シーズン3、第20話「魅惑のカントリー歌手」"Colonel Homer" March 26, 1992
場末の飲み屋で、ウエイトレスをしつつカントリーを弾き語りするローリーンに偶然出会ったホーマーは、彼女の才能に一目ぼれ。このまま埋もれさせておくわけにはいかないと、売り込みをかける。一方、若い女 に入れ込みやがってと、お冠むりなマージだったが…
<以下、ネタバレになります>
・冒頭で一家がやってくるシネコン の名称は"Googolplex"。また、ローリンが初めて出演するTV番組が"Ya-Hoo!"。
Google や Yahoo! のパロディと思いきや、どちらも最初の放映時には発足前なので、もしかしたら共にこのエピソードが命名 のヒントとなったのかもしれません。
バートとリサが観るのは、シンプソンズ の世界では人気シリーズらしいB級ホラー"Space Mutants VI"。
ホーマーとマージは"The Stockholm Affair"なる映画を観るのですが、"Affair"の意味を情事や浮気と解釈した二人の思惑とは全く違う、ポリティカルスリラーでした。退屈したホーマーが、上映中にも関わらず何かで読んだネタバレをわめきたて、他の観客からブーイングを浴びるくだりは、同じくシーズン3の第12話「マージと結婚して 」にて、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』を観終わった彼が、次の回の入場を待っている行列の前でネタバレ発言をして、同様に不評を買うシーンを想起させられます。
・珍しくモーの店以外の酒場を訪れたホーマーは“いつもの”Duffビールを注文するものの、ウチにはコレしかないとバーテンに返され、代わりに出てくるのが"Fudd"なる銘柄のビール。
この店に辿り着く前にホーマーが通り過ぎる南部風の家のベランダに、
バンジョー 弾く少年がいますが、これは
ジョン・ブアマン 監督の映画『脱出"DELIVERANCE"』に登場するキャ
ラク ターのパロディの様です。
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なお予告編の前半などからは、楽しいアド
ベンチャー 映画との印象を受けるこの作品ですが、途中からの予想の斜め上をゆく展開には、前述の"The Stockholm Affair"を観たホーマー同様に困惑させられてしまうかもしれません。
・このエピソードは、60年代から近年まで活動を続けているカントリー
ウェスタ ン歌手ロレッタ・リンの半生を描いた『歌え!ロレッタ愛のために"COAL MINER'S DAUGHTER"』をベースとしているそうです。
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なお、ローリーンの声および歌を担当したビヴァリー・ダンジェロも、この映画に出演しています。
またエピソード内での彼女の歌声は、このサントラに収録されています。
・サブタイトルは、
エルヴィス・プレスリー のマネージャーとして知られるトマス・アンドリュー・パーカーの愛称「パーカー大佐"Colonel Parker"」のパロディ。ホーマーが本格的にローリーンを売り出し始める際の
ウェスタ ンルックのスーツにテンガロンハットの出で立ちは、パーカー大佐のトレードマークだったそれにちなんだもの。
・ホーマーの目論見通り、成功の階段を昇ってゆくローリーン。それと反比例して増していく、マージの不信。
そんな諍いを解決してくれる、ローリーンの新曲と彼女が歌詞にこめた思いがホロリとさせてくれます。
・なお、その後もシーズン4「モノレールの甘い罠"Marge vs. the Monorail"」などに登場するローリーンですが、このエピソードでの快進撃以降、残念ながら芸能活動は低迷を続けている様です。
<声の出演>
<日本語版スタッフ>
役職
お名前
翻訳
徐賀世子
調整
栗林秀年
効果
関根正治
演出
春日一伸
プロデューサー
松岡紀之(WOWOW ),小川眞紀子
録音
Studio Saurus
編集
ムービーテレビジョン・スタジオ