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萌え理論ブログ

2006-06-13 25万PV突破

萌魔導士アキバトロン(13)

「メガネビーム」

ヘッドギアの少女は大きな額縁眼鏡を掛けて、冷たい無機質な声で宣言する。眼鏡のレンズから閃光が迸り、光線のサーチ先が爆発する。絵理は間一髪で飛翔してかわす。

「無茶苦茶だ」

図書室の窓から校門付近を覗いていた志朗が人事のようにつぶやく。彼女たちは色々な意味で人間離れしている。どうなってるんだ。

「やるな! わたくしは絵理」

「私はリロ」

機械みたいな声だと思っていたが、本当に機械音声のようだ。よく見ると口が動いていない。さっきはミサイルと絵理の抱擁でそれどころではなかった。まさかロボットとかじゃないだろうな。そういえばさっきから一緒にいる萌が大人しい。ロボットとかには興味ないのか。

「萌?」

振り向くと、蒼髪碧眼の少女がいた。志朗はハッとする。

「き、君は夢の中にいたはず…」

少女は髪をなびかせて穏やかに頷く。

「ここは夢の中なのです」

とつぜん、五冊の本が同時に開き、ページが勝手にパラパラとめくれる。野鳥観察の本から飛び出した鳥たちが羽ばたき、戦記の本からは一次大戦の様子がホログラムのように空中に映し出される。コンピュータの本からはウィンドウが何枚も飛び出す。音楽の本からはオーケストラの演奏が聞こえ、料理の本からは美味しそうな甘い匂いが漂ってくる。

「六冊目を…」

この本を渡していいのか。急に窓の外で激しいにわか雨が振る。

「志朗!」

萌の声で目を覚ます。すぐ五冊の記憶をサーチした。25ページ。どうやら読書中に眠ってしまったようだ。また夢か……。時計を見るともうすぐ始業時間になる。残念だが授業中に記憶読書することは諦める。図書委員も片付けはじめている。教室に向かうことにした。図書室の出口で絵理とヘッドギアの少女にばったり出会う。勝負はついたのか?

「雨天なので中止しました、志朗」

「勝負はまたの機会にお預けですわ」

「遠足かよ」

ヘッドギアの少女の声はヘッドギアから出ている。合成音声だ。

「えっと、きみのことはギア娘って呼んでいい?」

「殺しますよ、志朗」

チェキ。彼女はハンドガンを構えて、リロードする。実弾は入っていないだろうが、得体の知れない迫力がある。

「ご、ごめん。リロだっけ……」

「知っていたのですか」

驚いている。はじめて彼女は表情を見せた。ギアの声は死んだままだが。

「私はLILO。有機計算機、通称ヒューマトロンです。ここでの所属は後期一年生扱いになっています。すなわち、あなたの同級生になります。よろしく、志朗」

ハンドガンをしまって手を差し出す。ギア娘がロボ娘だったことより、夢がどこまで夢だったのかが気になる。寝ていても一応音声データは録れるけれど……。

「ててててて!」

LILOと握手したら握りつぶされそうになった。小柄なのに凄い握力だ。これは本当にロボットかもしれない。現実の方もおかしくなっている。


   (続)

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