「不思議な少年」(4) 山下和美

 時間を超越した存在である、天使をイメージするような不思議な少年が様々な時代や地域の人間の心と生き様を観察するという作品。
 相変わらず、出来がいいですね。この巻は、現代の日本、鎌倉時代ぐらいの日本、昔のヨーロッパのロム族が舞台になった3つ話が収録されています。個人的には、1話目がよかったです。3話目のロム族は前編と後編に分かれており、しかもそれぞれかなりのページ数があるので読み応えがあります。ロム族というのは俗にジプシーと呼ばれる放浪生活をしている民族の名称で、私はロマという名称の方が馴染みがあったので、ロマをモデルにした架空の名称なのかと思ったのですが、ロマはロムの複数形らしいですね。知りませんでした。

「るくるく」(5) あさりよしとお

 派手さはないですが、なんとなくお気に入りのマンガです。悪魔の姫であるるく突然家にやってくるという、定番の女の子押しかけ型居候マンガ。
 雑誌の方で、どういうわけか2回ぐらい読んでいるので、いまいち強い感想がありませんが、安定して面白いです。

「もやしもん」(2) 石川雅之

 農大を舞台にした菌マンガの第2巻。1巻が地味に評判になりました。この巻も地味ですが非常に面白いです。
 今回は、日本酒と学園祭である春祭の話です。女性の新キャラも追加されましたが、またもやSキャラですよ。長谷川さんとかなりかぶってます。作者の趣味が出てますね。
 マンガの柱の部分に連載時の人物紹介が掲載されているのはいいですね。菌の名称は紹介されても覚えられませんが、専門知識がある人が見ればまた違った楽しみ方も出来るのでしょう。
 それと2巻の真っ白な表紙は書店で全然目立ちませんね。新刊のコーナーに置いてないのかと思いましたよ。ここまで地味にする必要はないと思うのですが、どうなんでしょう。
 裏側の帯に書いてあるのは、第3巻の表紙でしょうか。2006年春発売予定の単行本の表紙が既に決まっているのかは疑問ですが、これは今までとは一転して派手で目を引きますね。というか、とても地味な菌マンガではないです。この服ボンテージにしか見えませんが普段着ですからね、凄いですよ。これと白衣の組み合わせはマニアック過ぎます。
 あと、本を閉じて下から見ると菌が描かれていますよ。読んでいて見つけたときは、ちょっと感動しました。こういうのって私は初めて見たのですが、他にもあるのでしょうか。いい感じですね。