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さくら進学クリニック 「進学コラム」


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 2017年千葉県公立高校入試は、前期2月13・14日、後期3月1日です

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2016-11-03 442.千葉県公立入試の教科別特徴

「公立上位校受験の手引き」完売しました

おかげさまで「千葉県公立上位校受験の手引き」は完売いたしました。

ありがとうございました。

申し込み済みの方には振り込みの確認ができしだい発送いたします。


受験の手引きの感想などを送って下さった方々、ありがとうございます。

個々にお返事はできませんが(申し訳ありません)、メールはすべて読ませていただいています。

442.千葉県公立入試の教科別特徴

こんにちは、さくらです。

今年も過去の入試問題に取り組む時期がやってきました。


過去問には出題傾向を知るだけでなく、今後の勉強の指針を示すナビゲーターの役割もあります。

過去問を解いた結果をふまえて対策をしていけば、より学習効果を上げることができるでしょう。

ただし、過去問の分析が正しくなされていれば・・・の話です。


ひとつ例をあげましょう。

県立船橋高校を志望するAさんが28年前期の過去問を解いて自己採点してみました。

結果は英語85点、社会85点、国語75点、理科75点、数学65点、合計385点でした。

(県平均は英語50.3点、社会56.6点、国語57.0点、理科46.3点、数学47.4点です)


この結果を見て、Aさん親子はこんな分析をしました。

「英語・社会85点はまずまずだね、今のペースで勉強して90点を確保しよう。」

「国語・理科75点はもう少しかな、特に国語は平均点も高いから90点目指して頑張ろう。」

「一番頑張らなきゃいけないのは数学だね、勉強量を増やして85点は取れるようにしよう。」


さて、Aさん親子の判断は正しかったのでしょうか、それは追って明らかになります。



今回は学校でも塾でもあまり教えてくれない、千葉県公立入試の教科別特徴について書きます。

各教科の特徴をしっかり頭に入れて過去問に取り組んでください。

(このコラムは6月に行った高校入試説明会や、「受験の手引き」に書いた内容の一部を再構成したものです)


ここでは5月に県から発表された「平成28年度 千葉県公立高校学力検査の結果」を題材として使用します。

千葉県教育委員会ホームページの左サイドバーから

→ 「入試・検査」

→ 「平成28年度高等学校入学者選抜情報 」

→ 「26.平成28年度千葉県公立高等学校入学者選抜の結果について<報道発表>」と進み

「平成28年度千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果(PDF:1,116KB)」をダウンロードするか、その場で開いてください。


この資料には平均点の推移や、設問ごとの正答率、無答率などが掲載されています。

その中で今回使用するのは、前期・後期の最後に掲載されている「受検者の得点分布」という簡単なグラフです。

これは得点10点刻みに受検者の人数比率をグラフ化したものです。

グラフの点は10点刻みの中間に打ってありますが、これは70点台や80点台という意味だと解釈しています。(中学校の数学で習う「階級値」ですね)


ここでは公立志望者のほぼ全員が受験する前期選抜の得点分布グラフから、公立入試の教科別特徴を読み取っていきます。



はじめに、特徴の違いがわかりやすい国語と英語から見ていきましょう。


平成28年度前期の平均点は国語が57.0点、英語が50.3点と、国語が7点近く高くなっています。

これを見ると「英語よりも国語の方が得点しやすかった」ように見えます。


では、国語の得点分布グラフを見てみましょう。


f:id:sinkuri:20161103022151p:image:w360


90点以上 約1%   80点以上 約8%   70点以上 約23%


人数の比率(%)は私が目分量で読んだ数字です、正確な数値ではありませんのでご了承ください。

 80点以上には90点以上を、70点以上には80点以上を含みます、以下、約を省略します。


国語のグラフは平均点付近を中心にきれいな三角形の山を描いています。

国語は山のピークに多くの受験生が集まっていて、高得点者と低得点者が少ないのが特徴です。


ピーク付近に多く集まっているので、平均点が高くなってもピークが少し右に動くだけで高得点者はあまり増えません。

90点以上は全体の1%と非常に少なく、高得点を取るのは難しいことがわかります。


1%と言われてもイメージしにくいので具体的な数字を出しましょう。

28年前期の全受験者数は38,588名で、その1%は約390名です。

県千葉高校の前期受験者が466名だったので、1%は県千葉1校の受験者数よりも少ない人数です。

したがって、公立御三家でも国語で90点以上を取れた生徒は少数だったでしょう。

反面、80点以上は8%もいるので80点台の得点は難しくなかったはずです。


ところで、28年は前期・後期の制度になって以来、国語の平均点が最も高くなりました。

前年、27年前期では下のグラフでわかるように80点以上も容易ではありませんでした。


f:id:sinkuri:20151018212946p:image:w360

90点以上 ほぼ0%   80点以上 3%   70点以上 13%


これは27年だけでなく前期・後期になってからずっと同じで、80点台が難しくなかったのは28年だけの特徴です。

29年は28年同様に平均点が高くなるのか、それとも元に戻るのかはわかりませんが、

いずれにしても、国語は容易に高得点は取れない教科だという認識は持っておきましょう。



次に英語のグラフを見てみましょう。


f:id:sinkuri:20161103024733p:image:w360


90点以上 7%   80点以上 16%   70点以上 27%


英語のグラフは山らしい山がほとんど無く(山というより台地ですね)、上位から下位までほぼ均等に分布しています。

80点台・90点台の高得点者が多い反面、10点台・20点台もゴロゴロいるという差のつきやすい教科です。


高得点層に目を向けると、90点以上が7%とかなり多く、80点以上に至っては16%もいます。

1番手校4校(千葉・船橋・東葛飾・千葉東)の受験者合計が2,339名で約6%ですから、1番手校では90点以上が当然、

2番手校でも80点台後半以上が普通だったでしょう。


平均点は国語のほうが高くても、上位生に関していえば国語は点が取りにくく、英語は取りやすい教科だったわけです。

平均点だけを見ていては「試験の本質」は見えてこないのです。


国語は母国語なので、日常のコミュニケーションを通じて訓練されていきます。

多くの生徒がそれなりの点数を取れる(平均点付近に集まる)のは当然の結果でしょう。

差をつけるために難易度の高い問題を入れれば、今度は解ける生徒が限られてしまいます。

千葉県公立入試特有の特徴というより、教科の性格からくる特徴でしょう。


千葉県特有の特徴といえば、国語には「聞き取り問題(英語でいうリスニング)」があります。

聞き取り問題の放送時間は強制的に拘束されてしまうので、そのぶん他の問題を解く時間は短くなります。

千葉県では時間を必要とする「作文」も必ず出るので、時間配分を上手く考えないとタイムオーバーになります。

そういう意味でも、国語は高得点の難しい教科だといってよいでしょう。


反対に英語は外国語なので、学習量の差が得点の差となって表れてきます。

しかも英語は中学3年間しか学んでいないので、国語や数学に比べると受験に必要な知識量は少なめです。

学習量の多い(しかも理解度の高い)上位生には攻略が最も容易な教科であるといえます。


国語や数学とは違い「知識で解く」教科なので、訓練度が高ければ満点を狙うことも可能です。

1番手校の受験生なら、英語の目標は100点でよいでしょう。



続いて数学を見てみましょう。

数学のグラフは国語に近い形で、真ん中が多く、上位と下位が少なくなっています。

国語のグラフを下位をやや多くして上位を削ると数学になる感じです。


f:id:sinkuri:20161103024802p:image:w360


90点以上 ほぼ0%   80点以上 1%   70点以上 8%


高得点層に目を向けると、90点以上はほとんどいません。

80点以上でも1%と絶望的に高得点が取れないことがわかります。

80点以上が1%しかいないということは、公立御三家でも80点に満たない生徒のほうが多いということになります。


千葉県の数学には正答率が5%を切るような問題が毎年何問か入っています。

こういう問題はかなり数学が得意でないと解けないので、90点はおろか80点も難しくなるわけです。


グラフからわかるように60点台までは難しくない問題です。(試験問題のおよそ半分は教科書レベルです)

基本問題の演習をしっかりしておけば60点を確保するのは容易でしょう。

1番手校志望の受験生なら、数学が苦手でも入試標準レベルまできっちり訓練して70点台は取りたいところです。



続いて社会に行きましょう。


f:id:sinkuri:20161103024820p:image:w360


90点以上 7%   80点以上 19%   70点以上 32%


社会は英語のグラフをやや丸くしたような形です。

90点以上が7%、80点以上が19%ですから、上位生にとっては英語とほぼ同じ傾向の教科だといってよいでしょう。

社会で得点できなければ上位校の合格を望むことはできません。

社会は100%暗記の教科ですから、どんな方法を使っても頭にたたき込んで90点以上取れるようになりましょう。



続いて理科です。

理科のグラフは国語の真ん中をつぶしたようにも、社会の右半分をつぶしたようにも見えます。

つまり理科は国語型と英語型の両方の性格を持っています。


f:id:sinkuri:20161103024838p:image:w360


90点以上 1%未満   80点以上 5%   70点以上 14%


高得点層は90点以上が1%未満、80点以上でも5%と、国語よりも高得点がしにくいことがわかります。

ただし、28年前期は理科の平均点が46.3点と下がった年でした。

グラフは載せていませんが、27年前期(平均点57.1)の分布では80点以上が13%もいました。

2番手校でも80点取るのは難しくなかったでしょう。


千葉県の理科は年による難易度の変動が大きく、予期せぬことが起こるかもしれないと思っていたほうがよいでしょう。

(2010年には平均38.8点なんてこともありました、多くの受験生が自己採点後に泣き崩れていました)

90点以上はなかなか難しいですが、1番手校の受験生なら暗記部分を中心にしっかり勉強して80点台を確保したいものです。

理科は80点までは難しくないので、英語・社会と同様にできないと致命傷になります。



ここまで5教科の得点分布グラフを見てきました、千葉県公立入試における5教科の特徴をまとめてみます。


高得点が可能な教科は英語と社会。

1番手校では90点を割るような生徒はほとんどいないので苦手だと致命的です。

暗記教科ですから、繰り返し問題演習して確実に得点できるようになりましょう。


理科は90点以上はきついものの、80点台までは取りやすい教科です。

暗記分野が多いので、英語や社会と同じと考えて繰り返し問題演習をしましょう。

1番手校なら英語・社会・理科で目標270点、できれば280点を目指しましょう。


高得点を取りにくいのは国語と数学。

年によっては1番手校でも80点すら難しいこともあります。

得意な生徒はガンガン鍛えたいですが、そうでなければ深追いは禁物です。

英語・社会・理科の対策が不十分なままで、国語や数学に力を入れても効果は見込めません。

ただし、計算練習や漢字練習は毎日欠かさずにやりましょう、取りどころで落としたら合格はありえません。



こうしたことをふまえて、最初に書いたAさん親子の分析を確認してみましょう。

自己採点の結果は英語85点、社会85点、国語75点、理科75点、数学65点、合計385点でした。


まず「一番頑張らなきゃいけないのは数学だね、勉強量を増やして85点は取れるようにしよう。」ですが、

数学65点はこの時期なら決して悪くはありませんが、Aさんは数学がすごく得意なわけではないでしょう。

85点取ろうと思ったらどれだけの時間と労力を注ぎ込まなくてはならないか、考えただけでも恐ろしいです。

75点を目標に基本・標準レベル中心の訓練を毎日少しずつやったほうがよいでしょう。


次に「国語・理科75点はもう少しかな、特に国語は平均点も高いから90点目指して頑張ろう。」ですが、

国語で90点取るのは厳しいことがわかりましたね、今が75点なら上乗せできるのはせいぜい10点程度でしょう。

理科もここからの上乗せは10点程度ですが、理科は暗記中心の教科なので国語よりも確実に達成できるはずです。


最後に「英語・社会85点はまずまずだね、今のペースで勉強して90点を確保しよう。」ですが、

数学75点、国語・理科85点なら、県船橋の目標点430点には残る英語・社会で185点が必要です。

数学や国語は当日ミスが出ることも考慮すると、安全マージンを取って190点は取りたいところ。

英語・社会なら訓練しだいで190点は十分可能です、満点を目指して頑張りましょう。


というわけで、Aさんが最初の分析通りに勉強していたら受かるものも受からなくなっていたかもしれません。

まあ、かなり強引に例を作ってしまいましたが、教科の特徴を知っておくことの大切さは理解していただけたでしょう。



もうひとつ大切な情報を・・・

公立入試での試験の順番は前期・後期ともに

1時間目 国語

2時間目 数学

3時間目 英語

4時間目 理科

5時間目 社会 です。


国語や数学で高得点を目指して想定通りの結果を出せなかった場合、残る3教科にプレッシャーがかかってきます。

ただでさえ緊張する入試で通常以上のプレッシャーがかかれば、いつも通りの結果を出すのは難しいでしょう。

「国語・数学は取れなくて当然、残り3教科で取ればよい」と思えば、最後まで落ち着いて試験を受けられるはずです。

そういう意味でも、英語・社会・理科の勉強を十分にやっておくことが上位校合格のポイントだといえます。



最後に5教科合計です。


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450点以上 ほぼ0%   400点以上 5%   350点以上 18%


高得点層に特徴的なことは450点以上がほとんどいないことです。

皆無というわけではありませんが、実質的には450点満点のようなものです。

公立御三家の合格最低点は420〜430点台ですから、上限である450点に限りなく近い得点が求められます。


400点以上は5%もいるので、御三家では400点台前半にたくさんの受験生がびっしり並んだはずです。

その中で450点に向かって一歩でも二歩でも前に出た者だけが合格を手にできるという厳しい戦いです。


狭い範囲に多くの受験生がいれば、数点の差で順位が大きく動くでしょう。

合否を分けたのは「実力の差」だけでなく、「いつもの実力が出せたかどうか」も大きかったはずです。

1番手校を目指す受験生は実力をつけるのは当然として、いつも通りの実力を出せるための訓練も必要でしょう。

公立前期の前に私立1番手校で「試験中の試合運び」の練習をしておくことが、公立の合格可能性を上げるはずです。



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