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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-02-27 演劇集団キャラメルボックス「夏への扉」@サンケイホールブリーゼ

[]演劇集団キャラメルボックス夏への扉」@サンケイホールブリーゼ

f:id:simokitazawa:20101222125119j:image

原作 ロバート・A・ハインライン

脚本・演出 成井豊+真柴あずき

出演 畑中智行 西川浩幸 坂口理恵 岡田さつき ほか

2/22〜27◎サンケイホールブリーゼ、3/5〜27◎ル テアトル銀座 by PARCO

 ロバート・A・ハインラインのSF作品を演劇集団キャラメルボックス舞台化。一時期よく見に行っていた劇団でいつの間にか行かなくなってしまった劇団というのはいくつかあって、キャラメルボックスもそういう劇団ひとつだった。最後に劇場で見たのはいつのことだっただろうか。とにかく、こちらも昔好きだったSF小説の名作「夏への扉」を舞台化するというので、出かけてきた。

 実は最初に見たこの集団の舞台ハーフタイムシアターの2本立て「銀河旋律」と「広くてすてきな宇宙じゃないか」だった。それは今からもう十数年というか20年弱前のことだから大昔のことといってもいいのだが、その時の第一印象がこの人(作・演出の成井豊)はSFが好きなんだろうなということであった。

 なかでもその時に作風から想起した作品がタイムマシンタイムトラベルものの古典であるロバート・シルヴァーバーグ「時間線を遡って」と今回舞台化されたロバート・A・ハインライン「夏への扉」だった。実は最近、「時計じかけのオレンジ」のミュージカル版を見て、面白くはあったけれど、「なぜ今この作品をやる意味があったんだろうか」と考えてしまった。この「夏への扉」もやはり原作のSF小説自体はこの21世紀に読むとなんとも牧歌的というかいかにも古色蒼然というのは否定できないのだけれど、(現実のものとしては実現してないけれど、コールドスリープタイムマシンという趣向が)もはや古くて懐かしいレトロなものであって、それがこの集団の表現形態と合致しているのではないかと思った。

 「夏への扉」といえば主人公の飼い猫ピート(護民官ペトロニウス)の存在が魅力的で、映画ならともかく演劇でこれをどういう風に処理するのだろうと思っていたのだが、まあそうだろうとは思っていたのだけれど、やはりここでは人間、しかもどちらかというと大柄な男優がこれを演じていた(笑い)。こういうのは80年代小劇場の得意技でそういえば「不思議なクリスマスのつくりかた」では西川浩幸がスヌーピーを演じていたなと思いだしたりしたが、まあそれは別の話だ。

 「夏への扉」は演劇集団キャラメルボックスの持つスタイルとのシンクロ率が高かった。ということはこの小説舞台化としてはきわめて上出来だったということである。

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 

2011-02-26 「踊りに行くぜ!!II(セカンド)」in福岡@イムズホール

[] 「踊りに行くぜ!!II(セカンド)」in福岡@イムズホール

「終わりの予兆」 

作・演出・構成:上本竜平/AAPA

カレイなる家族の食卓」 

作・構成・演出:村山華子

SOSに関する小作品:パート1(仮)」 

構成・演出・振付:タケヤアケミ

地元作品:

福岡地元コミュニティダンス作品

「踊りに行くぜ!!II(セカンド)」in松山レビューを加筆 http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20110114 @JCDNtweet

 地元作品のコミュニティダンスは5時からのスタートだったため見ることができず、企画募集作品2本とレジデンス制作のタケヤアケミ作品の3本を見た。

 カレイなる家族の食卓」松山に続き2度目の観劇。コンテンポラリーダンス作品として、この作品の方向性についてはやはり若干の疑問はあるのだけれど、松山での上演と比べると格段に完成度が上がっている。娯楽性が高くて、見ていて単純に楽しいし、この日見に来ていた子供たちも楽しく見ていた。この「カレイなる家族の食卓」は作・構成・演出:村山華子が近藤良平(コンドルズ)の作品に美術として参加したことがあるためか、映像、美術、影絵などを組み合わせた表現は分かりやすく、楽しい。こういう誰でも楽しく見られる作品は日本コンテンポラリーダンスでは珍しいので貴重である。

 おそらくこの舞台コンテンポラリーダンス系のコンペティションで賞を受賞するということはほぼありえないが内容的には例えば最近近藤良平や伊藤千枝が挑戦しているような親子で一緒に見る「おやこ劇場」向きの作品として見ればものすごくよくできた作品に仕上がっている。「踊りに行くぜ!!」のようなコンテンポラリーダンスの普及も目的としている公演のラインナップのなかに1本こういう作品が入っていると垣根を低くするという意味では今回の福岡公演についていえば非常に重要なことであった。 

 ただ福岡公演ではこの「踊りに行くぜ!!II(セカンド)」の企画としての難しさが露呈したのではないかと思う。というのは残りの2本について可能性は感じても完成度において大きな問題があり、おそらくこの「カレイなる家族の食卓」がなかったら興行としては成立しがたかったのではないかと思ったからだ。

 作・演出・構成:上本竜平/AAPAの「終わりの予兆」は最近よくある「演劇なんだか、ダンスなんだかよくわからない」系の舞台。この舞台には元山海塾のダンサーで以前チェルフィッチュにも出演していたトチアキタイヨウが出演していて、作風も舞台上の男がなにか台詞のようなモノローグを饒舌にしゃべり続けており、それに映像と日常的な身体所作を思わせるダンスが組み合わせられるというちょっとチェルフィッチュを思わせるようなところがあり、始まってしばらくは期待して見ていた。ところが、しばらく見ているうちにその期待は急速にしぼんでいった。

 言葉と身体の関係性についての作者の思考がどうもあいまいで、十分に考え抜かれていないのではないかということが舞台の進行に従って露呈していったからだ。作品がスタートしてしばらくはこの作品において語られる言語テキストとパフォーマーそれぞれの身体所作がどのような関係にあるのかを考え続けた。というのはこの舞台で語られる言葉はどう考えても演劇のように意味を持つ言葉であってその意味の世界における構造化が作品の構造を決めているはずだと考えたからだ。

 ところがしばらく見ているうちに語られている言葉の意味は「犬がどうした」とかかなり脈絡のないものでしかも例えばチェルフィッチュのセリフがそうであるように人物や出来事について語られるわけではないので、どうもパフォーマーの動きとの関係は薄く、そこになんらかの関係性を読み取ろうとしばらく格闘したもののそれは無理でひょっとしたらコラージュ的に並置しているだけで、複雑に構造化されたような関係はないのではないかと思われてきた。

 これは正直言って見る主体を消耗させるもので、次第に集中力を失っていかざるをえなかったのだ。作り手は別にセリフは音楽のようなものなので意味はなくてもというのかもしれないが、それは無理だ。というのはこの場合、関係性をどうしても求めるのは観客がセリフを聞き取る時には言葉は持続的な時間においてそこに集中することを要求する(断片をつなげば読み取れる動きと言葉は異なる)からだ。

 実際後半はなんとかふたたび作品に集中しようという努力をしながら動きだけに集中しようと試み、それで少しだけ動きの面白さを感じたのだけれど、正直言って言葉が動きへの集中を阻害して注意を散漫にさせるような構造にこの作品はなっていたのだ。実は実際に会場を観察してみると私の左後ろの年輩の観客などは完全に退屈してしまって私語をして隣の人にたしなめられていたし、やはり左にいた女の子もすっかり退屈してしまっているのがありありと分かった。延々と話されているモノローグがなぜ重要なのかというのはやはり最後まで分からなくて、この作品はやはりもっと徹底的に言葉と動きの関係性について考え続けることが必要だと思った。

 一方、タケヤアケミSOSに関する小作品:パート1(仮)」の方は言葉(意味)と動きの関係性についての思考の跡は感じられるが、そのコンセプトの面白さが作品内で十全に生かされるには時間が足りず練りこみが不足していたようだ。この作品は3部構成になって1部では31の言葉「つつみこむ」「曲がる」……が31の「身体言語」ならびにそれを象徴するような「記号」へと変換される。ここのところはそれなりに面白く、これが先の展開にどのように生かされるのだろうと期待が高まるのだが、問題は2部、3部と1部で提示された「身体言語」=「言葉」との(メタ)関係性が判然としないまま作品が終了してしまった。

 実は3部は単独のパフォーマンスとしては面白いという表現があたるかどうかは別にして、テープを貼られてぐるぐる巻きにされる女性はなにか現代社会における閉塞感や生きにくさを象徴しているようなところがあり、興味深くはあった。だが、こちらも1部との関係はどうなのかということを考えざるをえないため、十分には享受できず狐につままれたような思いを抱きながらパフォーマンスは終了してしまったのだ。

 実は個人的には可能性としては「終わりの予兆」「SOSに関する小作品:パート1(仮)」はすでに完成の域にあると感じられる「カレイなる家族の食卓」と違い、ここからなにかとんでもなく新しいものが出てくるかもしれないとの予感は感じた。その意味でこの福岡公演で上演された3本がまた再演される伊丹公演ではどのような作品に変化しているかは大いに楽しみだ。

 ただ、それはあくまで可能性にすぎず、福岡公演に実際に見に来た観客にとって「そんなことはあずかりしらぬこと」と言われても仕方がないことも確かだ。この日の公演での実際の観客の反応を見る限りは「カレイなる家族の食卓」があったため、面白かったとある程度満足して帰った観客の多くがもし残りの2本のようなものが3本とも並ぶラインナップだったらもう2度とコンテンポラリーダンスの公演に足を運ばない可能性が特に地方の場合はありえぬことではなく、最終的にいい作品になればいいというのではなく、このリスクをどう回避していくかという戦略も今後この企画を継続していくためには必要だろうと考えた。   

 

  

2011-02-23 期間限定Saccharin「その鉄塔に女たちはいるという」@ドーンセンタ

[]期間限定Saccharin「その鉄塔に女たちはいるという」@ドーンセンター

「その鉄塔に女たちはいるという」

原作 土田英生MONO) 「その鉄塔に男たちはいるという」

演出 土橋淳志(A級MissingLink

出演 棚瀬美幸(南船北馬)、樋口ミユ(劇団Ugly duckling)、芳崎洋子(糾〜あざない〜)、竜崎だいちミジンコターボ)、遠坂百合子(リリーエアライン)


「そのどこかに男たちはいたという」

作 棚瀬美幸(南船北馬)、樋口ミユ(劇団Ugly duckling)、芳崎洋子(糾〜あざない〜)、竜崎だいちミジンコターボ)、遠坂百合子(リリーエアライン)

演出 安武剛(トイガーデン)

出演 大塚宣幸(大阪バンガー帝国)、坂口修一、西田政彦(遊気舎)、ファック ジャパン劇団衛星)、森田真和(尼崎ロマンポルノ

 土田英生MONO)のOMS戯曲賞受賞作品である「その鉄塔に男たちはいるという」を女性だけのキャストで、土橋淳志(A級MissingLink)が演出し「女版」として再構成した。このキャストというのが全員、関西を代表するような劇作家でもあって、彼女たちが「その鉄塔に男たちはいるという」に対するオマージュとして書き下ろし短編5本をこちらは坂口修一、西田政彦(遊気舎)、ファック ジャパン劇団衛星)ら関西を代表する男優5人が出演し、若手で今関西でもっとも注目株の演出家・安武剛(トイガーデン)が演出。この2本が1組になったような2本立て公演として企画された。

 MOMOによるオリジナル上演も見たことがあるが、今回の「その鉄塔に女たちはいるという」はキャストが女性に変わったことで台詞として不自然になった部分の修正など原作の脚色は小幅にとどめて、ほぼ原作に忠実にギミックはなく、新規な解釈もはさまずに上演された。

 それゆえ、戦場に慰問に来たお笑いグループメンバーが近く起こるらしい大きな戦闘を前にして逃亡して、鉄塔に立て籠もる。そこに招かれざる客として1人の逃亡兵現れてという基本的に設定は同じ。だから、この登場人物が女性に代わるとかなり「リアリティー」という面では後退してしまうというのは否めない。

 ただ、今回は最初からこの5人で、というのがおそらく決まっていたのであろうキャスティングをうまくそれぞれの役柄に落とし込んで、皆それぞれの女優としての個性をうまく発揮できるようなキャラを演じさせて、それぞれの役者としての魅力を引き出していたのはよかった。特にのんびり・天然系に見えながら実は意外と反骨精神の強い女性を好演した遠坂百合子は演技には質感は当時とはまるで違うが、かつて惑星ピスタチオの看板女優だったことを思い出させるだけのものがあった。普段は作・演出だけで舞台に出演することが最近はあまりない棚瀬美幸も今回は出色の演技だった。これは引き出した土橋淳志の演出の手腕であろう。

オリジナルのMONOの上演では脚本メンバーにほぼあて書きで書かれていて、そのため戯曲上設定されているそれぞれの役柄と実際の劇団活動におけるそれぞれの立場が二重写しになるような仕掛けがあり*1、一種の集団論として読み解くことができた。

 さらに1998年6月に改正された国際平和協力法(改正PKO協力法)に基づく自衛隊の海外派遣問題に絡んで、当時の日本アメリカ韓国北朝鮮などの国際情勢を風刺するようなところもあった。つまり、そういう複数のレイヤーが重なり合うような場としてこの舞台MONOによる初演は上演されていたのだ。

今回の上演ではそういった重層性は薄く、キャストされた5人の個性にもMONOメンバーがそうだったようないるだけでその存在が愚かしくもおかしいというところがないので、それぞれの出演者の熱演とのあいまって、シリアスな「反戦劇」としての色合いがより濃く出ていたような気がした。もちろん、それを是とする見方もあるだろうと知ってのうえではあるが、MONOによる上演のイメージが強かったせいもあり、棚瀬美幸、遠坂百合子ら個々の役者の演技のよさを感じながらも個人的にはその部分の若干の違和感は最後までぬぐいさることが難しかった。ただ、違和感と書いたのは文字通り「もやもやっとした感じ」なのであって、完全にだからだめという否定的なものではなく、正確にそれがなになのかについて正体がつかめず、観劇から何日か経ってからもそのことを反芻し続けている。

だから、これは批評というよりは感想にすぎないのだが、その正体についてはもう少し考えてみたいと思う。

*1:例えば後から一員に加わる兵士役を演じた金替康博は時空劇場解散後、フリーで活動していたが当時正式にMONOメンバーになって間もない時期だった

2011-02-22 「ダンス×アート  コンテンポラリーダンスの源流を探る ダムタイ

[]「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽 山中透編」セミネールin東心斎橋

セミネール「ダンス×アート 源流を探る ダムタイプ音楽」in東心斎橋参加していただいた皆さん有り難うございました。自己満足かもしれませんが山中透さん提供によるダムタイプ初期の超レア映像など見られ楽しい時間がすごせました。なかでも実は最後の方では山中さんと古橋悌二さんがダムタイプ以前にやっていたバンドでライブ演奏の前に流していた映像とか、「多角の旅」のノルウェーツアーで山中さんと古橋さんが個人的に映していたいたプレイベート映像と無門館での公演の様子、ホテル・プロ・フォルマとの共同制作ENIGMA OF THE LATE AFTERNOON」の映像抜粋などほかではまず見られないものも見ることができて、「そんなものも残っていたのか」と狂喜乱舞でありました。

 実は内容が濃かったこともあり、時間内には特にダムタイプ以降に山中さんがかかわったオン・ケン・セン、高橋匡太、モノクロームサーカスじゅんじゅんらなどとの仕事をあまり紹介することができなくて本当に残念。そのため、時期などはまだ未定ですが、いつか近いうちに「ダムタイプ音楽 山中透編2」を開催したいと考えています。





 セミネール新シリーズ「ダンス×アート 源流を探る」第1弾として「ダムタイプ音楽 山中透編」を開催します。大型プロジェクターによる舞台映像を見ながらダムタイプ音楽担当だった山中透が自ら語るダムタイプ作品の舞台裏。どうぞ参加ください。    

コーディネーター・中西理演劇舞踊評論)

ゲスト・山中透

ダムタイプ「S/N」

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モノクロームサーカス「D E S K」

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 東心斎橋のBAR&ギャラリーを会場に作品・作家への独断も交えたレクチャー(解説)とミニシアター級の大画面のDVD映像で演劇ダンスを楽しんでもらおうというレクチャー&映像上映会セミネール。今年はすでに「ポストゼロ年代演劇に向けて」と題して、最新の若手劇団やこうした動きの先駆となった劇団の紹介を行っていますが、これとは別の新シリーズ「ダンス×アート」をスタートすることにしました。

 セミネールでは当初「現代日本演劇ダンスの系譜」と題して演劇コンテンポラリーダンスの両方を交互に隔月で紹介したのですがダンスについては集客が難しいという問題もあり、しばらく開催を中断していました。今年はこれまでの現代演劇を紹介するシリーズのほかにひさしぶりにコンテンポラリーダンスを取り上げる新シリーズを復活させることにしました。

 コンテンポラリーダンスというジャンルが一般化してから30年近い歳月がたちましたが、舞台芸術世界に新しい風を吹かせたコンテンポラリーダンスも最近は当初の勢いを失いどこか閉塞感がただようような状況があることも確かなのです。そこで一度原点に返って、新鮮な驚きで私たちを驚かせたコンテンポラリーダンスとはいったい何なのかというのをもう一度原点に返ってじっくりと考えてみたいと思います。

 セミネールではこれまで私が講師を務めてきましたがこの新シリーズでは、私自身も生徒の1人として毎回、テーマを決めたうえでゲストを呼び話を聞いたり、レクチャーしてもらうことを通じて、「コンテンポラリーダンスとは何か」について一緒に考えていくことにしたいと思います。

 第1回は古橋悌二の盟友として1980〜90年代にダムタイプ*1音楽監督を務め、代表作といえる「S/N」「PH」などに楽曲を提供した山中透氏をゲストに迎え、大型プロジェクターによる舞台映像を見ながらダムタイプ作品の舞台裏を語ってもらう予定です。映像を見るとクールでハイセンスな未來派パフォーマンスと見えたダムタイプですが、舞台裏ではショー・マスト・ゴーオンさながらのもうひとつの熱い闘いが進行していました。あるいは当時最先端のニューヨーククラブカルチャーに触発されて、ライブ演奏していたのに舞台を見た人からはあまりそれが正当には評価されなかったこと。今だから明かせる秘話、こうご期待。山中氏からはダムタイプ退団後の仕事の紹介もしていだける予定です。

【日時】2011年2月22日(火)p.m.7:30〜 

【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて

【料金】¥1500[1ドリンク付] (※学生¥1200・1ドリンク付)

 ※[予約優先]  定員20人ほどのスペースなので、出来るだけ予約をお願い致します。当日飛び込みも満席でなければ可能ですが、+300円となります。なお、満席の場合お断りすることもあります。

【予約・お問い合わせ】 ●メール fw1212+yoyaku.110222@gmail.com あるいはBXL02200@nifty.ne.jp(中西)まで お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTEL お客様の住所をご記入のうえ、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受け付けます。

●(電話での予約・問い合わせ)

06-6251-9988 PM8:00〜 〔FINNEGANS WAKE]1+1 まで。

web:fw1plus1.info

Bridge Gallery & Bar 〔FINNEGANS WAKE〕1+1

大阪市中央区東心斎橋1-6-31 リードプラザ心斎橋5F

東心斎橋清水通り。南警察署2軒西へ)

フルクサス 37 Short Fluxus Films(1962-1970)

http://www.ubu.com/film/fluxfilm.html

2011-02-20 期間限定Saccharin「そのどこかに男たちはいたという」@ドーンセン

[]期間限定Saccharin「そのどこかに男たちはいたという」@ドーンセンター

「そのどこかに男たちはいたという」作 棚瀬美幸(南船北馬)、樋口ミユ(劇団Ugly duckling)、芳崎洋子(糾〜あざない〜)、竜崎だいちミジンコターボ)、遠坂百合子(リリーエアライン)

演出 安武剛(トイガーデン)

出演 大塚宣幸(大阪バンガー帝国)、坂口修一、西田政彦(遊気舎)、ファック ジャパン劇団衛星)、森田真和(尼崎ロマンポルノ

 土田英生MONO)のOMS戯曲賞受賞作品である「その鉄塔に男たちはいるという」を女性だけのキャストで、土橋淳志(A級MissingLink)が演出し「女版」として再構成した。このキャストというのが全員、関西を代表するような劇作家でもあって、彼女たちが「その鉄塔に男たちはいるという」に対するオマージュとして書き下ろし短編5本をこちらは坂口修一、西田政彦(遊気舎)、ファック ジャパン劇団衛星)ら関西を代表する男優5人が出演し、若手で今関西でもっとも注目株の演出家・安武剛(トイガーデン)が演出。この2本が1組になったような2本立て公演として企画された。

 

2011-02-19 柿喰う客「ながぐつをはいたねこ」@三重県文化会館

[]柿喰う客「ながぐつをはいたねこ」@三重県文化会館

 原作:シャルル・ペロー 脚色・演出:中屋敷法仁

 照明:富山貴之、内山唯美 音響:上野雅 舞台監督本郷剛史 宣伝美術山下浩

 宣伝写真:堀奈津美(*rism/DULL-COLORED POP) 制作赤羽ひろみ、斎藤努

 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 主催:(財)三重県文化振興事業団

 共催:レディオキューブFM三重 企画製作:柿喰う客

 出演:

 深谷由梨香:猫

 永島敬三 :カラバ

 板橋駿谷 :粉ひき、王様

 コロ   :長男、大臣

 大村わたる:次男、うさぎ

シャルル・ペローによる童話「長靴をはいた猫」を柿喰う客の中屋敷法仁が脚色、演出。

2011-02-16 高嶺格作品「Melody・Cup」

[]高嶺格作品「Melody・Cup」@アイホール

構成・演出/Direction:高嶺格 >>> http://www.takaminet.com/

出演/Performer:Dearborn K. Mendhaka、Pakorn Thummapruksa、Ratchanok Ketboonruang、Preeyachanok Ketsuwan、Nattiporn Athakhan、朝倉太郎、伊藤彩里、児玉悟之、トミー(chikin)、富松悠、ニイユミコ(花嵐)、諸江翔大朗

スタッフ

音響ディレクション:山中透、照明:葛西健一、映像:小西小多郎、衣裳(for emptiness):堂本教子、舞台監督尾崎聡、宣伝美術:木村敦子、制作小倉佳子

2011-02-15 五反田団とロロ「グレート、ワンダフル、ファンタスティック」

[]五反田団「俺のお尻から優しい音楽」@三鷹芸術文化センター

【作・演出】 前田司郎

【出 演】 石澤彩美、大山雄史、木引優子(青年団)、後藤飛鳥、墨井鯨子(乞局)、西田麻耶、布川雄治、前田司郎、宮部純子、望月志津子、用松 亮、吉田 亮(ハイバイ)

サイト情報】 特設サイト http://gotanndadan.com/orenooshiri.html

f:id:simokitazawa:20110217153623j:image

 ガラス細工のように美しい少年大山フランス音楽学院に留学し数多くのライバル友情や憎悪を交わしあいながら成長しあうという体の演劇です。五反田団史上もっともくだらない演劇!これを観て五反田団を評価しないでください!

 2006年度のENBUゼミ*卒業公演として上演された作品を五反田団本公演として再演。“五反田団史上、最高にくだらない演劇”というのがキャッチフレーズなのだが、まさにその通りかもしれない(笑い)。

 初演時は舞台は生では見てないのだけれど、偶然舞台映像が手に入って、見たことがあった。その時思ったのは「いくらなんでもこれは下手すぎる」ということで、「これはこういう風に下手に演じることを演出的に指示されてやっているのだろう」とは思ったのだが、ところどころセリフが止まっていたり、変な間が入ってしまっていたりして、明らかにこれは意図的にこうしているというよりはぐだぐだになってしまっているというところがあり、「どこまで意図的にそうなっていて、どこまでは意図に反してすなっていたのだろう」というのが不思議な公演だった。

 そして、内容はくだらない。岸田戯曲賞を受賞するずっと以前のインターネット演劇大賞を受賞した作品「ながく吐息」が立小便したらその小便が止まらなくなるという話だった(笑い)ので、くだらない話というのは五反田団の持ち味のひとつではあったのだが、

最近はそういえばF/Tなど行政が主催してのフェスティバル参加が増えてきているためかそういうのが少なくなっている。だが、よく考えてみると今回の公演だって三鷹芸術文化センターというれっきとした公立ホールでの公演ではあるわけで、そこにあえてこういうものを持ってくるところに三鷹芸術文化センタースタッフ陣がいかに作家に信頼されているかが窺えて嬉しい。そういえばあのいまや伝説となっている「猫演劇フェスティバル」もここで行われたと思い出したりもした。

 今回はよりグレードアップしての本公演ということもあり、青年団、ハイバイ、乞局といった他劇団や五反田団の常連俳優らENBUゼミ卒業公演とは違って きちんとした演技がしっかりとできるうまい役者たちを起用しており、それでどうなっているのだろうというのが公演を見る前の最大の注目であった。

そして仰天した。というのはその本来はうまいはずの役者たちが、見事なまでの初演のヘタヘタ芝居をシュミレートしていたからだ。ひょっとしたら初演も実は今回同様に物凄く緻密に演出されていた? そうだとすれば信じられないほどの超絶技巧だが、さすがにそうではあるまい。ただ、今回については初演との比較があるので自信を持っていえるが、役者の演技に本当に受けていたりする人を食ったような前田本人の演技を除けば残りのキャストは一見演技をとちったような場面も含めほぼ完全に初演の演技(もちろん、主演の大山以外の役者は代わっている)をそれこそ青年団のような緻密さでほとんどアドリブなしにコピーしているように感じられ、これはちょっと凄いことなのではないかと思った。

 

[]ロロ「グレート、ワンダフル、ファンタスティック」@こまばアゴラ劇場

 脚本・演出:三浦直之

 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響:池田野歩 衣裳:藤谷香子(快快)

 舞台監督:鳥養友美 宣伝美術:玉利樹貴 制作助手:幡野萌 制作坂本もも

 企画制作:ロロ、(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 http://llo88oll.web.fc2.com/

 出演:

 亀島一徳[ロロ]:金田ミラクル男(ぽつねんと語る男子

 多賀麻美   :桐野真琴(まこと女子高生金田を気に掛ける 男勝り)

 望月綾乃[ロロ]:雨宮一穂(いちほ。女子高生クールな女子)

 山崎明日香  :榎本春香(女子高生?。体臭がない、その匂いを探す。)

 青木宏幸[ヘッドクリエイティブ]:博士博士 博士(発明家)

 篠崎大悟[ロロ]:秋冬モデルアンドロイド。言葉を集める)

 板橋駿谷   :藤堂志郎丸(博士から仕事をもらう。マッチョ)

 森本華    :合成獣 せつなさ(女子高生。博士自身とその改造に憤り)

 ロロは最近東京で話題の若手劇団。「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」を昨年京都アトリエ劇研で見たのがロロの初観劇で、今回が2度目の観劇となった。前回見た「いつだって〜」は小学生同士の恋愛の話で、展開のセンスがポップでスピーディーで今風でこれは同世代の共感を呼びそうだなと思ったものの、この集団の特徴というのはまだはっきりとしないところがあった。今回は前回とはずいぶん違う印象で「どういうことか」と思いながら見ていたのだが、次第にロロが目指しているものの方向性がはっきりしてきた気がした。

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PULL演劇人インタビュー ロロ主宰三浦直之さん

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ゼロ年代における(小説現代美術映画などの)表現傾向は簡単に言えば「漫画アニメゲームみたいだ」ということなのだが、ロロの三浦直之にはどうやらそうしたほかのジャンルの表現の要素を演劇に積極的に取り入れ展開していこうという強い意思があり、確信犯としてそれを目指しているようだ。

 演劇世界では平田オリザの現代口語演劇の影響力からか小説などのほかのジャンルにおけるアニメ漫画的なキャラクター設定ゲーム的な仕掛けなどのいわゆるゼロ年代的な要素の導入が目立ちにくいきらいがあった。そのため、先行するジャンルとは明らかにタイムラグがあり、演劇においてもようやくそれが顕在化してきたのが2010年以降になってからだ。

 それでも前回見た「いつだって〜」は比較的それまでの現代演劇にも前例がないわけではない表現で比較的とっつきやすかった。それに対して、今回の舞台「グレート、ワンダフル、ファンタスティック」が「いい、悪いの評価が見る人によって完全に分かれている」と聞いて、どういうことなんだろうと思っていたのだが、観劇してみて氷解した。この作品は参照項として数多くアニメライトノベル漫画からの引用や見立てが仕込まれていて、元ネタを知る人はそれがトリガー(引き金)となって、アニメ的なイメージが立体化されて再現させるような仕掛けとなっているのだが、参照元のジャンルへのリテラシーがないとこれは本当に「なにがなんだか分からない世界なのだ。そういう意味でこれはよくも悪くも極めてポストゼロ年代的といえると思った。

 この芝居では大きく分けて2つの物語が同時進行する。ひとつがある日突然空から降ってきた男(金田ミラクル男=亀島一徳)の持っていた誕生日ケーキが女の子(桐野真琴多賀麻美)の顔に激突してしまうことから起こる2人の物語。もうひとつは言葉を集めているアンドロイド「秋冬」と彼が好きになった女の子との出会い。この2つを巡って芝居は進行していく。

 ここで興味深いのはこの2つのうちの1つであるミラクル男と真琴の出会う世界無限ループする世界(円環的構造)として設定されていることである。この種の円環的構造は「涼宮ハルヒシリーズ」や「けいおん!!」などゼロ年代のアニメ漫画小説によく出てくるもので、さらに興味深いのはこのループにはミラクル男だけが繰り返しの生の記憶をすべて持って生き続けており、真琴との出会いも世界更新されるたびに繰り返されるが、ループが繰り返される時には前の出来事はすべてリセットされる、ということだ。

 舞台の床にはいくつか六角形の板の形をしたものが沢山置かれていて、出演している役者たちが舞台の間中これをあちらこちらに移動し続けていた。観劇の際には気づかなかったことだが、twitterのフォロワーの指摘によればこれは「HEX」というゲーム*1ではないかということなのだが、無限ループの循環構造とゲームについての見立てをメタファー(隠喩)として作品内にちりばめながらも主人公である男に「プレイヤー視点」(のようなもの)が導入されているのがこの作品の特徴だ。そうした形で芝居の全体を一種のゲームのようなものと擬えていく「ゲーム的リアリズム」により、舞台は展開する。

 実際、この舞台に対する是非のうちかなり多くの評価がこういう種類の「ゲーム的リアリズム」をリアルなものとして感受できるか、それとも荒唐無稽な絵空事にしか感じられないかが、作品評価の臨界点となり、それゆえ、単に世代的なものだけではなく、こういうリアルに触れた経験の有無が作品の評価において決定的な要因をなすことになってしまう。

 新世紀エヴァンゲリオンの用語から「シンクロ率」という言葉を援用すればどうやらこのロロという劇団には若い世代を中心にシンクロ率のきわめて高い層が存在するようなのだが、ネット上での今回の公演の評価などを見てみると激しい拒否反応を起こす層も一定以上に多い。これはある意味、先に挙げた「涼宮ハルヒシリーズ」や西尾維新のようなゼロ年代的とされる最近のある種のアニメライトノベルの受容のされ方と似ている部分があるように思われた。ロロに関しては三浦は今後どのような方向性に進むのかはまだ模索中のようだ。シンクロ率の高い層だけを対象にしてこのままの路線を突っ走り、いわば一般の小説に対するライトノベルのような位置を新たな客層を獲得することで演劇において勝ち取るのか。あるいは「ゲーム的リアリズム」「アニメ漫画的リアリズム」を核としながらも、より広い層に訴求力のある作品作りを目指していくのか。

 今回の作品については私自身は私にとって不可視な部分が多すぎて、手放しで絶賛する気にはならないのだが、それゆえにこそこの集団がポストゼロ年代演劇台風の目となっていきそうな気配を濃厚に感じた。

2011-02-14 中屋敷法仁×柴幸男 劇団うりんこ「アセリ教育」@うりんこ劇場

[]劇団うりんこ「アセリ教育」@うりんこ劇場

 脚本:中屋敷法仁[柿喰う客] 演出・音響:柴幸男[ままごと] 

 舞台美術青木拓也 照明:四方あさお[劇団うりんこ]

 衣裳:さくま晶子[劇団うりんこ] 宣伝写真:内藤祐子 宣伝美術太田知子

 企画制作:川原美奈子 主催:猪子石創造文化会館(うりんこ劇場)

 http://www.urinko.jp/

 後援:愛知県教育委員会/名古屋市教育委員会

 助成:平成22年度文化庁優れた劇場音楽堂からの創造発信事業

 主演:

 ひろ〜み  :神童甲之介(アセリ教育 英才児童)ほか

 にいみひでお:神童丙左衛門(その父、文部科学大臣)ほか

 はまだきよ :神童ウメ(その母)ほか

 佐々木政司 :反面狂四郎(アセリ教育 スパルタ教師)ほか

 宮田智康  :平田キヨシ(甲之介のライバル)ほか

 村井美奈  :白眉毛ヨシコ(甲之介のライバル)ほか

 牧野和彦  :零点(大馬鹿おちこぼれ児童) ほか

  @名古屋 うりんこ劇場(2011/02/11-13 5ステージ)

 http://www.urinko.jp/index.html

 全自由 一般前売2800円 当日3300円 学生前売2500円 当日3000円

 中屋敷法仁[柿喰う客]の書下ろし戯曲を柴幸男[ままごと]が演出。この魅惑の組み合わせが東京ではなく、名古屋で、しかもいまだ無名の若き演劇プロデューサーの手により実現したということに中屋敷、柴のポストゼロ年代ならではの演劇への取り組みの新たな方向性を感じさせられて興味深かった。 

「アセリ教育」とは奇妙な表題では「ゆとり教育」に対する一緒の揶揄も含めた反対概念。もっとも作中では「ゆとり教育」ならぬ「ゆっくり教育」と表現されているのだが、最近はやりの「ゆとり教育」批判と詰め込み教育への逆戻りという風潮をからかったような表題でこのあたり、柴も参加した演劇祭「キレなかった14才♥りたーんず」での中屋敷法仁作品「学芸会レーベル」とも呼応するところがあり、「いかにも」のテイストである。

 このある意味過激な舞台を「後援:愛知県教育委員会/名古屋市教育委員会」と管理教育の牙城として知られる愛知県教育委員会が後援しているという構図は中屋敷にはあずかり知らぬものではあろうが、愛知県出身者としてはその皮肉に思わず笑ってしまう。

 

2011-02-11 武道家・日野晃 Real Contact ショーイング

[]武道家日野晃 Real Contact ショーイング

日野晃ワークショップ「ショーケース」

出演:北村成美、平岡秀幸、小口美緒、鈴木映吏子、佐藤健大郎、野田まどか、稲葉由美子/日野

日時:2011年2月11日(金/祝) 14:00 & 17:00 開演

会場:ArtTheater dB神戸

料金:ショーケース前売2,000円/当日2,200円

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 武道家日野晃氏のワークショップのショーイングではあるのだけれど、出演しているメンバーを見てみると北村成美、佐藤健太郎野田まどか、らキャリア十分のダンサーも入っているので、いったいどんなことをするのだろうと興味を持って見に出かけた。

単にワークショップで訓練されたムーブメントを見せるというだけでなく、動きとシンクロするような音楽もつけてあったりもして、観客に「見られる」ということをある程度意識した作りにはなっているが、「作品という風にはしていない」(日野晃)であるためか、少なくとも私にとっては見ていてそんなに単純に面白いといえるようなものではなかった。

 ただ、その動きの質感や演者の構え方は今まであまり見たことがないものであることは確か。コンタクトインプロヴィゼーションと少しだけ似たところがあるものの両者はやはり明らかに違うもので、バレエジャズモダンダンス舞踏など既存のダンスメソッドのどれともとも異なるものだ。

 フォーサイスがこの人に興味を持って、交流を続けているのはそういうところからかとも思うが、残念ながら私にはこの日のショーイングを一度目にしただけではその動きがどういう原理に基づいてのものかは判然としないところもあった。

 ウィリアム・フォーサイスとの交流の内実など日野晃氏本人にもお聞きしたいことがいろいろあったのだが、この日は終演後、すぐに仕事に向かわねばならず、詳しいことがなにも聞けずじまいであったのも残念。今年中にはこのArtTheater dB神戸で公演も予定されているようなので、それはぜひ見てみたいと思った。

ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う

ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う

2011-02-08 演劇の新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第1回 クロムモリブデン

[]「演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて 第1回 クロムモリブデン青木秀樹」レクチャー&舞台映像上映                               

主宰・中西理(演劇舞踊評論)=演目選定

 東心斎橋のBAR&ギャラリーを会場に作品・作家への独断も交えたレクチャー(解説)とミニシアター級の大画面のDVD映像で演劇を楽しんでもらおうという企画がセミネール「演劇新潮流」です。今年は好評だった「ゼロ年代からテン年代へ」を引き継ぎ「ポストゼロ年代へ向けて」と題して現代の注目劇団劇作家をレクチャーし舞台映像上映も楽しんでいただきたいと思います。

 「ゼロ年代からテン年代へ」では前田司郎*1三浦大輔*2岡田利規*3らゼロ年代の作家たち。「わが星」で岸田戯曲賞を受賞し話題の柴幸男をはじめ、快快(篠田千明)、柿喰う客(中屋敷法仁)、悪い芝居(山崎彬)らこれからの10年間の新しい潮流を作って行きそうな作家たちの舞台を取り上げてきました。

 新シリーズでは引き続きポストゼロ年代演劇劇作家らを紹介していき、この世代に起きている新たな潮流の最新の動きを紹介していくとともに90年代半ば以降は平田オリザに代表される「群像会話劇」「現代口語演劇」中心の現代演劇の流れの非主流となってきた「身体性の演劇」の系譜の流れを紹介していきたいと考えています。

演劇新潮流2 ポストゼロ年代へ向けて」で最初に取り上げることにしたのはクロムモリブデン*4です(以下クロムと略す)。ゼロ年代において「直接Kiss」(2003年)、「なかよしShow」*5(2004年)、「ボーグを脱げ」(2005年)、「ボウリングエクレアアイスコーヒー」(同)、「マトリョーシカ地獄」*6(2006年)、「スチュワーデスデス」(2007年)など年間ベスト級の傑作を連発し「関西でもっとも注目すべき集団」といい続けてきたクロムですが、2006年秋にその拠点を東京に移しました。

 劇団旗揚げは1989年です。演出を担当する青木秀樹を中心とする大阪芸術大学の映像学科の仲間らによって設立されました。他の劇団と比較すれば関西ではMONOの前身であるB級プラクティスが同じ年の旗揚げ、東京では翌90年に双数姉妹が旗揚げ、宮城聰ク・ナウカも90年設立でした。大阪芸大OB劇団といえば関西小劇場演劇劇団☆新感線南河内万歳一座といった劇団から若手では売込隊BEAMと一大勢力をなしています。これらの劇団はいずれも「舞芸(ぶげい)」と呼ばれる舞台芸術学科の出身なのです。

 これに対しクロムは映像学科の出身。気鋭の映画監督を次々と輩出するなど注目の学科ではありますが、大阪芸大の舞芸が関西演劇の保守本流とすればクロム青木演劇に対してはあくまでアウトサイダーの立場から出発しました。これは単に学閥だけの話ではなく、関西あるいは日本の現代演劇史においてクロムが占める位置を考えるときに重要な意味を持っているのです。

 作風は最近の東京で主流となっている群像会話劇系の劇団とは明らかに違うため、この集団が「関西系の劇団だから」と勘違いしているコメントがネット上で散見されるのですが、それは明らかに間違いで関西においてもこの集団は旗揚げ以来、その作風において変遷を重ねてきたはいるものの、常に異端(アウトサイダー)で孤高の存在であり続けてきました。

 ところがポストゼロ年代に至ってそうした構図が変化してきた兆しがあります。というのは2010年以降に出てきたいくつかの若手劇団(ポストゼロ年代劇団)の舞台に奇妙なことにクロムと共通する特徴を持つ作品傾向を持つ劇団が現れてきたからです。今回はクロムモリブデンの作品を素材にポストゼロ年代の演劇との共通点と相違点を考えてみたいと思います。(第2回はシベリア少女鉄道を予定、以下東京デスロック、ロロ、マームとジプシーなどのポストゼロ年代劇団惑星ピスタチオク・ナウカなど「身体性の演劇」の流れの紹介も準備中)

 


【日時】2月8日 7時半〜

【演目】レクチャー担当 中西理

 クロムモリブデン「スチュワーデスデス」「空耳タワー」ほかクロムモリブデン作品 

クロムモリブデン「空耳タワー」

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【場所】〔FINNEGANS WAKE〕1+1 にて 【料金】¥1500[1ドリンク付]  

※[予約優先]  定員20人ほどのスペースなので、予約をお願い致します。当日は+300円となりますが、満席の場合お断りすることもあります。

【予約・お問い合わせ】 ●メール fw1212+110208@gmail.com  あるいは BXL02200@nifty.ne.jp(中西) 希望日時 お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTEL お客様の住所をご記入のうえ、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受けつけます

06-6251-9988 PM8:00〜 〔FINNEGANS WAKE]1+1 まで。 web:fw1plus1.info  Bridge Gallery & Bar 〔FINNEGANS WAKE〕1+1 大阪市中央区東心斎端1-6-31 リードプラザ心斎橋5F (東心斎橋清水通り。南警察署2軒西へ)


「ゼロ年代からテン年代へ」

第1回

指値(快快)「霊感少女ヒドミ」  

五反田団「長く吐息」

快快「ジンジャーに乗って」 

ミクニヤナイハラプロジェクト「五人姉妹」 

第2回 

渡辺源四郎商店「俺の屍をこえてゆけ」「河童」ほか

第3回

ポツドール「顔よ」

第4回

柿喰う客「真説・多い日も安心」

特別編

少年王者舘「夢+夜」

ままごと「わが星」

toi「あゆみ」ほか

第5回

悪い芝居「嘘ツキ、号泣」

第6回

デス電所「夕景殺伐メロウ」


セミネールで使用した主な映像

チェルフィッチュ

「三月の5日間」「フリータイム」「目的地」

 ニブロール

ニブロール 初期秀作集」「3年2組」「青ノ鳥」初演版「青ノ鳥」NHK放映版

ROMEO OR JULIET」「no direction」

青年団

「冒険王」「バルカン動物園」「S高原から」「東京ノート」(南河内万歳一座「S高原

から」)

イデビアン・クルー

「排気口」「くるみ割り人形

弘前劇場

「家には高い木があった」「職員室の午後」「冬の入り口」「あの川に遠い窓」(山田

辰夫・村田雄浩出演)

レニ・バッソ

「Finks」「ゴーストリー・ラウンド」「Slowly,slow for Drive」「パラダイスローグ

 Paradiselogue」

五反田団

「ながく吐息」「さようなら僕の小さな名声」「いやむしろわすれな草」

ポツドール

「恋の渦」「顔よ」「激情」など

珍しいキノコ舞踊団

「フリル(ミニ)ワイルド」「作品集抜粋」

ダムタイプ

pH」「OR」「メモランダム

藤本隆行

「true」「Refined colors」「lost」など

上海太郎舞踏公司

「ダーウィンの見た悪夢」「マックスウェルの悪魔」「RITHZM」など

ヤザキタケシ

ブルータイム」「GUYS2」(トリイホール)「ヤザキタケシVS伊藤キム」など

 

2011-02-06 チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」@神奈川芸術劇場

[]チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」@神奈川芸術劇場

作・演出 : 岡田利規

出演 : 山縣太一 松村翔子 足立智充 武田力 佐々木幸子

舞台美術 : トラフ建築設計事務所

神奈川芸術劇場 2/2(水)〜2/15(火)

[チケットかながわ]http://www.kaat.jp/pf/zougame.html

水戸芸術館ACM劇場 2/26(土)〜2/27(日)

[チケットぴあ]http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1048921

富士見市文化会館 キラリ☆ふじみ 3/4日(金)〜3/5(土)

[チケットぴあ]http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1051975

山口情報芸術センター [YCAM] 3/13(日)

山口文化振興財団]http://www.ycfcp.or.jp/

 前作「私たちは無傷な別人である」でスタイルを大変換した岡田利規が次に向かう新たな地平はどこか? これが新作「ゾウガメのソニックライフ」を見るまでの最大の注目点であった。結果は面白くもあり、いささか肩すかしを食らわされた感もある。インタビューに答えて「今回の舞台には複数のレイヤー(層)があって……」などということをインタビューに答えてしきりに言っていたので、「どんなものになるのだろう」と注目していたのだが、これはちょっと当てがはずれた。テキストのあり方としては話者(スピーカー)とその人が一人称で話している本人と目されている人が別の人であるという意味ではこれは明らかにホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」ではなくて「私たちは無傷な別人である」の延長線上にある作品である。

 しかし、複数のレイヤーが重なり合ってというあり方や映像などの使い方、あるいは設定として夢を見ている人の夢の内容などを現実に起きている出来事と並置するというやり方は岡田が「目的地」などでやっていた方法論にむしろ戻って再検証している感もあり、「目的地」の時のアフタートーク(びわ湖ホール)で宮城聰岡田演劇ピカソキュービズム絵画アビニョンの娘たち」になぞらえていたのを思い出したぐらいで、チェルフィッチュとして大きく新たな方法論に踏み出したという印象は薄かったからだ。(続く)

2011-02-05 金魚「HEAR」とマームとジプシー

[]金魚「HEAR」@青山円形劇場

スタッフ 振付・演出・美術=鈴木ユキオ アニメーション=辻直之 音楽=内橋和久 映像=山田晋平

キャスト 鈴木ユキオ 安次嶺菜緒 福留麻里 横澤祥太郎 川合ロン

お問い合わせ カンパニー

090-5314-9281

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[]マームとジプシー「コドモもももも、森んなか」@STスポット

作・演出 藤田貴大

【あらすじ】どこかの田舎街。幼い三姉妹。大人が作った街の片隅。コドモたちは、自分たちだけの"住処"を作って遊んでいる。幼少期から青年期までの数年間。居場所を求めて、壊された、コドモたちだけの話。

CAST

青柳いづみ 伊野香織 荻原綾 北川裕子

斎藤章子 高山玲子 とみやまあゆみ

召田実子 吉田聡

大石将弘(ままごと) 大島怜也(PLUSTIC PLASTICS)

尾野島慎太朗 波佐谷聡

会場:STスポット(横浜)

http://www.stspot.jp/

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 短いシーンを何度もループさせながら繰り返すことで、観客の記憶の襞に織り込まれた記憶を触発する演劇

2011-02-04 「ルーシー・リー展」@大阪市東洋陶磁美術館

[]「ルーシー・リー展」@大阪市立東洋陶磁美術館

 20世紀を代表する陶芸家ルーシー・リーの大規模回顧展。会期末(2月13日)が迫っていたため、なんとか駆け込みで出かけてきた。

http://www.lucie-rie.jp/

2011-02-03 突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」@精華小劇場

[]突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」@精華小劇場

f:id:simokitazawa:20110204042604j:image

作・演出 サリngROCK

キャスト

 上田展壽 蔵本真見 サリngROCK

 赤星マサノリ(sunday

 ごまのはえ(ニットキャップシアター)

 真心(GiantGrammy)

 高安美帆(エイチエムピー・シアターカンパニー

 山田将之

スタッフ

 舞台監督 今井康平(CQ)

 舞台美術 高島奈々(七色夢想)

 照明     大塚雅史(DASH COMPANY)

 音響    中野千弘(BS-?)

 衣装    植田昇明 

 演出助手 伊藤由樹

 宣伝美術 CAPRIC_DESIGN.

 記録映像 森達行(もみあげフラメンコ

 制作    安部祥子

 制作協力  安田小梨

 音楽    ガラスヤ

ファンタジーなのか、ファンタジーめいて見える主観的な現実なのか。サリngROCKはOMS戯曲賞大賞を「愛情マニア」で受賞、愛知県主催のAAF戯曲賞優秀賞を「金色カノジョに桃の虫」で受賞した。関西の若手では悪い芝居の山崎彬と並ぶ注目株といっていいただろう。それだけに新作には注目しているのだけれど、正直女性作家ファンタジー系の物語というと見ていて少し腰が引けてしまうところがある。

 それが今回はなにかひきつけられるところがあったのは骨の見る夢めいた物語というのがどことなく主人公が図書館一角獣の骨から古い夢を読み取る仕事をもらい夢読みとして働いているという村上春樹の「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を思い起こさせるところがあったからかもしれない。

2011-02-01 twitter版お薦め芝居2月

[]twitter版お薦め芝居2月

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twitter版お薦め芝居2月

 twitterお薦め芝居2月 チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ神奈川芸術劇場★★★★ 待望の岡田利規の新作。前作「私たちは無傷な別人である」でスタイルを大変換した岡田が次に向かう新たな地平はどこか?

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 twitterお薦め芝居2月 金魚「HEAR」青山円形劇場 ★★★★ 鈴木ユキオの新作は内橋和久が音楽。映像とのコラボレーションでどんな作品に仕上がっているのか興味津々。

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 twitterお薦め芝居2月五反田団「俺のお尻からやさしい音楽三鷹芸術劇場星のホール★★★★ ENBUゼミ卒業公演で上演された幻の迷作をなぜか再演。録画映像で見たら役者の演技があまりに下手だったのだが、下手すぎてこれは緻密な演出かもと思い、その真相を探るため東京に行かねば。

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twitterお薦め芝居2月 突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」@★★★ サリngROCKという人は底が見えない。女性作家ファンタジー系の作風といえば私は苦手な部類なのだが、それでもやはりどこか気になるのはなぜなんだろう。

twitterお薦め芝居2月ロロ「グレート、ワンダフル、ファンタスティックこまばアゴラ劇場 ★★★★ ポストゼロ年代演劇ネクストカマー候補ナンバー1がロロ。ストレートな恋愛表現に若いなとも思うが、それがこの世代の特徴だったりもする。

twitterお薦め芝居2月TAKE IT EASY!×末満健一「千年女優シアターグリーン ★★★★ 今敏監督が惑星ピスタチオの影響を受けて創作したアニメ千年女優」を元同劇団にいた末満健一が演出。主要キャストやサブキャストなど200以上にわたるキャラクターを役者全員が交代で演じた伝説の舞台の再演。 

twitterお薦め芝居2月「踊りに行くぜ!! セカンドin福岡@ ★★★★ アーティスト・イン・レジデンスや作品の製作支援などリニューアル。“SOS=急迫の危機状態”での、人間の反応と行動の必然の原理を探り、生命保持の為の咄嗟的な対応や感情の描写、その時の判断と対処、本能的な察知がどう働くかを解釈したタケヤアケミの作品など。

twitterお薦め芝居2月 劇団うりんこ「アセリ教育」@うりんこ劇場 ★★★★ 作・中屋敷法仁(柿喰う客)×演出・柴幸男(ままごと)。ポストゼロ年代演劇でもっとも注目を集める2人の作家のコラボが初めて実現したのが名古屋に本拠を置く劇団だというのがこの世代の特徴を表していて興味深い。もちろん、名古屋に行きますよ。

twitter版お薦め芝居2月 ミュージカル時計じかけのオレンジ」@梅田芸術劇場★★★★ 主演小栗旬というのでチケットはあらかた売れてしまっているのだが、キューブリック映画化したあの「時計じかけ」を音楽・内橋和久、振付・井手茂太ミュージカル化したとあってはやはり必見であろう。 

twitterお薦め芝居2月 マームとジプシー「コドモもももも森んなか」STスポット★★★★ 短いシーンを何度もループさせながら繰り返すことで、観客の記憶の襞に織り込まれた記憶を触発する演劇。一見素朴なようだが実は周到に練られた方法論が今度はどんな標的をとらえてみせるのだろうか。すでに前売り完売だが、当日券狙いの価値ありだ。