散歩男爵 Baron de Flaneur (Art Plod版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-08-29

史上初(?)ツイッター&タンブラー上での「小説先行ロードショウor朗読」開始日/時間帯、リクエスト受付中です

S「そんなこんなで『15×24』先行上映/朗読を始めようと思ったら、明日は所用で出かけるし明後日は選挙だし^^;と気がつきまして」

X「ていうか、その長ったらしい企画名なんとかしろ。他にないのか、もっとこうtsudaるみたいな新しい表現で、おまえのやろうとしてることを」

S「えーと、じゃあKazmaる?

  • Kazmaる/動詞(自・他):書籍の出版に先立って、ツイッター/タンブラー上でその草稿を順次公開し、適宜コメントを加えつつ、RTやコメントやツッコミや誤字脱字指摘を待ちこがれる

……みたいな」

X「イマイチしまらんが、まあ無いよりはマシだな。あと、おまえのコメントは本文朗読とごっちゃになるとめんどくさいから、 #15c24 のタグでやるかタンブラーのコメント機能で書け」

S「というわけで開始日時リクエストなどお待ちしてます〜」

2009-05-01

GGG10:スキャナーに生き甲斐はある、もしくはグーグル書籍サーチにちゃんと対抗する方法

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X「そんなこんなで、

  1. 今回のGoogleの戦法は、フェアユース+集団訴訟コンボだった
  2. 作家組合が(あまりにも素直に?)和解しちゃったせいでグーグル(以下グ社)はタナボタ大儲け
  3. 日本中の著作権者が封書をもらって「でもどうしたらいいのよ!?」状態に
  4. そして期限は目の前だ! 以下次号!
  5. と思ったら『期限は9月4日まで延ばします』というオチが!

というのが、ここまでの大ざっぱな要約なんだが」

S「まぁ落ち着いて考える時間ができたのは、良かったじゃないですか。――ということで、先日の早見表で『さてどうしよう』と悩んでいる方向けのアイデアを披露したいと思います。すなわち、グーグル書籍サーチに真っ向から対抗するための」

M「それって和解案から離脱するのとは違うんですか」

S「うん、もうちょっと根本的な対抗策だよ。すなわち〈第2書籍サーチ〉を構築すればいい、という案―クラウド・スキャニングによってね」

M「クラ?」

X「……ははーん。ようするに、ネットで繋がった世界中の参加者/ボランティアが分担して、一気に、グーグルよりも大量の書籍をスキャニングしようってんだな?」

S「そんなとこですかね。クラウドについてはこちらをどうぞ→[wikipedia.org/クラウドコンピューティング]。

ざっと暗算してみますと……仮に700万冊*1を基準にするとして、平均ページがまあ300……いや、多めに500くらいにしときますか。これで5*7*10^(6+2)=3.5*10^9、つまり35億ページ。一人の参加者が1ページをスキャンしてデータをアップするのに、ちょい多めに見積もって1分かかったとしても――」

X「10億人で同時にかかれば3分半で済むわけだ。1億人なら35分、1000万人なら約6時間、たった100万人でも3日ありゃ充分。地球は丸いんだから、いつでもどこかは昼間だしな。常時誰かがどこかでスキャン&アップしてればいい。分担がかぶらないようにするには、うまいことタグつけたり、スキャナに『そのページは既に世界のどこかでスキャン済みです』警告機能をつけときゃいい、と。そういうことだろ?」

S「完全に連続じゃないでしょうから、もうちょっと余裕をとるとして……全世界どころか日本だけで延べ100万人が1ページあたり5分だとしても、半年もあれば大丈夫でしょうね。グ社の700万冊スキャン済みってのは、実はそんなに大した分量じゃないんです

M「校正の時間も必要ですよ」

S「あ、そうか。それでもまぁ1年だ。1年あれば『黒船』に対抗できるんですよ、どうですか皆さん!(と和解案反対派諸氏のほうを見る)」

M「そりゃ計算上はそうでしょうけど。100万台のスキャナはどこから手に入れるんですか」

X「そこだな、問題は。仮に安価で便利なスキャナを開発して販売するとしても、わざわざグ社に対抗するためだけに購入する暇人はそんなにいねえだろ」

S「すでに普及してる機器を改良すればいいんですよ」

X「というと?」

S「決まってるじゃないですか。日本中のオフィス・コンビニ公共施設・家庭に置かれてる膨大なコピー機ですよ。できればオフィスにあるファックス兼用機のほうが望ましいですが」

M&X「……あ」

S「あれは本質的にはスキャナですからね。しかもファックス兼用機は当然ながら既に回線でつながっているので、あとはデータの規格統一・共有・突合・タグ付加等のシステムを組み込めばいい。どこか中央にデータを集めるのではなく、ネットのあちこちに散らしておく……あるいはいっそのことP2Pで各マシンに分散させるか。で、使ってない暇なコピー機を、ちょっとづつ〈日の丸書籍サーチ〉のために働かせて」

X「SETI@homeみたいなもんか」

M「でも今のコピー機だと、書籍のノドのところが奇麗にスキャンできませんよ」

S「そのへんは上手いレンズを開発すれば、何とかなるんでないの?(←ものすごい楽観的な性格)。実際、新城のアイデアに似たようなSNS、たとえばLibraryThingなども始まってますし」

X「ふーむ」

S「それがダメなら、もう一つ別のやり方があります。著作物に関する権利を長〜く主張したい作者のみなさんは、自分の死亡日時を明らかにしないで『もしかして今もまだ生きてるかも』ってしとけばいい

杉下右京「はいいぃ!?」

S「これなら著作権法を改正しなくてもいいし、早めに著作物を開放/解放したい人にも迷惑はかからない。名付けて、弘法大師方式!」

M「いやまあ……それはそうかもですが……」

X「その代わり、失踪から七年で死亡宣告ですっていう条文は改正する必要があるんじゃねえの」

S「失踪後の死亡宣告って任意じゃないんですか?」

X「それはねえだろ……いやちょっと待てよ……(検索を開始)」

S「まあ二つ目の案はあれとしても、最初の案は、現時点の新城が提案できる『たったひとつの冴えたやり方』であります――いかがですか?」

M「なぁんか騙されてるような気が…………あ、待てよ!」

(その11に続く)

*1:例の、グ社が無許可でスキャンし終えていた冊数です。

2009-03-09

われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その04】もしくは、トウィーグル時代へようこそ Welcome to the TweegleEra!

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S「というわけで最近はすっかりTwitter&Google三昧の新城です。こういう状態をTweeglingと名付けたんだけど、どうだろう?」

M「その英単語、別の意味があるんじゃなかったでしたっけ」

S「えーとどうだろう。後でググってみるわ」

M「どんだけグーグル頼りですか! それにアマゾンやウィキペディアは無視ですか。あれだけお世話になっといて」

S「いや、そこなんだよ。新城が利用してみたところ、AmazonやWikipediaは言語圏ごとに分かれててちょっとだけめんどくさいんだけど、YouTubeやTwitterやGoogleはシームレスにつながってるんだ。これ、些細なようで決定的な違いだと思うんだけどね。つい先ほども、日本語圏のtweetをふらふら追いかけてたら、いつのまにか2時間前のカナダ某地方の交通事故にまきこまれて今まさに愛馬が二頭大変な目に遭ってます、という女性とその友達(こちらは米国在住らしい)の会話の連鎖にたどり着いちゃったりして」

M「へー。それで馬は無事だったんですか」

S「うん、なんとか病院へ運び込まれたらしい。よかったよかった。それはともかくとして、先日からの続きをば:

今回の『Google×著作権』についての素朴な疑問・裏技・妄想集:

  • コミケで売られてる同人誌は「書籍」に含まれるのか? もしも書籍ならば、「市販されている」のか「絶版」なのか?
  • 逆に、極少部数しか出版されずに非常に入手困難な書籍はどうなるのか? それらは出版された瞬間に「絶版扱い」なのだろうか?
  • ライトノベルは「児童書」に含まれるのか? その場合は、「児童書の挿絵」を描いたことにされるイラストレータも今回の和解の当事者となりえる……はたしてそのことを、日本国内の絵師さんたちは気づいているのだろうか?
  • もしも別人が著者(著作権所有者)のふりをして「私の本を削除してください」と申し出たら、はたして見抜けるのか? そもそも本人確認はどうやっておこなっているのか?
  • 米国のどこかで、ジャパニーズ・アニメ好きなおっさんや、もうすぐ日本に帰ってくる海外駐在員の家族がいて、彼らが引っ越しの際に「よければどうぞ」と近所の図書館などに日本語の書籍を大量に寄付していった場合……その中には、相当数の現代日本の小説やマンガ等が含まれているのでは?
  • はたして今年の夏コミに、『Google×著作権』を扱ったBL同人誌は出ているだろうか?

後でまた増やしていきますので、まずはこのくらいで。新しいネタを思いついた方は、ぜひコメント欄にどうぞ!」

M「何をそんなにバタバタしてるんですか」

S「いや、これから某編集者と打ち合わせなので。では行ってきまーす」


(数時間後)


S「というわけで戻ってきました。上の疑問集ですが、新城はまだ和解案の原文を読み終わってないので、もしかしたらそっちに答が書いてあるかもしれませんことをばお断りしておきます。で、ネタの追加:

  • ベルヌ条約加盟国の著作権者に支払われる60ドルだか63%(の一部)だかは、すべて米国の版権レジストリが一括管理するのか? それとも各国に『その国専用の版権レジストリ』が設立されるのか? その場合、二重国籍者はどういう扱いになるのか? 無国籍者は?
  • 今後、どこかの国がベルヌ条約から脱退したら、その国の著作権者の扱いはどうなるのか?
  • 今は除外されている定期刊行物(雑誌・機関誌など)も、そのうち集団訴訟の和解が成立したら、スキャンされるのだろうか?
  • そもそもマンガは書籍なのか、イラスト扱いなのか? アメコミは発行形態からして『定期刊行物』が大半のようだが、総集編もあるはず……それらの扱いは?
  • Googleは和解案+ベルヌ条約のコンボ技によって、諸外国での面倒な集団訴訟をまるごと回避できたことになる……これはどの時点から意図して繰り出した『決め技』だったのか? 和解案が形成されていった正確な経緯はどこかに(あるいは今後)明らかになっている/されるのだろうか?

うーん、とりあえずこんなところかな?」

2009-01-31

消費(の下限)割当制度 least consumption quota system

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S「……というネタを、こないだクルーグマン氏のブログを読んでて思いついたんですよ」

X「ほほう」

S「K氏の論旨は、簡単に言うと、『戦時中にやってた財政政策が効果なかったっていう人いますけど、あの時は社会全体が戦争遂行のために/のせいで消費抑制rationingしてたことを忘れちゃだめだよん』=『今度は財政政策が効果あるはずだよん』みたいなことなんですが、じゃあいっそ完全に状況を逆にしちゃえば、もっと財政政策の効きがよくなるなじゃないのかな、と。だもんで、米国在住者全員に単位期間あたりの消費下限を設定して、それ以上の消費を義務づけてみよう! 違反者には罰金!とか」

X「ははーん。これ、以前のあれのロジックの延長でもあるわけだ」

S「まあそうですね。この100年に一度の経済危機は、いってみれば通貨戦争もしくはGDP大戦みたいなもんですから。じゃあ戦時には配給制で総動員だ!みたいな発想で」

X「なんか螺旋人画伯が喜びそうなスローガンだなあ」

S「過激な名称のほうがアナウンス効果あるかなあと思って。実際、911直後にはブッシュ政権が『もっと消費しましょう!』キャンペーンをはった前科前例もありますし。そこまでいかなくとも、投資控除をガンガンに拡充すればいいのでは?とは思います」

X「それで思い出したが、教育に関する支払いは『投資』扱いにならないって話なかったっけ。税法だか会計だかで。だから、その項目をちょちょいと定義変更するっても面白いかも」

S「へーそうなんですか? ちょっと調べてみようっと」

2009-01-21

hexalexy(ヘクサレクシー)

M「って今日はてっきりオバマ就任ネタかと思ったんですが、違うんですか」

S「そっちの話はもうちょっと新城の中で熟成させてから書こうと思って。それに就任演説のほうも、思ったよりは実務的な内容だったので、そっちを和訳する前にキング牧師のやつでもやろうかなあと考えてます。で、表題の件なのですが、これは昔ヘミングウェイが、わずか6語からなる超短編小説というのを書いて、しかも『これが俺の最高傑作』とのたもうた……という小粋な逸話があってね」

M「6語って、英単語が6つだけ? そんなんで小説になるんですか!?」

S「なるのですよ。以下をご覧あれ:

 For sale: Baby shoes, never worn. 売ります:赤ん坊の履物、未使用。

……ね?」

M「……なるほど……これはたしかに……」

X「背後のドラマを想像するだけでゾクゾクするな。この文体はあれだろ、新聞の広告文体なんだろ?」

S「だと思います。で、この逸話が元になって、たくさんの作家が同じ『六語小説』の課題に取り組んでたり雑誌が回想録を募って本になったりもして……そのへん興味があってネットで調べたところ、six-words storyというのが通称らしいんですが、どうも今ひとつピンとこないなあと。極短編小説とかは別の意味でもう使われてるし。で、呼び名を考えてみたんです。それがhexalexy」

X「それギリシャ語で『6つの単語』って言い替えただけじゃねえか」

S「ダメかなあ……他にもhexlexとかhexelingってのも考えたんですけど。Hexlexなら、ちょうど6文字だし」

X「名前はどうでもいい。新城カズマ作のやつを見せてみろ。どうせ創ってみたんだろ」

S「御推察のとおりなんですけどね。ただ、どうしても新城がやると、ヘミングウェイ的な人生の断片というよりは、SF/ホラー/奇妙な味の超短篇みたいな感じになっちゃいました。以下、習作です:

"Home before anniversary! Ship's name? TITANIC-something."

「記念日までには帰るよ! 船の名前? タイタニックだったかな」


"Correction: KID apprehended. KIDNAPPERS fond mutilated."

 第一報訂正:子供は無事保護。バラバラ遺体は誘拐犯たちのほう。


Imagine... what if dinosaurs were extinct?

 想像してごらん……もしも恐竜たちが滅亡していたら?


"Regrets? Everyday. Should've followed you, Lucifer."

「後悔? 毎日さ。君の側につくべきだったよ、ルシファー」



……どうしてもセリフっぽくなるのは、習作ということで御勘弁を。ほんとはこれ、日本語オリジナルでやってみたいんですが、日本語で6単語となると助詞とか助動詞どうするんだという問題が出てきそうなので、ルールを多少変更しないと面白くないんですよ。うーむどうしよう」

X「と思っていたら、twitterでH嬢がこんなの書いてたぞ:

 ミルクティうまいようまいよミルクティ   (byH)

どうだ。川柳っぽくもあるし。名詞と動詞の語幹、つまり語尾変化を除外した品詞の数もちょうど6個だ」

S「そんな強引な。ミルクティって複合名詞で1つじゃないんですか」

X「まあそのへんはトランプのAみたいなもんで、どっちに採ってもよし、としようや。で、全体で18文字以下ならOKと」

S「むむむむ……じゃあ暫定的にそのルールにしときましょうか」

H「中島敦も『うまいようまいよ』みたいな短歌書いてましたよー。『書物の王国』の美食の巻に確か」

S「お、そうなのか。さっそく読まなくちゃ。美食の巻はこないだ買って、どっかこのへんに積んでおいたはず……わあ!」

(膨大な書物が一気に崩れ落ち、一瞬で四人とも埋まる)




追記:

S「(本の山から抜け出して)語句修正と、あとリンクも増やしてみましたー」

2009-01-19

蝣験論的な映像の一例

S「……というわけで、たまたまtwitter経由でネットをさまよっていたら、先日の蝣験論(ゆうけんろん)の実例としてぴったりのものに出くわしてしまいました:

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……とまあ、こんな感じなことが目の前でとつぜん起きたら『いいね!』と拍手しつつその後24時間くらいは幸福になれる人が蝣験論者、なのではないかと思うわけです。それにしても、こうして(新城も含めて)世界中の人が面白い!と思うことでどんどんバケツリレー式に伝達されてゆくわけですから……映像の日付によれば、たった4日前ですからね……見事な広告戦略ではありますなあ、この映像も」

X「それより早く原稿書け」

S「いやまったく……」

2009-01-17

蝣験論/儚験論(ゆうけんろん/ぼうけんろん)ephemeral empiricism

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S「……というネタを元旦に思いついて、いつアップしようか考えてたら、ちょうど小飼弾さんのところ経由でこんなのを見つけたので、ちょっと便乗することにしました」

M「それより早く原稿書いてくださいよ」

S「いやまったくそのとおりだ。すみません、あと数時間……」

X「で、何なんだ。このephemeral empiricismってのは」

S「ええとですね、つまりは読んで字のごとく、『客観的なんだけども当日24時間くらいしか成立しない真実』という概念です。永遠に正しくなきゃ真実じゃない!とか、100億年しか(!)保たない実在には意味なんかない!とか、この世のすべての認識主体が全会一致で賛成しないと真実とは呼べないぞ!とか、そういうスケールのデカい短気を発揮してる暇があったら、みなさんもうちょっと『今日だけは/ここでだけは少なくとも正しかったり美しかったり善かったりする何か』をふと見つめて心和みましょうよ、みたいな。たとえば数夜前の月明かり、たいそう奇麗だったじゃないですか? あれだって、もしも蝣験論者が数人集まって月の美しさに合意できれば、そこでだけは『月は間違いなく奇麗である』と断言できたし、ちょっと幸せになれてたわけで。便利でしょ? ……わかります?」

M「(あきれて、どこかへ行ってしまう)」

X「お前が風流好みの夜型人間なのは分かった。あと、悩みごとが少ないだろうってのもな」

S「べつに悩んでないわけじゃないですよ、新城だって。というか、『(こんな)人生に意味があるのか/どうせないだろ』みたいな議論は以前から興味があって、そのへんのことは例の3000枚の大長編でもたくさん描いたんですが……」

X「なんだよ、最後まで言えよ」

S「いや、これ以上この話題続けると、大長編のオチがバレちゃうんで。今日のところはこのへんでご勘弁を」←蝣験論的言い訳