2008-01-20 はてな
はてなはなぜ潰れないのか?
はてなはなぜ潰れないのか
はてなの本社京都移転関係で、はてダや増田で的外れな分析がたくさんありますが、FUDだと思うので、そろそろ一言言っておきます。
そもそも、今回の京都移転は、事業拡大です。オフィスも広くなるし、広くするのは人を増やす予定があるわけです。語られるイメージとは逆に、はてなは増収増益を続け、右肩上がりに成長し続けています。
確かに資本金は少ないのですが、上場してないんだから、そんなむやみに増やす必要はなく、代わりに内部留保を分厚くしているようです。また、ベンチャーキャピタルに頼らない、健全黒字経営志向です。
要するに、キャッシュがあるので、社長がアメリカに行った位では全然傾かない。それにしても、何がどのように儲かるのか、詳しく見てみましょう。
はてなはなぜ儲かるのか
はてなは意外と「変な会社」ではなくて、収益構造が分かりやすいし、美味しいビジネスモデルだと言えます。はてなはSEOが強いので、検索上位にいます。はてなキーワードがWikipediaの次、はてなブックマークが元ページの次に、二番手の位置を確保していれば、アドセンスやアソシエイトを通じて収益化されます。要するに、Web立地の良さで喰えている。
それは喩えて言うとこうです。近藤社長がはてな村を開拓するときに、Google駅の近くに作ったために、Google駅の交通量が増えて、土地価格(広告収入)が上昇し続ければ、はてなも自然と右肩上がりになるんです*1。近藤社長はシリコンバレーのGoogle本社に足を向けて寝られないわけです。しかも、最近ではYahoo駅*2も開通したわけです。
そして、はてなの技術が優れているってどこら辺なのかと、2ちゃんねるの西村氏は疑問を呈しますが、まさにその辺りで発揮されます。内部被リンクが多かったりするのは、SEOではあっても決してSPAMではない。なぜそう断言できるかといえば、神、いわゆるグーグルがそう判断しているからです*3。
こうしたマネタイズ効率の良さと対照的なのは、例えば最近流行しているニコニコ動画です。確かに動画は派手で話題になり人が集まりますが、費用が掛かる割りに広告で回収するのが難しい。しかも、著作権違反のコンテンツが多く、潜在的訴訟リスクは軽視できません。
それから、はてなを利用するWeb関連のIT技術者は多いですが、これは広告面で色々と有利になります。層が分かっている方が広告が打ちやすく、しかも就職転職関係は広告資金が豊富です。はてなを利用していると、いつもIT技術者募集の広告を見るでしょう。
それに、サービスを利用している身近な技術者を、実際に行われているように人材登用できるのも利点です。これはオマケ的な利点ではなくて、ソフトウェアの原価はほとんど人件費なので、人材資源が豊富なのは非常な強みだと言えるのです。
だから、アクセスの大半を占めるダイアリー(特にキーワード)とブックマークの二本の大黒柱さえ安定していれば、後は何をどうやっても大丈夫なわけで、会社は株主の物ではありますが、もちろん近藤社長が株の大半を持っているでしょうから、社長の好きにすればいいわけです。ガツガツしなくても回っていくシステムを作った時点で、近藤社長は賢い経営者というか優れた創業者なわけです。
はてなは何がしたいのか
そういうわけだから、たとえ社長が奥さんとしなもんを連れて今年一年温泉巡りに出かけたとしても、不安になる必要はありません。しかしもちろん、近藤社長は志が高いので、安定するだけ――それだけでも普通は難しいのですが――では満足せず、世界に通用するサービスが作りたくて、アメリカに渡ったわけだし、また陣頭で指揮を執るために日本に戻ってきたわけです。
「世界に通用」という高い基準で言えば、世界の壁は厚く高く、確かに今回の件は戦略的撤退でしょうが、もう少し低い基準で言えば、別に会社全体が傾いたり危なくなったりしません。それに、近藤社長があちら側の話をブログに書いたり、梅田望夫センセイがWeb2.0論関連の本を出して何十万部も売れたりして、上手くイメージアップすれば、人材や広告にもつながるでしょう。
新サービスの連続した発表は、新しいことをやりたいというあらわれでしょう。もし本当に困って守りに入るときは、例えばはてブを軽くさえすれば、それだけでアクセスが増えて、かなり効果があると思われます。とにかく、ダイアリー(キーワード)とブックマークさえ健在なら、いくら村民が騒いでも全く関係なく、はてなは滅びず何度でも蘇るのです。
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*1:ただし、土地は保有していられるが、検索順位は頻繁に変わるので、順位が落ちてしまうリスクは常にある
*2:Yahoo! JAPANのトップページを見ても、ロボット検索をメインにしている
*3:ただこれは現状の話で、今後アルゴリズムが変わる潜在的リスクは常にある
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