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萌え理論ブログ

2006-06-05 萌理ファイル

萌魔導士アキバトロン(5)

少女は絵理と名乗った。無防備なショートカットに甘い垂れ目の萌とは対照的に、禁欲的なポニーテールにからい吊り目で、しかも険しい表情で敵意を晒す。立居振る舞いに威圧される。眼を合わせるのも辛い殺気が飛ぶ。後ずさりして周りを軽く見渡すと黒い服を着た男に囲まれている異常事態に志朗は気付く。何の恨みがあるんだ。隣の萌に囁く。

「お前は逃げろ」

「どうしようおろおろ」

「バカ俺が逃げられないんだよ早く」

事情を察した萌は、いきなりあさっての方向に駆け出す。黒い包囲網は微動だにしない。メロンパンをくわえたまま走る姿が何とも言えず間が抜けていた。

「……で。俺に、何か用?」

黒服から長い布の包みを受け取った絵理は無言のままだ。布をはぐと日本刀が露出する。輝く刀身が抜かれる。本物だろうか。彼女は悠長に振りかぶり。まずい。とっさに自転車で斬撃を受ける。耳鳴りがするような金属音を立てて真っ二つにされる。身体の方はなんとか斬られていない。左右に分かれてしまった自転車の残骸を地面に捨てる。また悠長に振りかぶる。もうだめっぽい。

「アqw瀬drgftyふじこlp」

意味不明の言葉を叫んで志朗は決死で突撃する。あの構えでは突けない。振り下ろすより早く敵のふところに入るしかない。刀を奪おうと必死にもみ合う内に、彼女の動きが止まる。無言で震えている。なんだこいつ。

「?」

「無礼者! 手を離しなさい!!」

刀を持っていない方の手に絵理は視線を注ぐ。彼は夢中で組み合う内に胸を掴んでいた。

「こここれは、正当防衛だ!」

彼女は無言で蹴りを放つ。直撃を受け、薄れ行く意識の中で志朗はつぶやく。

「しまぱん……」


   (続)

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