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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-02-28 ロヲ=タァル=ヴォガ「Silver30」@名村造船所跡・ブラック

[]ロヲ=タァル=ヴォガ「SILVER 30」@名村造船所跡・ブラックチェンバー

D

Creative Center Osaka

Theater Complex 00-Masterpiece舞台芸術祭-参加作品

◎公演日時《全6回公演》

2月25日(木)19時00分

2月26日(金)19時00分

2月27日(土)15時00分/19時00分

2月28日(日)13時00分/17時00分

※開場は開演の30分前からとなります。

キャスト

草壁カゲロヲ/ハ・スジョン/赤井 正宏(project ENJIN)/

足立昌弥(黒テント)/ゆかわたかし(昭和芸能舎)/岩橋功(ギリゴジ)/松嵜 佑一/横山 直樹/ふくだ まさと/袋坂 ヤス

        

スタッフ

演奏音楽波多野敦子(triola)

脚本補:天野 嬰

振付:日置 あつし(SUGAR&salts)

美術プラン:水波 流(ART COMPLEX

舞台監督美術プラン:蘇立 盛

舞台監督補:平井

照明:高円 敦美

照明操作:真田 貴吉

音響:粕谷 茂一(Slim Chance Audio)

音響補:末松 めぐみ

映像吉光 清隆

音効製作:椎名 晃嗣(劇団飛び道具)

レコーディングエンジニア:甲田 徹

衣裳:石野 良子

衣裳補:樹下 由紀

メイク福田 桃子

記録映像柴田 友美・五十嵐涼介

記録映像監督編集松浦莞二

記録写真中村 文博

宣伝美術荒木 康代

美術スタッフ池田 精堂・金川 英里香・古賀 睦・西山

制作スタッフ:井田 将史・イル・江草 祥子・奥村 麻希子・カオリモコン・菊池 有里子・猿丸 ヨウコ

中野 麻衣子・平本 知枝美・山口 禮子

映像出演協力:苧環

協力:井須 圭太郎・伊藤 豊・江草 祥子大久保 朝憲・木村 真束・齋藤 知・サカイヒロト

鮫島 サトシ高橋 理紗・多門 伸・寺本 秀成(ptsu)・土居 弘輝・トメ子さん・中川 絵美中村 美晴・橋本 一弘・真島 淳太・やまおきあや・山中 淳子

サイケデリックバーganja・SNACK喫茶

撮影機材協力:剣劇

協賛:セイコーエプソン株式会社

制作チーフ星川 ユリ

著作・制作Lowo=Tar=Voga

ロヲ=タァル=ヴォガはともに維新派出身の草壁カゲロヲ近藤和見が結成した集団。これまで吉田神社での野外劇公演「葉洩れ陽のジギタリス」やOMSでのパフォーマンス公演「数独I〜Phenomenon〜」、会場を変えて関西10ヵ所での公演を行った【 isotope 】、名村造船所跡を会場とした野外公演「新青年」などを手掛けてきた。アートコンプレックス1928での「KAMUAGARI」以来活動を休止していたが今回はひさびさの公演となった。

 原作太宰治の「駆込み訴え」*1とのクレジットがあるが、この芝居は「駆込み訴え」をそのまま演劇化したものというわけではない。ただ、表題の「SILVER 30」とはキリストを裏切ったユダを描いたこの小説の中に登場する裏切り報酬である「銀三十枚」のことであり、小説舞台の後半に草壁カゲロヲの一人語りとして上演され、この舞台の中核をなしている。

2010-02-27 松田正隆×松本雄吉「イキシマ」@精華小劇場

[]松田正隆×松本雄吉「イキシマ」@精華小劇場

出演:芦谷康介、大熊隆太郎、岡嶋秀昭、金乃梨子、沙里、高澤理恵、速水佳苗宮川国剛、宮部純子、山口惠子、山下残

テキスト松田正隆(マレビトの会) 演出松本雄吉(維新派) 舞台監督大田和司 照明:吉本有輝子 映像山田晋平 音楽佐藤武紀 音響大西博樹 舞台美術:武岡俊成 演出助手伊藤拓、若林康人 宣伝美術松本久木 宣伝写真:ホイキシュウ 広報:間屋口克 票券:小林みほ 制作安部祥子、幸野智彦、小山佳織、山崎佳奈子 プロデューサー丸井重樹

 今年上半期の関西舞台もっとも注目されたのが精華小劇場プロデュース公演として企画された「イキシマ breath island」(松田正隆作・松本雄吉演出2月18日28日)だった。「イキシマ breath island」は松田戯曲維新派松本演出したものだが、具象化するのが簡単ではない松田戯曲の提出してきたイメージ戯曲に忠実に細かく拾いあげながら、松本ならではのビジュアルイメージに定着させた。

 それは確かに松田世界ではあるのだけれど、明らかに松田演出も手掛けるマレビトの会とは異なる印象を受ける。そして、それは演出家松本世界でもあるのだけれど、音楽家、内橋和久との共同作業であり、音楽劇である維新派とも異なる方向性舞台でもあり、その組み合わせの新鮮さが魅力的だった。

 松田平田オリザと並び90年代現代口語演劇代表する劇作家であった。岸田戯曲賞を受賞した「海と日傘」をはじめ故郷長崎舞台にした長崎3部作に代表される群像会話劇でその地位を不動にしたが、その最良の舞台成果が「月の岬」「夏の砂の上」をはじめとした松田脚本平田演出による連作だったことは多くの人が認めるところであろう。

 ところが、平田とのこの黄金コンビ2000年代に入り、松田がその作風を端正な会話劇から、さまざまな文体言語テキストコラージュを思わせるような実験的な作風に転換していくにしたがい崩壊していく。松田作風は「雲母坂」において、端正な会話劇に見えたものが後半一変し、閉ざされた島を舞台にそこで米軍支配に石つぶてで対抗する人々が描かれるなど非日常性が溢れ出すことで変化の片鱗を見せるが、会話劇の呈をなしていない演出困難な原テキスト平田が会話劇的に書き替えた「天の煙」において2人の立場は決定的に離れていくことになった。

 この後、松田は自らの劇団「マレビトの会」を発足。現代口語演劇時代とはまったく異なる作風作品を手掛けることになるのだが、自ら演出も手がけることになったのは変化した後の松田戯曲演出できるような演出家を見つけるのがそれほど簡単なことではないという事実もあった。

 というのは先にも書いたように最近松田戯曲は通常のように物語人物を描くというのではなくて、例えばこの「イキシマ」の場合でいえば登場人物船大工と「息」の妻、2人の海女、2人の天使、島へと戻った映画監督吃音の男、島にいるという神父たち、密入国してきた兄妹と多数でてくるが度具体的にどんな人物かは判然としない。そこでは多種多様映画引用されることなどで絵画的に場面のイメージ連鎖がつづられていく。こうしたイメージ交錯がマレビトの会以降の松田作品の特徴だが、松田演出ではそれは具体的に示されることはなく、観客ひとりひとりの脳内喚起されるものになっている。これに対し。松本演出は優れた美術家でもある松本の手によって、ある時は映像として、あるときは俳優たちの集団演技によって提出されたイメージが実際に舞台上で具現化されていく。美術展示空間ホワイトキューブを思わせるフラットで白い壁の空間なかに俳優たちが、あるいは時には映像も加えて、場面ごとのイメージ絵画的に展開していく。松本演出には維新派におけるようなスペクタクルはあまりないが、フェルメールなど静的イメージ絵画連想させた。

 加えて、いくつかのダンスシーンがあるのだが、この部分の振付出演者でもある山下残担当しており、その意味では確かにこの舞台自体は「ダンスのような演劇」とまではいえないが、このダンスの醸し出すイメージ作品の要となっていることは確かといえた。 

[]アンサンブル・ゾネ「Fleeting light」@神戸アートビレッジセンター

振付演出 岡登志子

出演 岡登志子 垣尾優 中村恩恵 伊藤岡本早未 山岡美穂 井筒麻也 糸瀬公二

音楽 内橋和久

 桜井圭介の提唱した「コドモ身体」は確かに最近日本コンテンポラリーダンスひとつの在りようを提起したということがあるが、非「コドモ身体」のダンスにも豊饒な成果はもちろんある。アンサンブル・ゾネの岡登志子はピナ・バウシュ、スザンネ・リンケらを輩出したドイツNRW州立Folkwang芸術大学舞踊科の出身で、それゆえその作風にはヨーロッパコンテンポラリーダンスに近い枠組みの中で作品を作っており、それゆえ、東京を中心にした最近日本コンテンポラリーダンス作品とは明らかに傾向が異なる。それゆえ、最近の踊るダンスへのある種バッシングとも言えるような風潮のなかで、こういう地味な作風黙殺されかねないところがあるのだが、この「Fleeting light」という作品はよかった。ダンスなのかどうかがわかりにくいダンス演劇なのかどうかが分りにくい演劇観劇最近続いたなかでひさびさにダンスらしいダンスを堪能させてくれたと思わせたからだ。

 格別に素晴らしいと思わせたのは終盤に用意された岡登志子と中村恩恵デュオ。 

2010-02-26 青年団リンク・ままごと『わが星』アンコール・上映会(祝・岸田戯曲

[]青年団リンクままごと『わが星』アンコール・上映会(祝・岸田戯曲賞受賞!)のお知らせ

以前上映会を開催して好評だった青年団リンクままごと「わが星」の上映会*1を再び開催します。月曜日3月1日)にはヨーロッパ企画「曲がれスプーン観劇後なので少し遅れますが、「わが星」上演前には私も合流する予定。狭い会場なのでできるだけ予約して来場してください。

奇跡演劇とさえ言われ、圧倒的な感動と数々の反応巻き起こし、

もはや、演劇を超え、発熱と増殖を続ける『わが星』ムーブメント

なんと岸田戯曲賞を受賞! 祝・アンコール上映会です。

※セミネール(演劇講座)のため劇団から提供の「わが星」公演映像を上映します。

(+「四色の鉛筆があれば」短編集/柴幸男:演出)

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ままごと「わが星」、見た。すごい!メチャクチャすごい!

今はうまく言葉にならない。DVD再生ボタンが押されてから、一度も目をそらせなかった。

演劇でしかできないこと、演劇でしか体験できないこと、ぜんぶぜんぶここにある。

まだあと何十回も見たい。映像なんかじゃなく、目の前で見たい。

…それぐらいすごいものを見た。

最初から最後まで流れ続ける□□□「00:00:00」のバックトラックにのっかって、

地球宇宙団地家族女の子がうまれて死ぬまで光の速さで追っかける。

まだどきどきしてるのは、全速力で走って終電に飛び乗ったからだけじゃない。

つい2時間前にフィネガンに来た時と今じゃ見える風景がちがう。

酒くさい最終電車でさえキラキラしてる。あーこの感じ、誰かと分け合いたい。

ままごと『わが星』感想「slow_camp」 上映後のTwitter より

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■「わが星」(ままごと/柴幸男:作・演出)

■「四色の鉛筆があれば」(toi presents/柴幸男:作・演出)

演劇講座のため劇団から提供の公演映像です。

【日時】

3月1日(月)20:30〜「四色の鉛筆があれば」 

       22:00〜「わが星」

3月2日(火)21:00〜「わが星」

プロジェクターで100インチ(1524×2033)の大画面スクリーンに上映します。

【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて

【予約・お問い合わせ】

※[予約優先] 定員15名ほどのスペースなので、出来れば予約をお願い致します。

当日参加も可能ですが、満席の場合はお断りすることもあります。

●(メールでの予約)

fw1212+wagahosi@gmail.com

お客様の・お名前 ・人数 ・E-MAIL

・TEL ・イベント名 ・日時

・告知を見られたメディアコミュニティ

をご記入のうえ、上記アドレスまでお申し込み下さい。

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Bridge Gallery & Bar 〔FINNEGANS WAKE〕1+1

大阪市中央区心斎橋1-6-31 リードプラザ心斎橋5F

(東心斎橋清水通り。南警察署2軒西へ)

TEL 06‐6251‐9988

地下鉄堺筋線鶴見緑地線 長堀橋駅下車 徒歩3分

地下鉄御堂筋線 心斎橋駅下車 徒歩5分

(→心斎橋筋から来られる方は、大丸前のスウォッチの角を東へ真っ直ぐです。)

[mixi] http://mixi.jp/view_community.pl?id=139752

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(※その他の感想

【…初日夜から「必見」「奇跡」といった感想ネット上にあふれた作品…ぶるぶる震えて、涙がぼっとぼっとこぼれ落ちて、“今、劇場演劇を見ている”感覚とは違う次元のどこか、遠い場所へと連れて行かれました。】

ままごと『わが星』感想 しのぶの演劇レビューhttp://bit.ly/7JkXeZ

【…これは演劇というカテゴリーなのか?パフォーマンス?…この音楽リズム)の使い方、役者達のセリフダンス、動き・・・それが一体となったグルーブ感。あの高揚感…終演後、しばらく席を立てなかった。凄いモノ見せられたなぁ!】

ままごと『わが星』感想 http://bit.ly/8FayQ6

【よくさ、映画CMでさ、試写招待客に「感動しました泣きました」って言わせるヤラセあんじゃん。そういうのはクソ食らえなんだけど。『わが星』はね、泣いちゃったの。なんかオレ泣いちゃってんの。なんでだと思う?】

ままごと『わが星』感想  http://bit.ly/4SWVIm

【…演劇という形態でしか表現できない大きな時間と広い空間と絶対の孤独とそこに生きる愛おしいほどの奇跡がね、切なさを伴って、心地いいベースラインと一緒に流れ込んできて僕の孤独を満たすのです。】

ままごと『わが星』感想  http://bit.ly/4SWVIm

ラスト近くで自転車が飛び込んできたときはほんとうに奇跡が起きたような気持ちになった。この場に居合わせられたことがほんとうに幸運に感じられるような舞台だった。音楽もすばらしかった。】

ままごと『わが星』感想 http://bit.ly/6ePRLU

【身体を引きずって三鷹まで、ままごと「わが星」を見に行く。そして、舞台がこれまた奇跡的。もうビックリした!そこにある言葉、それを発する声、鳴り続ける音、刻む秒針、音楽。動き、歩き、踊り。廻る廻る、遠い過去、遠い未来、生まれる、無くなる。】

ままごと『わが星』感想 http://bit.ly/7w4yO4

2010-02-25 twitter版お薦め芝居3月

[]twitterお薦め芝居3月

http://twitter.com/simokitazawa

twitterお薦め芝居3月 「踊りに行くぜ!!」SPECIAL IN TOKYOアサヒアートスクエア★★★★ 全国巡演公演「踊りに行くぜ!!」のベスト集。注目は山下残×山賀ざくろ「横浜滞在」。振付家山下とダンサー山賀という個性派の異色顔合わせによるコラボレーションhttp://jcdn.jugem.jp/?eid=226

約7時間via web

twitterお薦め芝居3月 KIKIKIKIKIKI「生まれてはみたものの」@アイホール★★★★ 横浜ソロ×デュオ未来に羽ばたく横浜賞を受賞したきたまりの新作はなんと小津安二郎モチーフ。本人が出演しないのは残念だが男性ダンサーや俳優を迎えてどんな舞台を見せてくれるか。

約8時間via web

twitterお薦め芝居3月 ままごとスイングバイ」@こまばアゴラ劇場★★★★ 「わが星」が岸田戯曲賞を受賞したばかりの柴幸男の新作。青年団リンクから独立劇団ままごと」としての旗揚げ公演ともなる。いろんな意味で注目の舞台であることは間違いなし。作品はどうか?

約8時間via web

twitterお薦め芝居3月 快快「Y時のはなし」★★★★@VACANT 快快にも注目したい。『Y時のはなし』は学童保育舞台ファンタジー長編化。音楽蓮沼執太が担当。リハ風景http://bit.ly/aDPJC9 楽しそうだ。

約8時間via web

twitterお薦め芝居3月 ニブロール「あーなったら、こうならない。」★★★★@横浜レンガ倉庫 いまもっとも旬な振付家・演出家矢内原美邦の新作。ダンスを通して生きること、死ぬことを考えてみる作品ということだが、どんな作品になるのか。演劇ファンもダンスファンも必見。

約8時間via web

お薦め芝居3月 「Xのフーガ’10」@神戸アートビレッジセンター★★★★ 水と油小野寺修二がKAVCプロデュース製作する第2弾。第1弾「XとYのフーガ」はいいむろなおきとの競作で小野寺作品はその後、欧州ツアーに。元維新派の升田学ら個性派も迎え、今回はどんな作品?

5秒以内前 via web

お薦め芝居3月 マレビトの会「UBU ROI」@アートコンプレックス1928★★★★ 松田正隆が、既存戯曲の演出に取り組む<戯曲との出会い>シリーズの第2弾。フランスのシューレアリズム演劇の先駆者、アルフレッド=ジャリが23歳のときに書き上げた戯曲『ユビュ王』を上演。

8分前 via web

   お薦め芝居3月 チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」@横浜美術館★★★★ 東京ではこれが注目(と、横浜か)。岡田利規の注目の新作。どうやら、これまでの超現代口語演劇とは違う方向性に向かいつつあるようだが、果たしてどこに着地するのだろうか。

お薦め芝居3月 淡海現代ダンス計画 ビワコ・ダンスコレクション〔森裕子,北村成美,森川弘和,桑折現〕@しが県民芸術創造リハーサル室★★★★ ダムタイプ藤本隆行も参加。森、北村。森川らと共同作品を製作。遠いが行く価値は十分あり。

5秒以内前 via web

お薦め芝居3月 白井剛振付・構成・演出作品「静物画 - still life」@京都芸術センター★★★ 「演劇計画2009」による白井剛演出作品第2弾。今回は京都の若手出演者(高木貴久恵、竹内英明)がNoizm出身の青木尚哉と共演。白井自身も出演する。

4分前 via web

2010-02-22 宮沢章夫「チェーホフの戦争」読了

[]宮沢章夫チェーホフ戦争読了

チェーホフの戦争 (ちくま文庫)

チェーホフの戦争 (ちくま文庫)

 実は単行本で一度読んでいて今回は再読のはずなのだが、すっかり内容を失念していた。劇作家演出家宮沢章夫によるチェーホフの四大戯曲の読解だが実に面白い。特に面白かったのは表題である「チェーホフ戦争」という「三人姉妹」を戦争を糸口にして読解していく部分だが、第三幕の火事の場面から第四幕のトューゼンバフの決闘戦争メタファーとして読み取る解釈の巧みさである。実は一見はそういう風に見えない戦争劇としてチェーホフの例から思い出したのはチェルフィッチュの「三月の5日間」だったのだが、遠景としての現実戦争を描くために近景を戦争メタファーとして描き出すという手法に相似形を感じた。以前書いたチェルフィッチュ「三月の5日間」論ではこの場合、戦争セックスだった*1のだけれど。それにしても戦争=ナターシャというのは慧眼といえる。

2010-02-21 じゅんじゅんSCIENCEと劇団野の上

[]じゅんじゅんSCIENCE「怒りながら笑う」@d-倉庫

スタッフ

振付・演出・出演 : じゅんじゅん

人形制作/操作 : 長井望美(ねむり鳥)

音楽 : 竹本仁

ドラマトゥルク : shin-ya b. 

照明 : 磯野眞也(アイズ

音響 : 伊東尚司

舞台監督 : シロサキユウジ

宣伝美術 : 京 ( kyo.designworks )

制作 : じゅんじゅんSCIENCE

制作協力 : アンクリエイティブ

協力 : にしすがも創造

主催 : じゅんじゅんSCIENCE

共催 : 日暮里シアターアーツ/フェスティバル(d−倉庫

[]劇団野の上「ふすまとぐち」@こまばアゴラ劇場

 作・演出:山田百次 照明:高野実華(弘前大学劇研マップレス

 音響舞台美術山田百次と仲間 舞台監督山田百次

 協力:渡辺源四郎商店 企画制作劇団野の上、(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)

 芸術監督平田オリザ  http://gekidan-nonoue.art.officelive.com/default.aspx

 出演:

 藤本一喜 :キヨ(小山内家の姑)

 山田百次 :トモノリ(小山内家の長男)

 乗田夏子 :桜子(トモノリの嫁)

 鳴海まりか:幸子(出戻りの小姑)

 三上晴佳[渡辺源四郎商店]:小幸(幸子の娘・小6)

 青海竜大 :幸太郎(親戚の子・小1)

 赤刎千久子(フリー):千久子さん(早起きの会)

 木村元香 (フリー):沢目さん(早起きの会)

 弘前劇場を退団した山田百次らによる新劇団「野の上」の旗揚げ公演である。

2010-02-20 松田正隆×松本雄吉「イキシマ」と「踊りに行くぜ!!」SPECIAL IN ITA

[]松田正隆×松本雄吉「イキシマ」@精華小劇場

出演:芦谷康介、大熊隆太郎、岡嶋秀昭、金乃梨子、沙里、高澤理恵、速水佳苗、宮川国剛、宮部純子、山口惠子、山下残

テキスト松田正隆(マレビトの会) 演出:松本雄吉(維新派) 舞台監督:大田和司 照明:吉本有輝子 映像山田晋平 音楽佐藤武紀 音響大西博樹 舞台美術:武岡俊成 演出助手伊藤拓、若林康人 宣伝美術松本久木 宣伝写真:ホイキシュウ 広報:間屋口克 票券:小林みほ 制作:安部祥子、幸野智彦、小山佳織、山崎佳奈子 プロデューサー丸井重樹

[]「踊りに行くぜ!!」SPECIAL IN ITAMI@伊丹アイホール


タケヤアケミ『FEELER (触角)』 / Fromオーストリア

撮影:Helmut prochart

振付・出演:タケヤ アケミ

ライブ・サウンドデザイン:熊地勇太

目黒大路『この物体』 / From東京

撮影田中良子

振付・出演:目黒大路

映像:飯名尚人

MOSTRO『mostro(怪物)』 / From大阪

構成・振付:齋藤亮

出演:佐藤ゆか里 / 重里実穂 / 中西ちさと / 馬場陽子 / 福井菜月

長内裕美『concord』/ From東京

撮影:泉山朗士

振付・出演:長内裕美

2010-02-18 We dance2010についての論評と少年王者舘

[]少年王者舘「夢+夜 ゆめたすよる」@七ツ寺共同スタジオ

f:id:simokitazawa:20091202112129j:image

AS

夕沈 白鴎文子 中村榮美子 丹羽純子 黒宮万理 雪港 ひのみもく 大人袋☆之 水元汽色 小林夢二 宮璃アリ 水柊 池田遼 PECO まえださち

井村昂

小林七緒(流山児★事務所) 石橋和也(ハレのヒ) 落合孝裕 竹内大介

STFF

作・演出:天野天街

舞台美術水谷雄司

映像:浜嶋将裕 田中博之

照明:小木曽千倉

音響岩野直人

小道具:丹羽純子

音楽:珠水

振付:夕沈+夢+夜☆ダンス

チラシ原画アマノテンガイ

写真宣伝美術羽鳥直志

受付:藤田晶久

制作少年王者舘制作

協力:田岡一遠 山崎のりあき 小森祐美加 中村公彦 一色矢映子 岡田保 安野亨 うにたもみいち モッチィ&コージィ サカイユウゴ 金子達郎

がんば 村瀬満佐夫 ノボル プシュケ ヨーロッパ企画

杉浦胎兒 虎馬鯨 松宮陽子 山本亜手子 サカエミホ 日与津十子

蓮子正和 水谷ノブ 安達

http://www.oujakan.jp/

少年王者舘「夢+夜 ゆめたすよる」は昨年京都アートコンプレックス1928で見ているのだが、その時には上演時間は1時間弱で未完成版だったらしい。この劇団にはよくあることとはいえ、東京で上演された完成版は2時間近い上演時間だったらしい。今回その完成版を名古屋七ツ寺共同スタジオで上演されるというので観劇してきた。

 先日岸田戯曲賞を受賞した柴幸男がその受賞作「わが星」について、「わが星の半分は『夢+夜』だと思ってます。残り半分がクチロロで、残り半分がワイルダーですね」とソーントン・ワイルダーの「わが町」*1口ロロ「00:00:00」と同様にこの「夢+夜」に大きな影響を受けて「わが星」を構想したことを明かしているのだが、「わが星」の映像を何度か見た*2ところ、柴が天野天街に大きな影響を受けていることは確認できたものの京都公演を見た印象でいえばなぜ「夢+夜」なのかということは納得しかねるところがあり、ぜひ完成版で確認したいと思ったからだ。

少年王者舘舞台では通常の物語ナラティブ)の構造ではなく音楽におけるサンプリングリミックス美術におけるコラージュのように同一の構造が少しづつ変形されながら何度も繰り返されたり、まったく違う位相にある時空が突然つながるようによりあわせられたりしてひとつ構造物として構築されているが、そういう特徴はこの「わが星」という作品も共有しているといえるかもしれない。あるいはこれは天野天街のそれと比べるとほんのちょっぴりという程度ではあるのだけれど言葉遊びもこの作品では重要な要素を占めており、特に「校則」「光速」の掛け言葉は遠くで地球ちーちゃん)を見つめ続ける少年との最後の出会いにとってかなり決定的に重要意味を持つものであった。

 以前このように「わが星」に対する少年王者舘天野天街)からの影響を書いたのだが、今回実際に「夢+夜 完成版」を見て思ったのはわが星ではないものの「わたしの星」という言葉が作品中に出てくるし、万華鏡を覗き込む場面は「わが星」のなかでちーちゃん誕生日プレゼントを覗き込む場面を連想させるし、予想以上にそのまま引用している部分が多いのに気が付き驚いた。

 「『わが星』が、セカイ系フィクション構造踏襲している」ことについてはブログ白鳥眼鏡」で柳澤望が指摘していて、それはなかなか慧眼であるとは思うのだが、そういう風に考えるならば「夢+夜」だけでなく、天野天街作品は以前から「セカイ系」なのではないか、そして「わが星」はその構造を映し、同型だからこそ「セカイ系」的な構造を持つのではないかと考えたからだ。実は天野天街作品は単一な形態還元できないような複雑な構造をもっているため、これまではその「セカイ系」的な構造に気がつかないでいたのだが、柴幸男の「わが星」はその複雑な構造を整理しある意味枝葉の部分を刈り取り、その本質的な部分のみを取り出すような単純化をしたせいで、隠されていた天野ワールド構造がその眼鏡を通して見ると露わになったからだ。

 

少年王者舘「自由ノ人形」の感想の続きを書く。天野天街の芝居はほとんどの場合、死者の目から過去を回想し、死んでしまったことでこの世では実現しなかった未来幻視するという構造となっている。この「自由ノ人形」も例外ではなく、過去の私/現在の私/未来の私の三位一体としての私が登場して、失われた過去、そして未来がある種の郷愁ノスタルジー)に彩られた筆致で描かれていく。この芝居ではひとつの街自体が姿を消してしまった情景が幻視され、失われた夏休みのことが語られるのだが、劇中に登場する言葉の断片から予想するにそれはおそらく原爆投下によって一瞬にして失われた命への鎮魂ではないかと思われるふしが強く感じられる。もっとも、天野はこの芝居でこの芝居の隠された中心点であると考えられる「死の原因」についてはほとんど迂回に次ぐ迂回を続けてそれをはっきりと正面からは明示しない手法を取っていく。この芝居では言葉の氾濫とも思われるほどの言葉が提示しながらも「中心点」にあえて直接は触れないことで、その不在の中心に陰画として、「原爆による死」が浮かび上がってくるような手法を取っているのである。

 実はこの描かないで描くという手法(省筆といったらいいのか)は90年代演劇ひとつの特色ともいえ、松田正隆平田オリザといった90年代日本現代演劇を代表する作家が使ってきた手法でもある。それは現代人のリアル感覚にも関係があることだと思われるが、本当のものをただ直接見せるのがリアルなのかに対いての拭いきれない懐疑がその根底にはあるからである。1例を挙げよう。これはテレビというメディアにも関係してくることなのだが、ニンテンドーウォーとも一部で言われた湾岸戦争テレビ映像あれは日本に住む我々にとってリアルだっただろうか。阪神大震災映像オウムによるサリン事件の映像はどうだっただろうか。現実でさえ、テレビブラウン管を通して見るとそこにはなにかリアルとはいえないものが張り付いてくるのだ。ましてや直接描かれるのがはばかられるような大問題をそのまま舞台に挙げて、それをそのまま演じるのは例えそれがリアルなものであっても、あるいはリアルなものであるからこそ現代人にとってはそこに張り付いた嘘臭さを見ないですませることは不可能なのである。

 もちろん、この種の表現というのは現代人の専売特許というわけではなく、古代人にとって人間の力を超えた「神」というものがそれでそれは寓話か隠喩の形を取ってしか語られ得ぬものであった。あるいは「死」というものもそういう側面を持っている。それは不在という形でしか語られ得ぬものである。その意味では天野の作品がこういう手法を取るのは「原爆による死」というものじゃなくても、それが「死」を中核に抱える演劇だからということがいえるかもしれない。 

 以上はこの「大阪日記」の2000年9月にある「日記雑記帳」にある少年王者舘「自由ノ人形」の感想の再録であるがここで注目してほしいのは「天野天街の芝居はほとんどの場合、死者の目から過去を回想し、死んでしまったことでこの世では実現しなかった未来幻視するという構造となっている」という部分で、ここでは死者の視点からの実現しなかった未来幻視となっているが、実はこの未来というのは「過去」「現在」「未来」が混然一体となった無時間的なアマルガム(混合物)ともみなすことができる。つまり、村上春樹の「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」に擬えるならばここで天野が描き出すのは「世界の終り」であり、そこには時間がないゆえにそこでの時間は伸縮自在でもあって、ループのように繰り返されながららせん状にずれていく平行世界のような存在でもある。

 そして、「幻視」される世界のなかで不可視なのはその中心にある「死」であり、天野ワールドではそれは明示させることはほとんどないが、まるで空気のように「死」に対する隠喩がその作品世界全体を覆いつくしている。  

[]We danceについての論評

 横浜開港記念会館で16、17日の両日に開催された「We dance2010」について舞踊評論家木村覚氏が激しい批判を自らのブログでしていて、その論旨に対して企画に参加していた大澤寅雄氏がやんわりと疑問を呈した文章をこちらも自分ブログに掲載している。

木村覚氏のブログ1 http://blog.goo.ne.jp/kmr-sato/e/48abbbbc940dd3e40e895841db7b65d5

http://blog.goo.ne.jp/kmr-sato/e/03eb97021ff79ab8a893077563326e61

大澤寅雄のブログ http://toraodoc.blogspot.com/

 木村覚氏は昨年著書として「フィジカルアートセオリー入門」を出版したばかりの気鋭の若手批評家であり、大澤寅雄氏はユニークな活動をしていることで知られるダンサー・振付家、手塚夏子の夫君であるとともにNPO法人STスポットの元事務局長でもある。この2人のやりとりが今後も続くのかどうかも興味深いことであるのだが、今回特にこれらのことについて筆をとることにしたのはブログのなかで「We dance2010」の批判をするに際して、木村氏がきたまり批判をしていて、この中に私の立場から見ると事実誤認か、事実を知ったうえでそのように書いているのなら難癖としか思えず、以前から彼女の作品を評価してきた身としては看過しておくには忍びない部分があったからだ。

 具体的内容に触れないとかえって混乱しかねないと思うので、以下に当該部分を引用することにする。

なんでもっと社会コミットしないのだろう。しようとしているがセンスがなくてこの状態、ということか(補足すると、会議を開いて、みんなでひとから送られていた悩みをなるべく具体的に解決するという企画を実行した岸井大輔は、まさに社会的だった)。きたまりの「みんなで体操」は、ぼくは切なかった。これが横浜ダンスコレクションRで賞を取ったコレオグラファーの「体操」なのか???すくなくとも そうした「体操」への批評性(反省を向ける眼差し)がなければ、「コンテンポラリーダンス」なんて名のる必要はない、ただのお遊戯だ。ひとや社会を考えた成果があって、その効能を授けるべく、一緒に踊りましょうだったらわかる。ただ、朝公園太極拳するみたいなことしてどうなるというのか?(それだったら既存の体操で充分ではないか)

と、不満を言うのもバカみたいだ。ただ一層ダンス界隈のみなさんに嫌われるだけだろう。

なんだか、柏islandでの「New World」展や高円寺無人島プロダクションでの「移動」展など見た目でダンス現場に行くと、自分の思いとダンス界隈の思いのズレの大きさを感じてしまう。ここにあるはずでいまのところないものばかりを夢想してしまう。見方をかえれば、We danceに行かなきゃいいじゃないということなのかもしれない。自分の好きな作家のところに行ってそこで楽しめばいいじゃない、と言われるのかもしれない(誰から?なんとなくそういう声が聞こえる気がしている)。現状まさにそうなっているとも思う。いまダンス批評(家)を名のるひとたちは、ほとんどたこつぼ的な観賞の仕方をとっていて自分の好きなものしか見なくなっているし、あえて自分が疑問に思うものに「疑問に思う」と公言したりしない。

 きたまり批判と書いたのは「きたまりの「みんなで体操」は、ぼくは切なかった。これが横浜ダンスコレクションRで賞を取ったコレオグラファーの「体操」なのか???どこにもオリジナリティを感じることが出来ない」以下の部分だが、これはあまりにもきたまりに対してアンフェアな批判ではないだろうか? というのは木村氏は「みんなの体操」できたまりを批判しているが、どうやら、きたまり自身には興味がないように見えて、その証拠に同じ日の4時からあったきたまり自身の公演(作品)は見てもいないようだ。きたまりを批判したいなら、別にそれはそれで構わないが、それならその作品を見て批判すべきじゃないのかと思う。というのは「みんなの体操」は珍しいキノコ舞踊団伊藤千枝の企画で、振付もすべて伊藤のもの。きたまりは伊藤が参加できない2日目にダンサーとして参加してその振付を踊っただけだからだ。

 そうだとすると批判は本来、珍しいキノコ舞踊団ないし伊藤千枝に向けられるものであって、その文脈から言えばここで「どこにもオリジナリティを感じることが出来ない。いや、ぼくはべつにオリジナリティなんてなくていいと思っている、オリジナルよりもコピーの方が重要かもしれない。自分のつけた振りがどんな社会的刷り込みから出てきたものかなど反省してみただろうか?からだをほぐすのが体操ならば、ひとのどこがこっていてひとのからだのどこが柔軟になるよう努めるべきかそのコンセプトがなければならないだろう。すくなくとも そうした「体操」への批評性(反省を向ける眼差し)がなければ、「コンテンポラリーダンス」なんて名のる必要はない、ただのお遊戯だ。ひとや社会を考えた成果があって、その効能を授けるべく、一緒に踊りましょうだったらわかる。ただ、朝公園太極拳するみたいなことしてどうなるというのか?(それだったら既存の体操で充分ではないか)」と批判すべき対象は伊藤千枝でなければいけないわけだ。

 きたまりに対する論難は単なる「事実誤認」だと考えたいところだが、そうだとしても「どこにもオリジナリティを感じることが出来ない」「ただのお遊戯だ」と書いた事実自体は本当にそう思っているのだろうから、木村氏はその批判の矛先を正々堂々と伊藤千枝に直接向けてほしい。

 さらに言えば別の日の文章では「ぼくは、決してきたまりというひと個人を批判したいのではない」とも書いているのだが、そうだとすればなぜきたまりをわざわざ引き合いに出したのか? 

 批判する対象は(これは下司の勘ぐりと取られても仕方ないけれど)きたまりならば東京での知名度も高くないし、こういうことを書いても反発を買いにくいからと少しでも考えて、安易に書いたというようなことが少しでもあるなら、彼女を無名時代から評価してきたものとして許しがたいと思う。そういうことはないと信じたいけれど。

 木村氏のブログでは実はこの後  

自分の体(自分の従う流派、スタイル)に向き合っているただそれだけでは、あなたのしていることは個人的趣味です。

踊っていることに快楽を感じている間は、恐らく、その行為はアートとはまったく何の関係もないです。

他人の身体に、振る舞いに興味をもって、それを自分の身体に反映させようとしてはじめて、何かが始まるのではないでしょうか。

反映、反省批評性、こうしたことが存在しないものはアートではないし、同人的、動物的でしかない。はやくそこから脱するべきです。

 などと彼が考える「きたまり的なもの」を批判するわけだが、これも(きたまりもその中に入るかもしれないけれど)、例えば「珍しいキノコ舞踊団」などを対象にしたものと考えた方がいいのだろう。あるいはここにはひょっとすると黒田育世白井剛鈴木ユキオらも入るのかもしれない。だとすれば、ここにきたまりを持ってくるような中途半端なことはしないで、木村氏にはちゃんと本来批判すべき対象を持ってきてちゃんと論陣を張ってほしい。最近やっと薄々分ってきたのは例えば「フィジカルアートセオリー入門」で木村氏が提唱しているような「プロセス」「タスク「ゲーム」というような方法論に基づく作品を評価すること自体は問題ないし、むしろ啓発的だし刺激的な考え方だと思う。

 けれども、ことダンスに関する限りはそういうものだけがダンスであるとし、そこから外れたものは「踊っていることに快楽を感じている間は、恐らく、その行為はアートとはまったく何の関係もないです」と切り捨てるような姿勢はどうなのだろうか。それこそが仮想敵として闘わなくてはいけない考え方だということが次第にはっきりしてきた。つまり、ダンスアートである必要があるのだろうかということだ。少なくともダンスの方がアートより起源が古いし、アートであるとかないとか関係なくダンスとしての価値のあるダンスは昔からあったし、今もあるのではないだろうか。このことについてはもう少し継続的に考え続けていかなければならないことだと思う。

 

2010-02-16 東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」@新潮社

[]東浩紀クォンタム・ファミリーズ」@新潮社

クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ

 批評家である東浩紀が書いた小説だというので気になって読んだのだが、これは哲学的思弁小説とはそういうものではなくて、普通によくできたハードSF小説じゃないかと思った。知り合いはこの作品は評判がいいようなので文学賞の候補になるんじゃないかと言うのだけれども、これだけSFらしいSFだとそれは無理じゃないかと思うのだが、どうだろう。逆に言えばジャンルの賞、つまり日本SF大賞の候補にはなるかもしれない。というより当然有力な候補になってもおかしくない。SFとしては平行宇宙という主題自体はフィリップ・K・ディックなどを持ち出すまでもなく、以前からあるものでそれほど目新しいわけではないけれど、量子計算機科学検索性同一性障害などという個々のアイデアのディティールは魅力的で啓発されるところが多かった。

2010-02-14 We dance(2日目)@横浜開港記念会館

[]We dance(2日目)@横浜開港記念会館

2/13-14 [Sat-Sun]

白井剛キュレーション1on1写真撮影」の部屋

伊藤千枝  みんなで体操

手塚夏子 「ワークショップ 試行と交換」の記録

きたまり 「ダンス言葉にする道」 出演/大庭裕介(地点)、遠田誠(まことクラブ

川崎 歩  朦朧ヒーローズ (公募企画)

岸井大輔 「会/議/体   we dance ver.」(フリースペース企画)

みんなのWe dance  映像企画(フリースペース企画)

2/14 [Sun]

ピアノで踊る」  山田うん

演奏黒田京子  鈴木ユキオ 山田せつ子

KENTARO!! 「Special Collaboration!! 」

We Dance参加者宇波拓 「ABJECTION 2010」

捩子ぴじん 「4 damages」(公募企画)

タカカンパニーオペラ FIGHT THE POWER THAT BE」(公募企画)

カフェトーク 「1917年ダンス言葉

クロージングフォーラム  

2010-02-13 We dance(1日目)@横浜開港記念会館

[]We dance(1日目)@横浜開港記念会館

 昨年*1は3月上演される「踊りに行くぜ!!」SPACIAL IN TOKYOでの上演作品にも選ばれた山下残×山賀ざくろの「横浜滞在2002」横浜ソロ×デュオでグランプリにあたる未来にはばたく横浜賞を受賞したきたまり「女生徒を生みだしたこの企画。今年はどんな隠し玉が登場するだろうか?

2/13-14 [Sat-Sun]

白井剛キュレーション1on1写真撮影」の部屋

伊藤千枝  みんなで体操

手塚夏子 「ワークショップ 試行と交換」の記録

きたまり 「ダンス言葉にする道」

川崎 歩  朦朧ヒーローズ (公募企画)

岸井大輔 「会/議/体   we dance ver.」(フリースペース企画)

みんなのWe dance  映像企画(フリースペース企画)

2/13 [Sat]

クリストフ・シャルル 「1917企画」

高嶋晋一 「売買される言葉

新鋪美佳 「ドレみ空」

井手 実 「wonder/wander」(公募企画)

石田陽介 「プレイス(group work in progress)」(公募企画)

まくらとジョーロポーズ 」(公募企画)

カフェトーク 「子連れダンサー井戸端会議」(フリースペース企画)

2/14 [Sun]

ピアノで踊る  山田うん

演奏黒田京子  鈴木ユキオ 山田せつ子

KENTARO!! 「Special Collaboration!! 」

We Dance参加者宇波拓 「ABJECTION 2010」

捩子ぴじん 「4 damages」(公募企画)

タカカンパニーオペラ FIGHT THE POWER THAT BE」(公募企画)

カフェトーク 「1917年ダンス言葉

クロージングフォーラム  

2010-02-10 綾辻行人「Another アナザー」読了

[]綾辻行人「Another アナザー読了

Another

Another

2010-02-07 青年団リンク 二騎の会「F」@こまばアゴラ劇場

[]青年団リンク 二騎の会「F」@こまばアゴラ劇場

青年団リンク青年団リンク・二騎の会『F』

作:宮森さつき 演出:木崎友紀子 出演:端田新菜 多田淳之介

2010年1月29日(金)〜2月7日(日) こまばアゴラ劇場

 青年団においていわば劇団劇団として、青年団に所属する演出家劇作家が公演を行うのが青年団リンク

2010-02-06 弘前劇場とむっちりみえっぱり

[]弘前劇場三日月書店」@下北沢ザ・スズナリ

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物語

とある地方。約5000冊の古書が置かれている「三日月書店」。三日月書店開店したのは、昭和58年。まだ、バブル経済というもののカケラさえなく、インターネットという書物を脅かすものが、アメリカ軍事産業と学術関係にしか存在していなかった時代であった。人々は、出始めた「ワードプロセッサー」を購入しかけ、和文タイプライターを捨てつつあった。この物語は、未だに和文タイプライターを使用し続ける一人の男と、その家族、そして、店を訪れる人たちの物語である。彼らの交わす会話に耳を澄ますと、「いなくなってしまう」人々の姿が立ち現れてくる……。彼らは、なぜ、向こう側に行きたがるのか。なぜ、こちら側に居続けられないのか……。


CAST 福士賢治、永井浩仁、長谷川等、林久志、高橋淳、柴山大樹、田邊克彦、小笠原真理子、濱野有希 平塚麻似子、 国柄絵里子

作・演出 長谷川孝治

舞台監督 野村眞仁

照明 中村昭一郎

音響 伊藤和人

舞台美術 鈴木徳人

宣伝美術 デザイン工房エスパス

制作 弘前劇場

協力 原島正治(囃組)

平成21年文化芸術振興費補助金芸術創造活動特別推進事業)

[]むっちりみえっぱり別枠公演「ムートンにのって」@五反田アトリエヘリコプター

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作演出 樋口徳子 江川瑠衣 山本由佳 吉田麻生

出演 江川瑠衣 [むっちりみえっぱり]

黒田大輔 [THE、SHAMPOO、HAT]

齊藤庸介 [東京ELECTROCK STAIRS ]

佐藤沙恵 [むっちりみえっぱり]

樋口徳子 [むっちりみえっぱり]

兵藤公美 [青年団]

前田司郎 [五反田団]

山本由佳 [むっちりみえっぱり]

吉田麻生 [むっちりみえっぱり]

企画・原案 樋口恕y子 [むっちりみえっぱり]

スタッフ 猪川哲一郎 小早川晋 本郷華里

illustration 古谷充

design 海老沢えみ

協力 五反田団 THE SHAMPOO HAT 青年団

ダックスープ FMG 騒動舎 [順不同、敬称略]

はてしない物語

 出演:齊藤庸介 山本由佳

会議

 出演:齊藤庸介 江川瑠衣 黒田大輔 兵藤公美 吉田麻生

Dear アゴスティーニ

 出演:兵藤公美 前田司郎

千手観音

 出演:山本由佳 兵藤公美 吉田麻生 前田司郎

劇団シーフード第67回公演『オーマイビルディングー!』」

 出演:前田司郎 黒田大輔 江川瑠衣 樋口徳子 山本由佳 吉田麻生 兵藤公美

トップランナー

 出演:前田司郎 佐藤沙恵 齊藤庸介 黒田大輔 江川瑠衣 山本由佳

若者たち」

 出演:江川瑠衣 黒田大輔 齊藤庸介 樋口徳子 兵藤公美 前田司郎 山本由佳 吉田麻生

 むっちりみえっぱりは元々、MODEの松本修ワークショップに参加していた女優たちが設立した劇団2006年にその年の演劇ベストアクトにも選んだ「明日からは粉がある」「表へどうぞ」の2作品をやはり今回も会場となった五反田アトリエヘリコプターで上演して以来、4年ぶりとなるから本当にひさびさの公演である。今回はいつもと異なり別枠公演と銘打っているのはこれまでの本公演はほとんどがメンバー全員による共同制作の形をとっていたのが、今回は企画・原案:樋口徳子となっているからであろう。

 もう、ひとつの特徴は短編をつなげたオムニバス形式のようなスタイルをとっていることだが、むっちりみえっぱりの場合はこれまでの作品も1本ものの形態をかろうじてとっているのものの、最初から統一された台本のようなものが存在するわけではなくて、ある場面を一定の設定でとりあえずスタートさせて、稽古場で創作したエチュードでつないでいきついに続かなくなり力尽きたらその場面は終わり、その次の場面に変わるというようなゆるい構成だったこともあり、今回もそういう作劇法はおそらく変わらずきわめてむっちりみえっぱりらしい舞台に仕上がったかもしれない。

2010-02-01 2月のお薦め芝居twitter

[] 2月のお薦め芝居twitter 

twitter(@simokitazawa)で2月のお薦め芝居つぶやいてみました。

えんげきのページ、ブログ大阪日記」で掲載していたお薦め芝居、twitterで復活です。 昨日の昼アップしましたが、時間がなく拙速なところがあり、書き直してもう一度つぶやいてみましょう。

 

 松田正隆×松本雄吉「イキシマ」@精華小劇場★★★★ 関西というより日本を代表する鬼才の激突。維新派とは全然違うスタイル舞台になるらしい。前代未聞の失敗作になるかもしれぬスリリングな組み合わせは必見でしょう(笑)

2:38 AM Jan 30th from web

 むっちりみえっぱり別枠公演「ムートンにのって」@アトリエヘリコプター★★★★ むっちりみえっぱりは誰にでも薦められる劇団ではないが、私は愛してやまない。禿づらをつけ演じた蜷川幸雄の評伝劇には度肝を抜かれ大笑いした。今回は何が飛び出す。演劇界のびっくり箱に期待。

2:36 AM Jan 30th from web

じゅんじゅんSCIENCE「怒りながら笑う」★★★ 活動休止中の「水と油」。高橋淳のユニットの新作。操り人形じゅんじゅんによる奇妙でキュートコラボレーションマイムパペットの融合といえばフィリップ・ジャンティだが、こちらはどんな不思議を見せてくれる?

3:17 AM Jan 30th from web

 横浜ソロ×デュオ<Compétition>+ ★★★★ コンテンポラリーダンスのコンペティション。このところご無沙汰だったが今年は役者が揃い注目。4日間の長丁場だが、特に南弓子、きたまり、三東瑠璃レニ・バッソ)が顔をそろえる2日目は注目。私は仕事で行けないが。

3:10 AM Jan 30th from web

  チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」横浜STスポット★★★★ 東京ではこれが注目(と、横浜か)。岡田利規の注目の新作。どうやら、これまでの超現代口語演劇とは違う方向性に向かいつつあるようだが、果たしてどこに着地するのだろうか。

2:55 AM Jan 30th from web

  アンサンブル・ゾネ「Fleeting Light」@KAVC東京公演もあり)★★★★ 地味と思われ損しているが、実力は折り紙付き。内橋和久(維新派)がライブ演奏中村恩恵が客演。元contact Gonzoの垣尾優との組み合わせは究極の異種格闘技かも(笑)

2:42 AM Jan 30th from web

 劇団野の上「ふすまとぐち」@こまばアゴラ劇場★★★ 弘前劇場を退団した山田百次が作演出を担当する劇団旗揚げ公演。長谷川孝治弘前劇場)とも畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)とも異なるスタイル津軽弁演劇弘前劇場出身の第3の作家の登場は要注目だ。

2:40 AM Jan 30th

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