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萌え理論ブログ

2006-06-11 萌え理論DataBaseに改名

萌魔導士アキバトロン(11)

萌と二人で朝飯を食べながら空模様を眺めると、梅雨を予感させる曇天が窓一面に広がっている。

「降るかな」

「ふるふるもぐもぐ」

答えているのか味わっているのかバカにされているのか曖昧だが、傘を持っていった方が良さそうか。折りたたみを一本カバンに入れて靴を履く。萌はといえば、オレンジジャムをたっぷり塗ったトーストにまだかじりついている。トロイ。玄関を開けると絵理がいた。

「な、なにか用?」

「お迎えに参りました」

彼女は木刀を持参している。また襲われたりするのだろうか。

「いえちょっと……お守りするために」

涼しい顔でさらりと言う。誰かに狙われているとでもいうのか。

「もし志朗殿に万が一のことがあっては、わたくし……」

昨日の今日でいきなりそんなこと言われてもなあ。しかし、彼女に逆らうメリットがない。

「同じ萌理学園に通うことになりますから。わたくしも後期一年生です」

そして新しい自転車は寝かせて置いたまま三人で登校する。御嬢様の方がよっぽど狙われそうなものだが、まあ彼女なら一人で戦えるだろうし、近くに黒服が待機しているのかもしれない。絵理は無言だし萌はまだパンをくわえている。このトライアングルの緊張を解こうと、思い切って言葉を投げかけてみた。

「その木刀なんだけど……」

「ご安心ください! ちゃんと中に真剣が仕込んであります」

絵理は梅雨を吹き飛ばしそうな爽やかな笑顔で答える。この娘はいったいどういう環境で育ったんだろう?

「そういえば昨日は変な夢を見ちゃって」

話題を戦闘モードから切り替えようと、萌に話した内容を繰り返す。絵理は興味深そうに聞くと、「レモン」は「霊門」「霊夢」といった単語かもしれないと返した。同じ二十一世紀生まれとは思えない神秘的な発想である。古い家に育ったからか。今朝の夢を話したらどうなるか気になった。でももう学園が近いから後にしよう。そして校門をくぐると、小型ミサイルが飛んできて歓迎してくれた。


   (続)

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