高瀬彼方、絶賛して布教中

 はてなキーワードの「高瀬彼方とは - はてなキーワード」によると、一シリーズも完結していないことになっている*1ライトノベル作家がいる。涙目なので、彼の書く作品が大好きなので、是非紹介したい。いや、する。
 公式サイトである‚Ç‚¤‚É‚©‚±‚¤‚É‚©‚â‚Á‚Ä‚Ü‚·をちょっと見て欲しい。3月22日付けの日記だ。「再デビューはまだか?」という質問に対し、むしろ僕が泣くぞ!? 高瀬彼方はかなり丁寧に書く作家なので、遅筆なのは当然だと思う。思うんだが出版されないのはきつい。というか出版できるか? という不安が常に付きまとっているのがきつい。だからみんな高瀬彼方の作品を買ってください。続き読みたいんです。女王様シリーズが新装版で発売されて、続きが書かれるようになるまで布教活動を続けます。感じるものがあった人は協力してください。

高瀬彼方作品の魅力

 高瀬彼方作品に奇抜さ、というのはあまりない。スマートでもないし、垢抜けてもいない。売れそうな要素もあまり見当たらない。
 けど彼の作品は飛びぬけて魅力的だ。成長物語を基調にした、ジュブナイルライトノベルの間くらい、そんな表現の似合う作品が多い。そしてそれを、実直に、丁寧に、良心的に書かれている。
 こういった「素朴さ」というのは、最近のマンガでもライトノベルでも、売れなくなる原因にすらなる。けれど、そういった作品こそ、多くの人に是非読んで欲しいのだ。これは教育的な意味とか、社会のためになるとかそういう意味ではない。そういった素朴さは、一つの媒介を縮小再生産に向けるのと、全く逆の力を感じるからだ。

作品全体における力学的感覚

 ストーリーテラーとしての高瀬彼方の魅力は、収斂させる力にある。以前書いた記事で、武士道について書いたことがある。記事の内容は「武士道というのは、一つの人生が丁度円錐の周りで螺旋を描きながら、一点に収斂していく様だ」というものだ。これは感覚的な力の流れとして認識して欲しい。
 それが少年漫画的、戦いと成長という物語に適応される。物語の流れ=ストーリーにかかる力が、終末へ向けて一転へと収斂させる。それがとても美しく力強い輝きを放つ。
 僕は彼以上に収斂させる力を持つ人をしらない。それはマンガや文学、あらゆるジャンルにおいてだ。これは最早独創性、作家性というものになっていると思う。
 その力を感じてみたいと思う人は、是非手にとって欲しい。そして買って欲しい。金を持っている人は20冊くらい一気に。

 完結した作品。こちらで紹介しました。
カラミティナイト (ハルキ文庫)

カラミティナイト (ハルキ文庫)

 続きが出るかわからない作品。暗灰色のストーリー。
女王様の紅い翼 (講談社ノベルス)

女王様の紅い翼 (講談社ノベルス)

魔女たちの邂逅 (講談社ノベルス)

魔女たちの邂逅 (講談社ノベルス)

 続きは……。大好きなんだけどなぁ。
天魔の羅刹兵〈一の巻〉 (講談社ノベルス)

天魔の羅刹兵〈一の巻〉 (講談社ノベルス)

天魔の羅刹兵〈2の巻〉 (講談社ノベルス)

天魔の羅刹兵〈2の巻〉 (講談社ノベルス)

 続きは……。戦国時代とロボット物、なんというか混沌としている。

*1:07年10月22日現在