頭の良くなる方法について考えてみた
ITコンサル業をやっていると、お客様に頭がいいと思ってもらえる事が必要な場面があることを最近感じることがいろいろありました。
実をいうと、私は昔から自分の頭があまり良くないと思う事が秘かにコンプレックスでした。おかげさまで、仕事の現場では結構お役に立てていると思いますし、成果も上げる事ができているのですが、実力には自信があっても、自分のCPU能力はいまいちだよなぁ。と思っていました。
なんとなく、頭の良さって生まれつきでどうしようもないイメージがあるけど、本当なんだろうか?そもそも、頭が良いって感じるのはどういうポイントなんだろう。もし、少なくとも頭がよく見えるコツが練習できたらいいんじゃないだろうか?すくなくとも頭が良く見えるようにはできるかも!
もしかすると、克服することができるんとちゃうか?そしたら、もっと楽しいかも!
そんなことを考えたことについて、自分の整理がてらブログに書いてみようと思います。
頭のいい人のイメージ
頭のいい人がどういうイメージなのか、自分で考えたり、周りの人に聞いて考えてみると、次の3つが思い浮びました
- 話す内容がわかりやすく、整理されており、言う事に必ず根拠がある (話す能力)
- 相手の伝えたい事を的確に理解でき、的確に回答できる (聞く能力)
- 難しい事をすぐに理解でき、本質を見抜き、カンタンに説明できる (考える能力)
最初の「話す能力」についてですが、わかりやすいだけでも、頭がよく感じないし、論理的であるだけでも、頭がよく感じないと思います。その2つの要素があって、はじめて頭がよいと感じてもらえそうな気がします。
次に「聞く能力」についてです。これは、相手の「言っている事」を的確に理解出来る事も重要ですがそれは、その人が表現したいことの1要素でしかありませんから、その場の空気や、ボディランゲージ、しぐさ、表情からいろいろな事を読み取ることが必要になってきます。さらにもう一歩踏み込むと、相手の人の思っていることが、その人の真の問題の解決につながるかはわかりませんので、そういった背景もコミュニケーションをとって理解していく事も重要かもしれません。つまり、問題発見/問題解決能力です。
さらに、「聞く能力」に関してはそういう「論理的」な内容以外にも、その人の「価値観」であったり「感情」を理解すると言った事も重要になってきます。
最後に「考える能力」ですが、これは難しい。既にもっている知識/経験の量と、普段からどれだけ「考えている」か?ということにかかってくるのかもしれません。そしてその考えた事をわかりやすくアウトプットするための能力として、ロジカルシンキング/抽象化能力/フレームワーク思考なんかができる必要がありそうです。
よく考えてみると「この人は頭がいい」と思うタイミングは資料を見てそう思うのではなく、直接その人と話している時が多いようです。私が人生の中で最高に頭がいいと思っている人がいるのですが、その人はこの3要素は完璧でした。IT系の有名な人でこの要件を満たしている人はとても多いですが、例えば羽生田さんの本質を見抜く能力は郡をぬいていますし、細川さんの難しい事を理解して、カンタンに説明できる能力は驚異的だと感じています。ただ、「頭のいい」というのと「アイデアマン」という事は両方を備える人もいるし、片方だけの人もいるので直交する概念という気がしているので、アイデアマンでいることはまた別の能力な気がしています。
参考になる書籍
折角ブログ記事にしたので、参考になる本をご紹介したいと思います。今回のテーマで一番参考になって尚かつ分りやすい!と私が大推薦の本はコレです。この手の本はわかりやすくするための本のはずなのに、本は分りにくいというケースが多いですが(笑)この本は違います。凄く読みやすいし、実践しやすい!私は大好きです。この本では、地面頭力の定義、そして、「結論から、全体から、単純に」考えるためのテクニックが紹介されています。他にも良い本はありますが、まずここからでいいと思います。これは「話す力」と「考える力」に影響してきそうです。

- 作者: 細谷功
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: ハードカバー
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また、次に問題発見/解決能力ですがこの本が私が好きです。あまりメジャーではないですが、最初に出会った本というせいでしょうか?「問題解決」はもちろん「問題発見」の重要性についてかいてあります。この「問題発見」の概念に出会ったときは衝撃的でした。これは、「聞く力」を深める為に役立ちそうです。

- 作者: 深川征司
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
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さらに、好きなのがこの本です。このシリーズの本ははずれ無しでいつも楽しみにしていますが、この「ロジカルディスカッション」はとっても分りやすく、且つ具体的です。特に「要約」のテクニックや鍛え方がファシリテーションのガチの現場でどうするか、どう鍛えるかまで乗っています。こんな本見た事無いです。本当に素晴らしい。

- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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相手を理解するこ、そして、自分の言いたい事を伝える事で最高に役に立つのが次の本です。営業系の本ですがNLPの考えをベースにした、非常に実践的な本です。人間的な面での相手とのコミュニケーションについて私が大好きな本です。

- 作者: ケビンホーガン,Kevin Hogan,五十嵐哲
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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これ以外にも素晴らしい本は沢山ありますがまずはこの4つをオススメいたします。余談ですが、最近「アイデア」がブームになっている気がしますが、「アイデア」は凄く大切だと思いますが、「アイデア」がいくら出せても、それをわかりやすく「伝える」ことができなければ宝の持ち腐れになってしまうから、こういう能力を高めたいなぁ。なんて思っています。
さて、これらの頭のいい人のイメージに対して、なぜ自分は頭がよいと感じられないのかを考えてみました。
自分はなぜ頭が良くないと感じているのか
自分が頭が良くないとぼんやりと考えている内容を整理してみると下記の感じでした。
- 思考がカオスであり、整理がつかない傾向にある
- 短期記憶を長く保持できない、すぐ忘れる
- 複雑なことをすぐに理解できない
最初の「思考が整理がつかない」という事ですが、これは良いポイントもあります。自分では周囲の人と比べると、新しいことをやったり、アイデアを出す事はまったく楽しんで出来るのです。ただ、整理がつかない。ここは、カオスの良さを活かしつつ、思い立ったら、整理して言えるようになりたいものです。
普段の仕事の場ではこの課題をどうカバーしているか?というと、会議や、説明の場の前に、上記の書籍等で得た技術でカンタンに整理したりしています。整理して望むとなんとかなりいいかんじです。ただし、一発勝負でアドリブの場面ではこれは通用しません。ここは鍛えどころかも知れません。
次に「短期記憶を長く保持できない」という点です。これは英語学習とかでいう「リテンション」の能力で、人が言った事をしばらく記憶しておく能力です。この記憶出来る時間が短いとすぐに話についていけなくなります。実際にプライベートの場面ではそういう場面が多くあります。実際の仕事の場面でこれが問題になっていないのは、恐らく私はすぐにPCをつかってマインドマップ等を活用してメモをとっているからと思われます。ただし、これはPCが使えない場面では使えないでしょう。今の仕事ではPCがあることがほとんどなので、問題が顕在化していませんがこれも、鍛える必要がありそうです。この問題に関してはPCの他に、皆で議論しているときは、ホワイトボードに書いて議論をするようにしたり、astahをつかって、プロジェクターに書いた物を見せながらディスカッションをすることで、カバーしているということに今回考えてみて気づきました(笑)。しかし、根本の問題はまだ解決していませんね。
最後に、「複雑な事を理解できない」ということがあります。私は他の人からみたら難しい事を理解できているように見えるかもしれませんが、大抵は七転八倒の末に、アウトプットしている感じです。つまりむっちゃ時間がかかっているのです。複雑な事を理解するときに、2つのアプローチがあると思ってます。一つは原理原則をしっかり理解すること。例えば数学の公式を深く理解するようなことです。こういう事にたけている人は、原理原則とか基本のところを深く理解しているので、応用がすぐに効きます。私もそういうことを後付けでしているけど、私はもう一つのタイプです。大量にインプットして脳が相関関係を見つけるのをまちます。沢山のインプットがあれば、その後原理原則を見て納得するみたいな感じです。
カンタンにいうと、とにかくやってみて、体で覚える方式ですww
前者のやり方はエンジニア的なやり方で、後者のやり方はアーティスト的なやり方な気がしています。どっちが良い悪いとかは無いと思いますが、私は前者は厳しいので、後者でやっています。英語の勉強法も、文法を覚えるというより、大量インプットで。ただし、エンジニアとしては多分に数学的な要素、ロジカルさが重要なので前者が弱いというのは致命的かもしれません。
しかも、後者のみの能力しかないと、「その場ですぐに複雑なことを理解する」ということは無理なので、頭の良い感じにはなりません。だから、前者のアプローチも基本的なところはある程度はできるようになってみたいものです。
私は全ての物事でそうなのですが、自分に才能ない分野でも、努力すれば人並み以上程度にはなれると思っています。なぜなら、大抵の人はそんなに努力しないと思うからです。もちろんそれが、強みになるほどごっついレベルになれるかは別ですが、普通の人よりちょっと上ぐらいだと、鍛えれば十分到達できると思っています。
頭を良くするための大作戦!
さて、「頭のいい人の条件」「私が自分が頭が良くないと思う理由」を整理したところで、自分の足りないところを補強するための訓練を考えてみます。
「思考が整理がつかない」という事に関しては、しばらく、人と話をするときに整理をして話すようにする練習をしてみます。整理の練習としてはコンサルタントが昔から使う手で、考えつく前から「この問題を解決するための方法は3つあります」と言ってから話しだす練習です。これをやると、3つしかないので、抽象化能力が鍛えられますし、整理して話さざるを得ません。フレームワーク思考で一瞬で考えられる能力も身に付くかもしれません。
ずっとすると、自分のカオスな脳の能力が落ちてしまうかもしれませんので、とりあえず出来るようになるところまでやってみます。これは、先ほどの「ロジカルディスカッション」に乗っているような要約のテクニックを普段から使ってみます。テレビの討論番組を見ながら、勝手に人の言った事を要約してみたりもしてみたいと思っています。
次の「短期記憶能力」ですが、英語学習の場合は、自分で短い文から徐々に長い分を暗記して言えるようにしたり、シャドーイングをしたりして、リテンション能力を高めます。しかし、これはすぐに身に付かないので、メモを適切に取ってみる訓練がいいかもしれません。また、こんかい考えたことで、自分がこの弱点をカバーしているメカニズムを知ったので、口頭だけで何かをしようとしないという手もあるかもしれません。
ガチで鍛えるためには、これも、要約力がいいかもしれません。テレビを見ながら、討論番組をみて、主張をあくまで紙やホワイトボードに書かないまま記憶して整理して、要約してみるとかそういったトレーニングがよいような気がします。フレームワークをホワイトボードや紙に落とさず、頭でやる練習ですね。
最後に「複雑なことの理解」ですが、いつもの大量インプット方式での理解をしますが、どこかの分野を決めて敢えて「原理原則理解ファースト」方式で理解してみる練習をする練習をしてみたいと思います。
おわりに
ここまでは、私がふと思った事なので、これを実践してみて一体どうなるかが楽しみです。うまくいくかはわかりませんけど、多分どこかにたどり着けると思います!