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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-09-29 横町慶子ソロ

[]横町慶子ソロ生命の泉は汝とともにあり」@両国blackA

ロマンチカの看板女優だった横町慶子の4年ぶりのソロ公演。こんな風に紹介すればあのロマンチカの舞台を一度でも見たことのある人はそういえばかなり長い間舞台を見ていないな。今度はどんなものを見せてくれるんだろうと期待すると思う。ところが実際に舞台をみた人は自分想像との違い驚いたかもしれない。

2013-09-28 シス・カンパニー「かもめ」@Bunkamuraシアターコクーン

[]シス・カンパニーかもめ」@Bunkamuraシアターコクーン

【作】アントン・チェーホフ

演出・上演台本

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

【出演】

トレープレフ・・・生田斗真

ニーナ・・・・・・・蒼井 優

ソーリン・・・・・・山崎一

リー・・・・・・梅沢昌代

マーシャ・・・・・・西尾まり

メドヴェジェンコ・・中山祐一朗

ドール・・・・・・浅野和之

シャムラーエフ・・・小野武彦

トルゴーリン・・・野村萬斎

アルカージナ・・・大竹しのぶ ほか


 KERA演出かもめ*1*2の最大の特徴は冒頭の劇中劇の部分がとてつもなくうすっべらいことだった。どうも日本演劇界に巣くう「前衛は善」という幻想からか、従来の「かもめ」の上演では劇中劇であるトレープレフの演劇は斬新で素晴らしいものなのだけど、旧弊な周りの大人たちの無理解のため評価されない、という解釈が多い。そのような解釈は本当に正しいのだろうかというのが私が以前からかもめ」の劇中劇に感じてきた疑問だ。「劇中劇は素晴らしい」という演出が出てくるひとつの要因はモスクワ芸術座の上演でトレープレフを演じたのが、メイエルホリドだったことだ。「かもめ」も演出したスタニスラフスキーリアリズム演劇巨人だとすれば、ロシア演劇のもうひとりの雄がメイエルホリドで、劇中劇から受けた影響から彼の反リアリズム身体表現を重視したロシア前衛劇が生み出された。こうした歴史的事実が背景にはある。

 だがこれは時間軸が逆転しているのではないか。チェホフの意図は違う。チェホフ自身作風からすれば作中に登場するトリゴーリンは確かに戯画化された部分はあるけれどチェホフの分身のようなところがある。しかし、トレープレフは劇や小説作風からしてもチェホフではないのは明らかで、チェホフには自己をトルゴーリンとして茶化してみせるシニカル皮肉)さはあり、それはきわめてチェホフらしいといえるが、トレープレフのような野心的な若者をことさら持ち上げるのはらしくない。つまり、ここで考えたいのはもともとチェホフは軽薄なものとして劇中劇の部分を書いたのじゃないかということである

 だから、一幕目の劇中劇がうすっぺらく見えるのはチェホフの意図通りともとれるのだ。だがKERA演出の仕掛けはそれだけにはとどまらない。うすっぺらさにKERAもっと大きな意味を持たせた。劇中劇蒼井優ニーナ)にKERAはどう考えても戯曲の内容が分かってないような棒読みのセリフ回しをさせた。これは明らかに意図的ものでそれはここでのニーナ女優としての未熟さも示している。

 この劇中劇のセリフの一部は最終幕でも朗唱されるが蒼井優の演技には大きな違いがあった。蒼井優そしてはそれを支えたKERA演出は ここでのわずかなセリフの繰り返しの大きな質感の差だけで「1人の女優の卵が、一人前の女優になったこと」を体現させてみせた。きわめて鮮やかでこれこそ、「かもめ」が女優についての劇である象徴的場面だ。

 そしてその同じ幕でKERAは、そしてチェホフはトレープレフを自殺に追い込む2人の女優アルカージナとニーナ)の残酷さも余すことなく抉りだす。トレープレフはこの幕では作家として成功し、それなりの名声も得ているがアルカージナは相変わらずトルゴーリンに執心でトレープレフの著作には見向きもしない。封もきってない雑誌を手渡され、トレープレフは絶望し、あるいは自分現在書いている小説の出来の悪さにうんざりして書きかけたそれを破り捨てる。そこに雷鳴のなかに現れるのがニーナだが、彼女自分のことしか話さない。一応、最初にトレープレフが作家としての名声を得たことを祝うようなセリフを語るけれど、その後はすぐに自分の話になって、昔は名声が大きなものと思っていたけれど今は違うとトレープレフが唯一得ている名声の価値全否定さらにいまでも自分が愛しているのはトリゴーリンだけだと追い打ちをかける。ここでの錯乱ぶりに以前はこの戯曲を読んで、ニーナも遠からずトリゴーリンの後を追って自殺するかもと思った時期もあったが、「女優」は簡単には自殺しないというのがチェホフの哲学ではないか

この自殺の場面は一幕でトレープレフが自殺未遂をする場面と呼応しているが、ここではトレープレフ自殺への引き金を引いたのはニーナで、しかしそうなってもニーナアルカージナもむしろそれを糧として女優の芸の肥やしにしていくんだろうなと思わせる、KERA版「かもめ」に登場する2人の女優にはそんなたくましさ、恐ろしさを感じさせた。

 チェホフの最大の不可思議はなぜ女優の恐ろしさを抉り出したこんな舞台をよりによって女優である恋人のために書いたのかかもしれない。さらをいうならそれを女優を妻に持つKERAがどんな気持ち演出したのかというのももひとつ不思議なのかも。もっとも、この「かもめ」に女優の恐ろしさを読み取るのは私のような男ばかりで、当の本人女優はもしこの舞台を見たとしても「自分ならニーナを(あるいはアルカージナを)どう演じるか」しか考えない、そういう人種。それこそこの戯曲でチェホフ自身が描き出している女優そのものと言っていいかもしれない。

2013-09-21 チームしゃちほこ ZeppZeppBLITZ@横浜BLITZ

[]チームしゃちほこ ZeppZeppBLITZ@横浜BLITZ

セットリスト

第1部

01. OEOEO

02. ザ・スターダストボウリング

03. お願い!unBORDE

04. ピザです!

05. 首都移転計画

06. 尾張の華

07. 恋人はスナイパー

08. そこそこプレミアム

09. 乙女受験戦争

10. トリプルセブン

11. マジ感謝

地元愛が止まらないんだライブ(神奈川県民編)

01. 首都移転計画

02. 恋人はスナイパー

03. トリプルセブン

04. OEOEO

05. 乙女受験戦争

第2部

01. そこそこプレミアム

02. 首都移転計画

03. いただきニッポン!〜おみそれしましたなごやめし〜

04. 愛 の地球

05. 乙女受験戦争

06. ザ・スターダストボウリング

07. トリプルセブン

08. OEOEO

09. マジ感謝

10. ごぶれい!しゃちほこでらックス

ももいろクローバーZとは異なり、チームしゃちほこ積極的なファンであるという認識はないのだけれど、しゃちほこのライブはこれが日比谷野音に続きこれが2度目となる。実はしゃちほこ大阪初登場のヤマダ電機LAVIのミニライブにも行っている。

 対してももクロ全然ライブチケットが当たらない。ファンクラブであるAE(エンジェルアイズ)に入って1年以上がたつ。その間札幌公演などほぼすべての公演の抽選に参加したが、チケットははずれ続けているため本公演的なライブに一度も行けてない*1

 仕事が終わってから急いで駆け付けたライブ観戦。開演ギリギリには到着するはずだったのだが、会場の横浜BLITZが初めてだったため、入り口を間違い、冒頭は逃した。会場に入ると1曲目「そこそこプレミアム」の途中ではあったが、ほぼ第2部の公演は楽しむことができた。

 考えてみれば大阪ヤマダ電機LAVIでの公演を見てから1年程度しかたっていない*2。それにしても現場を積むという経験というのは恐ろしいもので、大阪最初に見た時は元気は元気だが音程さえおぼつかないような部分もあったのにたった1年でものすごい勢いで成長していることを感じさせた。

  「そこそこプレミアム」「首都移転計画」「いただきニッポン!〜おみそれしましたなごやめし〜」とお馴染みの曲が続くセットリストでこの日の目玉は4曲目に披露した新曲「愛の地球祭」。前日のニコニコ動画MVを公開していたのに加え、この日の衣装が全身に緑をあしらったこの曲のための衣装だったため、どこかでこの日歌うんだろうというのは予想はできたが、実は私自身は前日公開のMVは見ることができなかったためにライブで初めて目にすることになった。前回の「首都移転計画」にも「なんだこれは」と度肝をぬかれたが、「愛の地球祭」もなかなかの不思議曲。ジャンルからいえばEDMエレクトロダンスミュージック)ないしテクノポップに入るのだろうが、例えば一般的アイドル曲のテクノポップイメージPerfumeだとすればこれはまったく違う。

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 ネット上でのやりとりなどを見ているとチームしゃちほこのファンにはどうもももクロと比べられることをひどく嫌がるような傾向があるようで、こういうことを書くといろいろおしかりを受けそうなのだが、同じスターダストプロモーション所属アイドルグループとしてももクロの妹分みたいな言われ方をしても、例えば私立恵比寿中学エビ中)とチームしゃちほこは違っていて、その最大の違いは同じ後輩であってもエビ中ももクロとの違いをどのように出していくかということを主眼点として戦略が組み立てられているのに対し、チームしゃちほこは違いは違いとして出しながらも、意図的ももクロフォロワーたらんとするようなところが特に運営側にあるのではないのかと感じられるからだ。ここから自分妄想の部分も含まれるから聞き逃していただいてもけっこうだが、チームしゃちほこ最初に見た時に思い出したのは大昔に見たミュージカル阿国」のことだった。このミュージカルでは物語の中盤以降、京の都で絶大な人気を誇っていた阿国一座の前にかつての同僚がスタッフとして参加している「新阿国」の一座が現れ、阿国たちはその人気を奪われていくという試練を受けるという話が物語の骨幹のひとつとしてあるのだが、チームしゃちほこ最初に目撃した時にはこの子たちは成長していつかももクロの前に強力なライバルとして立ちはだかるような存在になると感じたからだ。

 もちろん、それはももクロの方から見たももクロ物語で、チームしゃちほこから見たら話しは違う。興味深いのは6人いるメンバーのメンバーカラ—がそうであるということも大きいのだが、フォロワーとはいってもチームしゃちほこ意識しているのは同じももクロでも早見あかりが抜けた後のももいろクローバーZではなく、ももいろクローバーではないかということだ。

*1:今回ようやく全国ツアー福岡公演に行けることになった

*2:細かい日付は覚えてないが、その日はたこやきレインボー(たこ虹)のデビューした日でもあって、たこ虹はつい先日デビュー1周年の記念イベントをやっていたから間違いないはず

2013-09-16 冨田勲×初音ミクと柿喰う客

[]冨田勲×初音ミクイーハトーヴ交響曲」再演演奏会渋谷オーチャードホール

[演目]

冨田勲作曲

第1部

新日本紀行

子どものための交響詩 新・ジャングル大帝 2009年ジャングルの朝〜動物たちのつどい」

山田洋次監督 映画音楽集 たそがれ清兵衛〜隠し剣鬼の爪〜武士の一分おとうと

勝海舟

第2部

イーハトーヴ交響曲 全曲」


[花巻東名阪 共通出演アーティスト]

ヴァーチャルシンガー初音ミク

エレクトロニクスことぶき光パーカッション>梯郁夫

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 冨田勲初音ミク歌姫に起用し作った宮沢賢治音楽劇である。年が分かるが、私が自分お金を出して最初に買ったLPレコードが実は冨田勲ムーグシンセサイザー制作した「月の光」「展覧会の絵」だった。高校時代には小遣いをはたいて名古屋まで8チャンネルスピーカー使用したという冨田勲ライブコンサートにも行った。回路の塊である巨大な怪物ムーグシンセサイザーを操り、見事なハーモニーを奏でて電子音楽への入り口を開いた冨田が数十年後に80歳にしてその遠い子孫である初音ミクと出会ったのは数奇な運命ともいえるが、見えない力に導かれての必然とも思う。

 実は初音ミクについては今年の春シアターアーツという演劇批評雑誌に「平田オリザ初音ミクロボット演劇*1という批評を書いた際に平田演劇メソッドの参照項としてボーカロイドソフトとしての初音ミクのことを取り上げて、渋谷慶一郎のよるボーカロイドオペラ「THE END」のことを分析したが、その際には「初音ミク現象自体にはあえて踏み込むことはしなかった。というのはニコニコ動画youtubeでの初音ミク動画作品群を通じて、ひととおりのことは知っているつもりではあってもミクパとして知られるライブイベントには実際には参加したことがなく、ボカロ音楽リアルタイム享受者としてはほど遠い私は初音ミク現象自体に踏み込んだ分析、すなわち「初音ミク論」を書く人間としては不適格だと思っていたからだ。

 ただ、そうした現場に興味がないというわけではなくて、実際にいくつかの現場自分の足を運んで、どういうことが行われているかを見に行きたいとは思い、8月30日にはまずファンの間でミクパとして知られているライブイベントひとつ横浜アリーナで開催された「初音ミク 夜公演★モアチャンス」に出かけてみた。今回はそれに続くライブ初音ミク鑑賞となったが、こちらは実は「THE END」を見る以前からNHK番組で初演のことを紹介していたのを見た時から前述のように冨田勲ファンだったということもあり、再演でもあったらぜひ見てみたい舞台だったのである

 

 

[]柿喰う客 女体シェイクスピア004 「失禁リア王」@吉祥寺シアター

2013年度 吉祥寺シアターシェイクスピアシリーズ

女優のみで作り上げる全く新しい『リア王』が誕生する!!

PARCO劇場・本多劇場での公演を成功させ、若手を代表する存在演出家となった

屋敷法仁率いる劇団「柿喰う客」。毎回注目を集める女体シェイクスピアシリーズ第四弾は

四大悲劇ひとつ日本でも人気の高い『リア王』を上演します。歴代の名優が演じてきた

リア王狂気女優のみで魅せる「新生リア王」をお見逃しなく!!


【出演】伊東沙保 内田亜希子 岡野真那美 加藤紗希 北原沙弥香

葛木英 阪田瑞穂 七味まゆ味 杉ありさ 中林舞 新良エツ

葉丸あすか 平田小百合 深谷由梨香 渡辺早織


作:ウィリアム・シェイクスピア

脚色・演出:中屋敷法仁

2013-09-12 柿喰う客 女体シェイクスピア004 「失禁リア王」@吉祥寺シアター

[]柿喰う客 女体シェイクスピア004 「失禁リア王 乱痴気」@吉祥寺シアター

2013年度 吉祥寺シアターシェイクスピアシリーズ

女優のみで作り上げる全く新しい『リア王』が誕生する!!

PARCO劇場・本多劇場での公演を成功させ、若手を代表する存在演出家となった

屋敷法仁率いる劇団「柿喰う客」。毎回注目を集める女体シェイクスピアシリーズ第四弾は

四大悲劇ひとつ日本でも人気の高い『リア王』を上演します。歴代の名優が演じてきた

リア王狂気女優のみで魅せる「新生リア王」の誕生をお見逃しなく!!


【出演】伊東沙保 内田亜希子 岡野真那美 加藤紗希 北原沙弥香

葛木英 阪田瑞穂 七味まゆ味 杉ありさ 中林舞 新良エツ

葉丸あすか 平田小百合 深谷由梨香 渡辺早織


作:ウィリアム・シェイクスピア

脚色・演出:中屋敷法仁

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柿喰う客の女体シェイクスピアも今回が第4弾。

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