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2010-07-13 ノベルゲーム 美少女ゲーム ギャルゲ エロゲ

ノベルゲーム演出の立ち絵と一枚絵での違い2

概要

一般的なノベルゲームでは、立ち絵(+背景)と一枚絵と、グラフィックが2パターンに分かれている。グラフィック・リソースという観点で、その使い分け方を見ていきたい。


グラフィック・リソースとしての立ち絵と一枚絵

グラフィック・リソースの制約
  • 立ち絵
    • 制約が緩いリソース
    • 日常的状況に使われる
  • 一枚絵
    • 制約が厳しいリソース
    • 非日常的状況に使われる

まず、大前提を確認しよう。立ち絵は背景絵と組み合わせられるため、その使用に空間的な制約はない。

対して、一枚絵には背景が描かれているため、空間的な制約がある。さらに、屋外で太陽や月が出ているなど、時間的に制約される場合もあるだろう。

したがって、エロゲの立ち絵とは、アニメのバンクのように、汎用的なグラフィック・リソースだ。繰り返して使われるため、日常の会話のように、反復的なシチュエーションで用いられる。

対して、一枚絵とは、アニメの止め絵のように、限定的なグラフィック・リソースだ。そこで、立ち絵より限定的なシチュエーションに用いられる。

一枚絵は、一回限り使用する場合と、食事シーンのように繰り返し使用する場合がある。繰り返し使用する場合や、差分絵がある場合は、立ち絵の使い方に近い。


グラフィック・リソースの配分
  • 立ち絵と一枚絵の配分
    • 誰に立ち絵を与えるかの配分
      • 立ち絵のポーズと表情差分の配分
    • 一枚絵のシチュエーションの配分
      • 一枚絵の差分の配分

ノベルゲームの制作上、立ち絵はどのようなポーズと表情を揃えるか、一枚絵はどのような状況をイベントシーンにするか、といったリソース配分が重要になってくる。

立ち絵の表情差分の振り分け方は、アニメの動画の割り方やマンガのコマの割り方と似ていて、それがキャラクターの印象を大きく左右するだろう。

またそれ以前に、誰に立ち絵を与えるか、立ち絵と一枚絵のどちらを増やすか、といった問題もある。極端な例だが、メインヒロインに立ち絵がないのでは、プレイヤーも納得しないだろう。

立ち絵と一枚絵の使い分けの基準を示すと、一枚絵にしたら多すぎるものを立ち絵、立ち絵にしたら他に使いどころがないものを一枚絵、と分けると効率的に配分できる。

たとえば、有名な映画の『タイタニック』や『マトリックス』をノベルゲームにしたら、船首で手を広げたポーズを取るシーンや、のけぞって弾丸を避けるシーンは、一枚絵にするところだろう。


グラフィック・リソースの価値
  • 立ち絵
    • 立ち絵自体を閲覧するまでの価値を持たない*1
  • 一枚絵
    • アルバム・回想モードで繰り返し閲覧する価値を持つ

一般的なノベルゲームにおいて、一枚絵を閲覧できるアルバムモードや、本編の部分的にプレイできる回想モードは、今では標準的な仕様だ。

一枚絵のシーンは、アルバム・回想モードに組み込まれる。だから、立ち絵と比べて、何度も閲覧する価値がプレイヤー側にある。

エロゲはエロに価値があるから、Hシーンに一枚絵をあてて、アルバム・回想モードに入れるのは、自然な流れだろう。

逆に言うと、アルバムモードにH画像の割合が少ない場合、エロゲの中でも純愛性が高い。だから、アルバム・回想モードに収録されるイベントは、ジャンルの基準になる。

さらに、アルバム・回想モードのサムネイルを見るだけで、ストーリー全体を思い出せると理想的だろう。プレイヤーが思い出せるということは、一枚絵の配分が偏っておらず、かつ印象的な場面を一枚絵にしているからだ。


グラフィック・リソース用法の実際

グラフィックの使い方には、作品ごとに工夫が見られる。ここで少し実際に見てみよう。

たとえば、アリスソフトの『超昂天使エスカレイヤー』と『超昂閃忍ハルカ』は、名前からうかがえるように、全体的に似たシステムになっている。

だが、『ハルカ』では、一枚絵の上に、顔のアップや断面図など、小さな一枚絵をさらに乗せるシーンがある。通常の差分と違って、マンガのコマ割りのような画面構成*2になる。

『エスカ』と『ハルカ』は、エロゲではメジャーでかつ、比較しやすいので例に挙げたが、Lilithの作品など他でも見かける。

また、ルネの『戦乙女ヴァルキリー』では、回想シーンを自由に選択し、それを組み合わせて連続再生できる*3。音楽プレイヤーソフトの再生リストのようなものだ。

使いにくいという声もユーザにあるようだが、カスタマイズ性の高さは魅力だ。この連続再生タイプの回想は、他にはたとえば、さ〜くるクレージュの作品で見かける。

そして、カットを乗せるのも、連続再生タイプの回想も、グラフィックの作業量をそれほど増やさず、一枚絵の価値を高める手法なのである。


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*1:ただし、立ち絵を閲覧できるモードがあるノベルゲームもけっこう見かける

*2:まあ、それを言い出したら、LittlewitchのFFDシステムに行き着くが、ここではもう少し潰しが利くものを紹介している

*3:後続作品の『戦乙女ヴァルキリーG』にはない

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