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中西理の下北沢通信(旧・大阪日記) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-11-30 いいむろなおきマイムカンパニー「DIVISION POINT ―分岐点―」

[]いいむろなおきマイムカンパニー「DIVISION POINT ―分岐点―」@こまばアゴラ劇場

 作・演出:いいむろなおき 舞台監督伊達真悟 音響:林裕介 照明:追上真弓

 衣裳・アートディレクション田中秀彦 (iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA)

 宣伝美術写真堀川高志 (kutowans studio

 宣伝美術ヘアメイク:歯朶原諭子 (iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA)、谷山加奈子

 クリエーションサポート:古田敦子・田中秀彦 (いいむろなおきマイムラボ

 制作:川手雅子(いいむろなおきマイムカンパニー

 企画制作:いいむろなおきマイムカンパニー

 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

 出演:田中啓介、黒木夏海、てらにしめぐみ、いいむろなおき、青木はなえ、三浦求、岡村

2013-11-23 木ノ下歌舞伎「東海道四谷怪談―通し上演―」@池袋・あうるすぽっと

[]木ノ下歌舞伎東海道四谷怪談―通し上演―」@池袋・あうるすぽっと

 監修・補綴:木ノ下裕一 演出:杉原邦生 作: 鶴屋南北 美術:島 次郎

 照明:中山奈美 音響齋藤 学 衣装:藤谷香子 立師:坂東橘太郎

 演出助手:陶山浩乃 演出部:金城裕磨 舞台監督:大鹿展明

 補綴助手稲垣貴俊[劇団しようよ] 文芸:関 亜弓 制作本郷麻衣

 助成芸術文化振興基金 製作木ノ下歌舞伎

 共同製作フェスティバル/トーキョー

 主催フェスティバル/トーキョー 木ノ下歌舞伎

 出演:

 亀島一徳[ロロ]:民谷伊右衛門

 黒岩三佳:お岩、乞食たち

 細野今日子:お袖

 日高啓介[FUKAIPRODUCE羽衣]:四谷左門、利倉屋茂助

 峯岸のり子:伊右衛門母お熊、茶店女房お政

 舘光三:伊藤喜兵衛

 田中美希恵:喜兵衛孫娘お梅、小平女房お花

 竹居正武[さいたまゴールド・シアター]:仏孫兵衛、医者尾扇

 蘭妖子:伊藤乳母お槇

 高橋義和[FUKAIPRODUCE羽衣]:按摩宅悦、庵主浄念

 高山のえみ:宅税女房お色、小塩田又之丞

 乗田夏子[劇団野の上]:地獄宿の女お大、伊藤家後家お弓

 田中佑弥[中野成樹+フランケンズ]:佐藤与茂七

 岩谷優志[劇団民藝]:奥田庄三郎、米屋長蔵

 飯塚克之:直助権兵衛

 森一生:薬売り藤八、赤垣伝蔵

 後藤剛範[害獣芝居]:秋山長兵衛、乞食たち

 四宮章吾:関口官蔵

 木山優彬:中間伴助

 森田真和[尼崎ロマンポルノ]:小仏小平小平息子次郎吉、乞食たち


 第1幕 浅草境内の場/地獄宿の場/浅草田圃の場

 第2幕 伊右衛門浪宅の場/伊藤家屋敷の場/元の伊右衛門浪宅の場/十万坪隠亡堀の場

 第3幕 深川三角屋敷の場/小塩田隠れ家の場/夢の場/蛇山庵室の場

 フェスティバル/トーキョー2013(F/T2013)で私が個人的にもっとも期待していた舞台木ノ下歌舞伎東海道四谷怪談―通し上演―」だった。今春東京引っ越したがそれ以前に住んでいた関西でここ数年、もっとも注目している若手劇団木ノ下歌舞伎からだ。昨年は東京デスロック多田淳之介総合演出に迎え「義経千本桜」の通し上演を行った。私はそれをwonderlandの年末回顧でベスト1に選んだが、この「四谷怪談」もそれとは方向性の異なる公演ながらも、匹敵する水準の好舞台だった。ポストゼロ年代の若手劇団トップランナー一角を占めていることを改めて示したといえよう。

 木ノ下歌舞伎京都造形芸術大学学生であった木ノ下裕一、杉原邦生らにより2006年5月に旗揚げ*1した。設立から歌舞伎現代演劇として上演する」ことを目的としている。過去にも加納幸和らによる花組芝居などの例はあるが、学生出身の劇団日本古典である歌舞伎の上演を目的として発足するということ自体珍しく稀有な事例ではないかと思う。

 F/Tの今回のテーマは「物語を旅する」であり、松井周のサンプルがギリシア悲劇オイディプス王」を下敷きとした「永い遠足」を上演するなど古典に材を取った作品が上演されたが、日本古典として「四谷怪談」が選ばれた。演出家中野成樹とドラマトゥルクの長島確(中野成樹+フランケンズ)らによる街を周遊する作品「四谷雑談集」(よつやぞうたんしゅう)「四家の怪談」と並び木ノ下歌舞伎による全幕の通しも上演された。

 「東海道四谷怪談」は鶴屋南北(大南北)による歌舞伎を代表する人気演目。あらすじは以下の通りだ。

 民谷伊右衛門四谷左門の娘・岩をめぐる物語。夫の不行状を理由に実家に連れ戻されていた岩を取り戻すために伊右衛門は左門に岩との復縁を迫る。しか過去悪事(公金横領)を指摘され、辻斬りの仕業に見せかけ左門を殺害してしまう。同じ場所で、岩の妹・袖に横恋慕していた薬売り・直助も袖の夫・佐藤与茂七(実は入れ替った別人)を殺害していた。そこへ岩と袖がやってきて、左門と与茂七の死体を見つける。嘆く2人に伊右衛門と直助は仇を討ってやると言い、伊右衛門と岩は復縁し、直助と袖は同居することになる。(ここまでが第一幕である

 民谷家に戻った岩は産後肥立ちが悪く、病がちになる。高師直の家臣である伊藤喜兵衛の孫・梅は伊右衛門に恋をし、喜兵衛も伊右衛門を婿にと望む。高家への仕官を条件に承諾した伊右衛門は、按摩の宅悦を脅して岩と不義密通をはたらかせ、それを口実に離縁しようと画策する。喜兵衛から贈られた薬のために容貌が崩れた岩を見て脅えた宅悦は伊右衛門の計画を暴露する。岩は悶え苦しみ、置いてあった刀が首に刺さって死ぬ。伊右衛門家宝の薬を盗んだとがで捕らえていた小仏小平を惨殺。伊右衛門の手下は岩と小平死体を戸板にくくりつけ、川に流す。伊右衛門伊藤家の婿に入るが、婚礼の晩に幽霊を見て錯乱し、梅と喜兵衛を殺害、逃亡する。

 袖は宅悦に姉の死を知らされ、仇討ちを条件に直助に身を許すが、そこへ死んだはずの与茂七が帰ってくる。結果として不貞を働いた袖はあえて与茂七、直助二人の手にかかり死ぬ。袖の最後の言葉から、直助は袖が実の妹だったことを知り、自害する。

 蛇山の庵室で伊右衛門は岩の幽霊と鼠に苦しめられて狂乱する。そこへ真相を知った与茂七が来て、舅と義姉の敵である伊右衛門を討つ。

 歌舞伎だけにとどまらず、映画小説などでもさまざまなバージョンが作品となっていることもあり、原作歌舞伎を見たことがない人でも、「四谷怪談」の名前を聞けば「お岩さんの幽霊が化けて出る怪談」ということぐらいは「日本人なら渋谷街角を歩いている普通女子高生でさえ知っている」(木ノ下裕一)ほど知名度は高い。「東海道四谷怪談」は木ノ下歌舞伎にとっても因縁の演目だ。なぜなら「四谷怪談」は2006年旗揚げ時にも、杉原邦生演出版木ノ下裕一演出版と2度にわたって上演。その時には劇団としてまだ試行錯誤の時期だったこともあり、木ノ下・杉原の2人にとっても完全に満足した出来栄えとはいえず、いつか再演することで落とし前をつけたい作品でもあった。この時の舞台感想も依然短く書き留めていたのでその一部を簡単に紹介する。

 杉原の演出は舞台後方に大きな幕が張ってあって、その場面、その場面で登場する人物が黒い台のような舞台装置に乗って、それが黒子に押されて、幕の奥から舞台前面に出てきては芝居をするというもので、この趣向はなかなか面白かった。「東海道四谷怪談」の「雑司ケ谷四ツ谷町、 伊右衛門浪宅の場」「同伊藤喜兵衛内の場」というと本来の歌舞伎でいうと、2幕にあたる部分で、怪談としてのスペクタクルよりも、それぞれの登場人物の人間ドラマに焦点を置いた場面が中心。もちろん、大南北の芝居だから、この場面でも有名な「髪梳き」などの趣向はあるが、怪談としての最大の見せ場である「蛇山庵室の場」のような外連(けれん)はなく、それゆえどちらかというとそれぞれの俳優にも現代劇に近いような演技スタイルで演技させるというのが今回の演出プランだったようだ。ただ、この舞台では脚本自体は若干のテキストレジストを演出の杉原が行ってはいたようだが、基本的には鶴屋南北のせりふをそのまま使うということだった。これはやはりかなり無理があったのじゃないかと思う。(中略)歌舞伎のような「語り」の技量のない俳優がこういうせりふを成立させるためにはやはりなんらかの様式化が必要で、それにはやはり時間がかかる。今回のように大学生か、卒業してすぐというようなキャリアの浅い俳優だけでそれを成立させるのは難しいと思われた。そのため、やはり全体としては完成度という面ではまだまだ荒削りで「学生演劇としてはまあまあのできばえ」というレベルでしかないというのが正直な感想。どういうスタイル志向するかも含め、新しい歌舞伎を本格的に志向するのであれば公演を続けながらまだまだ試行錯誤が必要だと思う。ただ、これはどうやら京都造形芸術大学場合歌舞伎や能・狂言という古典の実演が必修となっているせいか、若手の演劇人がこういう古典テキストに興味を持ち、上演してみようと試みること自体が珍しいことでもあり、ここから今後どんなものが生まれてくるのかおおいに興味はそそられたのである

  今回の「通し上演」にはいくつかの特徴があったがひとつは上演において、現代口語に翻案したセリフと鶴屋南北原典通りの言い回しを状況や配役に合わせて自由に組み合わせたことである旗揚げ時の初演では上記の通り、鶴谷南北のセリフをそのまま使用した。しかし、これをキャリアの少ない学生らだけの手でそのまま上演するには無理があった。ただ、この時点で私は大きな勘違いもしていた。

 これまでも歌舞伎のような古典テクスト現代演劇としての上演はさまざま劇団によって試みられてきた。先行世代でもネオ歌舞伎標榜して独自のスタイル確立した花組芝居をはじめ、山の手事情社ク・ナウカなどがこれに取り組んできた。古典演劇に取り組むにはもちろんさまざまなアプローチが考えられるが、その代表的なひとつが「語りの演劇」の範疇に入るものだ。上記の3劇団のようにその劇団特有の身体メソッド、あるいは「語り」のメソッドを持ち、古典的なテクストをそれに落とし込んでいくことで、もともとの「歌舞伎」とは異なる様式でありながら、新たな様式を再構築するという方法論だったからだ。だから旗揚げ時の木ノ下歌舞伎はその技術俳優にないから、そのようになったと思っていたのだ。

 ところが実は木ノ下歌舞伎はこうした従来の劇団がとってきたような戦略とは根本的に異なる戦略でもって古典である歌舞伎アプローチしていくことに大きな特徴がある。そして、そのアプローチの仕方にきわめてポストゼロ年代のほかの若手劇団との共通点があり、そこが興味深い。

 もっとも大きな違いは木ノ下歌舞伎には集団特有の様式・スタイルがないことだ。そのスタイルは作品、あるいは公演ごとに変化していく。どういうことかというと、通常はどの劇団にも固有な演技、演出のスタイルというのがあって、そこに鋳型のように個々の作品のテキストを落とし込んで作品化していくわけだが、木ノ下歌舞伎ではまったく逆であって、まず原点となる歌舞伎の演目というのが先にある。そこから逆に木ノ下が中心になって、その演目を徹底的に分析して現代劇としてそれを上演するのに合致する様式、演技、演出を導き出していく。演出のできる杉原邦生がメンバーにいながらも「演出家固定化しない」としているのはこのためで、演目に合わせてその演目にあった演出家も外部から招へいするというのが、木ノ下歌舞伎の最大の特徴だ。そして、その根底には「歌舞伎というものが元をただせばそういうものだったから」という認識があり、それも含めての「歌舞伎現代劇化」なのだ

 今回の上演では現代口語と南北そのままのセリフが劇中で混在したが、これももともとの南北のセリフ自体が当時の現代口語体歌舞伎特有の古語、そのどちらでもない言葉が場面により使い分けられている。固有の身体メソッドなどはないと前に書いたが、実は木ノ下歌舞伎にはひとつ方法論というべきものはある。それは合計で2カ月の稽古期間があれば最初の1カ月は実際の歌舞伎上演の映像などを基にそれを完全コピーする。そうしたうえで、実際の上演に向けては歌舞伎のものに近い口調を別のものに移し替えていく。「四谷怪談」で言えば現代若者に近い口調のロロの亀島一徳の民谷伊右衛門がそうであり、原文に近い言い回しながら、声色の変化を極限まで使い、遊び心をもって演じている乗田夏子の「地獄宿の女お大、伊藤家後家お弓」の演技がそうである

 私は歌舞伎ないし南北の専門家ではないので正確なところは分からないが、南北の「四谷怪談」のセリフがこんな込み入った古語口語を混淆した独特な配分となっているのはこの歌舞伎が「忠臣蔵」の世界本歌取りして、その外伝としての性格を持つこととも関係が深いかもしれない。というのは歌舞伎では通常、武士世界は時代物(古語)、町人世界は世話物(口語)で表されるわけだが、この物語に大勢登場するのが純粋町人でもないがもはや武士ではない浪人たちだからで、木ノ下らがこの作品に読み取った本質はそこにあり、それが今回の演出にも反映されている。

 この原作絶対主義とでもいうべき考え方はこれまでの別の作品でも貫かれており、昨年の「義経千本桜」と今年の「東海道四谷怪談」がどちらも通し上演といってもその意味合いが大きく違うことがこの集団の特徴を表している。一番大きな違いは「義経千本桜」が多田淳之介、杉原邦生、白神ももこと各幕ごとに3人の演出家を起用したのに対し、今回は杉原がひとりで演出を担当したこと。これは「義経千本桜」がもともと二代目竹田出雲三好松洛・並木千柳という3人の作者による合作であること。さらに上演された3幕のうち「渡海屋・大物浦の段」は時代物、「鮨屋の段」は世話物、「道行初音旅」は舞踊劇とそれぞれ性格も内容も違うのに対して、「東海道四谷怪談」が鶴屋南北単独の創作で幕による世界観の違いはそれほど大きくないといういうことが反映されている。

さらに現行の歌舞伎上演では上演されないことが多い場も含め、全幕を上演した。

 現行の歌舞伎上演ではこの演目は戸板返し、仏壇返し、提灯抜け、忍び車のような仕掛けが駆使されたスペクタクルな作品として上演されることが多い。もちろん、それらの仕掛けは南北の初演の時にすでに考案されていたものが多く、そういう人を驚かす趣向ではあるのだが、それが重視されるばかりにそれが頻繁に出てくる「隠亡堀の場」「蛇山庵室の場」などだけが抜粋されることが多く、そのことで外連に溢れたスペクタクルな作品との印象が強い。ところが今回、全幕上演でしかもどちらかというとそうしたスペクタクルを排したような演出でこの作品を見ると「忠臣蔵」として知られる事件巻き込まれていくことで、さまざま状況の若者たちが悲劇的な運命に翻弄されていくさまを描いた群像劇として描かれていたことに初めて気が付かされた。以前から歌舞伎ファンには外連的な演出がないことで、物足りなさを感じた人もいたようだが、実はこれが今回の全幕上演の最大の眼目だったのではないかと思う。逆にこれまで以上に重視したのが、「夢の場」でここで「岩と伊右衛門の愛」が歌い上げられる。このあたりがなんともポストゼロ年代演劇的なところで、逆に言えばこのあたりがすんなり受け入れられるかどうかも木ノ下歌舞伎評価の成否のキーポイントになるのかもしれない。

2013-11-22 木ノ下歌舞伎とももクロLV

[]木ノ下歌舞伎東海道四谷怪談—通し上演—」@池袋あうるすぽっと

F/T13『東海道四谷怪談—通し上演—』

木ノ下歌舞伎

監修・補綴:木ノ下裕一 、演出:杉原邦生、作:鶴屋南北

序幕・浅草境内の場

塩冶浪人四谷左門の娘(養女)お袖は、楊枝見世のおもんが病になったんで、換わって楊枝見世に出ています。そこにこう諸な岡信の伊藤喜兵衛・孫のお梅・乳母のお槙らが参詣に来て楊枝を購おうと立ち寄りますが、お袖は彼ら一行の会話から仇の家の者と知り、楊枝を売ることを拒みます。そこへお袖に以前から執心の、元塩冶家奥田将監の小者であり、今は藤八五文の薬売りである直助が居合わせ、その場をとりなします。一方、四谷左門は暮らしに困って物乞いをしていますが、うっかり縄張りを侵して乞食に痛めつけられています。そこへ通りかかって乞食を追い払ったのが婿の塩冶浪人民谷伊右衛門。彼は転び合ってまで一緒になり、妊娠までしている妻のお岩を左門に取り戻されたままなので文句言いたくりますが、左門は伊右衛門が御用金を盗んだことを言い、盗人根性のものを縁の人にするのは身の穢れとはねつけます。この様子を観ていた伊藤喜兵衛は孫が伊右衛門にのぼせていることも手伝い、伊右衛門を手なずけて塩冶の動静を知ろうと企みます。その喜兵衛に更に近づいてきたのが奥田庄三郎(奥田将監の息子。つまり、直助の元主君)です。彼は非人に姿を変えており、物乞いをして喜兵衛から高家情報を聞きだそうとしますが態度がおかしいことと持っていた回文から塩冶の筋とばれかかります。そこに通りかかったのが(しかし、どうしてこ〜もうまくしょっぱなから要人物が一堂に会するんだ、いいけど。歌舞伎からっていやそれまでだし)お袖の許婚でやはり塩冶の家のものであり今は小間物屋に身をやつしている佐藤与茂七で、何とかその場をとりなします

お袖は昼は楊枝見世に出始めているのですが、夜は以前から按摩宅悦が営む地獄宿(売春宿)に出ています。直助はそれを知り、一度でいいから思いを遂げたいと地獄宿まで来てお袖を口説ますが拒みまくられます。そこへちょいと遊びに来た与茂七が来て、恐ろしいことにお袖が相手をすることとなります

お袖は自分はこんなところにでてはいるが、義理ある父や姉を養いたいが為云々かんぬんと言いたてて身体の関係を拒みますが、相手が与茂七と知り、互いに驚き、ちょいとした痴話喧嘩などを繰り広げます。面白くないのは直助です。恋の恨みは恐ろしきもの。彼は与茂七を消そうとひそかに決心を固めます

序幕・おなじく裏田圃の場

与茂七は回文状を山科まで届ける為に目立たないように非人姿の奥田庄三郎と着物を交換します。そんなこととは露知らぬ直助は小間物屋の衣装と提灯を目当てに与茂七とばかり思って庄三郎を殺し、ご丁寧に面体が分からぬようにと顔の皮まで剥いでしまいます(この皮を剥ぐくだりは高橋克彦小説四谷怪談」にかなりしっかり書き込まれてて、その方が怖いです)同じ頃、同じ辺りで伊右衛門は舅左門を待ち受けて殺してしまいます。二人は互いの犯行を確認しあい、不適な同盟を結びます。そこに帰宅の遅い父を案じて夜鷹のようななりを(というか、ホントに夜鷹紛いをしてるんですが。しかし実はこうこうと言い立てて身体を許さぬ夜鷹という、地獄宿にいるお袖と同じようなことをしているとはお岩の弁)したお岩とお袖が来て変わり果てた許婚と父親の姿を見て嘆き悲しみます

伊右衛門と直助は何食わぬ顔でそこに来合わせた体をとり、仇をとってやるからとお袖とお岩に申し入れます。お岩は勿論、お袖も仇の為と直助と仮の夫婦になることを承諾します

2幕目・四谷町の場

お岩は産後肥立ちが悪く臥せったままで伊右衛門は傘張り内職を日々のタツキにしています。宅悦の紹介を得て雇った小者の小仏小平が旧主の塩冶浪人塩田又之丞が足腰立たない難病に罹ったのを治す為、民谷家に伝わるソウキセイという万能の妙薬を盗んで逃げたのを伊右衛門の悪友秋山長兵衛・関口官蔵が引き戻してきたので、伊右衛門杉戸の中に小平を閉じ込めてしまいます

伊右衛門の隣家に住む伊藤喜兵衛は乳母のお槙に何くれとなく料理着物を届けさせていましたが、今日血の道に効くという伊藤家に伝わる妙薬を持参してきました。お岩はそれを有難がっていただきますが、その薬こそが飲めば面体崩れる恐ろしい毒薬だったのです。お岩がまさか、そんなことになっていようとは思いもしない伊右衛門は、能天気に長兵衛・官蔵と共に伊藤家を訪れ、小判や小粒入りの吸い物を振舞われています。喜兵衛はお梅の恋心を打ち明け、嫁に貰ってくれぬかと伊右衛門に聞きますが、伊右衛門は妻ある身と断ります。それを聞いた喜兵衛は実はかくかくしかじかと、毒薬を届けたことをコクります伊右衛門は、ほいじゃと、嫁取りと引き換えに高家仕官を喜兵衛に約束させます

民谷家に来ていた宅悦はお岩の苦しみようにアタフタしてましたが、その顔の変化に腰を抜かさんばかりに驚き、理由をつけて家を出ます。帰ってきた伊右衛門はお岩の顔の凄まじさに驚きますが、逆に肝が据わり、蚊帳や着物や櫛を質草にと取り上げようとします

伊右衛門は宅悦に金を掴ませ、岩と不義をするようにと言いつけます。宅悦はこわごわ密通をしようとしますが、岩の激しい抵抗にあい、実はこうこうと全てを打ち明けます。怒り狂った岩は伊藤家に「礼」を言いに行くと宅悦に鉄漿の用意をさせ、髪を梳きますが、梳くそから髪は抜け(この辺りが有名な髪梳きの場です)握り締めた抜け髪から血が滴ります。あまりのことに憤死したお岩は更に念入りに、自分が宅悦に斬りかかった刀(柱に刺さってたんですよ)で首を切り裂かれ、完全に死んでしまいます。(ここんとこ、よく覚えといてください。お岩は「自分で死んだ」んです)杉戸の中で縛り付けられ、猿轡をかまされていた小平は一部始終を見聞きしており、伊右衛門を罵りますが、伊右衛門に殺され、しか不義密通汚名を着せられて戸板に裏表にお岩と一緒に打ち付けられ、川に放り込まれます。この時、小平の折られた指が蛇に変わるご愛嬌もあります。お岩の死と共に突然飛び出した猫が大きな鼠に食らわれたり、赤ん坊大勢の鼠に引きずられていくというお楽しみもあります。鼠というのは、お岩が子年の生まれ(あたしじゃん。。。(・・;))からきています。何食わぬ顔でお梅と内祝言を終える伊右衛門ですが、床入りの時にお梅にお岩が取り付き、伊右衛門はお梅の首を落としてしまいます。慌てて外に出ると赤ん坊を食っている小平がいますんで、伊右衛門そいつもぶった斬りますが、それは実は伊藤喜兵衛でした。

木ノ下歌舞伎ではここまで1幕目)

3幕目・隠亡堀の場

祝言の日に新妻と舅を相次いで殺害してしまった伊右衛門はそのまま遁走。お梅の母お弓とお梅の乳母お槙は非人にまで身を落として仇である伊右衛門を探していますしかしお槙は民谷と伊藤の血をことごとく絶とうとするお岩の亡霊に川の中に引きずり込まれ、お弓もまた偶然に出会った伊右衛門によって川に突き落とされます伊右衛門の実母お熊は現在は小仏小平の父である仏孫兵衛の後妻に落ち着いているのですが(なんてややこしいというか、回る因果の火の車というか)ヤバい立場に立った伊右衣文を死んだと世間に見せかけるために俗名民谷伊右衛門と仕立てた卒塔婆を作って隠亡堀に来て伊右衛門と会います。お熊から高家仕官のためのお墨付を受け取った伊右衛門ですが、盟友秋山長兵衛が伊藤惨事の咎人としての疑いがかかって高飛びをするから路銀をよこせと迫る為、そのお墨付を渡してしまいます。一方、袖と仮の夫婦として所帯を持った直助は今は権兵衛と名を替えて鰻かきを生計としていますが、その鰻かきに鼈甲の上物の櫛が引っかかり、今日の獲物と持ち帰るところ。隠亡堀で釣り糸を垂れる伊右衛門が引っ掛けたのは戸板でして、これが菰をめくると殺したはずのお岩と小平。有名な戸板返しの場面です。

更に非人の姿で回文状を抱えた与茂七までもが加わって、暗闇の中、だんまりにて伊右衛門・直助権兵衛・与茂七三人が探り合い、与茂七の回文状は直助に渡り、直助の鰻かきは伊右衛門に真っ二つにされ、直助の柄は与茂七が。だから因果は巡る、心火の中。。。。

木ノ下歌舞伎ではここまで2幕目)

4幕目・深川三角屋敷の場&小塩田隠れ家の場

直助権兵衛と仮の夫婦として書体を持った働き者のお袖は香花を売ったり洗濯仕事を請け負ったりしています。巷では万年橋に流れ着いた男女を貼り付けた戸板の噂。洗濯頼むと古着屋の庄七が持ち込んだ着物は正に、その戸板の男女の女が身につけていた湯灌場物でした。姉岩の着物に似ていると不審がりながらもお袖は着物を盥に漬けておきます。そこに戻ってきた直助権兵衛に渡された櫛は、こちらは紛れもないお岩が大事にしていた母の形見。盥の中から手が出て直助の腕を掴むシーンも、又有名です。そこへどんな力で迷い込んだか按摩宅悦がふらふらと訪れます。宅悦にお岩の最期の様子を聞いた袖は覚悟を決め、敵の助太刀をしてもらうために直助と「真の夫婦」になる為の固めの酒を酌み交わします

ところが事が終わった直後に現れたのが死んだと思っていた許婚の与茂七。実は彼は旅先で病を得、江戸で何が起こっているかまるで知らぬままにやっと戻りついたのですが、隠亡堀で回文状を直助に拾われたため、自分が手にした「権兵衛」と焼印のついた柄を頼りに訪ねてきたのです。昔の亭主と今の亭主。進退窮まったお袖は二人にそれぞれ因果を含み、殺しの手筈を伝えます

さて。舞台変わって、こちらは仏孫兵衛が家。ここでは足腰立たない難病に罹った小塩田又之丞が匿われていますが、後妻のお熊は彼を厄介者扱い。オマケに小平の息子である次郎吉(実は4幕目の最初にお袖の家に蜆売りに来てたりします因果は巡る。。。もう、いいか)をいびりまくり。おまけに小平の亡霊が次郎吉の身体を使って古着屋庄七から蒲団やカイマキを持って来たため、又之丞は盗人呼ばわりされる羽目に。たまたま仇討ち同士の配分金を持って訪れていた塩冶浪人赤垣伝蔵は又之丞が盗人に成り果てたと思って同士から外されるであろうと告げて帰ってしまいます。進退窮まって切腹しようとした又之丞の前に小平の亡霊が現れ、ソウキセイを渡して消えます。ソウキセイのおかげで信じられぬ勢いで病が癒えた又之丞は義士の面目が立つと喜びます

さて、再び舞台は変わって、こちらお袖・権兵衛・与茂七の三人三様絶体絶命、三角屋敷

お袖に言われ、それぞれに行灯の火が消えたのを合図に屏風を突き刺した権兵衛と与茂七が見たものは、二人の刃に突き刺され、虫の息のお袖。与茂七には知らぬこととはいえ、亭主と誓った相手が生きていたのに他の男と枕を交わした面目なさを謝り、来世は同じハスの上での夫婦を誓い、権兵衛には父姉の仇を討った後で臍の緒の書き物を頼りに一人きりの実の兄を探してほしいと頼みます

ところが。あ〜〜。因果は巡り、因果は回り、因果はうろたえ、因果は走る。

お袖が探すその兄こそ、実は直助権兵衛。更に自分が殺してしまったのが旧主奥田将監が息子庄三郎と知った直助は虫の息のお袖の首をはね、与茂七に回文状を託し、己は自害して果てます

5幕目・蛇山庵室の場

心の垂れ幕がかかり、伊右衛門の夢の場です。

秋山長兵衛を共に連れた殿様姿の伊右衛門鷹狩に来て、ある百姓家で糸紡ぎをする美しい娘(実は亡きお岩)と出会います。二人はすぐに心も身体も打ち解けあい、長兵衛は面白くないので出て行って、お化け燈籠などに驚き逃げます伊右衛門も夜が更けて帰ろうとしますが娘に止められ、更に正体を現したお岩の亡霊に襲われます

うなされる伊右衛門百万遍念仏を唱え続ける在所の人々。そこへ伊右衛門の実父である進藤源四郎が訪れます伊右衛門は覚めても産女姿の岩に襲われます。更にネズミに苦しめられてかなわぬからとお墨付を返しに来た長兵衛を縊り殺すお岩。そのお墨付はネズミに食い破られ、使い物にならなくなっていました。伊右衛門勘当した源四郎もまたなぜか首を括った自殺体となり、お熊も岩に食い殺され、民谷の血は伊右衛門一人を残して完全に絶えました。

その伊右衛門も駆けつけた与茂七の一刀を浴び、雪しきりに降り、拍子幕

木ノ下歌舞伎ではここまで3幕目)

 木ノ下歌舞伎東海道四谷怪談—通し上演—」@池袋あうるすぽっと観劇。ただ、この日はこの後、ももクロライブビューイングを控えていたため、時間的に3幕目は見られず、1幕目、2幕目のみの観劇となった。昨年、京都で「義経千本桜」の通し上演を見て、それを昨年(2012年)のベストアクト1位に選んだのだが、同じ通し上演でも「東海道四谷怪談*1と「義経千本桜」では印象が違う。

 「義経千本桜」は幕ごとに演出家・演出プランをがらりと変えての上演であったが、今回は全幕の演出を杉原邦生が担当した。「東海道四谷怪談」は実は彼らの旗揚げ公演でも取り上げた作品。今回は通し上演で同じく通しで上演した「義経千本桜」とは異なり、外部から演出家を招かなかったのはそれだけ思い入れの作品だからということもあるかもしれない。

[]ライブ・ビューイング「直送ももクロVOL.11 平面革命JAPAN TOUR 2013 “GOUNN”』仙台大会


〜オープニング〜

01:サラバ、愛しき悲しみたちよ

02:天手力男

03:words of the mind - brandnew journey -

04:LOST CHILD

パフォーマンス

05:DNA詩曲

06:キミとセカイ

07:D'の純情

08:BIRTH o BIRTH

パフォーマンス

09:空のカーテン

10ラフスタイル for ももいろクローバーZ

11:月と銀紙飛行船

パフォーマンス

12猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」

13:Z女戦争

14:ピンキージョーンズ

15:スターダストセレナーデ

16:ツヨクツヨク

パフォーマンス

17:GOUNN

エンディング

以下サイリウム使用可

SEoverture 〜Twinkle5参上!!〜

EN1:TwinkleWink / Twinkle5

MC百田乱入

SEoverture

EN2:Chai Maxx

MC1:自己紹介

EN3:ももいろ太鼓どどんが節

EN4:労働讃歌

EN5:行くぜっ!怪盗少女

MC2:

EN6:いつか君が

EN7:走れ!

MC3:パフォーマー紹介・最後挨拶

WEN:MC&ビックウェーブ

LV限定 コメント

*1:まだクライマックスとなるはずの3幕目を見る前の段階での感想

2013-11-18 これから観る舞台11月後半by中西理

[]これから観る舞台11月後半by中西

サンプル『永い遠足(作演出・松井周)

1117(日)〜25(月) にしすがも創造舎 4,000円

f:id:simokitazawa:20131118232940j:image:w360:left 人類起源現代を生きる命をめぐる新作である。親殺しや近親相姦といった禁忌タブー)を通じて、個人と社会関係を描き出したギリシャ悲劇オイディプス王」を下敷きに先進医療生命倫理の問題をも視野に入れた自分出自をめぐる新たな「物語」を紡いでいく。多田淳之介前田司郎、柴幸男ら多士済々の平田オリザ門下のなかでも私がもっとも底が見えない、まだまだなにかありそうだと感じているのが松井周率いるサンプルの演劇だ。一見平田現代口語演劇様式とは100万光年も離れたように見える今回のサンプルだが、松井はいったい現代演劇において自らをどんなポジションに置こうとしているのだろうか。それをもう一度考えなおしてみたい。

 

音楽座『ラブ・レター』原作者浅田次郎脚本・演出:ワームホールプロジェクト

11/15(金)〜20(水)  新宿文化センター 5,250〜9,450円、12/21(土)〜た23(月・祝) 町田市民ホール 8,400円 

 オリジナルミュージカルを作り続けてきた音楽座が5年ぶりに手掛ける新作は「メトロに乗って」でかつてタッグを組んだ浅田次郎短編小説原作とした「ラブ・レター」だ。前作「七つの人形恋物語」以来ここまで新作上演がなかったのは未曽有の天災となった東日本大震災の圧倒的な現実の前に音楽ミュージカルに何ができるかを根源から問い直したからだという。そういう中から生まれてきたこの新作は「死者が生者を励ます物語」。浅田原作も思わずほろりとくる感動の掌編だが、それを音楽座はどのように料理してくれるのか。期待は大である

木ノ下歌舞伎東海道四谷怪談(作:鶴屋南北、監修・補綴:木ノ下裕一、演出:杉原邦生)

11/21(木)〜24(日) 池袋あうるすぽっと 4,000円

 劇場に響き渡るテクノが祝祭性を強調する『三番叟』、3人の若手演出家を起用した『義経千本桜』通し上演など、主宰木ノ下裕一の古典芸能への深い造詣をベースに、現代における歌舞伎上演の可能性を探るのが木ノ下歌舞伎京都横浜を拠点に活動する新鋭劇団が、この秋、鶴屋南北の大作『東海道四谷怪談』の通し上演を引っさげてフェスティバル/トーキョーに初登場する。演出は杉原邦生。美術には島次郎を迎え、元・天井棧敷の女優・蘭妖子ら総勢20人の俳優とお岩の悲劇を生み出した時代の抱える社会の闇に迫っていく。こちらもチケット完売のようだが、当日券はでるのか? 

Port B『ガイドブックラジオを手に訪れるアジアから留学生たちの痕跡「もう1つの東京」に出会う』(構成・演出/高山明)

11/9(土)〜12/8(日)  都内各所 *ツアーキット受取所: 東京芸術劇場内1Fアトリウム特設F/Tインフォメーション 3,500円

 3.11後の現実に向き合った近作『Referendumー国民投票プロジェクト』(F/T11)、『光のないII』(F/T12)が、ウィーン芸術週間でも上演されたPort B。フェスティバル/トーキョーに参加しての最新作は、アジアから留学生たちの痕跡を歩く「旅」の演劇ガイドブック携帯ラジオを手に観客はそれぞれがレストラン公園などさまざまな場所訪問する。そこでラジオから聞こえるのは、かつてその場所に生きた人や縁のある都市、国の物語。観客は未知のアジア、そして「現実の中の異郷ヘテロトピア」としての東京出会う。キーワードは「旅」と「翻訳」。物語テキスト)は実際の東京への留学生管啓次郎、林立騎ら翻訳者との対話を元に生み出された。その過程で考えられたことも「ラジオ番組」などを通じ、広く発信される。 

 

中西

2013-11-17 音楽座とサンプル

[]フェスティバル/トーキョー13『四谷雑談集』@四谷周辺(+『四家の怪談』@北千住エリア

中野成樹、長島

11月9日(土)〜11月24日(日)

四谷エリア四谷雑談集〉

北千住五反野エリア〈四家の怪談

お岩稲荷

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 鶴屋南北の「東海道四谷怪談」の約100年前に当時知られていたお岩の物語をまとめた実録小説四谷雑談(ぞうたん)集」*1があった。南北はこの物語をもとに歌舞伎東海道四谷怪談」を創作したとされているが、この「四谷雑談集」と「東海道四谷怪談」にはいくつかの大きな違いがある。実は「四谷怪談」とは銘打ちながらも「東海道四谷怪談」の舞台四谷ではない。中野フランケンズ中野成樹、ドラマトゥルグの長島確らによるこのツアーパフォーマンスはこの日参加した「四谷雑談集」と別の日に北千住で開催される「四家の怪談」が2つでセットになっていて、そちらの方は中野成樹が新たに創作した創作民話ツアーの核となっているらしい。

 少し調べてみるまではそちらの方が「東海道四谷怪談」の土地設定に近いのだろうかと考えていたのだが、確かめてみるまでもなく、それは勘違いであることがわかった。というのは「東海道四谷怪談」の舞台設定は雑司が谷になっているからだ。

  

[]音楽ミュージカル「ラブ・レター」@新宿文化センター

美羽あさひ客演)、広田勇二、宮崎祥子高野菜々、益山武明(賢プロダクション所属)、新木啓介、新木りえ、安中淳也、井田安寿、五十嵐進、清田和美藤田将範、浜崎真美、佐藤伸行、富永友紀、上田亮、堀川亜矢、小林啓也、安島萌渡辺修也、齋藤睦、中村詞文、ほか

作曲

脚本

演出

料金

サイト http://www.ongakuza-musical.com/ ※正式な公演情報公式サイトでご確認ください。

説明 本作品は、直木賞作家浅田次郎氏の短編小説『ラブ・レター』を原作に、日本はもちろん、今や世界中から様々な事情を抱えた人たちが集まる街となった東京新都心新宿と、主人公故郷である東北地方海辺の街を舞台にした、「死者が生者を励ます物語」です。

普段私たちは、多くの死者たちによって生かされていることになかなか気づかないまま生きています。何も見えない空間に、実はたくさんの亡くなった人たちの思いが濃密に存在していることを知らずに、日常を過ごしていますしかし、時に思いもしなかった状況でそのことを教えてくれる出来事と出会い、その事実に直面したとき、生きているこの日々の大切さに改めて気づかされる…2011年東日本大震災は、まさにその最たるものではなかったでしょうか。

一瞬にして2万人以上の同胞を飲み込んだ津波は、被災地にいなかった私たちの心にも大きな空洞を穿っていきました。そして、今その空洞を埋めないまま、あの未曾有の天災日常の中に埋没されていっているのも現実です。

震災から二年を経た今、この世界私たち音楽ミュージカルはいったい何が出来るのか。 それが、この「死者が生者を励ます物語」を、「どんな人の心にもある小さな善意を呼び覚ます物語」を創作する意図となりました。私たち音楽ミュージカルは、今、本作品をお届けすることこそ、自分たちの使命であると考えております


ストーリー

ある年の夏、東日本大震災津波によって流された墓所を訪れたサトシは、かつて新宿歌舞伎町食堂で働いていた女性・ナオミと再会する。長い歳月を経た偶然の再会を喜ぶサトシ。やがて二人の会話は、サトシ大事に所持していた古びた一通の手紙のことから過去の出来事へと遡っていく。

新宿歌舞伎町で汚れた仕事を請け負いながら暮らしている男・高野吾郎は、知り合いのヤクザ佐竹偽装結婚の話を持ちかけられた。さして断る理由もなかった吾郎は、小金欲しさに戸籍を売ることにする。偽装結婚の相手は、中国人女性の白蘭(パイラン)。彼女日本国籍を得て働いた金で、中国に暮らす家族を養おうとしていたのだ。

白蘭に会うこともなく、報酬としてもらった金もあっという間に使い切り、一年ほど経ったある日、吾郎のもとへ一通の「死亡通知書」が届く。死んだのは、妻・高野白蘭。偽装結婚したことさえ忘れかけていた吾郎は、戸籍を売った佐竹事務所相談に駆け込むが、逆に遺体を引き取りに行くよう命じられ、白蘭の残した手紙差し出される。

会ったこともない、顔も知らない女の遺体を、どうして自分が引き取りに行かなければならないのか。腹をたてながらも、吾郎佐竹事務所にいたチンピラサトシと一緒に、白蘭の遺体が収容されている千葉千倉へと赴くことになった。しかし、白蘭の手紙を読み、日本での彼女の軌跡をたどる中で、吾郎はこの見知らぬ妻と、あらためて出会っていくことになる。そしてそんな吾郎の心の変化は、ともに行動していたサトシをも変えていくのだった。

 音楽座「ラブ・レター」@新宿文化センター観劇浅田次郎原作のこの舞台震災劇ではない。人間の死と生にかかわるもっと普遍的物語だ。ただ、舞台レ・ミゼラブル誕生旧ソ連崩壊に始まる当時の政治的な状況と無関係ではないようにポスト3・11空気を反映しているのは確かだ。

[]サンプル「永い遠足」@西すがも創造

作・演出:松井

出演:古屋隆太、奥田洋平(以上サンプル・青年団)、

野津あおい(サンプル)、羽場睦子、稲継美保、

坂口辰平(ハイバイ)、坂倉奈津子久保井 研(唐組

舞台監督鈴木康郎、浦本佳亮、谷澤拓巳

舞台美術杉山至+鴉屋

照明:木藤 歩

音響:牛川紀政

衣裳:小松陽佳留(une chrysantheme)

英語字幕:門田美和

演出助手山内

ドラマターグ:野村政之

WEBデザイン斎藤

宣伝写真momoko matsumoto

フライヤーデザイン:京(kyo.designworks)

制作三好佐智子(quinada)、冨永直子(quinada)

助成

協力:レトル、青年団ハイバイ、唐組、至福団、シバイエンジン

製作:サンプル・quinada

共同製作主催フェスティバル/トーキョー