小沢一郎氏、日本大学の理事就任へ

民主党代表の小沢一郎氏が日本大学の理事に就任する。

陸山会事件で強制起訴された後、民主党党員資格停止処分を受けていた小沢氏だが、公判前の段階で、東京地裁が起訴の根拠となった秘書らの検事調書の証拠採用を却下。無罪の可能性が高くなったと見られている。
原発事故を含む震災対策で後手に回り、野党の攻撃にさらされ続ける民主党内では、小沢氏の政治手腕に期待して党員資格停止処分の見直しを唱える動きが顕在化している。
こうしたなか、小沢氏が日本大学の理事に就任することが分かった。日大関係者によれば、すでに本人の内諾を得ており、9月の理事会で正式に決まる見込みだとしている。
小沢氏には、慶応義塾大学卒業後、日本大学の大学院に在籍した経歴があるほか、父で大臣や自民党政調会長などを歴任した故・小沢佐重喜氏が日本大学卒という縁があった。
本来であれば慶応のOBとして活動しても良さそうであるが、日大出身政治家の組織である桜門会の最高顧問も務めている小沢氏は筋金入りの「慶応嫌い」で有名である。
今回もその慶応嫌いによるものなのであろうか。
いづれにせよ、伝統的に建築業界に強い影響力をもつ日本大学と運輸・建設大臣の息子であり、現在でもゼネコンをはじめとする建設業界を中心とした巨大な人脈を持ち、「不動産王」ともいわれる小沢一郎氏の組み合わせは強力だ。
日大は拠点とする千代田区で土地確保などキャンパスの再開発に苦戦しているだけに今回の人事は心強いだろう。
日大といえば最近は小泉ジュニアも講演したことで注目を浴びている。
政界最大派閥のボスである剛腕・小沢一郎が味方となる日大。政界とのパイプは大学運営や実績にも直結する為、今後の展開から目が離せない。