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2007-12-14 著作権

ダウンロード違法化はどこがまずいのか

概要

 文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の第15回会合が12月18日に開かれ、「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」からのダウンロード(※注:「ニコニコ動画」「YouTube」などでのストリーミング視聴は含まない)」を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/18/news065.html

ダウンロード違法化(以下DL違法化)に強く反対する。著作権関連では、著作者の死後70年までの保護期間の延長にも反対するが、今回はより重要なのである。後で述べるが、違法ダウンロードに関係ないユーザも巻き込みかねない。

注意しておくと、DL違法化に反対することは、著作権違反の擁護とイコールではない。アップロードは現在も違法なのだから、それで取り締まればよいという考えだ。DL違法化は大きな問題を孕んでいる。ではそれは何か。

「ホームページ」もダウンロードしなければ見られない

WebブラウザでWebサイトを閲覧していると、ダウンロードしているという感覚は薄いかもしれない。しかし、データをダウンロードしなければ、いわゆる「ホームページ」を見ることもできないのである。一日ネットをしていれば、相当な数のファイルをダウンロードしているはずだ。

もちろん、上の引用にもあるように、基本的に規制の対象は動画・音声ファイルで、しかも、YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトのストリーミングは当てはまらないとしている。しかし、実態としてはローカルにキャッシュを保存している。これが一時保存だから構わないとするのだが、Winnyのような共有ファイルのキャッシュは一時的ではないのだろうか。

もっと原理的に言うと、機械レベルでは、動画・音声・画像・文字といった区別はなく、全て1か0かのデータでしかない。例えば、動画を連番画像にバラしてダウンロードして、また動画にまとめることができるだろう。つまり、技術的な区分としては大きな意味はない。そして、意味がないから全部違法ダウンロードにしようと、後から法の運用を変えられる危険性がある。

法律を新設するより条文を変える方が、条文を変えるより解釈を変える方が楽なので、後から運用を変える恐れはある。権利者が動画・音声だけでなく、画像・文章にも適用しろと迫る、というのは自然な流れだ。

そのように、ダウンロードの違法性の定義が変わってくると、最初に言ったようにホームページを見るにもダウンロードはしているので、ただネットを見るだけで、違法ダウンロードに当てはまってしまう危険性が将来的に出てくるかもしれない。そのように、権利は保護すべきだが、だからといってDL違法化するのは、多くのユーザに潜在的な訴訟リスクを与えることになり、まずいのである。

ダウンロード違法化と無断アップロード禁止

「情を知って」違法ダウンロードしたのでなければ構わないとあるから、一般ユーザが不利になることはない、という意見があるかもしれない。しかし、やはり恣意的な判断になってしまう。違法か適法かをどうやって見分けるのか。これには、適法マークが用意されているのだという。

だが、それでは実質的な「無断アップロード禁止」措置ではないか(「無断アップ禁止」は、「無断リンク禁止」に似ている)。もし適法マークをもらうのに審査・審査料が必要になったりしたら、自由なアップロード/ダウンロードができない。それでは、ビデ倫やソフ倫のような規制の網が、インターネット全体に掛けられる事態に見える。そこまでする必要はない。

そういうわけで、「私は違法なダウンロードはしないから関係ない」ということはなく、ネット全体に影響しかねない。「ダウンロード」の定義が曖昧で恣意的だとまずい。特に画像や文章にまで適用されたら、多くのWebサービスに確実に影響を与えるだろう。適法マークをもらえないとブログが書けない、画像もアップできない、ということになりかねない。

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