散歩男爵 Baron de Flaneur (Art Plod版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-05-25

『物語工学論』文庫化!で、幻の「あとがき」がこんなところに

物語工学論 キャラクターのつくり方 (角川ソフィア文庫)

物語工学論 キャラクターのつくり方 (角川ソフィア文庫)

S「というわけで文庫版に入らなかったあとがきが、以下にございますので」

M「ほほー」

    あとがき

S「えっと、あとがきです」

M「って新城さん、なんでいきなり新井素子先生のあとがき書き出しをパクるところから始めるんですか。ここは真面目に、新しい読者層にむけて文庫版『物語工学論』を売り込むところでしょうに。ていうか、僕ことMはあくまで新城さんのブログやツイッタで架空会話の相方をつとめるのが本業のキャラクターであって、なんの説明もなしに登場させちゃダメでしょ」

S「いいじゃないか、便利なんだし。キャラクターというものは、読者の便宜を図るためならば、どこでどれだけ登場させてもいいのだ! ちなみに新井素子さんの有名な書き出しをなぞっているのは、先輩SF作家さんという意味合いでのオマージュもしくは本歌取りであって、パクリとは違いますんでそこんとこよろしく」

M「そうかなあ、単に楽をしようとしてるとしか思え……もがもが」

S「(M君の口をふさぎながら)というわけでこの度めでたく文庫化と相成りまして、これからもよろしくご愛顧くださいませ。最初の単行本バージョンよりも一層コンパクトにまとめ直しまして、実用書・読み物としての側面を強調しつつ持ち運びにも便利、通勤通学途中の空き時間に、旅先の御伴に、はたまた冠婚葬祭の記念品にも最適の」

M「なにをムチャクチャ言ってるんですか。そういえば、以前にあった理論篇とか一覧表とかが収録されてませんよね。あれはあれで味があって僕わりと好きだったんですが」

S「いやー、ぜんぶ入れたかったんだけど価格とページ数の関係がナニしてアレになってしまうのでゴニョゴニョゴニョ」

担当「理論篇など物語工学のさらなる深淵を堪能したい方は、ぜひ単行本バージョンも併せてお買い求めください〜(と走り去る)」

M「わ、誰かと思ったら今のは文庫版の担当編集さん。いいんですか、勝手に登場させちゃって」

S「いいんです。もしアウトだったら校正の段階でカットされてるはずなので、どのみち読者さんの目にはふれないし」

M「(編集作業の過酷さを知らないもんだから勝手に遊び始めてるな、こいつは……これだから作家という人種は)」

S「でも最近の新城は、もちろん本業は作家なのですが、同時に『思いついた論理的妄想や未来予測や無茶だけど実現可能なアイデアを文章・音声・動画で発表する人』という方向にも興味が出てきてるんだよ」

M「勝手に人の内心を読まないでください! それはともかく、今回の内容はあくまでも入門篇なわけですよね。単行本にもそう書いてありましたし。応用篇って出るんですか、今後」

S「ふふふのふ、それは何を隠そう……」

M「出るんですか!」

S「この文庫版の売れ行き次第でございます。もし可能ならば、次はぜひとも〈悪役〉や〈ヒロイン〉に絞って、もと詳しくお伝えしたいなあ、と。そんなこんなで今後とも、隅から隅までずずずいいーーっと、よろしくお願いいたします……(深々とお辞儀をしているところへ、緞帳がゆっくりと下りてくる:客席のライトが明るくなる中、万雷の拍手は鳴り止まない)」

M「って歌舞伎座の顔見世ですかっ!」

           以下、次巻に続く!(かもしれない)

M「……これじゃ普段のブログと変わらないような気が」

S「そうとも言うね^^」

M「(原稿を再利用してブログ書けたもんだから、機嫌がいいんだな……まったくこの人はほんとうにもう……)あ、そういえば。はてなからタンブラに引っ越す計画はどうなったんですか」

S「まだ計画中です。めんどくさいので」

M「………………」

S「でも夏には『サマー/タイム/トラベラー』のツイッタ読書会とか、『島津戦記』を都内&ツイッタで体験する面白ゲーム開催とか、考えてますんで、今後もよろしく〜」

2012-02-22

新城カズマの新連載『島津戦記』冒頭をネットで無料公開するってのはどうよ?と言われたので、さっそくやってみた【追記あり】

S「というわけなので、以下にやってみました:後々いろいろ整形するかもですが、とりあえず今はこれが精一杯…」

クラリス「まあ…(万国旗を眺める)」

M「ってどこから出てきたんですかクラリスが!」

S「まあまあ。というわけで、以下草稿バージョンからのコピペです」


長篇歴史大河ロマン島津戦記』 by新城カズマ



「いり豆をかじりつつ古今の英雄を罵倒するのは人生最上の快事である」と荻生徂徠が言ったと伝えられるが、歴史に興味を持つ者にとって、たしかにこれは楽しいことに違いない

       ――海音寺潮五郎


 事実は、こうだ

       ――山田風太郎


 歴史……すなわち思弁小説の一形式

       ――ウィリアム・ギブスン






       


 ――誰も彼もが、武器を帯びていた。

 男たちは刀を手にしていた。女たちは短い刃を隠し持った。老いたもの、若すぎるものたちも身近に得物を求めた。石は投げれば凶器になった。油を浴びせかければ敵は退散した。竹を組み合わせた柵が道をふさぎ、泥水にみたされた堀が屋敷を囲んだ。鋤も、鍬も、銅銭さえも、いくさの前には鋳潰されて槍の穂先となった。言葉は相手を殺す呪詛と化した。文字は秘密をつくり、弱い心をまどわし、遠く離れた将を調伏した。

 あらゆる取引が、いくさの中へ呑み込まれていった。海から運ぶしかない塩はもっとも貴重な兵力だった。絹や毛皮は敵対するものたちの心を動かす軍勢だった。血のつながりもまた例外ではなかった――息子は人質となって殺され、娘はかりそめの平和の証にと嫁いだまま命を絶ち、おさない子どもたちさえも恨みの連鎖を断ち切るために喉を切り裂かれた。屍は積み重ねられ、埋められ、あるいは捨て置かれた。途絶えた血筋は、その栄光もろとも、またたく間に忘れ去られた。

 争うものは武士と呼ばれたが、しかし、争わずにいたのは既に死んだものだけだった。すべての土地に争いがあった。田畑をたがやすものも争った。魚をすなどるものも争った。山はいくさ場となった。川は攻め込むための道だった。野原はあちこちで踏みにじられた。村は武装し、町は焼かれ、伽藍はくりかえし崩れ落ちた。だれも護ってはくれなかった。命はどこまでも軽く、鎧と兜はひたすら重くなった。

 そして皆、この殺し合いが、いつまでも続くのだと思っていた。

 ほんの、一握りの者たちを除いて。

S「……で、このあと第一章が始まるわけですが。本文はもうちょっと軽い文体です。あ、あと、これ編集様には無許可でやってるので、もし怒られたら早めに削除しますんで

M「無断でやってるんですかっ!?(←怯えてあたりを見回す)」

S「まあそう焦らずに。前回もそうだったけど、こういうのは、その場のノリが一番大事なんじゃよ」

追記:

S「……とか言ってたら、こんなページが^^;」

X「うーんやはりアントンシク画伯の挿絵がつくと、ぐっと映えるなあ」


*新城カズマの新連載『島津戦記』が…

S「というわけで例のアレ連載開始したので、ネットのほうでもなんか盛り上げたいなあと思うわけですが」

M「例のって、ずいぶん前から言ってたアレですか。またツイッタで朗読/演奏するとか、都内を自転車で駆け回るとか…」

S「や、今度のやつは東京が舞台というわけでもないんで。それに朗読っていってもなあ…一人称じゃないからイマイチ…うーんどうしよう。草稿のブログ公開ってのも考えたんだけど、需要あるのかしらん」

X「いっそのこと、次号以降の展開を予想してもらうってのはどうだい。歴史モノなんだから物語の情報は(ある意味)すでに公開されてるわけだし」

S「うーむなるほど…とりあえず、どうやって盛り上げるか/遊ぶかも含めて、ツイッタのほうでいろいろ募集中です〜」

小説新潮 2012年 03月号 [雑誌]

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