確かではあるが、ここではっきりと分かったのは「キートン」「ナツノトビラ」のレベルの上演を見てしまうと、例え野外であってもそのレベル身体の動きの精度のコントロールの精密さや音楽音響的な水準を期待してしまい、また繰り返しになるようだが、野外は祝祭だから勢いがあればそういうパフォーマンスとしての精密さはいらないとはいえない。そういう風に維新派が変貌していることはこの日のパフォーマンスを見ることでいっそうはっきりしてきたことだ。

 その点では2番目の「ヒトカタ」は女性だけ8人という少人数の構成というせいもあってか、まだまとまりのあるものに仕上がっていた。昨年の「ナツノトビラ」が初舞台でいきなり看板女優、春口智美の後釜で主人公「なつ」の弟タケルに抜擢された「まる」がなかなか印象的で、春口に続き、小山加油も退団し、かなりのピンチの状態といわざるをえない維新派を支えていくには彼女ら新しい世代の頑張りが本公演「nostalgia」に向けて必要となってきそうだ。一方、「動く街」は一転して男優中心のナンバーだが、こういう風のを今やるとやはり昔と比べると迫力が不足してるんじゃないかと思われ、弱点が露呈した感じがする。これは別に役者個々のレベルが落ちているということじゃないくて純粋に人数の問題だが、やはり人数がずいぶん減ってしまったのは否めない。最後の「くさまくら」はパフォーマーが激しく動いていた「動く街」と比べると内橋和久のアンビエント音楽に合わせて一転して動きが少ない作品だったが、この日は天気がよく強い風が吹いていたこともあり、「吹き抜ける風の下を立ち尽くす役者たち」と野外公演の興趣を一番実感できた演目であった。

*1ネット上の伝言板で気になった、私は気にならなかったなどという議論が起こっていたが、こういうのは個人的にどう感じたというようなレベルではなく演出的意図として明確にそうしたというのじゃない限りは駄目だと思う

2007-04-28 京大ミステリ研OB会

[]京大ミステリOB会

 京都に行き、1年に1度この時期に開かれる京都大学推理小説研究会同窓会京大ミステリOB会)に出席する。以前にも書いた*1大学時代サークルというのは私にとっては特別なものだ。ミステリ小説自体とは読者として以外のかかわりを持たなくなってずいぶん長くなるけれど、いろんな意味でこの時代につちかったものが現在まで続く私の考え方の原点となっているからだ。大学時代に書いたアガサ・クリスティ論を改稿してこのサイトに掲載しようとの意欲を新たにした。

2007-04-26 ゲキ×シネ「SHIROH」@なんばパークスシネマ

[]ゲキ×シネ「SHIROH

ゲキ×シネ「SHIROH*1なんばパークスシネマ)を観劇。

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2007-04-25 ロックオペラ 「the who’s Tommy」@シアタードラマシティ

simokitazawa2007-04-25

[]ロックオペラthe who's Tommy」@シアタードラマシティ

ロックオペラthe who's Tommy」(シアタードラマシティ)を観劇。

 ミュージカル「TOMMY」といえばはるか昔に見たケン・ラッセル版の映画の印象が強いのだが、これはその時とイメージが全然違うのでどうしたんだろうと思って調べると日本版の前にブロードウエー版というのがあり、これはそれに基づいているみたいだ。

 演出を劇団☆新感線いのうえひでのり担当していてキャストにしても劇団員の右近健一やいのうえ組常連のローリー、そしていまやミュージカル界の堂々たるスターでいのうえ演出は「SHIROH」で受けた経験のある中川晃教とそういう色彩が色濃いのだが、演出のプランについては元のブロードウエー版からどの程度を受け継いだのかが分からないので、この公演を見ただけでは安易に評価しかねるところがある。

 そうした条件のうえであえて言うと、舞台上の薄幕に映し出した映像を多用してスピーディーに展開した舞台に感心させられたし、その映像タッチ60年代の匂いが濃厚にただようケン・ラッセル映画とはまったく異なりCGアニメーションを多用したカラフルかつポップなもので、これがすべてオリジナルであるのであれば映像クレジットされている上田大樹という人、相当な才能だと思った。

 ネット上で劇団☆新感線の公演だから、などとの表現が散見されたが確かに「いのうえ組」の存在イメージとして大きいが、どちらかというと見ての印象からいえばこれは中川晃教存在があっての企画じゃないかと思った。ロックミュージカルオペラ)ではあるし、原曲を作曲した英国バンドTHE WHOへのオマージュはいのうえにはあるとは思うが、やはり時代が時代ではあるし、話自体が古めかしいことは否定できない。

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2007-04-23 ドロシー・L・セイヤーズ「ピーター卿の事件溥―シャーロック・ホー

2007-04-22 木ノ下歌舞伎 「テラコヤ」@atelier GEKKEN

[]木ノ下歌舞伎*1「テラコヤ」@atelier GEKKEN

木ノ下歌舞伎 「テラコヤ」(atelier GEKKEN)を観劇

源蔵「梅はとび桜は枯るゝ世の中に。」

松王丸「何とて松はつれなかるらん。女房悦べ、倅はお役に立つたはやい」

―『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」より―

[補綴・原案] 木ノ下裕一

[演出] 杉原邦生

出演 谷本健人 小田部みなみ 諸江翔大朗 山村麻由美 池戸宣人 京極朋彦 濱崎彰人 鈴木健太郎 豊山佳美 舟木理恵 芦谷康介 殿井歩

照明 宇野恵理子

音響 荒木優光

衣裳 村田佳奈

小道具 穐月萌

美術製作 濱地真実

音響助手 北島由委

演出助手 和田ながら

舞台監督 米谷有理子

舞台監督助手 金濱歩美

制作 木村悠介 林里恵


主催 木ノ下歌舞伎

協力 アトリエ劇研

―『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」あらすじ―

 菅丞相(史実=菅原道真)は藤原時平の陰謀により失脚させられた。その一人息子・秀才をかくまいながら、武部源蔵は寺子屋(私塾)を営んでいる。

 秀才の行方を捜索していた時平の使者が、その首を取りに源蔵のもとへ向かっている。源蔵は寺子の中から身替わりの首を差し出すことを考えるが、秀才の顔を知る松王丸がその首を確かめることになっていた。源蔵は決死の覚悟で、偶然にもその日に寺入りした、秀才と同じ年頃の男の子の首を打つ。しかし、この男の子秀才の身替わりにするために源蔵のもとへやられた、松王丸の実の息子であった……。

 木ノ下裕一、杉原邦生を中心に京都造形芸術大学卒業生、在学生らによる上演。昨年春の旗揚げ公演「yotsuya-kaidan」*2(杉原邦生演出)は見たのだけれど、体調を崩して木ノ下が同じ戯曲を演出した第2回公演「四・谷・怪・談」は見逃したのでこれが約1年ぶりの観劇となった。実は前回の旗揚げ公演で「今回のように大学生か、卒業してすぐというようなキャリアの浅い俳優だけでそれを成立させるのは難しいと思われた。そのため、やはり全体としては完成度という面ではまだまだ荒削りで『学生演劇としてはまあまあのできばえ』というレベルでしかない」とかなり厳しい意見を書いたのだが、若さとは恐ろしいもので今回の公演では役者たちの演技に格段の進歩を感じた。

 そのため、「yotsuya-kandan」では舞台後ろに張られた幕をくぐるようにして舞台上に登場する役の俳優が出てきて、台のようなところに座り正面の客席の方を向いて台詞を言うという杉原の特異な演出スタイルが目立ってしまった感があったが、基本的な上演スタイルは変化はないが、今回は俳優らの演技力が向上したためか、演出のプランよりも台詞回しなどのより細かいところに力を注ぎ込む余裕が感じられ、舞台はよりシンプルでありながら力強いものに仕上がった。

 その意味ではなかなか見所のある舞台となった。特に武部源蔵(諸江翔大朗)、その妻戸波(山村麻由美)、松王丸、その妻(手元に資料なく役者名が不明)の4人は熱の入った演技で好演といっていいかもしれない『菅原伝授手習鑑』の「寺子屋」といえば歌舞伎の演目としては前回上演された「四谷怪談」以上に知名度も上演頻度も高い演目でそのせいで私のような門外漢でも何度もその舞台を実際に見たことがあるほどである。そうした親しみやすさがあるせいか、現代演劇の上演でありながら客席にはすすり泣きの声も各所から聞こえてきたような気がした。

 つまり、ここでは忠義と愛情板ばさみになって忠義をとることで自分子供が殺されたしまうという松王丸の悲劇が語られるわけだが、その悲劇の形式というのはいってみれば古典的ともいえるものでそれゆえ普遍性が高いともいえるからだ。実は杉原の演出はここの勘所での部分の俳優の演技について自然な感情の発露のようなものをやりすぎることなくうまく引き出していた。そこに演出家としてのセンスのよさを感じた。

 もっとも、古典劇としての戯曲を現代的に解釈しようとの意欲もこの上演からは感じたがそこのところはやや勇み足の部分もあったかもしれない。古典戯曲の場合そのまま素直に上演すればいいものをことさらにそれに現代的な解釈を加えてしまうというのはどうやら劇作家ではない演出家の性のようで、鈴木忠志蜷川幸雄のような超ベテランになってもこの悪癖は直らないみたいだし、演出センスという意味では全幅の信頼を置いている宮城聰でさえこうした勇み足からは逃れられないところがある。それゆえ、まだ若い杉原や木ノ下をそれで批判するのもどうかとも思うが、管秀才を演じた俳優が最後の最後でゆがんだ悪の表情を作る演出はおそらくただのお涙頂戴じゃないぞという意思表示のつもりかもしれないが、全体の流れのなかでは違和感が残った。

 関西では優れた劇作家は挙げるにいとまがないほどだが、東京と比べて物足りなく思うのは演出家を中心とした集団が少ないことだ。そういうなかで木ノ下歌舞伎をはじめKUNIOなどいくつかのプロデュースユニットで活動を開始している杉原邦生の才気溢れる存在感は若さゆえまだ荒削りの面があるのは否めないが今後ともに注目すべきであろう。ただ、まだ試行錯誤の時期と考えるにしても現在の活動形態には若干の疑念がないでもない。

 というのは今回進歩を感じたと書いた木ノ下歌舞伎にしても以前に書いたように歌舞伎のような古典テキストを現代演劇として上演するためにはなんらかの形での様式化、抽象化が必要なのであるが、そのためにはここから先に進むためにはどうしても自分たちだけのオリジナルな身体性、台詞回しを追求するための集団の存在が不可欠になってくると思われるからだ。そして、これはそれぞれ方法論は違っていてもこれは例えばク・ナウカ宮城聰が、山の手事情社安田雅弘が、花組芝居加納幸和が通ってきた道であり、現在京都を例にとれば地点の三浦基が歩みだした道でもある。杉原にとっては現在は今後の自らの方向性を決めるための試行錯誤の時期なのかもしれないが……。

 昨年上演された「yotsuya-kandan」は今年の夏にはこまばアゴラ劇場の夏のサミットに参加のため練り直して再演される(初の東京公演)ようだが、あの時と比べると俳優の成長も著しいこともあり、どんなものが上演されることになるか楽しみである。

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2007-04-21 ヨーロッパ企画 「冬のユリゲラー」@インデペンデントシアター2nd

simokitazawa2007-04-21

[]ヨーロッパ企画 「冬のユリゲラー」@インデペンデントシアター2nd

ヨーロッパ企画 「冬のユリゲラー(インデペンデントシアター2nd)を観劇。

<作・演出>上田

<出演>諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、本多力、山脇唯/人羅真樹(イクイプメン)/首藤慎二ベビー・ピー)/岡嶋秀昭、他

 旧作3本立ての今回の企画のうちで「冬のユリゲラー」は唯一、初演の時には見ていないのだが、再演となった吉田寮での公演は見たことがあって、これが2回目の観劇であった。

 以前に見た時にもそう思ったのだが、今見ると相応に書き直した後においてもまだ若書きの感が強い「苦悩のピラミッダー」などと比べると、よく練られた脚本だと思い感心させられた。脚本の完成度の高さという意味では映画化もされた代表作「サマータイムマシン・ブルース」と双璧ではないかと思う。この両作品には「ハードSFなんだけれどしょぼい」(笑い)という共通項もあって、主題も「サマータイムマシン・ブルース」がタイムパラドックスタイムマシン)を扱ったのに対し、今度は「冬のユリゲラー」というタイトルだけでもう分かってしまうとは思うけれども、やはりハードSFの定番である超能力を扱った物語となっている。

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2007-04-20 「マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」2日目

[]マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)「マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」

マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」(atelier GEKKEN)を観劇。

DANCE BOX提携公演

 マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)

 マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s

演出・出演

  マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)

照明: 三浦あさ子

音響: 黒田

2007-04-19 「マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」1日目

[]マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)「マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」

マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s 」(atelier GEKKEN)を観劇。

DANCE BOX提携公演

 マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)

 マイケルが帰ってくる!! 迎えますはR40`s

演出・出演

  マイケル・シューマッハ、R40`s(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)

照明: 三浦あさ子

音響: 黒田

Michael Schumacherマイケル・シューマッハプロフィール


オランダアムステルダム在住。米・アイダホ出身。ジュリアード音楽院を経て、

トワイラ・サープ、フランクフルトバレエ団、プリティ・アグリーなど世界の超

一流カンパニーで活躍。ウィリアム・フォーサイス振付のフランクフルトバレエ

団での彼のソロは高い評価を受けた。現在オランダに活動拠点を移し、音楽

ダンス即興的融合を目指したマグパイミュージックダンスカンパニーに所属し

ながら、フリーパフォーマー、振付家として広く活動する。ダンス講師として

も高い評価を得ている。豊富ダンス経験に裏打ちされた高度なテクニックとイ

ンプロヴィゼーションに対する感性世界中の多くのカンパニーから出演依頼の

絶えない人気ダンサー。

マイケル・シューマッハは元フランクフルトバレエ団のソリスト現在オランダを活動拠点に即興的な要素の強いマグパイミュージックカンパニーに所属する彼が来阪したのを関西を代表する4人のベテランダンサー(森美香代、サイトウマコト、ヤザキタケシ、安川晶子)が迎え撃った即興セッションである。

 R40`sは4人のダンサーの年齢がいずれも40代であることからつけられたが、実はそれだけではなくて、彼らは関西コンテンポラリーの「コ」の字もなかった今から20年前にジャズダンススタジオで出会って以来の仲間であり、マイケルポルトガルカンパニーで一緒に踊っていた森の招きで来日して4人で同じ舞台に立った15年前以来の旧知の仲なのであった。

 ダンスにおいて即興インプロビゼーション)は大きな要素であるが、この公演は本人が振付家でもあり、さまざまな舞台経験を持つダンサーが一緒に舞台に立ち、やり合うことでどんなものが生まれてくるかを目の前に見せてくれたという意味できわめて興味深いもので関西コンテンポラリーダンスの底力を見せ付けたという点でも刺激的な舞台であった。

 舞台マイケルソロによるダンスからはじまる。青みがかった幻想的な照明のなかにゆっくりとその姿を現す。即興という風に書いたが、この部分は完全に細部に至るまで振り付けられたソロ作品である。最初ボウリングの動き、次にビリヤード、そしてフィッシング釣り)の動きが非常にゆっくりとスローモーションのように演じられると今度はその動きがまるで映画フィルムを逆回転させたかのように「反転」させられる。仕草をシュミレートしたという意味マイム的な要素が強いのだが、通常のパントマイムとは明らかに違う優雅な印象を受けるのはこの部分での身体コントロールが指先の微妙な動きひとつまで計算されつくされたものであるからだ。

 このシーンの後、場面は一度暗転、今度はヤザキが舞台上にいて、客席の通路から安川が登場する。2日間の公演で続けて見てこの公演が面白かったのは「即興」という風には書いたが実はその「即興」というのは出たとこ勝負でなんでも自由にやっていいというわけではなく、そこでは場面ごとにいくつかのルールがかせられて、それによって全体の大きな構造はそれによって規定されているらしいことが分かってきたことである。事実この最初のヤザキと安川のデュオは2日間を比べてみても、ヤザキが高底のブーツを履いてでてきて、少しコミカルな動きをすると安川が奇声を上げながらチョップするような動きを繰り返すという流れはまったく同じ。で、「振付」ではないので細かい動きはまったく異なるものこの後サイトウ、森が今度は非常にゆっくりとしたたゆたうような動きで踊りながら登場。少なくともここまでは場面の印象にはそれほど大きな違いはない。

 ところがここから一度退場したマイケルをはじめ、ヤザキ、安川らは再び舞台に現れる辺りから舞台の様相は公演ごとに大きな違いを見せ始める。特に即興においてダンス音楽に例えるのはいろんな誤解を呼ぶ基になりがちだが、それでもあえて例えるならば今回の即興ダンスセッションはあたかも手だれの演奏家によるモダンジャズセッションを思わせるところがあった。ちょっと見るだけでこの五人がきわめて優れたテクニックを持つ踊り手であることは一目瞭然で分かるが、それでいて技術を誇示するわけでなく、このメンバーならではのハーモニー(調和)が生まれてくるのが面白い。

 それまでのダンスの一連の流れを意識しながら、それぞれのダンサーは踊るのだが、それでいてたとえばコミカルでファニーな動きで個性を発揮するヤザキ、森の伸びやかで端正なたたづまい、運動性に優れたサイトウの流れるような動きなどとそれぞれの持ち味を見事なまでに発揮しているのもこのメンバーならではの余裕のなせる技であろう。それでいて、抜群の技術をもともと持っていながら、最近自作ではあまりそういうテクニックを駆使したような奔放な動きをすることがない森や安川のちょっといつもと違う姿を見られたのも面白かった。

 実は即興の要素が強い公演はソロデュオぐらいが限界でダンサーの数が増えてくると問題があるのではないかと以前から考えていた。というのは舞台上に人数が多く出ていても結局、気がつくとそのうちのひとりかふたりを目で追うことになって、それ以外のダンサーに目が行かないことが多いし、人数が増えると全体の印象も散漫になってしまうことが多いからだ。

 ところが、今回の四人(プラス1)の即興はそうではなかった。これは第一に四人の技量が拮抗していてそれぞれのレベルが高いのに加えて、二十年来の付き合いが生み出す互いの信頼関係阿吽の呼吸のようなものを強く感じ、それがそのまま即興でありながら、クオリティーのおける安定性を感じさせることにつながっている気がした。

 しかも、今回の公演ではその四人にマイケルが絡むことでそのハーモニーは四人の場合と微妙に違うものに化学反応を起こしている。そんな風にも感じた。おそらく、このプラス1がマイケルから別のダンサーに代わればまたまったく別の世界が展開されそうで、即興がそのままでも作品になりうる可能性を示した貴重な公演であった。

2007-04-15 いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」@大

[]いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」@大阪芸術創造館

いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」大阪芸術創造館)を観劇。

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2007-04-14 ローザス「Desh」@びわ湖ホール

[]ローザス「Desh」@びわ湖ホール

 ローザス「Desh」びわ湖ホール)を観劇。

振付 アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル&サルヴァサンチェス

出演:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、サルヴァサンチェスマリオン・バレスター

音楽 インド古典音楽ジョン・コルトレーンインディア』ほか

・Raga Desh/Ustad Sayeeduddin Dagar

・Raag Khamaj/Hariprasad Chaurasia

・Tavil Tani/Haridwaramangalam A.K. Palanivel

・India (Village Vanguard, november1961)/John Coltrane

・Dhun/Hariprasad Chaurasia

・RAGA DESH ケースマイケル&マリオン

・RAAG KHAMAJ ケースマイケル

・TAVIL TANI ケースマイケル&マリオン&サルヴァ

・INDIA サルヴァ

・DHUN ケースマイケル&マリオン&サルヴァ

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2007-04-13 黒沢美香&大阪ダンサーズ@アートシアターdB

[]黒沢美香&大阪ダンサーズ「jazzzzzzz-dance」@アートシアターdB

黒沢美香&大阪ダンサーズ「jazzzzzzz-dance」アートシアターdB)を観劇。

振付

黒沢美香

出演

あおいさちこ、文、戎敦子、きたまり、北村成美、スウェイン佳子、隅地茉歩、中山登美子

福岡まな実、三林かおる、森本あやこ、山上恵理

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2007-04-12 いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」@大

[]いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」@大阪芸術創造館

いるかHotel「The Comedy of Errors 〜間違いの☆新喜劇?〜」大阪芸術創造館)を観劇。

 いるかHotel・遊気舎の谷省吾が全員女性キャスト関西弁により、シェイクスピアの「間違いの喜劇(The Comedy of Errors)*1」を上演した。最近蜷川幸雄が上演しているようだが、その公演は未見であるため、舞台でこの作品を見るのはこれが初めてである。シェイクスピア喜劇といえば「真夏の夜の夢」「十二夜」あたりが定番で、この「The Comedy of Errors」は日本ではあまり上演されないようだが、二組の双子の取り違えで状況が混乱していくといういささか単純ではあるけれどシチュエーションコメディとしては王道といっていいプロットである。アテネの森を舞台にした重層的な空間で起こる一種の幻想劇である「真夏の夜の夢」のような複雑な構成はここにはない。

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2007-04-11 退院のお知らせ

[]退院のお知らせ

 すでに3月末に退院し、仕事の方にはほぼ通常通りに復帰しています。ただ、体調管理のため無理できないなどの理由もあり、しばらくはブログ更新などもあまりできない状況にあり、告知が遅れて申し訳ありません。このブログも無理をしないで少しづつ再開していこうと思っているのでよろしくお願いいたします。ご心配かけた皆さん、どうも申し訳ありませんでした。

  

 中西

2007-04-07 「エリザベート」@梅田芸術劇場

2007-04-06 桜の通り抜け

[]大阪造幣局・桜の通り抜け

 大阪造幣局・桜の通り抜けに出掛けた。桜もきれいだったが、それ以上に入院もあったので外出して自由に歩きまわれるようになれたことに感謝したい気持ちである。 

2007-04-05 ヨーロッパ企画 「苦悩のピラミッダー」@インデペンデントシアター2

[]ヨーロッパ企画 「苦悩のピラミッダー」@インデペンデントシアター2nd

ヨーロッパ企画 「苦悩のピラミッダー」(インデペンデントシアター2nd)を観劇。