Joe's Shanghai(鹿鳴春)

Sipaoです。

アメリカで最大と言われるNYのチャイナタウン。その中でも常に変わらぬ人気を誇るレストランをご紹介します。今日のSipako・Sipaoは、マサチューセッツ州のリゾート地Cape CodのProvince Townからボストン経由でチャイナタウン・バスで夜遅くNYに戻ってきたので、おなかぺこぺこの2人は「あーアレが食べたい…」「そうしますか」と言ってここに足を運んだのでした。

(概要)
ステーキハウスのPeter Lugarと並んでどのガイドブックにも掲載されているはずのJoe's Shanghai。言わずと知れた、小龍包の名店です。いつも大混雑でご飯時には30分待ちは当たり前。観光客や白人系のお客だけなく、中国系のお客さんも多く来ており、味はお墨付き。ただし、人気の小龍包と炒飯以外はごく普通か、場合によってはハズれもあるので要注意。


(お料理)
行列を経てようやくお店に入り、席に着くなり聞かれるのが「豚?蟹?どっちにする?」。そう、ここは小龍包目当てでやってくるお客さんがほとんどなので、ウェイターさんも「当然あんたもそれ食べに来たんだろ?」ということでしょっぱなから聞いてくるわけです。

ご飯時であれば小龍包は店の奥のキッチンで次々と蒸しあげられているので、あっという間にテーブルに運ばれてきます。ほくほくの湯気がたつできたての小龍包は見ているだけでよだれが出てきます。


せいろに8つ、これで4ドルちょい。実にお得です。2人で食べるにはちょうどいいぐらいですが、男友達で食べに来た場合は1皿じゃ足りないので豚と蟹を両方頼んでしまうのもアリでしょう。

お待ちかねの小龍包、ぶにっとした皮をおそるおそるやぶると中からたまらなくおいしいスープが流れ出してきます。もったいないのでレンゲでこぼさないように押さえながら、一気に口元まで運んでしまいましょう。

人によっては豚が絶対おいしいという人もいますが(以前テーブルで隣り合わせたアメリカ人は断固主張していました…)、僕はどっちも大好きで、毎回決めあぐねます。ガイドブック上では「蟹がおすすめ」となっている場合が多いようです。

さすがに小龍包だけでは物足りないので、他のお料理も、と行きたいところなのですが、はっきり言っていまいち中華のメニューというのは読んでてもイメージがわきません。その上、シェアを前提に作られているので一皿がかなり多いため、外すと悲惨です。僕も何度かここで、賭けに出てよくわからない料理を頼んでみたことがありましたが、たいしておいしくもない料理が出てきて対応に苦慮した経験があります。しかし、確実においしいのは、上海炒飯。これはあっさりしているけど、塩コショウと鶏がらスープが効いていて、結構なボリュームなのにあっという間に平らげてしまいます。

結局、小龍包を頼んで、こぼれるスープの受け皿もかねてチャーハンを頼むというのが毎度の定番になっています。どなたか、このメニューはおいしいよ!というのがあったらぜひ教えてください。


(お店の雰囲気)
チャイナタウンでも1、2を争う人気店なので、長蛇の列は覚悟したほうがいいでしょう。お昼は、ご飯時をすぎても結構並んでいますが、3時を過ぎたあたりなら待たずに入れると思います。混んでいるときは中華料理屋らしい大きな円卓に、ほかのお客さんと合い席することになります。運が良ければ、入口から入って左側にある個別のテーブルに座ることもできますが、2人の場合はまず合い席になると思います。そして、やはり中華料理屋らしく、活気のある店内でザワザワしています。店員の対応は特に可もなく不可もなく、というところ。料理はすぐに出てくるので特に問題ありません。


(その他)
チャイナタウンにあるお店なので、料理は激安の部類に入ります。上の定番の組み合わせにしても、15ドル以下で、2人で食べて十分満足できます。食事が終わった後に必ず出てくるオレンジのデザートは意外とおいしいです。


(行き方・周辺情報)
チャイナタウンの目抜き通りのCanal Streetを東端まで行き、Bowery Streetを2ブロック南下して右折したところにあります。N/Q/R、4/5/6、J/M/ZのCanal Street駅が最寄り。

チャイナタウンは、Canal Streetの南、Bowery Streetの西、Laferyett Streetの東に位置するエリアで、ところせましと食材店や土産物や、マッサージ屋などが並んでいます。昼間に訪れると人でごった返しており、中国語があふれるストリートを歩いていると一瞬「ここは本当にアメリカか?」と疑いたくなります。アメリカでも最大の中国人街と言われていますが、個人的にはサンフランシスコのほうが大きいような気もします。

碁盤の目状の通りに沿って発達したサンフランシスコのチャイナタウンとの一番の違いは、きわめて雑然としていること。NYも碁盤の目状の整然とした街として知られていますが、それはCanal Streetよりも北の地域に当てはまる話で、これより南の地域は、昔NYがオランダの植民地だった時代の雑然とした街区設定がそのまま残っているため、チャイナタウンも非常に道が入り組んでいます。一説には、行政当局すら把握できていない、英語標記のない中国語のみの名前を持つ通りも地域の一部にはあると言われており、うっかりディープなエリアに入っていかないように気をつけたほうがいいと思われます(特に人通りが急激に減る夜は注意)。

なお、チャイナタウンはその規模をどんどん広げており、Canal Streetの北側に隣接するLittle Italyにまで進出しているほか、従来ユダヤ人系コミュニティの拠点だった北東のLower East Side地区にも中国人経営の店が多く見られるようになっています。また、マンハッタンの西側、ロングアイランドの北部のクイーンズ地区にも中国系移民が多く住む地域が発達しており、中国人の友人に言わせれば「クイーンズのほうがもっと本格的な中華料理が食べられる」とのこと。

(お店情報)
http://www.joeshanghairestaurants.com/
9 Pell Street, New York, NY, 10013
※なお、ミッドタウンの56丁目(5アベと6アベの間)にも支店があるので、チャイナタウンまで南下せずにてっとり早く食べたいときはそちらがお勧め。