散歩男爵 Baron de Flaneur (Art Plod版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-11-01

2011-04-08

文芸春秋さまの『別冊文藝春秋』05月号に連作短編シリーズ〈tokyo404〉の第1話を書きました

M「へーそうなんですか。こないだは歴史物だったけど、こちらは現代もの?」

別冊 文藝春秋 2011年 05月号 [雑誌]

別冊 文藝春秋 2011年 05月号 [雑誌]

S「そう。ちなみにシリーズ名は〈とーきょー・よんまるよん〉と読みます。1話目は、わりとコミカルに……お、今回はちゃんと表示できたぞ。こないだの『小説新潮』は、なぜかうまくいかなかったんだ」

M「じゃあ、そっちも再掲しときましょう」

小説新潮 2011年 04月号 [雑誌]

小説新潮 2011年 04月号 [雑誌]

S「おお、ちゃんと出て来た」

X「それにしてもお前は、毎度まいど検索しにくいタイトルをつけるな。404なんて小説、どうやってググるんだよ。15×24で懲りたんじゃなかったのか」

S「ぎくっ」

2009-06-10

GGG11:スキャナに生き甲斐はある・完結篇、ならびに「艦長! USS Googleがエンジン被弾、シールドも限界です!」の可能性

S「というわけで、ちゃんとした前回からは久しぶりGGGシリーズなんですが、実はこの数週間でいろいろ動きがありまして、

……などなど。まさに激動の時代です。むこう数ヶ月で、あちこちで公開討論やらシンポジウムやらも催されますし、追いかけるので精一杯ですよ。ちなみにTsudaるの名詞形はTsudaりだと思うんですが、いかがでしょう。本日も佳いおTsudaり日和で、みたいな使用法で」

M「話をすすめてくださいよ。たしか前回のヒキは、僕が――」

S「そうそう、例の『日本中のコピー機使ってスキャナ代わりにすれば日本版ブック検索すぐに立ち上げられんじゃないの?』という前回のアイデアの弱点に、君が気づいたところ……なんだけど、実はあれから、さらに簡単な方法を一つ思いついちゃってね」

M「えー!」

S「日本中の参加者が、書物をケータイにむかって朗読して、それをテキストに変換する、という方式」

M「!?」

X「ほほう」

S「この方式の美しいところは、まず

  • コピー機よりも端末の数が圧倒的に多い
  • 今すでにある技術でじゅうぶん可能

ということです。ケータイへの発話をテキスト変換してTwitterにアップしてくれるシステムは現にありますし、分散してアップされたデータを再集結されるのだって、手間がかかるだけで原理的な問題は何もない。フォントの指定は、奥付に書いてあればそれを読み上げればいいし、あるいはISBNを朗読して、それを出版社のデータベースと連動させて版下を再現するようなサブシステムがあれば、さらに完璧でしょう。なんならケータイのカメラ機能で撮影してもいい。そうすれば画像も取り込めますし。それから、

  • 時間もさらに短縮可能

ですね。こないだ考えた方法ではコピー機が必要でしたけど、今回はそれ以上にありふれてて使いやすい携帯電話なんで、本当にいつでもどこでも(それこそ風呂に入りながらでも)できるはずですから。100万人いれば半年どころか1ヶ月もあれば十分かも。どうですかね?」

M「(いろんな意味で呆れて何も言えない)」

S「例によって、誰がどこを担当するとか重複部分を調整するとか校正作業サブルーチンとかは、P2Pだかクラウドだかタグだかで何とかしてもらうとして……」

X「おまえ、技術的な細部はいつもそれだな」

S「だって新城はコード書けないんですもん。書ける方、尊敬してます」

M「(た、他力本願教徒……)」

S「なんか言った?」

M「いえ。べつに」

X「で、オチは?」

S「え?」

X「おまえがそんなに現実的な打開策を思いついて、オチがないはずがないだろ。性格的に」

S「はあ……まあその、要は単純なことなんですよ……そもそも今回のグーグル訴訟騒ぎもそれが元で始まってるわけで」

M「(はっとして)そうだ! そうですよ! 今回のバージョンでも、僕が気づいた弱点はけっきょく克服されてないですし!」

X「だから、どういうこったい」

M「こういうことです:新城さんが思いついた一連の技法はあまりにも簡単すぎ便利すぎなので、違法なスキャニング&アップロードによるデータベースを防止できないんですよ! つまり〈裏グーグル・ブック検索〉を!」

X「お」

M「今でさえ違法スキャン&アップロードはあるわけですし。だから、ちゃんとした防止策を考えた上でないと、もしくは法律をきちんと整備しないと、あまりにも性能のいいスキャナや朗読をテキスト変換する機能をネットで大規模につなげちゃうのは、危なすぎるんです」

S「そもそも、まだ日本ではフェアユースに関する議論が落着したとも言いがたいしね……ようやく法律は改正されたようだけど」

X「でもおまえ、二つ目を創っておいたほうがいい、って言ってたじゃねえか。日の丸ブック検索(仮名)じゃダメなのか、国会図書館の」

S「うーん」

X「おまえのアイデアよりは桁違いに税金かかってるが、やろうとしてることは同じだろ。けっきょく」

S「そうかもしれませんが……現状のグーグルブック検索が完璧でないのと同じ意味で、それも諸手を上げて賛成ってわけにはいかないですし……仮に〈人類文明の図書館〉が将来できるとして、それを管理運営するのが商業主義の巨大企業か官僚主義の行政府か、どっちがいい?って言われましても……」

X「待て。グ社の事業も危ないって言いたいのか? 国家の暴走や管理と同じくらいに?」

S「うーん……そのへんは以前から書いてることですけど……グ社のサーバがぶっ壊れたり、突如として経営陣が交替して邪悪になったり、某国に買収されたり、という危険性は常にありますからね。今回の和解から戦略的にぬけておく、というのも一分の理はあるわけで」

X「そこまで心配してもしょうがねえだろ。利便性のほうが遥かにデカいぞ」

S「んー。その議論は、〈情報〉という観念をどう捉えるのか?みたいなややこしい話にもなっちゃうんですが。

今や、いったん公開された情報は、もう二度と非公開に戻せない。じゃあ、この先、グ社がヤバいことになっちゃったら(例えば△△国と妥協して全データを特定国家の特定部局にはお見せしますよ、とか言い出したら)? もしくは、情報独占によってグ社がとてつもなく強大な権力を持ってしまったら? あるいはまったく逆に、凄い暗号化技術*1&便利なマイクロペイメントと連動した有料購読媒体が開発されて、著作者が直接ユーザから料金徴収するのが当たり前の風潮になったら?

そうなってから『あ、やっぱり自分の書籍は非公開or有料に戻します』と宣言しても、もう電子の大海に出回っちゃってるデータは閉じ込め直せないし。

前にも書きましたけど、グ社はあくまでも一法人でしかないんです。これまで新城も無意識のうちにGoogleと表記してきましたけど、これは実は危険な表現なんです……彼らの理想と、提供するサービスと、会社としての実体を混同させてしまうという意味で。だから今回から、この三つの表記法を分けることにしてみました:

表記定義
Google/Googling/Googlizationすべての情報を検索&閲覧可能に!という理想、またそれが達成された状態
グーグル(〜ブック検索、等)主にグ社が提供している(主に無料の)サービスや機能:また、それらを利用すること(→ググるetc)
グ社米国カリフォルニア州に本拠地がある法人組織:全人類規模のGoogling達成を目標とし、『広告の最適マッチング』とでも呼ぶべきビジネスモデルによって、グーグル事業を展開中

みたいな」

X「じゃあ何か、ようするにおまえは反対なのか。例の和解案に」

S「というような単純な二択だとは思わないんですよ。つまり、

  • Googleという抽象的且つ普遍的な(そして遅かれ早かれ、どこかの誰かが達成しそうな)目標

と、

  • 現時点で僕たちの目の前に存在する、グ社という巨大法人組織のありよう

と、

  • 今回の(ほとんどフロック・パンチのような)グーグル・ブック検索の和解案&その後の騒動

とは、必ずしも同一ではないんです。たまたま三つ同時に日本語圏という内海に押し寄せてきたので、一つの巨大な衝撃波に見えてるかもしれないですけど。これは、三種類の波が互いに影響し合いながら織りなしている、ひどく複雑な現象なんですよ」

X「……ふうむ。未来の衝撃波Future Shock Waveを俺らはきちんとフーリエ解析せにゃいかんってわけか」

S「さらに言えば、『情報とは何か?』に加えて『(巨大な)法人とは何なのか?』も考えないといけない。それらは、どんな時にどんな風にふるまい、どう扱えば皆を豊かにし、どこをどう間違えたら悲惨な結果を招くのか? それらの定義や法的な位置づけは今のままでいいのか? どこをどう変更したら、誰に被害が及ぶのか? 皆が今よりも豊かに/幸せに/安心できるためには、誰がどこをどう変えるべきなのか……あるいは変えないほうがむしろ良いのか?」

X「前にもそんな話してたな。で、結論は出たのか」

S「どこがキーポイントなのかは、なんとなく解ってきました。つまり、(巨大な)法人があったほうがヒトもしくは文明全体の生産性は上がるのか下がるのか?という」

X「生産性の話なのか、これ」

S「だと思いますよ。もっとも、ここで新城が考えてるのは、かなり広義の生産性ですけど。ヒトがまわりの環境や他のヒトに働きかけて、なにかモノが出来上がったり加工されたり変容したりして、それが流通したり消費されたり増殖したりして最終的に関係者のみなさまが幸せになったりならなかったりする度合……というあたりまで。むしろ効用utilityの概念に近いのかも。区別をつけるために、〈生産性〉とか生産性'とか表記しといたほうがいいかもしれません。

というわけで、この話はさらに続きます……」

M「え、エンディングのギャグは無しですか?」

S「いや、今後だんだんシリアスな話になりそうなので」

M「(ちょっと残念なような安心したような、宙ぶらりんの変な気分)…………」

*1:最近はアクセス制限に関する技術体系についてはDRMという総称が定着しつつあるようですが、この技術の進展具合も新城には非常に興味深いところです。

2009-04-27

われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その09】:5月5日では早すぎる

S「というわけで事態は進行中です:こちらのサイト経由で発見したのですが、米国の作家7名がこちらの弁護士事務所を雇って/と一緒に、

  • 5月5日のデッドラインを4ヶ月延長せよ! 短すぎるんじゃボケ!(意訳)

と訴えたようです。連絡先は上のサイトに書いてありますので、興味のある方はどうぞ。詳細分かり次第、更新してきます」

M「ばたばたしてますねー」

S「してますよ! ほんとに!」


S「あ、あとタイトル長すぎてTwitter経由だと読みにくい!という声を見かけまして……すみません、次回から二桁になるのにあわせて短くします^_^;)」







090428追記:

S「とか書いてたら、グーグルのほうから延長を申し出てきたらしいです:

なんか、現場の弁護士レベルですごい暗闘が進行中みたいな感じが……(以下すごい妄想が進行中)」




(その十数分後)

S「こちらの記事によれば、グーグルが要請したというよりは『同意した』という表現になってますが、

いちばんビックリしたのは、Googleを訴えた7人(作家and著作権継承者)の中にスタインベックやP・K・ディックの遺族が含まれてる、という記述。うーむ、面白いことになってきた……」

X「(不安げに)和解案自体がふっとぶ可能性ってのも、半月前よりは現実的になってきたな」

S「さすがに全てチャラってのはないでしょうけど……でもこういう動きがもとになって和解案が改善されるのは良いことですし、そもそもパッチ主義的じゃないですか」

X「そらまあそうなんだが」





(さらに十数分後)

S「今度はもっとすごいエントリを見つけましたよ:

以下、要点を引用&和訳です。

You can make a better deal. Google has one that’s ready-made for you, outside the settlement.

集団訴訟にのるより、もっと有利な方法があります:グーグル自身がすでにそれを作っておいてくれているのです……和解案とは関係なく。

First, opt out of the settlement. Then, if you want to make your book accessible via Google, on the web, join the Google Books Partner Program.

まず、和解案からオプト・アウトします。そのあとで、もしもグーグル経由であなたの書籍を世界に広めたいなら、グーグル・パートナー・システムを使えばいいのです。

Your books will appear where they would have appeared if you opted in to the settlement. But this way, you keep all your rights. And you can even add a “buy this book” button to the display page of your book if you offer the book for sale at your own site.

こうすればあなたの書籍は、オプト・インした場合と同じように表示(&検索)されます。ただし、あなたは全ての権利を保持したままでいられるのです。それどころか、『この本を購入してね』ボタンを画面に表示させる(自分のサイト等でその書籍を販売している場合は)こともできるのです。

うーむ、これは考えつかなかった! ようするに、

  • 自分の書籍が無料閲覧されてしまう→グーグル経由で有料購入する人もいるかもしれない→なんか騙されてる気分……

ではなくて、

  • グーグル経由で自分の書籍を宣伝→購入したい人は自分のサイトに呼び込む→ニヤリ

という戦略。ちなみに、こちらのサイト経由で発見しました」

X「これが本当にできるなら、すげえバグを見つけちまったことになるな、和解案に」

S「でもパートナー・システム自体はGoogleのサービスというか事業の一環なわけですから、彼らも損をしてるわけではないんですよね……とにかく、さらに調べてみます」

Q「原稿はどうなってるのよ!」

S「ぎくっ」





(そのまた翌日)

S「おおっと、今度はガサ入れですか!?:

けっきょく5月5日の〆切も2ヶ月延びたんだか延びるんだかなんです*1が……はたしてどうするどうなる!」

*1こちらの記事によると4ヶ月延びたらしいです。

2009-04-25

われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その08〜11あたりの前フリ】:今回のGoogle×著作権問題、じゃあ現場の著作権者はどうすればいいの?と迷っている方のための早見表

(090607追記:注6にちょびっとだけ情報を追加しました。)

S「というわけで諸々ばたばたしてますが、次回以降の前フリ兼メモです:

今回のGoogle×著作権問題、迷っている貴女*1のための早見表(簡易版・09年4月下旬現在)

 グーグル様万歳!まぁグーグルでもいいんじゃないの今回のやり口(だけ)は感情的についていけないアメリカ的な手法はすべて嫌!
自分の作品を広く世に知らしめたい和解案に参加!とりあえず和解案に参加して今後いろいろ拒否したり異議を唱える権利を保留さてどうしよう*2和解案から離脱!
多くの人に読んでもらいたいけど、対価も大切だしなあ和解案参加和解案参加して拒否権等保留さて困った*3和解案離脱!
書籍=商品の対価が欲しい/が最優先和解案参加して小切手の到着を待つ和解案参加して拒否権等保留しつつ、グーグル対抗策を練る*4参加しつつ異議申し立てや内容改善主張*5or和解案離脱(訴訟も視野に)和解案離脱&こっちも集団訴訟だ!

……あくまでもこれは新城カズマが見聞した情報や知識をもとに、『こういう人はこうしたら良いのでは?』『こういう考えの人はこういう方向へ動きつつあるなあ』等々をまとめたもので、絶対にこうするのが正解だと言っているわけではないので、そこのところご了承ください。今後細部を加筆修正していく可能性もあります*6

ちなみに和解案参加の場合は、ほっとけばデフォルトで参加するので*7、とりあえず何もしなくてもいいです。離脱する場合は、5月5日までに例のGoogleの管理サイトに行って、登録したり何だりする必要があるそうです。詳しくは(おそらく既にお手元に配達されている)各出版社様からの説明文をご覧ください」

X「それにしてもこの時期は、定額給付金の封筒も届き始めるし、なんか二重にバタバタしてるな*8

S「あそうだ、そっちのネタも書かなくちゃ」

M「ネタ扱いですか!」

S「シンゴー、シンゴー!」

M「だから時事ネタはやめてくださいっっ!」

*1:なんで「貴女」かというと、実は先日お会いしたC画伯の悩める横顔を目の当たりにして、こういう早見表が必要だなあと痛感したためです。というわけでCさん、少しでもお役に立てれば幸いであります。

*2:というわけでここが一番複雑かつ興味深いので、今後さらに詳しく書きます。

*3:注2に同じ。

*4:注2に同じ。

*5:コメント欄等の御指摘に基づき修正しました:参加しつつ異議申し立てというオプションを増やしました。

*6:というわけでブクマ&コメント欄の御指摘に基づき、用語の間違いを修正しました:オプト・イン/アウト→和解案参加/離脱、です。御指摘くださった方々、ありがとうございます。……090607追記:とはいえ、グ社の公式サイトを見ると、「この和解からオプトアウトする〜」みたいな表現を使ってるのですよね……うーむ結局どっちなんだ。再修正するのもめんどくさいので、とりあえずこのサイトではこのまま「参加/離脱」の用語を使うことにします。

*7:このへんがGoogleを含めた「アメリカ式のやり口」の上手いところなんですよねえ……。

*8:とか言ってたら、タイトルの通し番号ひとつ飛ばしてました^_^;……しょうがないので、このエントリが【その08】ということでお願いします。

2009-04-07

「そろそろ民主政を可視化しますんで」と Googleは言った(@インド)……もしくはわれら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その7.5】あたり

S「うーむこれは面白い。以前にこのへんで『視覚化されたTwitterはマクルーハンの予言そのままだなぁ』みたいな話を書いたんですが、今度はこちらのGoogle公式ブログによれば、

  • インドの選挙をがんがん可視化します
    • 自分の選挙登録状況を確認できる
    • 投票所の場所をGoogleMapだか何だかで見ることができる
    • 自分の選挙区の各種データ(前回の選挙以降、どれくらい生活が改善したか等)を確認できる
    • 議員や候補者の各種データを確認できる
    • その他どんどん新サービス予定中!

……だそうです」

M「こういうのって、これまでは市民団体とかがネットでやってましたよね」

S「うん。実際、米国や豪州でもこの手のサービスは始めてたらしいし、今回もインドの各種NPOと組んではいる。にしても、これはすごいなー……ちゃんとGoogle的には商売になってるんだから。前にもGGGその05とかで書いたように、Googleはネット上の表面積が拡大すればするほどビジネスチャンスが増える仕組みになってるわけで」

X「それだけじゃないぞ、これは。ソロスが東欧に対してやろうとしてた/やっていることを、Googleは全世界に対してやろうとしてるんだ」

S「というと?」

X「人類社会の民主化促進だよ。べつにソロスもGoogleも、慈善や博愛だけでやってるわけじゃない。考えてもみろ。Googleのサービスによって体系だった情報を得て、それをもとに真面目に投票する人口がどんどん増えてったら、その社会に何が起きる?」

S「……中産階級が成立して、経済が発展する?」

X「少なくとも貧困由来の社会不安やテロのリスクは減るわな。でもって、いつの時代であれ、経済と社会が安定した時にいちばん得をするのは……そう、商人だ。ソロスやGoogleのようなタイプの人間/組織だ」

S「うーむむむ……昔は『GMにとって良いことは米国にとっても良いことなのだ』という有名な言い回しがありましたけど、もはや『Googleにとって良いことは人類にとっても良いことなのだ』ですね。しかも、それがGM破産寸前の今になって」

X「まあな。あそうか、電気自動車の次にGoogleが大々的に投資するネタが分かったぜ」

M「え、なんですか?」

X「全人類規模での劇的な識字率向上だよ。なんつっても、スクリーン上の広告をクリックしてもらうためには、字が読めたほうが断然良いからな。(ふと腕を組んで)……待てよ、もしかすると……例のGoogleBookSearchってのも、実はそのほんの一部にすぎなくて……」

S「……まさか、Googleによる史上最大の『もっと読書しましょう週間』!?



M「もしかしたら、もうやってるかもしれないですね>グーグルによる人類識字率向上計画」

S「どきっ」

2009-04-02

われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その07の後、08の前】:されどキャラバンは進みゆく

S「うわ、ネットのエイプリル・フールをチェックし損ねた!の新城です。ここのところ忙しかったりバンコール2.0だったりでGGGのほうは手つかずだったのですが、ちょっとづつ進めてゆきますので、またよろしく。このエントリも、先日のバンコールと同じように、新情報を見つけたら更新する方式用につくってみましたので、興味のある方はRSSなどしていただければ便利であります。で、さっき見かけたのは……:

簡単にまとめると、

  1. グーグル和解案(GBS)は、今年6月11日に正式に裁判所からOKをもらって正式GOになる
  2. 幾つかの関係団体がそれに文句をつけたり変更を要求しているが、その中にNew York Law School内の某団体も入っている
  3. NYLS内団体に寄付しているのは……はいそのとおり、マイクロソフト!
  4. 以前に『独占はダメよん』と政府に言われたせいか、マ社は今回のグーグルの独占について『こっちがダメならあっちもダメちゃうんか、ああん!?』とロビイングしてきた
  5. ただし今回の寄付はマ社曰く『純粋に学問上のナニをアレするためです』

……みたいなことらしいです。ざっと読んだだけなので細かいところ間違ってるかもしれません(平身低頭)」

X「ていうか、正式は決定は6月なのか。9.11から6.11へ……うん、こっちのほうが憶えやすい」

M「そういう問題じゃないでしょ。それにしても、これからまだまだ波乱がありそうですね、この件は」

S「うん。あと、和解案Settlementも、グーグルが提唱してるサービスである検索Searchも頭文字が同じなので、略称はどっちもGBSになるんだよね。なんかややこしいなあ」

X「おっと、それで思い出した。グーグルが設立する『版権レジストリ』なんだが、これ、原文ではBook Rights Registryなんだよ。だから厳密には『書籍(に関する)諸権利の登録所』であって、日本語訳が醸し出す『出版権を管理監督するところ』というニュアンスじゃないんだよな……俺は今回の件では『出版・頒布に関する権利そのものが陳腐化・無意味化*1していく(少なくともこれまでよりは)』という視点から論をたててるので、この訳語は非常に根深い誤解を日本語圏に与えそうなのが、すげー気になってる」

S「うーむ」






090403追加:

S「というわけで著作権がらみではありませんが、見逃せないニュースということで。やはりというかようやくというか、大海が波濤を手に入れようと頑張ってるっぽいですねえ……」




(その数時間後)




S「……の後半部分に興味深い指摘がありました:要約しますと、

  1. これまではGBSに賛成でしたけど、独占条項を見て『いやちょっとこれは……』と思い始めました
  2. 今回、全米作家組合The Authors Guildが訴訟を起こして、しかも和解したことで、かえってGoogleは巨大な利権を手に入れてしまった……他の(もっと良い)戦術もあったのでは?

みたいな」

X「確かに……Googleと提携した図書館は今後、他の書籍閲覧サービス業者に蔵書をスキャンさせちゃいかん、という条項は独禁法上どうなんだよっていうツッコミは各所であがってるみたいだな」

S「そういえば日本の図書館とか大学って、もうGoogleと提携してるんですかね」

X「はて、どうだっけ。なんで急にまた」

S「いやちょっと気になってることがあって……つまり明治大学に寄贈されたという故・米澤氏の膨大な同人誌(に掲載されている情報)って今後どういう扱いになるんだろうなあって……」

X「え? あ――そうか!」

S「でしょ? 杞憂ならばいいんですけど……ちょっと気になってて」




(さらに数時間後)




S「Twitter-Tumblrやブックマークにも書きましたが、これとその前編は素晴らしいエントリであります。また、新城以外にも今回の件を文明論的スパンで考えている方がいたのを発見して、かなり嬉しかったであります」






090407追加:

S「例の和解案は独占条項が強すぎて他社の参入を阻害してる、等の点を突いてるみたいですね。それから『和解参加か否か表明せよ!>全世界』という5月5日の〆切もしくは6月11日の裁判所の決定そのものを延期しなさい、とも言ってるようです。なるほど、その手があったかぁ〜」

X「執行停止の仮処分申請みたいなもんか。どっちの陣営もいよいよ戦術を確定して、動き始めた感じだぜ」






090409追加:

S「今度はAP電……じゃなかった、AP自身が動き始めたようですね:

数日前の報道ですが、とりあえず」







090410追加:

S「今日はばたばたしてますので、気になった見出しだけ:

う〜む、一言でいうと80年代と90年代が00年代ちゃんをめぐって三角関係に……みたいな」

*1:X「最近思いついた喩えを使えば、『電話加入権みたいになっていく』ってことだ」S「それはネクタイびとの皆さんにも非常に解りやすい上に、同じくらいイヤ〜ンなニュアンスがありますね……」