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萌え理論ブログ

2008-06-24 インフレーション デフレーション ロストジェネレーション

デフレで失われた十年

デフレで失われた十年

インフレバージンな私たち - Chikirinの日記

まとめると、

勝ち組やまじめな人が損をし、

負け組にはあまり関係なくて、

悪い人が得をするかも、

となるわけです。

不適切なまとめ。

九十年代後半からの長期デフレによって、「まじめな人」や「負け組」が損をしてきた。インフレ=物価上昇と単純に捉えているならば、デフレ=物価下落だから良いという単純な価値観になるかもしれないが、実際にはそうではない。いわゆる「デフレ・スパイラル」のように悪循環が生じる。

デフレになっても、金融資産・負債の名目価値は下がらないため、実質的に価値が上昇する。すると、所得移転が起こるし、消費意欲・投資意欲が冷め、資源配分に偏りが生じる。不良債権処理も進まないし、国の債務条件も悪化する。もちろん膨大な借金は問題だが、デフレのままでは解消できない。

また賃金の下方硬直が、企業の債務処理の優先や消費の控えと重なって、リストラや雇用の非正規化という形で社会問題化する。デフレがロスジェネ(ロストジェネレーション)世代を生んだ一因になっていたのである。その雇用環境の悪化が、少子化や自殺などの問題にまでつながっていく。

貯金があるとまじめで、借金があるとふまじめだ、とは限らない。消費意欲や投資意欲が減退し、新規事業が行われないと経済に悪影響がある。そもそも日本人の過剰貯蓄はデフレの一因でもあるだろう。だいたい、いくら個人に貯金があっても、先述のように企業がリストラを促進すれば元も子もない。

ちなみに、長期的に金利も上がるため貯金で損しないはずだ。また、年金には物価スライドがあるので、インフレでは困らない。ただし、2004年の年金改正でマクロ経済スライドが導入され、少子化・高齢化の影響を反映して受給費が抑制される。

「希望はインフレ」か?

これで日本政府がインフレを忌み嫌う理由がわかりますよね。「インフレは、日本で“徳”とされている価値観をぶっ壊す可能性がある」からです。「こつこつまじめに働いて、貯金をする」ということのばからしさを存分に教えてくれる。だからインフレには意地でもしたくない。

日本政府がインフレを過剰に避けるのは、「まじめな人」や「徳」の価値観を守るためではなくて、単に官僚・公務員・資産家などにとってデフレの方が有利だからだろう。そのような政府がデフレを問題視していたわけだから、よほど深刻だったのである。

それでは、これから到来するかもしれないと言われている、インフレが来れば明るい未来になるのか。単純にそうともいえない。というのは、スタグフレーションになる可能性があるからだ。

これから到来すると予測される物価上昇の要因としては、原油価格の高騰、バイオ燃料化による穀物価格の上昇、新興国の需要増加による資源不足、といった要因が挙げられるだろう。これらは日本にとっての外的要因であるため、物価高と不況が同時に来る可能性がある。

実は消費者物価指数では今までさほど物価の値上がりは見られなかった。ただし、技術革新の激しいデジタル製品などが平均を下げており、エンゲル係数の高いだろう「負け組」にとっては、食料品などの値上げの方が痛い。

しかし、それよりも、小売りが本来上がる価格を上げずにリストラで耐えているという側面が大きそうだ。すると消費から労働の方にツケが回っているわけで、単純に物価が上がってないから良い状況だとも言えない。

ところで、たしかに戦争よりはインフレに期待する方が平和的だが、インフレで一発逆転できるとは限らない。借金が有利になるかといえば、長期的には金利も上がるだろう。

かりにハイパーインフレになったとしても、証券・不動産・貴金属・外貨資産などでリスクヘッジができ、早い時期に物資の買い占めもできて、海外にも逃げられる金持ちは生き延びられ、リスクヘッジも何もないその日暮らしの底辺層の方が深刻ではないか。

結論

「前門のデフレ、後門のインフレ」といった感じだが、それではインフレもデフレもどっちもどっちなのだろうか。そんなことはない。金融政策で名目金利はゼロより下げられないため、数%インフレの方がよい。

見た目の物価が低くても、価格調整が機能せず、雇用など他にツケが回っていれば、現実問題として困るのである。したがって、インフレを過剰警戒するより、デフレを脱却する方が先だと思われる。

付論・競争社会は若い方が強いか

国に泣きつく若者達 - Chikirinの日記

普通はね、自由競争に近いほど若い人は有利なはず。たとえば原始社会だったら、若い人は獲物が獲得できるけど、(……)繰り返すけど、規制がないほど、自由主義であるほど、競争主義的であるほど、若い人が有利なはずなんです。(アメリカで若者より中高年が有利なんて誰も思わないでしょ?)

こちらは過去の記事だが、印象で適当なことを言ってないだろうか? 日本の金融資産の8割以上は50歳以上の高齢者が所有している。若年層の貧困はアメリカでも問題になっている。資本主義では資本が多い方が強い。

資本が鍵であるというのは、金融市場が未発達で重工業が産業の中心だった時代(に発達した経済)の理論です。現在では企業を興すのに膨大な資本は必要でないですし、大きな研究費が必要なバイオなどの産業でも、能力のある人にたいして世界中から資本が集まります。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/comment?date=20080426#c

これも適当。過去の資料によると、技術系ベンチャーよりバイオベンチャーの方が、設立時の資本金が多いというが、これは資金調達が困難だからだろう。また技術系よりバイオ系の方が、年齢も高い。これは、大学や公的研究機関で成果が出てからベンチャーを設立するからだろう。

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