散歩男爵 Baron de Flaneur (Art Plod版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-03-10

とゆわけで「新城カズマの #tokyo404 (トーキョウ・ヨンマルヨン)刊行記念企画」のルール、かんがえてみました

  1. #tokyo404 刊行記念として新城カズマが3月15~16以降ときどき「都内で住所不定」になってみる
    1. 上記の期間中、新城カズマはできるだけ己の現在位置を(当人または友人知人のツイッタ等を経由して)公開する
      1. …と思ってたのですが、なんか花粉がすごいらしいので「都内某所に潜伏してる新城カズマを、『二十の扉』の要領で推測して会いに行く」形式に少々変更しますです^^;
      2. ツイッタ経由で、おひとりさま3回まで、yes/noで答えられる質問を回数無制限で新城カズマにしてもよい、とします
      3. それで新城の居場所がわかった方は、直接会いに来てサインをねだるか、ツイッタのダイレクト返信機能(っていうんでしたっけ)で直接新城に答えを送信して、正しい場合は当日の参加者=下記のタグを使って質問した方全員が近日中に「ツイッタ経由でもらえる特別プレゼント」をゲットできます
      4. もちろん友人知人に協力をあおいで、そちらのアカウント経由でガンガン質問するのはOKです
    2. その際のハッシュタグは(基本的に) #tokyo404 とする
    3. 同期間中に新城カズマを見かけた読者の皆様は、サインをねだってもよい
      1. 翌週に正式刊行される #tokyo404 を買います!と約束してくれた方には、新城は手書きの「ジンジャーエンジェルくん」をプレゼントする
      2. サイン用の筆記用具はできるだけ新城のほうで用意しますんで、御心配なく
      3. 動画・静止画の撮影は、後ろ姿までならOKです
        1. …と書いたら「じゃあ****してる最中でも、後ろ姿なら撮影OKなんですね!」というツッコミがありましたので^^;上記項目は「正面からのアップとか****してる最中の撮影は御遠慮ください」ってことでヨロシクです
      4. とびどぐもたないでください
  2. おなじく3月下旬〜GWあたりまで、新城カズマが各地の書店にふらりと立ち寄り、著書にサインをして去ってゆく
    1. とはいえ、勝手に現れて勝手にサインするのも流石にアレなので、いちおう事前に書店さまの許可を得てからということで…
    2. 上記の期間中、新城カズマに来店してサインしてってほしいなあ〜という書店(員)さまは、ツイッタの返信なりRTなりDなりで @sinjowkazmaまで御一報ください:具体的な出没日時等御相談したく思います
      1. 先着順というわけではないですが、なるたけ早いほうが諸々ありがたいです
      2. 同期間中の新城カズマはおそらく主に都内に居ると思われますが、遠出することもあるので(例:3/20いわき市)、うまくそれに日程が合えば東京圏以外でも出没可能です:まずは御連絡ください
      3. 一度にサインする冊数は特に上限ないです…が、まるきし決めないのもナニなので、いちおう404冊としておきます:M「ってそんなに多く発注してる書店なんてないですよっ!」S「どこかにないかなあ、発注の多い新刊書店…」
  3. その他不明の点は応相談

2010-09-10

新城カズマ未収録原稿集『散歩曲線01』、(ちょびっとだけ)通販のお知らせ

S「というわけで例の個人誌を夏コミで売ったのですが」

M「(感慨深げに周囲を見回して)なんか久しぶりですね、このブログに来るの。そういえばもうじき『15x24』刊行から1年かあ……」

S「で、あとちょっとだけ在庫があるので通販することにしました」

M「完全スルーですかっ!」

S「まあまあ。とゆわけで通販の手順はQ女史のほうからーー」

Q「はい、それではご説明いたします:

  • 15x24あっとmail.goo.ne.jp宛てに【散歩男爵通販/申し込み】のタイトルでメー

ルを送信してください。(←「あっと」のところは記号に変換してください^^)

    • 配布本の冊数が限られております(約20冊)ので、メール先着順となります。
  • メールには
  1. 申し込み者氏名
  2. 届け先住所
  3. 返信可能なメールアドレス
  4. 購入希望内容
    • 紙版300pバージョン:2000円
      • 主な内容は、『狗狼伝承』未収録短篇×9、時念神話体系に関する対談などであります
    • 紙&pdf版で合計1800pバージョン:3000円
      • pdf版の内容等についてはこちらをご参照ください
  5. ツイッターアカウント(あれば)

以上の項目を記載してください。

  • 折り返し、こちらの住所・氏名等を記載したメールを返信いたします。
  • メールに書かれている住所に
  1. 宛名シール(郵便番号/住所/氏名を記載したもの)
  2. 購入希望本の種類を記入した申込書(メモ用紙程度で構いません)
  3. 書籍価格+送料150円分の無記名の定額小為替(なるべく新しいもの)

以上を封入し、郵送で送ってください。到着後、折り返し個人誌を送付します。

  • 一ヶ月ほど待って郵送物が届かない場合は、メールでお問い合わせください。
  • 郵便事故が起きないとは限りませんので、定額小為替金受領証書は個人誌が届くまで保管してください。

以上です〜」

S「というわけで、また何か進展ありましたら追記してきますんで」

2009-12-28

エアノベル #15a24 の基本ルールver1.2.4

赤文字=最新の改正部分です

(概要については、こちらもどうぞ)

(有志の皆様による非公式まとめサイト等:

1. 「エアノベル #15a24 」とは、15×24セカイカメラVersion――すなわち参加する物語、読んで楽しむリアル体験ゲーム、世界有数のメガロポリス・東京をプラットフォームにした未来型ARG――を指す

1.0 エアノベル #15a24 には、ルールが存在する

1.0.0 基本ルールは、「マフィア」「汝は人狼なりや?」等として知られる伝統的ゲームのバリエーションとして理解すると、手っ取り早い

1.0.1 Wikipediaにおける同ゲームの記述は、こちら

1.0.2 英語版の同種ゲームのルールは、こちらこちら

1.1 参加者の分類&呼称は、以下の4種類:

1.1.1 「ピンクのケータイをもつ男」←ほぼ「人狼」に相当

1.1.2 「捜索隊(=大半の参加者の皆様)」←ほぼ「普通の村人」に相当

1.1.3 「裏切者」=「ピンクのケータイをもつ男」に協力する一部参加者

1.1.4 「協力者」=「捜索隊」に協力/生暖かくヲチしてる、世界中の参加者の皆様

1.2 大晦日の東京に出没する、謎の「ピンクのケータイをもつ男」が、終了時刻(今回は大晦日2400時)まで逃げ切れば「男」の勝ち:「捜索隊」が正式な開始時刻(今回は大晦日1200時)から終了時刻までに「男」を発見して「ピンクのケータイ」を手に入れれば「捜索隊」の勝ち(=小説『15×24』に登場する主要キャラたちは2010年を無事に生き延びられる)

1.3 小説『15×24(イチゴー・ニイヨン)』を読んでいなくても、エアノベル #15a24 を楽しむことは十分可能なので、是非とも大勢の皆様の参加/なま暖かいヲチをお待ちしております

1.4 ようするに「15x24らしさ」というのは、以下の3条件を満たす全ての事象なのです:

1.4.1 大晦日の

1.4.2 東京で

1.4.3 いろんな人がドタバタする

 

 

2. 「男」は、以下の条件がすべて満たされた場合に「発見され」て、「捜索隊」は「ピンクのケータイ」を入手することになる:

2.1.1 居場所が正確に確定される

2.1.2 「捜索隊」は、2人またはそれ以上の人数で「男」に対面する

2.1.3 「捜索隊」は定められた合い言葉を「男」に発する

2.1.3.1 この合い言葉が何であるかを発見するのもエアノベルの重要な要素である

2.1.4 「捜索隊」は「男」および「捜索隊」メンバー1人以上の姿を画像として記録し、証拠エアタグとして現場に残す【注1】

2.1.4.1 メンバーの姿は、顔を映す必要はない:自然人であることが確認できれば、後ろ姿でも足の裏でも可

2.1.5 、証拠エアタグがツイッター経由で公式アカウント( @15x24 )に通知され、同アカウントによって確認される

 

 

3. 「裏切者」は「男」に協力して行動し、「男」が最後まで逃げ切れば勝利したことになる:

3.1 「捜索隊」メンバーは、以下の条件のどれか一つでも満たされたら、以後は「裏切者」のひとりとして活動せねばならない:

3.1.1 「男」もしくは「裏切者」と二人きりになった際に、合い言葉「じゃあ正解を教えよう(か?)」をかけられた場合

3.1.2 「捜索隊」が1ヶ所に3人以上集まった際、多数決によって「裏切者」だと名指しされた場合

3.2 「裏切者」は以下の行動を含むあらゆる言動によって「男」に協力することが望まれる:

3.2.1 「捜索隊」の追跡状況や配置などを「男」に報告する

3.2.2 「男」のふりをして「捜索隊」の追跡を混乱させる

3.2.3 ネットにガセ情報をばらまくことで「捜索隊」の追跡を混乱させる

3.2.4 「裏切者」を増やす

3.2.5 ただし、「望まれる」の定義は、各参加者が独自に定義することも許容されている

 

 

4. ハッシュタグ #15a24 付きのエアタグを各地にうち、これをツイッター経由で公式アカウントに確認させる【注2】ことで、「捜索隊」および「協力者」には以下のような有利な情報やアイテムが(様々な経路で)与えられる:

4.1.1 エアタグ30個ごとに、「男」に関する情報(ただしガセ情報も含む)

4.1.1.2 ツイッターのつぶやき1=エアタグ1/4で換算(以下同じ)

4.1.2 エアタグ50個ごとに、「男」の大まかな現在位置

4.1.3 エアタグ100個ごとに、「男」および「裏切者」の合い言葉を無効化する「特別な言葉」(効力は数分〜数時間)

4.2 エアタグの数は、オフィシャル側がツイッター経由でカウントできた「ハッシュタグ #15a24 のついたもの」を公式の数とし、事故その他の状況によってオフィシャル側が認知し得なかったものはカウントされない

4.2.1 ただし、エアタグまたはツイッターつぶやきのうち、特にユニークなもの・参加者に多くRTされたもの・その他オフィシャル側が特別に功績を認めたものに対して、情報やアイテムが与えられる場合がある

4.3 エアノベル終了までに、以下の参加者達には特別な名誉が与えられる予定:

4.3.0.1 「男」を最終的に「発見」した「捜索隊」メンバー

4.3.0.2 「男」を逃がすことに貢献した「裏切者」たち

4.3.1.1 最も多くのエアタグをうちまくった参加者

4.3.1.1.1 最も多くのエアタグがうたれた場所

4.3.1.2 最も多く持ち帰られた(もしくはツイッターでふぁぼられた)エアタグをうった参加者

4.3.2.1 最も面白い(=ふぁぼられた)つぶやきを発した「協力者」

4.3.2.2 「男」の「発見」場所を事前に推理/推測/妄想して的中させた「捜索隊」および「協力者」たち

4.3.2.3 小説『15×24』を含む15x24ワールドに関する秀逸な二次創作をエアノベル期間中にアップした参加者たち

4.3.3 その他、エアノベルの新たな楽しみ方を発見・実行するなどして、オフィシャルが特別にその貢献を認めた参加者

4.4 ハッシュタグは前後に半角スペースをお忘れなく

 

 

5. エアノベルのルールには、あくまでも社会常識や国内現行法規の範囲内で従うこと。

5.1.1 判断に迷った時は、社会常識や国内現行法規を優先させること。

5.1.2 車には気をつけましょう。

5.1.3 お年寄りには席を譲りましょう。

5.1.4 おやつは300円まで。

5.1.5 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。

5.1.6 家に帰り着くまでがエアノベルです。

5.1.7 その他、期間中の怪我・病気・事故等はすべて自己責任でよろしくお願いします:企画の性質上、主催者は残念ながら責任を負いかねますのであらかじめ御了承ください。

5.1.8 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」により、23時から4時までの間は18未満の外出が制限されていますので注意してください。

5.1 エアノベルのルールは追加・修正される場合があります。

5.2.1 ルールの追加・修正・増加・強化・その他諸々は、公式エアタグやツイッターでの公式アカウント @15x24 等を経由して随時告知しますので、各自確認してください。

5.2.2 その他ルール上不明の点は、オフィシャルの中の人宛にツイッターでつぶやいたりダイレクトメッセージを送ってください。できるだけ急いで対応しますんで。

5.3 エアノベルの過程や結果などは、後日ネットで発表される可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。どうしても大晦日に東京に居なかったことにしたい参加希望者は公式アカウントまでダイレクトメッセージをお送りください:できるだけ善処します。

5.3.1 もしかしたら今後エアノベルの結果を書籍化なんかするかもしれませんが、まだまるっきり未定です。

 

 

【注1】これに限らず、エアノベル15a24におけるエアタグは、つぶやきとしてツイッターに転送し全国の「協力者」に閲覧してもらうことが望ましい。

 

【注2】ようするに、iPhoneを持っていなかったり大晦日の東京に居られなかったりという方々にもエアノベルを楽しんでいただくための、方法なわけです。ので、「ハッシュタグ #15a24 付きでエアタグうつ→ツイッターへ放流」モードにぜひ御協力ください!

2009-03-16

われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その06】:ラファイエットの子供たち、もしくは新たなるTweegle千年紀を礼賛してみるのこと

X「というわけで*1Google×著作権問題について、俺が長期的視点から礼賛してみようと思う」

S「ホントにやるんですか?」

X「ホントにやるんだ。俺はおまえと違って、ずばりと核心に入るぞ。

すなわち、Googleが今回手に入れたのは、他ならぬググる権利……今後は複製・出版・頒布する権利に替わって検索閲覧する権利が著作者人格権の主要パートナーになりますんでよろしくねという米国司法制度からのお墨付……なのだ、というテーゼからだ。

そう、検索閲覧権だ。こいつが新たな〈人類の普遍的な権利〉の一部に加えられたんだ。なんだ、その顔は。いいか、人権てのは増えたり減ったりするもんなんだよ。プライバシーとか環境権とか見りゃわかるだろ。

そもそも著作権って代物は、なぜ保証されてきたんだ? 保証されたほうが良いんだ? 決まってる。創造的な表現を日々新たに生み出してもらうためだ。そのほうが社会が豊かになる(と誰かが言い出し、立法者たちを説得し、あるいは首をすげ替えた)からだ。そして、できあがった作品が商品としてうまく流通するよう複製権やら頒布権やらが整備されてきたわけだ。

これは『言論の自由』や『特許権』『商標権』の妹、もしくは従妹みたいなもんだ。何かが新しく生み出される。それが市場メカニズム(あるいはその言論バージョンの議会)の中で揉まれて次第に洗練される。それによって我々はだんだんと『真善美』へと接近してゆく。それはすべて素晴らしいことであり、そのために必要な社会制度として言論やら作品やら発明やらは守られなくちゃならない。

……だが、誰でも自由に、ほぼ無料で、全世界にむけて、思いついたことを表明できるようになったら?

大量生産や大量輸送をしなくても、自由闊達な意見や表現が自在に発信/受信できるとしたら?」

S「…………」

X「こっから先はもう解るだろ。言論の自由も著作権も、今後は複製頒布権copyrightや報道刊行の自由freedom of the pressじゃなくって、グーグルを使う自由freedom to googleを前提として機能するんだ。なぜって、今や『出版』という行為は、無料アカウントを登録すれば、どんだけアホだろうが×××だろうが全世界にむけて行使できるんだから。

そもそもcopyrightてのは、権力との関係から発生してるんだ。詳しくはWikipediaあたりで『著作権の歴史』とか検索してもらうとしてだ……ようするに大量印刷・大量出版が可能になった15世紀以降の欧州では、いろいろドタバタあったあげく、『まあ著作者が損するシステムにはしないようにしましょうや(=そのほうが税収もあがるし社会も進歩するだろうし)』みたいなところで落ち着いたわけだな。それがベルヌ条約だ。ちなみにスイスのBärn/Bern/Berne市で締結されたからベルヌだ。ヴェじゃないぞ。それはともかくとして、本質的にcopyrightはどこまでいってもお墨付だったってことは忘れちゃいかん。創造的なアイデアがきちんと流通するように王様から頂戴した葵の御紋だ。

ググる権利ってのは、そこから導き出される論理的帰結――もしくは演算的帰結computational consequenceなんだよ」

M「うーん」

X「だいたいだな、今回のGBSが書籍の商業出版への脅威だってんなら、なんで公共図書館での書籍の貸し出しには誰も反対しないんだ? Googleと違ってこっちは100%読み放題に借り放題、しかも発売とほぼ同時に全国で読めるんだぞ。こっちのほうが売上に打撃を与えるはずじゃないのか?」

S「いやでもそれは……物理的図書館の物理的書籍は、一度に一人しか借りられないから……」

X「じゃあ何か、出版社が図書館に目くじら立てないのは自分たちの商品/製品がめんどくさくて不便なものだからです、ってことなのか? 物理的出版事業は自己の商品の使いにくさ故に成立してるってのか? どういう商業倫理だよ。それに、俺はここで原理原則の話をしてるんだ。著作権だろうが複製頒布権だろうが、部分的には無償で読んだり引用してもいいってことは認めてるんだ……フェアユースってやつだ。学問の世界じゃあ、すでに数百年前から実施されてるんだし、今なんざ世界的論文が無料で読み放題だ。ああオルデンバーグ先生、貴方は本当に偉大だった……いやそれはともかく」

S「でも学問の世界では、大学とか財団の寄付とかで研究が進められてるから……」

X「だから成果物が無料でも無問題ってか? じゃあ、小説やノンフィクションやエッセイが財団の寄付で大量に発行されりゃ文句ないのか? あるいは広告をつけて無料配布されるのは認めるんだな? そのシステムと今回のGBSと、どこが違う?」

S「こないだの民間TV放送のロジックですね。でも……」

X「いいか。そもそも商業的に書籍を出版できる連中ってのは、特権階級なんだよ。

才能の有無じゃないぞ。それは特権なんだ。特権だったんだ。一番乗りしたり一等地を手に入れた者が後々まで有利であり続けるってことだ。

考えても見ろ……同じくらい面白い小説を、全く無名の素人が書いた場合と実績もコネもある有名作家が書いた場合と、現実的に考えて、どちらが楽に出版までこぎつけると思う?」

S「うーんまあそれは」

X「なぜ、そんな不平等がおきるのか? おきていたのか? 簡単だ。これまで書店の棚やニュース・スタンドのラックの物理的容積は、有限だったからだ。それは希少財だったんだ。だから編集者も出版社も取次業者も、その貴重なモノを最大限に活用しようとして色々な制度を考えついたんだ。過去の実績を評価するってのもその一環だし、それはそれで合理的な思考だ。もっとも、あんまり合理的じゃないヘンテコな旧弊も並行して生き延びてきたんだがな。

だけど、今はもう違う

ネット空間は実質上無限大だ……コンテンツで埋め尽くすよりも遥かに速いスピードで増築できるという意味において。

さて、希少財がもはや希少でなくなった場合、まず何がおきる? 経済学では基本中の基本だぞ」

S「……希少じゃなくなった財の価格が下がるのと……相対的に他の何かが希少になる?」

X「まあそんなとこだ。希少性ってのは、あくまでも相対的なものだからな。というわけで今や電子的本棚は無限大になった。代わって希少になってるのは、そこに置いてある無限の情報を処理し、咀嚼し、味わい、愉しむユーザの脳味噌の量×時間だ。もうちょっと厳密に表現するならば、人類全体が有している生化学的&機械的な演算リソースの総量だ」

S「つまりあれですか、Googleに代表されるネット広告斡旋業は、現在どんどん希少になりつつあるリソースが何であるかに気がついて、そしてそれが今後さらに高値になると読んで、そこを柱にうまい商売を素早く始めたと」

X「そういうことだ。そして旧来の書店や出版社は、もはや希少じゃなくなりつつある財をどうやって相変わらずの高い値段で買ってもらおうかと四苦八苦してるわけだ。雑誌の販売不振、TVの広告収入減、著作権延長問題や放送アーカイヴのフェアユース問題、二次創作の法的権利問題……すべて根っこは同じだ。希少財を押さえたやつは儲ける。押さえ損ねたやつは苦労する。人類普遍の真理だ」

S&M「うーん、なにかどこかで騙されてるような気が……」

X「ちなみに俺がネットを散策したかぎりでは、今言ったような話をいちばんちゃんと把握してたのは、意外というべきか当然というべきか、某氏のブログ*2飛浩隆氏のブログだけだったね。某氏は著作権全体というよりも出版権をGoogleと出版社が取り合っているのでは?という点に着目していたし、飛氏に至ってはGoogleの本質を一言で言い表していた。流石だね。どちらも小説家だってところが象徴的じゃないか、ああん?」

S「それは確かに」

X「あと、ついでに言っとくと、同じ希少財を押さえるんでもGoogle(YouTube含む)とTwitterは他のとはちょいと違うな、と俺は感じてる。この二つは、それ以外のネット上のサービスとは根本的に異なる情報平面に属してる……平面という表現で解りにくけりゃ、属してる次元数の違いとでも言えばいいのかな。で、どっちかっていうとTwitterのほうがGoogleよりも広い面を押さえてる」

S「広い?」

X「ていうか、手前なんだな。Googleはあらゆる『公表され蓄積された情報』を、正のネットワーク外部性でもって引き寄せたユーザたちに分析させる。重みづけをして、評価して、分類して並べ直して、それから広告主に売る。本質的には流通transmission機能でありマッチング機能だ。ところがTwitterは、新たに発信emissionしてよと誘ってくるんだ……『いま、なにしてる?』という例の決め台詞でもってな。

それは『未だかつて公表も蓄積もされたことのない情報』、つまり『今現在の我々の気持ちや意見』だ。それだけは、どんなにGoogleが張り切っても流通させることはできないし広告を貼り付けることもできない、最新断面だ(少なくともTwitter自身より先にその断面を手に入れることはできない……必死になって対応しようとはしてるらしいがな*3)。衝撃波と言ってもいい。うん、そうだな。Googleがネットの大海を手に入れているのだとしたら、Twitterは波濤だ。常に変化し、最も活気があり、ゆえに捉えどころがない。だからこそ面白いし、新しい価値が常に生まれてくる」

S「ふーむ。で、僕にどうしろと?」

X「どうもこうも、ここまで説明したら解るだろうが。新城よ、おまえは……というか、おまえたちは……いわばフランス革命直前のラファイエット侯爵みたいな立場なんだよ。旧体制のもとで幸福かつ安全に暮らしてたのが、世界がひっくり返る歴史的大事件が迫ってることに気がついた。さあどうする? 古きものに忠誠を誓って共に滅びるか? それとも新しい時代の新しい倫理と正義に殉じるか?」

S「お言葉ですがラファイエットは大革命前にアメリカ独立戦争でさんざん戦ってましたよ。どっちかっていうと、ド=ロベスピエールが貴族の称号を捨てたっていう逸話のほうが、現在の状況にふさわしいのでは……」

X「細かいことはどうでもいいだろ。ていうか俺、ロベスピエールは嫌いなんだよ」

S「じゃあオルレアン平等公……」

X「あれも嫌いだ。サン=ジュストかコンドルセなら認めても良いが。あと、サド侯爵」

S「ぜんぜんキャラの方向性が違うじゃないですか! そもそもサン=ジュストがOKなのにロベスピエールがダメって」

X「ともかく、だ。今回の件が歴史的な転換点であることは間違いない。グーテンベルクの銀河系がグーグルの掌中に収まるんだ。あるいは、フェニキア文字から始まった表音文字の正書法という技術体系が、一つの完成を見るわけだ。あの9.11が21世紀の幕開けだったならば、このGoogle和解案の日付……米国標準時で10.28……は、もしかしたら真の意味での第三千年紀の起点になるのかもしれん。キューイチイチからイチマルニーハチ(もしくはジッテンニーハチ)へ、だ。憶えとけ。試験に出るぞ」

S「うーん……でも……そういう未来もあり得るかもしれないですけど、でもGoogleが、あるいはGoogle的なサービスが、あと何年もつのか分かったもんじゃないし」

X「ほほう。じゃあ、次回はおまえが俺に反論してみろ」

S「えええ〜!?」

D

S「って、そこでこれかい! しかもハイ・クオリティーで!」

M「いやそのなんとなく」

              (以下次回)

*1:これまでの経緯や前フリにつきましては、2月後半から始まる【その00】〜【その05】およびブックマークのGooglingTheGutenbergGalaxyをご覧ください

*2:現在は読めなくなっているようなので、念のため仮名としました

*3:という一方、Twitter自身の検索サービスも始まっていますので、はたしてどちらが勝つやら予断を許しません。