オタクが楽に生きる会話術

雑談だけで会話を続けるのは難しい』(ARTIFACT ―人工事実―)

 自分の話ばかりしないで他人の話に耳を傾けよう。そうすれば、異性にもモテるかも知れないという話。オタクの趣向のばらつきによって、オタク同士でもコミュニケーションが取りづらくなったという話。会話が苦手な人は会話のきっかけを意識しようという話です。
 私の場合、モテのためのコミュニケーション能力の向上というものには、まったくと言っていいほど興味が持てません。会話の相手に関しては性別よりも、相手が極端に言うとオタクがどうかという方が重要であり、それによって明確に対応の仕方が変わります。もちろん相手に自分と共通するオタク的な趣味が無くても、価値観が似ていたりして話が弾むことも稀にはあるのですが、圧倒的にオタクかどうかという要素の影響が大きいです。
 自分の好きな事を話して、その話が通じるということの安心感や楽しさです。相手との趣味の共通性が無い場合、つまり相手がいわゆる一般人だとこのような話はできないので、どうしても当たり障りの無いような話題を無理して話すしかありません。まあ、20年以上生きてきて、そんな能力も最低限は身に付けているつもりですが、正直言って楽しくないです。調子を合わせて無理して笑っているときなんか特にそんな気分ですし、煩わしく不毛な人間関係な気がしてきます。
 そんな意味でも、趣味が共通した話し相手はやっぱり貴重な存在です。それもネット上の相手ではなく、実際に会って無駄話を出来る相手の方がいいです。マンガ、小説、アニメ、音楽、映画どれでもいいのですが、それらに関して話しているだけで楽しいです。やはり心底自分はオタク気質ですね。
 あと勝手な話ですが、ジャンルがオタク関係ならいいというわけではなく、趣向の一致や深さなんかも関係してきます。相手の好きなモノが理解できなかったり、浅かったりすると逆にストレスがたまることがある程です。信者とアンチなんていうものまでありますし、難しいものです。
 でも、趣味や趣向が似ていると価値観なんかも似ていることが多い気がします。関心ある話題が同じなら、なんでもない雑談も楽しくなります。これは自分を同じ趣味を持ったサイトの管理人に対して親近感を感じるのと同じことかもしれません。なぜか似たような価値観や考え方をした人が多いんですよね。

 学校や職場などで毎日会うような相手ならともかく、初めて会った人や次にいつ会うかわからない人と雑談だけしてもなーと思ってしまうので。
 大体そういう時は、何に興味を持っているのか、質問してみる。で、相手の興味がわかれば、いろいろ質問したりして、会話を続けることはできるのだが、世の中、自分の興味を把握してない人、趣味を持ってない人というのは意外と多い。というか、そういう人の方が多いんではないかと疑ってるぐらいだ。こういう人相手に会話を続けるには、雑談を続けるしかない。

 この感じ非常に良くわかります。初対面の人に対しては、まず相手の関心がある事を探るのは基本です。それが共通していればその話題で盛り上がればいいし、たとえ共通していなくても話のネタには十分なります。問題なのは、ここにも書かれているように、いまいちそれが見つからない人です。テレビ、マンガ、小説、映画、ゲームなんかを浅く薄く摂取しているようなタイプだと何を話したらいいのか困ってしまいます。向こうは、それらについて別に深く語り合いたい訳ではないんですよね。
 そうなると当たり障りの無い話題しか残っていません。このタイプが俗に言う一般人に当たるタイプなのだと思います。相手に特別な趣味が無いというのは、自分が興味の無い趣味の場合よりも厄介です。何を話せばいいのか本当に困ります。どうでもいい話に対しては、適当に話を合わせたり、聞き流したりするしかないでしょう。その際に、それを相手に悟られずに、いかに上手く溶け込むことが出来るかがポイントかもしれません。

 結局何が言いたかったかといえば、円滑な人間関係を築きたいならば、オタクでも当たり障りの無い雑談に対応できる能力を身に付けた方が便利である。その上で、自分の趣味の話が出来る相手や環境を大事にするべきということです。大した話ではありませんでしたね。でも一番辛いのは、上手く他人と会話が出来ないと悩んでいる一般人なのかなと思ったりもします。恋人が欲しい喪男や結婚したい毒男みたいなものです。少なくても割り切ったオタクは楽ですよ。